朝井リョウのレビュー一覧
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ネタバレ
男性の孤独がテーマでもあったようだが、自分の父は職場で趣味の友達がいるから寂しそうには見えない。母親の方がむしろ、一人で完結する趣味しかないから友達もいないし心配だなあと思っているので、あまり共感はできなかった。
とはいえ、自分の子供が、身の丈に合わない金額を積みたくなるほど何かに入れ込んでしまっていたら、親として何ができるんだろう。と考えさせられた。
今の時代、推し活だけじゃなくて作品にも出てきたゲームとか、中毒になりやすいものはたくさんある。のめり込む前に気づいてあげたいなあ。でもやっぱり、物語を重要視する国見が言う通り、「自分自身を使い切らせてあげる」ことをしないと、結局不完全燃焼に -
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作者の考えてること、問題意識などテーマはよく分かった。
ただ「朝井リョウさんが考えること」を登場人物の口に乗せているように強く感じてしまって、あまり入り込めなかった。
小説なんだから当然なんだけどね。
ハナについてしまったというか。
推しがいたこともないので、推し活動の先鋭化や陰謀論へハマっていく様子に共感はできなくても納得してしまう展開ではあった。
特に久保田慶彦の孤独と男性同士のケアのあたりを男性作家がここまで表現するのはさすが朝井リョウさんと言うしかない。
「どの角度から見ても間違いなく本質的に正しい答えなんて、どこにもない」
だから宗教戦争は起きる。
飢餓や環境問題、人口爆発。
視 -
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私自身がアイドルに全く興味がないためか、あまり没頭できず終始イライラしながら読んでしまいました笑
登場人物たちに全然魅力を感じられず、それぞれの嫌な部分や精神年齢の幼さばかりが目に付いてしまいました。
そもそも登場人物たちはまだ高校生くらいの幼い子どもたちなので、心が未熟でも当然ではあるのですが…
でも「アイドル」という職業に就いているにも関わらず、プロ意識に欠ける行動には辟易してしまいました。
仮にもお金をもらって仕事をしているのですから、それ相応のパフォーマンスをする責任があると思います。
「アイドル」の恋愛禁止というルールについて言及する気はありません。
様々な考え方と価値観があると思い -
Posted by ブクログ
桐島、部活やめるってよ ★3.3
有名やったから気になってたやつ、ようやく手を付けた。
とある中学校のクラスの生徒それぞれの視点を描いた話。いわゆる陰キャラ、陽キャラの人たちが互いにどう思い合ってるかが面白かった。映画部の陰キャの生徒は陽キャとはかかわらないようし、女子からもバカにされるが映画にのめりこんで楽しんでいた。一方、特にやりたいことの見つからない陽キャの一人は実は好きなことがあってそれに夢中になれている映画部のクラスメートを羨ましく思っていたりするのも面白かった。中学、高校時代はそのコミュニティが全てみたいな感じがするのが懐かしく感じた。大人は学生に対して「何にでもなれる。自由だ。」 -
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ネタバレ同性愛者だということを隠して生きている30代男性の生き方を、生殖器である「私」が語る話。
星3.5くらい。面白かったけれど、少し説教くさく感じるところなどがあり、「あーこれTwitter(現X)でよく見るやつ」というような身も蓋もない感想が何回か出てきてしまった。私がツイ廃なのが悪い。
語り口調なのでaudibleととても相性が良く、さくさくと読み(聞き)進められました。ヒトではない「私」視点の話の進み方も斬新で面白かったです。
終着点はどうなるんだろうと思っていたのですが、会社の上司や元後輩や同僚たちの監視カメラ個体たちから「もしかして」の疑惑を解消させないまま、主人公が主人公なりの“ -
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「自由と言われて嬉しいのは、その中でお揃いにしたくなる友達がいるから」
今作のベスト・オブ・心に残ったワード
「ドリンクバーくらいすぐ命注ぐ」
人生で初めて、小説読みながら声出たワード
死ぬまでの時間に役割が欲しいだけ、死ぬまでの時間に意味がないと不安でたまらない、だからいつも何かと戦って命を燃やす。
私はこれまで、自分で自分の価値を築き上げないといけないこの時代に、勉強というわかりやすいかつ他人と比べることが正当化されているもので自分の存在価値を見出してきた人間なので、それ以外を求められる大学に突入し(というより勉強で得られる最強の肩書を手にした上で勉強を捨てることを選んだ)、ほんとうに気