朝井リョウのレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
人気作家の朝井リョウさんがどんな表現をしているのか興味を持ち、最初に選んだのがこの「正欲」だった。
世の中にこれだけの性癖があること、生きづらさがあることに気付かされたが、ここまでも歪んで捉えている人ばかりなのだろうか。
特殊性癖だから生きづらいという書き方だけど、特殊でなくとも人は皆、何かしらに悩んでいると思うし、社会のとの関わり方を考えていると思う。
悩みが自分だけだと悲観的になっている間は自ら他者との間に境界線を引いてしまうだろうし、他者の理解に乏しい考えだなと思った。
朝井リョウさんがここまで人の心の中を書き出すのは何故だろう、日々ご自身が考えていたことなのだろうかと疑問が深ま -
Posted by ブクログ
ネタバレ全体として、出てくる登場人物に一切共感できないからこそ、彼らが堕ちていく様を興味深く読みました。
家族や友人、コミュニティという「拠り所」をリスクヘッジとして分散することは大事だと思います。
しかし、自身の時間や可処分所得を超えて特定の誰か(推し)に執着する感覚は全く理解できません。
主人公たちは、SNSや対面の「類友」によるフィルターバブルに包まれることで、同質化された世界で客観性を失っていきます。社会学で学ぶアルゴリズムの罠にハマる姿は滑稽にさえ思えました。
しかし、実際に推し活をしている読者が「リアリティがあって共感できる」と評価しているのを見ました。冷めた目で読んだフィクションが -
Posted by ブクログ
すごい。
この一言しか出てこないくらい引き込まれたし、ファンダムをテーマにここまで今の日本のいろんな側面を描けるのか…と驚いた。
私の価値観では"破滅"と思える方へ進んでいく登場人物たちが不気味で、読後感は決してすっきりとは言えなくて気持ち悪かったなぁ
それがいいところなので、好みの問題ではあるけど評価は3に。
自分語りになってしまうけども、
エンタメ企業に身を置き、韓国アイドルを今はゆるく、学生時代はやや熱意高めに推していた身として、
国見さんの話はすごく勉強になると同時に、過去の自分たちを分析されているみたいでグサグサ突き刺さった………
そして周りにいわゆる陰謀論にハ -
Posted by ブクログ
ネタバレ朝井リョウさんが10年以上前に描いていた、アイドルとその周りを取り巻く環境。
歌って踊ることにこだわる子、別の道を選ぶ子、そもそもアイドルを目指してなかった子、容姿批判に悩む子、感情を消すのに慣れてしまった子。一度にアイドルと言っても、それぞれが抱えるものがある、いや全員同じような悩みを抱えているがその比率が違うだけなのかもしれないと感じた。
私は特に、最年長の波奈の描写が印象的であった。「怒ることでわかるその人の器」、波奈は彼女自身がこの器の形を見失ってしまっていた。このとき、本を閉じて一度、自分が何に対して怒りやすいのかを考えた人は多いのではないだろうか?好きなものに対しては沸点が低くなる -
購入済み
エッセイ以外で
本屋さん大賞マニアとしては
著者さんの小説を初めて拝読
刺さる部分もありましたが
う〜ん自分が小説に求めるのとは
少し違うかも?
喋りは大好きなので推しではありますが
そんなに課金はしないかもゴメン
-
Posted by ブクログ
ネタバレ人生において誰かを推したことも推したいと思ったこともないから、ピンときませんでした。感想としてはふつう。これが本屋大賞かと思うとがっかり。推しへの解説等は流し読みだったけれど、筆力はさすがとは思いました。慶彦:一番意外性のあるラストだったけど、これは推しの範疇なの?ストーカーじゃなくて?孤独が過ぎると距離感がバグるんだろうか。澄香:離婚した父親の金で推し活するのやめてもろていい?MBTIって自分で自分のこと答えるからそんな当てにならないよ。絢子:気づかないように、気づかないように。うーん、惜しい。
推し→陰謀論の流れはとても興味深かったけれど、やっぱり陰謀論ときたら『ようこそ!FACT』を超 -
Posted by ブクログ
深淵を覗くような、底知れない怖さが漂う小説だった。
気軽な気持ちで足を踏み入れたら最後、全てを失うまで止まれない性質が、人には潜んでいるのかもしれない。そして、その狂気を発動させるトリガーは明確にある。孤独の自覚、あるいは恐れだ。
自分自身を砕いて、その欠片を配る宛先がどこにもないことは相当な苦痛なのだろう。ただもっと厄介なのは、その苦痛から逃れたいがために、とにかくどこかに自分を接続しようとして、自己を供養物として捧げてしまうことなのかもしれない。物語前半の澄香が大学のサークル仲間に迎合していく姿や、後半の絢子が陰謀論にのめり込んでいく様子を見ると、そう感じる。
人間は、「物語」な -
Posted by ブクログ
ネタバレ帯に書いてある通り、短編集だけど頭から順番に読んでほしい作品。章タイトルを入れる場所も本家のそれっぽくて、こだわりが感じられた。
印象に残ったのは1話と5話。
1話は終盤の「ここにいるみんな、そうなりたくてなったわけじゃないんだよ」がやるせなさすぎて、心にズシンときた。
5話は「なるほど!」という設定で、思わずそれまでの話を見返してしまった。脇役の「あるある」分析が細かすぎて、今後映画やドラマを見るときに意識してしまいそう笑 あと、実在の俳優さんをモデルにした登場人物たちで笑ってしまった。
オチがわかってると面白さ半減な気がするので、再読はないかもしれない。