朝井リョウのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレ自分の生の轍や人との関わり、考え方へ疑問や後悔や悩みを募らせている人々の短編集。
ただ、物語的なハッピーエンドや救いが必ずある訳ではなく、その人にとっての解を何となく見つけたり、それが人生だと諦めにも似た終わり方であったり。メンタルが終わっている時に読むと、大人は辛いかもしれないなと思いました。
最後の「籤」という話はかなり前向きな終わり方。
今までの人生どれだけハズレを引いただたろう?あの時、あっちを選んでいたら。こうしていたら。ああしていなかったら。たられば、あの時の私。
ただ、ハズレと思っていたことが実はそうではなかった、ということも多い。というかハズレをハズレたらしめるのは、ハズレだと -
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Posted by ブクログ
レモンでも齧りながら書いたの?
て、聞きたくなるような瑞々しさ、透明感が立体的に立ち上がる、朝井リョウという作家の才能を感じさせられた(見せつけられた)作品でした。
学校という特殊な空間に生きる「僕たち」の感情が交差していくさまが、軽やかな文体とともに生々しく流入してくる。ああ、そりゃ小説すばる新人賞もとるよって。なにげない学生生活の、なんでもないように映る日々を物語にした構成力が素晴らしい。
最新作「イン・ザ・メガ・チャーチ」を読んだあとにこちらを手に取ったので、15年の経験値をうかがわせる文体の荒々しさや表現のまとまりのなさがあったけど、それがかえって青春群像劇というこの作品の良さにな