朝井リョウのレビュー一覧
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同性愛者の男性の生殖器または生殖機能が語り手で、自意識を持ち、人間に限らずあらゆる生物の個体の生涯に寄り添い、個体から個体に寄生?するという特異な設定。
語り手の特性から、登場人物は「個体」と呼ばれる。
序盤に出てくる夜間勃起のエピソードに語り手の属性が現れるが、以降は特に強調されることもなく、悠久の時に存在しつつ主人公に寄り添う客観的な存在となっている。
寄生された男性逹家尚成が主人公で、幼少期に自分の性属性を自覚し、周囲との不調和に悩み、自我を消し周囲の行動様式を意識的に模倣するという処世術を身につける。
彼は異性愛者が大多数を占める共同体の行動原理が、規模の大小に関わらず、均衡、維 -
Posted by ブクログ
ネタバレ
私自身、映像というものにほとんど興味がなく、映画もあまりみないし、YouTube熱もそれほど無い。
動画サービスのサブスクも登録していない。
流行には無頓着で、まるで生きた化石のようなおばさんの私にはなかなか難しい作品ではあった。
ただ、
共に大学時代を過ごした戦友のような尚吾と絋の二人が、映像という世界に違う入口から入ったにも関わらず、悩み苦しみ、結論として似た出口から出てくるのは、単純に嬉しく感じた。
流行に乗っかったり、
離れてみたり、
でも利益も追いかけないといけないって難しいのね。
この作品から、著者である朝井リョウ氏の繊細な心のヒダのようなものもひしひしと感じた。
心に -
Posted by ブクログ
ほんとうにたいせつなことは、ツイッターにもフェイスブックにもメールにも、どこにも書かない。
この本を読んだのは10年前だった。
SNSでの呟き、就活、本音と建前。
最初は「そういう人いるよね、わかる〜(苦笑)」なんてスカして客観的に読んでいたのに、最後の抉り方がすごくてちょっと目眩が…。笑
『アンタ傍観者でいられると思ったの?』と銃口を向けられ鼻で笑われた気分です。
俯瞰してる気になって結局何も生み出せていない奴が、がむしゃらに足掻く人を笑うなと。
10年間一度も読み返していないけど ほんとうに大切なことはどこにも書かない という教訓だけは守っています。
そろそろもう一度喝を入れてもらうか -
Posted by ブクログ
バンドをやっていた頃の、きにくわない他のバンドをダサいと思うことで気を保っていた自分を思い出した。作詞作曲をやっていたわけでもないくせに、自分の感性は他より優れていると思いたかったんだろう。直接的じゃなくともそんなことをsnsにも書いていた気がする。この本の主人公のように、俯瞰して物事を見れていると自負していて、それをかっこいいと思っていた。がむしゃらに頑張ったことなんて1度もないのに。そんな実はダサい自分と対峙させられたようなそんな一冊だった。snsで「毒にも薬にもならない」ようなことをアピールしている人達と、自分、一体どっちがかっこ悪いんだろうか。どんな自分も受け入れて、10点でも20点で