朝井リョウのレビュー一覧
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"水曜日の南階段はきれい"
このタイトルを見ただけで、直感的に絶対に私が好きなストーリーだと思った。本作も、母が勧めてくれたのだが、「光太郎が好きになるのも分かるっていう初恋相手のお話があるよ」と言われていたので楽しみにしていた。初めは、いかにもフィクションの世界にしか存在しないような女の子だと思った。屋上につづく踊り場付近の窓の掃除を1人でしている儚い子。そんな印象だった。2人のやりとりが微笑ましいなと口角が徐々に上がってきた矢先、終盤では突然ボロボロと泣いてしまった。自分でもびっくりするほど泣いた。私も夕子のように、人に夢を語ることはあまりしない。するとしたら、だいぶ -
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生きがいとは何か?
誰かと比較して、競い合っていかないといけないのか?
そもそも、生きがいってないといけないものなのか?
自分以外の人間と共存しなければならないこの世の中で、自身の存在価値を確保するために揺れる気持ちがいろんな視点から描かれていた。
個人的には、雄介のような感覚は多少昔はあったのかもしれないけれど、今は全くと言っていいほど薄れてしまっていて、作品の大きな波に乗れなかった気がする。
ただ、最後に智弘が語っていた、人の持つ歴史を…の部分は、お互いの違いを受け入れて共存していくために必要な考えだし、それこそが平和的共存の第一歩ではないかと思った。 -
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親に頼り、依存することが当たり前であるはずの小学生時代。しかし、本作に登場する子どもたちは、さまざまな事情から家族と離れ、施設という場所で暮らしています。彼らは幼くして「自立」を余儀なくされ、逃れられない運命と対峙しながら、懸命に自分の足で立とうとしています。その姿には、胸を打たれるようなたくましさがあります。
物語のなかで、それぞれに深い傷や問題を抱えた4人の子どもたちが、自分たちで立てた計画を協力して実行に移す場面は、まさに彼らの精神的な成長の証と言えるでしょう。
結末として、彼らは別々の道を歩むことになります。しかし、施設で共に過ごし、もがいた経験こそが、これから広がる真っ白な世界地 -
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つい先日「イン・ザ・メガチャーチ」が本屋大賞を受賞した朝井リョウさん。19歳の時に発表したデビュー作においても、読み手を引き込む文章の腕はさすがです。
読んでいて身につまされたのは、学校の中における「上」の人と「下」の人という、生徒たちの格差の描写でした。
おじさんになった今でこそ少し距離をおいて眺めることができるものの、10代の頃にこれを読んでいたら直接的に感じてしまう部分が多く読み通せなかったかもしれません。
とはいえ、登場人物の中で「上」とされるグループの宏樹と、「下」のグループの涼也の、当事者それぞれの視点から語られる格差の対比というものが、この作品の一番おもしろいところだなと思い -
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ネタバレ『何者』のアナザーストーリーであり、正直前作を知らないと掴みどころがなく面白くないと思う。私が『何者』を読んだのは何年も前のことですっかり記憶になく、あらすじや登場人物を調べながら読んだ。
以下、印象に残ったエピソード。
「きみだけの絶対」
生きづらさを抱えている人に寄り添いたいというギンジ(主人公の叔父さんで作家)の話を聞いて。
“叔父さんが何かを差し出すことができているとして、その相手は、土日にきちんと自分の時間を持つことができて、この舞台を観に行くお金と身体の使い方ができる、本当にごく一部の人だけだ。”
「むしゃくしゃしてやった、と言ってみたかった」
友人に正しい姿しか見せたことがな