朝井リョウのレビュー一覧
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海が見える街に住む一家が、「家族」を卒業するまでの物語です。一年前に父を亡くした六人兄弟それぞれの目線で、大好きだった父の死を乗り越えていきます。朝井リョウのわりと初期の作品。爽やか青春小説で、朝井氏作品の特徴であるドロドロした心の闇描写はないものの若者の事象表現の鮮やかさはこの頃から発揮されていたようです。
ライフステージが変わり実家を出る兄弟たち。家族を繋ぐ家族経営のカフェがなくなり、「家族を卒業」しても、家族の「輪」は繋がっているということを、父によるちょっとした「仕掛け」で実感します。
それがわかるタイミングにちょっとシラけてしまったけど朝井リョウ作品はこれからも追っていきたいです。 -
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鎌倉市の市電がはしり、海が綺麗な街の、住む、海が見える喫茶店経営の母と四人の兄弟の学生時代の日常の風景の心温まる小説。
雨から身を守ることを【雨やどり】っていうだろう。だから、今にも落ちてきそうな星の光を受け止めるための【星やどり】。
浜電、アジサイ、海、ここは鎌倉か?
三男三女母ひとり、早坂家、ハヤサカ
母、律子、純喫茶「星やどり」経営者、亡くなった父、星則
長男 光彦 、大学四年生、就活中、家庭教師、生徒あおい
三男 真歩 、小学六年生
二女 小春 、はる姉、彼氏あり
二男 凌馬 、高校一年生
三女 るり 、「るり姉」高校生、小春と双子、部活無し、喫茶手伝
長女 琴美、家の女帝、百貨店で販売員、
夫孝史、警察官交番勤務
遠藤、吉田あおい、凌馬の同級生
1.「長男 光彦 」
「そういえば! 小春!」 のりトーストが二枚載った皿を光彦に渡しながら、琴美が小春を睨んだ。
小春は、琴美の夫である孝史のことをくん付けで呼ぶ。るりはさん付けで呼ぶ。
宝石店で働くしっかり者の二十六歳、琴美。大学四年生で彼女なし、俺光彦。いつでもどこでもうるさい高三、双子の姉の小春。姉とは対照的にいつも落ち着いている高三、双子の妹のるり。童貞爆発の高一、凌馬。首からカメラをぶら下げている大人びた小六、真歩。そして、純喫茶「星やどり」をほとんど一人で切り盛りしている母、律子。
部活をしていないるりは、放課後はたいていこの店を手伝っている。彼氏と遊びにばかり行っている小春とは大違いだ。
喫茶「星やどり」の常連さんはブラウンおじいちゃんと史郎伯父さん
あおいは、るりや小春と同じ高校だ。つまり、凌馬の同級生でもある。
2.「三男 真歩 、小学六年生」
「ごめん、ハヤシくん、もう授業始まるからどいてくれない?」
ここ一応私の席なんだよね、と、隣の席の冨田唯が言った。
授業が終わると、文集委員は校門に集合した。 「ふう。そろったわね」 冨田とシホチャンは同じ色のピン留めを同じ位置にしている。
連ヶ浜駅すぐの商店街、かつら屋の右隣の「プリントショップカワセ」は、真歩が生まれたときからこの場所にある。
そのカメラマンは大和と名乗った。名字なのか名前なのか分からなかったが、真歩もハヤシも「大和さん」と呼ぶことにしたようだ。
3.二女 小春
舞と千草にはバイトのことを相談しなかった。何カッコ悪いことしてんの小春ー、って、楽しそうに笑う二人が想像できるから。
高校のふたつ先輩だった佑介は、今は都内にある私立の音大の二年生だ。
十二月十二日。父の命日。父が死んだのは、小春が中学二年生のときだった。あの夜は、雪の白と病院の白が重なって、世界がふりだしに戻ったように見えた。
4.二男 凌馬
「陸上部。高体連県予選百メートル二位、松浦ユリカ」
5.三女 るり
「星やどりって店名、雨やどりにかけてんのか。そんで、こっから星を見られるわけね、すごいすごい、こんなのデートスポットじゃん」
6.長女 琴美
「あの!」小春が立ち上がる。「そのミュージシャンの名前、教えてもらってもいいですか?」 そこで初めて、女性客二人の声が重なった。 「【ユウスケ】です」
母、律子から時計回りに、琴美、光彦、小春、るり、凌馬、真歩。父、星則が繫ぎたかった家族の輪。自分がいなくなってしまう前に結びたかった、世界でたったひとつの輪。
「もう、【星やどり】の役目も、終わりにしていいよね」
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東京ではない海の見える町で、亡くなった父の遺した喫茶店を営むある一家に降りそそぐ奇蹟。若き直木賞受賞作家が、学生時代最後の夏に書き綴った、ある家族が「家族」を卒業する物語。 -
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就活が佳境になり、手に取った。
私は、完全に落ち込んでいる。
光太郎の話が好き。The 青春って感じで。こんな青春私にはなかった。
遠くからでも誰かを応援したり、大切に思ったり、忘れられなかったり。
無理に忘れる必要はないと思う。その思い出が私の心を支えてくれると信じているから。
それに固執するのは良くないけれど、前を向けるならそれでいいと思う。
二人組が作れない。それはわかるう、、、と思った。
私はずっと、みんながうっすら自分を嫌っていると思っていたから。
自分を好きになれない人は相手からも好きになってもらえないと最近気づいた。
初めから、相手を疑ってかかってはいけない。寛大な心でいたい。
どんな人も、私を嫌っていないと信じる。信じるだけは、自由。 -
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朝井リョウらしい、大学生の日常を詰め込んだような連作短編。
こういうモラトリアム的なものを経験した人には刺さるかな。
短編は関係ないようで実は全部繋がっている一つのお話。一つ目のひーちゃんを読んだ時点ではなんだこれ?という感じ。
それぞれの話で登場人物が入り乱れて、注意してないと誰がどれだかわかんなくなる。
双子の話とダンサーの話が印象に残った。(というかそこに向かって話が進んでいる感じ)
どちらも明るい話とは言い難い。主人公は思い悩みもがいている、卑屈で陰気な内面。
最後は吹っ切れるのだけど、ダンサーはやらかしがデカいので兄が可哀想だった。 -
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『何様』
採用担当として、この本は見逃せなかった。
社会人3年目、これまで勤めていた部門から異動して採用担当となり、配属されてたった3ヶ月で人の人生を決める面接官となった。
会社のことは知っている。けれど、自分が学生のことを評価していいものなのか。この葛藤を今でもふと思い出す。
多くの学生は、中学、高校と目の前に一直線に敷かれた道をただひたすら走る。
そして大学で自身の道をいくつも枝分かれさせながら、大きく広げていく。
そんな矢先、目の前の道は霧で覆われ、
「自己実現のゴールは?」などと聞かれ、否が応でも自分の人生を振り返りながら霧を晴らせないといけない。
無理やり道を開けようとしている学生に対し、どう向き合えばいいのだろうか。
この本は、そんな学生たちの「本気の1秒」を見つけるべきだと教えてくれた。「過去にこんな経験があったからこの会社に入れば自分のゴールが達成できる」と何物にでもなりきれる人だっている。
もちろん心からそれが伝われば、それが本気の1秒だ。
しかし、この会社に100%擬態しなくなっていい。向いてる方向が何だって、誠実に、何かを伝えること。
これを真摯に受け止めることを、大切にしていきたい。 -
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本書を読んでいく中で、自分が社会人として生きていく上で励まされた言葉。
ー本気の1秒ー
「この仕事やだな〜辞めたいな〜」とか思ってしまうことも私は最近あるのだが、思い返してみると、少し順調に仕事が進んでいる時は、一瞬よしやるか!って気持ちになる。その後は嫌だという気持ちが勝ってしまうのだが、、、。
しかし、その一瞬頑張ろう!という思いを大切にしてあげて、つまらなくてもやる気が出なくてもその「本気の1秒」を守るために、全力で頑張ってみる。そう思うと、自然と心が軽くなる。社会人生活に疲弊することもあるけれど、この自分の「本気の1秒」を大切にして、生き抜いていきたいと思った。