朝井リョウのレビュー一覧
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「桐島、部活やめるってよ」があまりにも有名な著者・朝井リョウ。
これまで本や映画で触れることはあったものの、そこまで機会は多くはなかった。
ふと知ったのだが、著者とは同じ大学。しかも3つ年下とはいえ、同じ期間に大学に通っていた様である。これを知ったら俄然興味が湧いてきて「ゆとりシリーズ」とも呼ばれているエッセイ集、その第一弾を早速読んでみた。
結論、ただただ面白い。大学時代ってホントこういう無駄なことばっかやってたよなぁと懐かしさがこみ上げてくることこの上なく、何よりその語り口がおもしろい。書き方によっては、ただのつまらない学生のmixi日記になってもおかしくないのだが、そう感じさせない著者のテクニックというか表現には驚くばかりだ。さらけ出すなんてレベルを超えてさらけ出してしまっていて、本当に読んでいて清々しい気持ちになる。
加えて、話題にも出てくる学祭や100キロハイクにも馴染みがあることもあって、さらに何割増しかでおもしろかった。
何も考えずにただ頭をからっぽにしたい人におすすめの本である。また、どう頑張っても笑わずしてこの本を読むことは難しいので電車等での読書はおすすめしない。 -
Posted by ブクログ
★4.0
ありきたりなストーリー、予想が容易なラスト、それでも読み終わった後に泣きそうになってしまったのはなぜなのだろう。
考えてみて、きっと気付かないうちに、私も「青葉おひさまの家」の一員になっていたのだろうと思った。
他のメンバーと一緒に学校へ行って、夜に隠れてお菓子を食べて、気軽に相談できない出来事が起きて、一緒にランタンを作って、、。
彼らはただ同じような境遇から同じ施設に住む他人ではなくて、間違いなく家族だった。そんな家族の一員に私もなったような気がしてしまった。
最後は全員離れ離れになってしまう。悲しいけれど、彼らならきっと大丈夫だろう。一緒に過ごした宝物のような日々を、また過ごせる日が来る。施設に入った日から一回りも二回りも大きく強くなった彼らなら。そう願わざるを得ない。 -
Posted by ブクログ
8つのアンソロジーからなる作品。正直アンソロジー作品は多少はハズレがあるが、この本はそれがなくどれも当たりだなと思った。朝井リョウが大好きなので気になって買ったが、他の作家も良い作品だったのでこれを機会に読んでみたいなと思う。
各ページ冒頭の間取り図も見ていて楽しい。
1話目
◎朝井リョウ「それでは2人組を作ってください」
どうしてこんなに女子心がわかるんだろうと思うくらい、人の心の繊細さや機微を感じ取るのが上手だなと改めて感じた。『何者』を読んだことのある人だと余計楽しいと思う。朝井リョウ大好きすぎる。
2話目
◎ 飛鳥井千砂「隣の空も青い」
韓国出張に行く前と行った後の、主人公の心の変化がポジティブな形で細かく描かれていて良かった。高畑は帰国後、香奈とともに過ごしていくこの先の未来のために、同棲やお互いの国に対する考え方や抱えている思いを話し合うんだろうなと明るい気持ちになった。
3話目
○越谷オサム「シャイニングニー」
夢を追う男女が最後自分の道のために別れてしまうのはよくある設定だが、それが爽やかでお互い明るく吹っ切れたラストだったのが良かった。
4話目
◎ 坂木司「女子的生活」
小川さん(くん)が自分の性に対して自信と誇りをもって楽しく生きている姿が素敵だったし、部屋に転がり込むことになった後藤くんもいい意味で気を遣わなく気が回らないので、この2人なら自分たちらしく生活していくんだろうなと思った。小川さんが後藤くんに文句を言いつつも、後藤くんが気にしないで「でもこれも良いじゃん?」と笑顔で言ったことに「まぁしょうがないこれも良しか」となってる未来が見えて微笑ましく思った。
5話目
△徳永圭「鳥かごの中身」
これが一番平凡だったかも。多少抱いた同情で、隣のよく知らない子どもを無責任に勝手に預かって世話をするのはどうかと思った。よくあるテーマ説定感が否めなかった、、ななかちゃんは素直でいい子なんだと思った。
6話目
○似鳥鶏「十八階のよく飛ぶ神様」
SFと神話を盛り込んであるのに、厨二感がなくサラッと楽しく読めた。ミニどんでん返しがあるのも良かった。
7話目
○ 三上述「月の砂漠を」
戦争や昭和の文化観を感じながら読んだ。亡くなった大事な人が同じ男女が共に、そのつらさや思いを抱えて支え合って生きていくためには、時間と深い愛情と話し合うことが必要なんだと思った。
8話目
◎ 吉川トリコ「冷やし中華にマヨネーズ」
毎日一緒に過ごし、特別なことはしない。だらだらとつき合っているが、無意識化でかけがえのない存在だと感じる。結果的には別々の道を歩むことになったが大丈夫、やっていけるはずだと思った。リアリティがあって良かった。 -
購入済み
ドロドロ、というよりは人がみんなどっかで抱えている感情だと思いました。
なんだかんだ言っても、最終的に一歩踏み出す主人公たち。
読み終わた後はさわやかな気持ちになれます。
複雑な感情を抱える主人公たちはみんな女性ですが、ところどころに男のずるがしこいところや
何とも言えない不気味なノリが表現されていて、結果物語がよりリアルに感じました(笑)
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購入済み
革命
残酷なまでに緻密な心理描写。
目を背けたくなるのは,誰しもその嫉妬心や傲慢さに,心当たりがあるから。
もがき苦しみながらも前進していく過程に逞しさを感じた。 -
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*それでは二人組を作ってください(朝井リョウ)
姉とルームシェアをする大学生のリカ。小さい頃から二人組を上手く作れず、今回姉が婚約者と同棲するために出ていくことになって、友達の智美をルームシェアに誘おうとするが…
きっと女性なら必ず感じる、「二人組を作る」イベント時に感じる不安を上手く表現されていた。後味はすっきりしない感。
*隣の空も青い(飛鳥井千砂)
同じ会社の男性先輩と急遽、韓国出張に行くことになった男性主人公。宿泊するホテルの部屋が手違いでダブルの部屋で。。
国問題も少し表現されていて、でも希望が見い出せる素敵なお話だった。個人的に飛鳥井さんのファンなので読めてよかった。
*ジャンピングニー(越谷オサム)
プロの漫画家を目指し睡眠を削り死にものぐるいで生活する智美とチャンスを掴みそうなプロレスラーの彼氏との同棲生活。
*女子的生活(坂木司)
東京でともちゃんとルームシェアして女子的生活を送るミキ…
少しだけミステリチックになってて面白かった!
*鳥かごの中身(徳永圭)
ひょんなことから小学生のななかを預かることになった主人公のお話。
*十八階のよく飛ぶ神様(似鳥鶏)
突然、神様と敵が現れるお話。敵から身を護ってくれるという神様と数日同居をするが…
*月の砂漠を(三上延)
大正、昭和時代の夫婦の話。その時はまだ珍しいモダンなアパートメントでわずらわしい規則にうんざりして生活する八重のお話。
*冷やし中華とマヨネーズ(吉川トリコ)
13年近く同棲をする恋人の物語。
アンソロジーの最後に相応しい、少し切なくでも明るく前を向ける作品でした。 -
Posted by ブクログ
親に愛されないということ、早くに親を失うということががどれだけ子供にとって影響力をもつかを改めて考えた。
大人になる前の自分にとって、自分にとって両親は自分を守ってくれるものであり絶対的な信頼をできる大人だったことを思い出した。もしそうでなかったなら、どれだけ心細い思いをしたのだろう。
いじめという問題について、どれだけ努力してもいじめる側は変わらないという現実について描写されていたことが印象的だった。
純粋な大輔の佐緒里への思いはとても美しい。どんなに苦しい境遇の中でも、自分を支えてくれた人を失いたくない気持ち、自分がどんなことをしても夢を叶えてあげたいという強い思いは印象的だった。
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購入済み
今を切り取る
朝井リョウ先生の作品は「今」を切り取るのがとてもうまいと感じます。
この作品の中で特に共感したのが、「自分の中にいる複数の自分」です。
アイドルとしての自分、1人の女としての自分。どちらも同じ自分なのに、それが共立することを世間は認めてくれない。
価値観が多様化する現代、自分でさえ1つにまとまってくれない「今」の若者が描かれているのではと感じました。
朝井リョウ先生の作品が好きなのは、その今のところ答えが出ていない「今の問題」に答えの例を提示しているところ。
それが綺麗事でも理想論でも予定調和でもなくて、1人の人間の決断であること。
生きにくい現実を生きるヒントを与えてくれます。 -
Posted by ブクログ
元ネタのアイアムアヒーローを読んだことも観たこともないのですが、好きな作家さんが多かったので手に取ったら個人的にはあたりのアンソロジー。
朝井リョウくんの話もさみしい青春、恋愛小説ですき。いじめっ子と人気者と一匹狼的なこのカースト。
藤野可織さんの話も久しぶりに読んだけどよかったな。やっぱりさみしい。仲間内って難しい。
最高だったのは佐藤友哉、島本理生夫婦の合作。こんな豪華な作品が辞めるなんて…!!! よかった、かなりよかった。引きこもりと心に傷を負ったシスターの話でよかった
全部にもちろんゾンビのような感染症の元ネタの設定が絡んでいるのですが話を知らなくても面白かったです