朝井リョウのレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
『何様』
採用担当として、この本は見逃せなかった。
社会人3年目、これまで勤めていた部門から異動して採用担当となり、配属されてたった3ヶ月で人の人生を決める面接官となった。
会社のことは知っている。けれど、自分が学生のことを評価していいものなのか。この葛藤を今でもふと思い出す。
多くの学生は、中学、高校と目の前に一直線に敷かれた道をただひたすら走る。
そして大学で自身の道をいくつも枝分かれさせながら、大きく広げていく。
そんな矢先、目の前の道は霧で覆われ、
「自己実現のゴールは?」などと聞かれ、否が応でも自分の人生を振り返りながら霧を晴らせないといけない。
無理やり道を開けようとしている学生 -
Posted by ブクログ
本家、世にも奇妙な物語のテーマ曲が頭の中に流れてくる1冊。
イマドキのシェアハウス事情をリサーチしたかっただけなのに…。「シェアハウさない」
コミュ力を判じられる世界。それでも私は…。「リア充裁判」
主人公になりたいこどもばかりじゃない。親の願望とこどもの気持ちの板ばさみ「立て! 金次郎」
ネットニュースの是非と息子の無邪気な眼差し「13.5文字しか集中して読めな」
誰が有名劇作家の新作舞台の主役を勝ち取るのか?「脇役バトルロワイアル」
シェアハウさない、はオチが読めましたが、後の4作はラストのどんでん返しが痛快!
「リア充裁判」と「立て!金次郎」は、真面目に頑張れば報われるラスト -
Posted by ブクログ
本書を読んでいく中で、自分が社会人として生きていく上で励まされた言葉。
ー本気の1秒ー
「この仕事やだな〜辞めたいな〜」とか思ってしまうことも私は最近あるのだが、思い返してみると、少し順調に仕事が進んでいる時は、一瞬よしやるか!って気持ちになる。その後は嫌だという気持ちが勝ってしまうのだが、、、。
しかし、その一瞬頑張ろう!という思いを大切にしてあげて、つまらなくてもやる気が出なくてもその「本気の1秒」を守るために、全力で頑張ってみる。そう思うと、自然と心が軽くなる。社会人生活に疲弊することもあるけれど、この自分の「本気の1秒」を大切にして、生き抜いていきたいと思った。
-
Posted by ブクログ
高校受験も大学受験も就活も、自分が1番幸せでありたいことの逆側は、みんな自分よりは不幸であってほしいことであったし、
働いて何年も経った今も職場でそう思っているから
自分の腹の中を言い当てられたようだった。
組織の業績でも成果につながった決め手は自分でありたいという考えから抜け出せないから、同僚は自分がのし上がるための仲間だと思っているし、
のし上がるには清い心なんて持っていられないだろと思ってしまう。
助けてもらっても、自分を助けたことがこの人の成果になるのかと思うと、チャンスボールを渡した気持ちになって悔しいから自分でなんとかする道を選ぶ。
大学受験は学力次第だったから諦めるしかなかったけ -
Posted by ブクログ
30過ぎて初めて読んだ。チャットモンチーを聴いていた高校時代やラッドウィンプスが好きな友達カップルがとても懐かしく感じられる。
振り返ってみれば学校という場所は本当に窮屈だった。上と下があった。転校して、はぶられないように悪口を言った。それが居心地悪くなって、クラス替えを気に違うグループと遊ぶようになった。それでも行動したらあの子からどう思われるかな、とがんじがらめになっていた。
改めて朝井さんはその「時」を閉じ込めるのが上手いし、リアルだし、生々しいと感じた。
桐島が部活をやめたことでみんなの生活が少し変わる、もしかしたら大きな変化をもたらすのかもしれない、おもしろい構成だった。
登場した -
Posted by ブクログ
ネタバレ多くの読者が主人公・拓人のSNS裏アカウントに自意識を刺されて悶絶する中、私は別の登場人物に、目を背けたくなるほどのシンパシーを抱いていた。口先だけで「クリエイティブな活動」を気取り、就活のシステムを冷笑する隆良だ。
かつて、私にも「放送作家になりたい」と本気で願った時期があった。「なぜ皆と同じタイミングで、同じリクルートスーツを着て、人生の仕事を決めなきゃいけないんだ」と社会を斜に構えて見ていたあの頃の感覚。それは、何者かになりたい人間の、ただの言い訳だったのだと今ならよくわかる。
私たちは、中学生から高校生、高校生から大学生へと進む中で、新しい肩書きを与えられるたびに、中身の足りない自 -
Posted by ブクログ
《摩擦を失ったこの時代に、どう自分を形作るのか》
読みたいリストから手に取った。
植物状態のまま病院で眠る智也と、献身的に見守る雄介。
二人を取り巻く人達から徐々に浮かび上がる真実とはー…?
大人の子どもに対するあらゆる善意が、子どもにとっては安全で優しい環境である反面、あらゆる経験まで先回りして取り除かれ、結果それが生きづらさに繋がる。
「痛みを減らすこと」「生きる力を奪うこと」の境界線って難しい。
暴力やいじめはもちろん減った方がいいけれど、人間が「自己」を作るには人間関係で生まれるある程度の痛みや摩擦は必要なんだな、と感じた。
読みながらユニバース25を連想してしまったり、これって