朝井リョウのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
解説にもあるが、読みながら多様性について考えれば考えるほど出口がない問題ということが分かる作品。自分も世間がいう言葉だけの「多様性」に違和感を感じていた側なので、この本に登場するマイノリティの意見には共感した。そして共感すればするほど出口がなくて辛くなる。解説にもある通り「多様性を否定する多様性はない」から。
登場人物たちの葛藤する思いと、日常の雑音を同時に描写していたのは見事だった。孤独って日常が日常であるほど辛いんだよなと思った。多分この本を思春期の孤独な時期に読んだら救われる人は多いと思う。大人になった今読んでも、自分の潜在意識にある孤独感が共鳴して辛かった。
一方で「出口」を求めれ -
Posted by ブクログ
何者、正欲に引き続き!
朝井リョウさんの作品は、読んだあとにもやもやしてしまうところが癖になる。。自分の考えをまとめるのに時間が掛かって、何回も読み返してしまう。
比喩がすごく綺麗だった。
性別や性格が異なる人物たちの描写が巧妙。
他の登場人物が語る章も読んでみたいと思った
翔多が形容されていた言葉、「大学生っぽい」ってなんだろう。飲み会して、合宿して、バイトして、授業に遅刻するような?
対照的に描かれていた礼生やハルは、才能ある「特別」な存在で、大学生っぽくない。。?
でもそんな「特別」に見える人も、「何者か」になりたいっていう不安があって、理想と現実を埋めれない虚しさがあって、そう -
Posted by ブクログ
ネタバレ題名と表紙で結構怖いサスペンス系かと思いきや、全然のホラーではなく気味の悪い終わり方という感じ!
シェアハウさない は、結末が想像できたけどその推測してる過程が楽しかった。
リア充裁判 は、重たい空気だったけど最後少し胸が暖かくなる感じ
立て!金次郎 は、園児たちの無邪気さとおとなたちの黒さのコントラストがすごくて、終わり方が奇妙だった
13.5文字しか集中して読めな は、読み手はみんな絶対主人公にすごい違和感を感じる笑
それを誰がどう分からせて成敗するのかなと思ってたらめちゃ面白くて笑っちゃった
脇役バトルロワイアル は、今までの話と繋がってるし、物語での脇役あるあるとかでてきて面 -
Posted by ブクログ
3.8くらい!
感動させられているのは分かるけどこういう怒涛の体言止め朝井リョウ節が好きで最後らへんはあやうく涙でるところだった
共感はそこまでないけど、こういうのがすき
また生殖記系とは異なる良さがある
一人一人の持つ感情の器に何かが堆積していくこと、そして容量を超えると感情が外側に溢れ出すこと
これが自然現象としてあるべき人間の姿だよねと若干押し付けがましい態度に過干渉すら感じはした
コンポストみたいな容器の人もいるよ、とりあえず全部詰め込んで蓋をして分解されるのを待つのでも許してほしい、それを何かが壊れていると形容するのは乱暴な気がする。そういう人が何かを失ってしまっている温かみのない