朝井リョウのレビュー一覧
-
購入済み
革命
残酷なまでに緻密な心理描写。
目を背けたくなるのは,誰しもその嫉妬心や傲慢さに,心当たりがあるから。
もがき苦しみながらも前進していく過程に逞しさを感じた。 -
Posted by ブクログ
*それでは二人組を作ってください(朝井リョウ)
姉とルームシェアをする大学生のリカ。小さい頃から二人組を上手く作れず、今回姉が婚約者と同棲するために出ていくことになって、友達の智美をルームシェアに誘おうとするが…
きっと女性なら必ず感じる、「二人組を作る」イベント時に感じる不安を上手く表現されていた。後味はすっきりしない感。
*隣の空も青い(飛鳥井千砂)
同じ会社の男性先輩と急遽、韓国出張に行くことになった男性主人公。宿泊するホテルの部屋が手違いでダブルの部屋で。。
国問題も少し表現されていて、でも希望が見い出せる素敵なお話だった。個人的に飛鳥井さんのファンなので読めてよかった。
*ジ -
Posted by ブクログ
親に愛されないということ、早くに親を失うということががどれだけ子供にとって影響力をもつかを改めて考えた。
大人になる前の自分にとって、自分にとって両親は自分を守ってくれるものであり絶対的な信頼をできる大人だったことを思い出した。もしそうでなかったなら、どれだけ心細い思いをしたのだろう。
いじめという問題について、どれだけ努力してもいじめる側は変わらないという現実について描写されていたことが印象的だった。
純粋な大輔の佐緒里への思いはとても美しい。どんなに苦しい境遇の中でも、自分を支えてくれた人を失いたくない気持ち、自分がどんなことをしても夢を叶えてあげたいという強い思いは印象的だった。
-
Posted by ブクログ
桐島や何者の朝井リョウさんとビブリアの三上さんに惹かれて購入。自分の中ではキャラ文芸と小説の間くらいを攻めているというイメージの新潮文庫nexってこともあって読んでみたけど、まさしく印象の通りだった。
小説というカテゴライズがしっくりくる話から、これはもはやラノベだろって言いたくなるような話まで盛りだくさん。どれもこれもきっと作者の個性がありありと出ているに違いない。最初から最後まで様々なメニューを楽しめるお店に入ったような感じでした。個人的には「それでは二人組を作ってください」「ジャンピングニー」「月の砂漠を」「冷やし中華にマヨネーズ」の4作がお気に入り。
こういうアンソロジー系って、作家さ -
Posted by ブクログ
初めて本でこんなに笑った。
文字の羅列に吹き出して笑うなんて思ってもいなかった。
この本は言ってしまえば作者の大学時代のエピソードをただ書いただけのものであり、当時の作者の態度や考え方は作者特有のものではなくおそらく全大学生に共通していることだと思うのだが、
「自分にはこんな面白いエピソードはあるのか」
「自分は今までなにしてきたのか」
と思ってしまうぐらい些細なことでもとても愉快に書いていて、コメディ要素がたっぷり詰まった本だった。
この作者がすごいと思ったのは面白おかしく書けるのもそうだが、そのときの情景や自分の感情を細かいところまで覚えており、再現できているところだと思う。自分にも心に -
購入済み
今を切り取る
朝井リョウ先生の作品は「今」を切り取るのがとてもうまいと感じます。
この作品の中で特に共感したのが、「自分の中にいる複数の自分」です。
アイドルとしての自分、1人の女としての自分。どちらも同じ自分なのに、それが共立することを世間は認めてくれない。
価値観が多様化する現代、自分でさえ1つにまとまってくれない「今」の若者が描かれているのではと感じました。
朝井リョウ先生の作品が好きなのは、その今のところ答えが出ていない「今の問題」に答えの例を提示しているところ。
それが綺麗事でも理想論でも予定調和でもなくて、1人の人間の決断であること。
生きにくい現実を生きるヒントを与えてくれます。 -
Posted by ブクログ
元ネタのアイアムアヒーローを読んだことも観たこともないのですが、好きな作家さんが多かったので手に取ったら個人的にはあたりのアンソロジー。
朝井リョウくんの話もさみしい青春、恋愛小説ですき。いじめっ子と人気者と一匹狼的なこのカースト。
藤野可織さんの話も久しぶりに読んだけどよかったな。やっぱりさみしい。仲間内って難しい。
最高だったのは佐藤友哉、島本理生夫婦の合作。こんな豪華な作品が辞めるなんて…!!! よかった、かなりよかった。引きこもりと心に傷を負ったシスターの話でよかった
全部にもちろんゾンビのような感染症の元ネタの設定が絡んでいるのですが話を知らなくても面白かったです