あらすじ
就職活動を目前に控えた拓人は、同居人・光太郎の引退ライブに足を運んだ。光太郎と別れた瑞月も来ると知っていたから――。瑞月の留学仲間・理香が拓人たちと同じアパートに住んでいるとわかり、理香と同棲中の隆良を交えた5人は就活対策として集まるようになる。だが、SNSや面接で発する言葉の奥に見え隠れする、本音や自意識が、彼らの関係を次第に変えて……。直木賞受賞作。
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就職活動に奮闘する大学生の青春群像劇だと思ったら、最後ものすごいスピードで私の期待を裏切っていった作品(いい意味で)。
就活自体もリアルで重い感じなのに、より話のコアとなるモラトリアムや自我や自意識についての語りがとにかく心をえぐってくるので、心当たりのある方はご注意ください。
「俺は企業に入るんじゃなくて個人として生きていく」と宣言しておきながら隠れて広告代理店を受けていた友達、平凡な日常をキラキラ&ポジティブに変換してSNSへ投稿する友人、夢を追いかけて芝居の道に生きる決断をしたもののネットで叩かれまくっている仲間。
理想の「何者」かになろうと必死な友人の姿は、冷静で客観的な主人公からするとどこか痛々しい。それは巷でよく言われる「意識高い」という悪口にも似ている。
でも本当に痛々しいのは、本当に仲間たちのほうなんだろうか。
誰かの行動に批評ばかりしていても、本人は一生「何者」にもなれない。理想に近づきたければカッコ悪くても、がむしゃらに行動するしかないのだ。
クライマックスでの友人との口論が、心をえぐりつつもとても心に沁みる。年明け1冊目としてはなかなか良い、今年も頑張ろうと思う作品だった。
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
とにかく読んでいて飽きない本だった。
大学生の就活を描いていて、各々の性格、行動、言動が想像できて読んでいておもしろかった。
朝井リョウすごいなの一言
最後は少しどんでん返し要素あって、主人公のたくとがまともで自分と照らし合わせれる部分があり心理に共感しまくっていたが、、、(笑)
ほかの人もぜひ最後まで読んで感想がききたいと思うと作品
Posted by ブクログ
これをどんでん返しって言うんじゃないのかっていう。
一人称の小説を読んでいても、これが主人公の目線を通して描かれた物語だと意識する機会は少ない。
その見え方しかしていないのだから、主人公から見て悪役なら悪役だと思うし、主人公が正しいと思っているのなら正しいと、読者の目線も語り手と同一になっていく。
それが覆された時の気持ち良さがもの凄い。そこら辺のミステリーより余程どんでん返ししてる。
だって観察眼に自信を持つ主人公と同じ目線になって、読者も知らず知らずのうちに「ああそういう人間っているよね」って優越感に浸ってると思うのですよ。自分のことなんて微塵も考えずに。
ほぼ登場はしていないギンジのことだって、読んでいたら自然と、会ったこともないそいつがまるで駄目な人間かのように思わされてしまう。主人公の目線で読まされているだけなのに。
そうして自分は他人と違う、俯瞰して見られているという感覚を思い出させた上で、そうではないよと読者にも気づきを与えてくれる。
主人公が気づけたように自分も気づけるものがあるんじゃないかと思わせてくれた。
良い読書体験でした。
Posted by ブクログ
就活中の拓人が、SNS の匿名性のなかで冷笑文化の沼に陥る物語。
拓人の品性や善良さが知らず知らず劣化していくところが恐ろしく感じました。SNS 恐ろしい。
最後には救いがあります。
就職は縁のような気がします。いい縁のためには、どれだけ心健やかに善行を行うか。
就活中の学生さんには、全く参考になりませんね。
Posted by ブクログ
自分を他人と相対化することによって生まれる軋轢をリアリティを持たせて書いた傑作。
他者に対する批判が直接的でなかった。どんな些細なことにも目についていた主人公が印象的。
「自分も何者かになろうとしていないか」という筆者の問いかけを感じた。
Posted by ブクログ
面白い!冷笑文化の今に持って来いだと思った。朝井リョウさんが登場人物の誰かのキャラに当てはまるのか気になるし、当てはまらないなら観察眼がすごい。
Posted by ブクログ
主人公と自分がすごく似ているタイプの人間だ。人間失格を読み、これは私の事ではないかと錯覚した中学生の頃を思い出す。
主人公の立場で安全な所から物語を傍観していた我々が、ラスト30ページ、いきなり当事者となり追い詰められる。こんなに読んでいて苦しくなる小説は初めてかもしれない。
自身もTwitterの裏垢で愚痴を書き、不幸なフリをして承認欲求を満たしている。自分は他の人とは違う、かわいそうな人間。誰か認めてくれるはず。という感情には見覚えしかない。
ラストが変にハッピーエンドっぽくないのもリアルで良い。さすが直木賞。想像を上回る良い作品に出会えて幸せ。
Posted by ブクログ
身震いするような衝撃は、ページを捲る動作と比例するように大きくなっていった。
もちろんこれは、「何者」かになった人々の話ではなく、「何者」にもなれない人々の話である。
ただそれが私たちにも降り注いでくる。
それがまた"就活“に挑む23歳の物語だからこそ戦慄が走る。
この物語における衝撃とは、即ち否定である。
それは登場人物ではなく、我々への。
本作では6人の登場人物がいる。
主人公は二宮拓人という大学生、物語は彼の目線で進行していく。
私達読者はまるで噂話を俯瞰視点で見ているような錯覚に陥る。まさに無敵状態。
自らが敵意や危機に晒されることなく、
他人の暮らしだとか、日常だとかを観察して嘲笑できたりする。
一生懸命(笑)に愛想を振り撒いたり、一見意味のないことに意味ありげな言葉を加えたりする人々を鼻で笑う。
時に先輩や親友にそれらを打ち明け、同調したりする。なんと安全な空間だろう。
ある日、そんな拓人を2つの言葉が襲う。
気心知れた1歳上のサワ先輩が拓人に放った言葉。
そして自身の親友光太郎とかつて恋仲であり、また同時に拓人自身が恋心を抱く相手、瑞月が隆良に放った言葉である。
しかし拓人はその“警告"にやや気づきつつも、
目覚めることはできない。
拓人に視点に立っている我々もまた、瑞月が放った意見への同調、あるいはサワ先輩へ若干の疑念や反発を覚え、まさか自らにそのものさしを向けることはないだろう。
その後拓人と我々は嘲笑の標的であった理香から刺されることになる、それは言葉によって。
そして薄々と気づいていた現実をまじまじと突きつけられる。
安全だと思っていた場所が最も危険であった、ということに。
私達は間違えなく、「何者」になろうとする人物たちを笑っていただろう。
しかしそれを笑っていたのは「何者」でもない拓人、そして私達。
拓人は「何者」かになりたいがあまり、
「何者」かになりたい誰かを笑っていた。
結果「何者」にもなれていない。
では果たして拓人は間違えていたのだろうか。
「何者」になるために全力を尽くすことが正解であろうか。
あるいは「何者」かになることを諦め、何者にもならないことを選んだ瑞月の道が正しいか。
本音を内に秘め続け、光太郎というブランドそのものを何者かへと昇華させようとする人間が正解だろうか。
この小説の恐ろしい所はそうした我々の持つ視点が拓人と重なり、否定されていることである。
それを受けて変わったのが拓人、それが正解かはわからない。
それを受けて変わるも変わらぬも、我々次第であり、それこそ自らの前に引かれたレールを自らが歩むこと、そのものなのであろう。
さて、本作に限らず「何者」かになりたい、という欲望を抱えているものは多くいるだろう。
これがいわゆる若者世代(デジタルネイティブ)における現象か、あるいは世代を問わない承認欲求の一派として存在しているかの議論はあえて避けるが、今回は若者世代におけるそうした欲望について考えたい。
本作においてストーリーの軸となっている要素は間違えなく"SNS"である。
そしてこのSNSこそが、我々を「何者」かへと誘う主要因であることは言うまでもない。
とりわけ2020年以降、コロナ禍の影響もあり、SNSを中心として様々なプラットフォームが誕生した。それは同時に、これまでメディアとしてそれらをある意味で独占し続けてきたマスメディアの相対的な影響力の減少とも言える。
テレビが娯楽の中心であった時代には、全世代の老若男女が知る“スター"がいた。
芸人では誰々、歌手では誰々、スポーツ選手では誰々、などといったものだ。
プラットフォームの多様化は我々視聴層の分散にも影響を与える。つまり、それぞれがそれぞれのスターを持ち合わせているのだ。
歌い手の誰々、Vtuberの誰々、配信者の誰々、といったようなものだ。
こういったパーソナライズされたスターこそが、現代の"推し"にあたる概念ではなかろうか。
自分が憧れる存在、スターとの距離感は間違えなく縮まっただろう。SNSでのつぶやきに自らの推しが反応してくれることだってある。
ただし、スターという存在はあくまでも自らの憧れである。
SNSにおける重要な点はその"対等性"にもある。だからこそ、自らの意見表明を堂々と世界へ発信することができる。そしてそれに対して共感するものが、いいねやフォローをする。
自らが擬似スターになれる土台はすでに強固な基盤として形成されているのである。
発信という選択が与えられたことで、我々は"誰かに気づいてもらえるかも知れない"という期待を表面的に手に入れ、それこそが自らの理想系に非常に類似した観念、「何者」への羨望を高めるのではなかろうか。
2024年、本屋大賞を受賞した作品。
宮島美奈「成瀬は天下を取りに行く」はシリーズ3作品のいずれも大ヒットとなり、現代の小説作品のひとつの顔になったと言える。
主人公は成瀬あかりという高校生。
彼女こそ「何者」の体現なのではないか、と思う。
けん玉を上達させて、紅白歌合戦に出る。
M-1グランプリに出場する。
中継に毎日映り込む。
派手ではない、しかし確かに他者から「何者」かとして認知される。
そうした自己承認欲求が我々の中には確かに染み込み続けているし、それを体現している存在こそが成瀬なのだ。
成瀬を読んで、「私も頑張りたい」と思うものもいれば、「そんな突拍子のないことをたくさんしているのは変だ」と面白がる人もいる。
ただし、成瀬を読んで私たちが刺激を受けている部分は、どんな感想を持つ人々でも同じなのではないだろうか。
そうした現代における自己承認欲求の変遷としての舞台、就活。本当の何者かになれる機会を与えられる場所が、これほどまでに我々の深層心理を歪めてしまう。
それでもあなたは「何者」を目指すだろうか。
Posted by ブクログ
正直なところ主人公 拓人の視点や考え方にずっと共感しながら読んでたのに、最後になって「いや、全然共感してなかったよ」と嘘をつきたくなるほど痛いところをつかれた1冊だった。就活、SNS、という今の日本からは切っても切り離せないテーマから、この今の時代特有の風潮を見事に指摘していて、これから控える就活への向き合い方や、SNSの使い方について改めて考えさせられた。
Posted by ブクログ
皆んな「何者」かになりたくて生きている。
この本に登場する5人の学生たちも就職活動を通して「何者」かになろうとチームを組んでいる。チーム内で繰り広げられる人間関係を通してそれぞれ自分が「何者」であるかを意識し始める。特に主人公である拓人の内面の醜さと外面の良さは非常に人間らしくてリアルであった。そしてその「リアルさ」が心に直接刺さる匕首のように私自身に迫って来るのだ。読み終わった後は完全に心を貫かれしばらく動くことができなかった。
また、主人公である拓人に嫌悪感を抱く人が多いようだが、私はむしろこの主人公が好きだ。自分と似ていて何故か応援したくなってしまうのだ。
作者の小説は今回で2つ目だか、どちらも「ほら、お前はこういう人間なんだろ、こんなこと思ったりやってきたりしてるんだろ?」とまるで自分の心のうちを見透かされ、真剣で切り刻まれるような感覚に陥る。人間をこんなにも人間らしく書くことができる作家は私にとっては初めてだ。完全に虜になってしまった。
Posted by ブクログ
初めて朝井リョウさんの本を読んだ。
面白かった。
観察者で周りの人達を分析する拓人。周りから見た拓人。
本音の部分とか面白い。
自分は自分であって変えれない部分があるから短所も含めて認めて受け止めて自分なりのやり方で頑張っていけばいいと感じた。
Posted by ブクログ
えー。最後そこー。
最後は一気に物語に引き込まれて。ラストの一文読み終わって、読み終えた事を知る。もう物語の最後の方になってる事を気付かなかった。この本は、そんな初めての体験を味わう事ができたのだー!
Twitterもエックスもしていない50代のわたくし。
今の世の中こうなってるのね。こんなふうに相手の事を深掘るんだー。
本を読む事のすごさをまた知ってしまった。次はもちろん何様を読ませていただきます!
Posted by ブクログ
就活。たいていの大学生が憂鬱になるワード。私もその一人だ。
今までのらりくらりと生きてきた人にとっては、自分の人生を一度見つめ直す機会になる。本当に、自分は「何者」?とここ最近ずっと自分自身に問うている。
私は、自分のことを就活で見つめ直す中で、自分の好きなものと嫌いなもの、大切にしたいものがたくさん見えてきた。
この作品の主人公は、自分と人を比べて相手は劣っていると勝手に決めつけ、勝手に評価してしまう。内定はもらえず、人より優っているはずなのになぜだと思う。
だけど、面接官はそれをしっかり見抜いていて、人の立ち振る舞いは顔に出ると思った。普段の些細なことから気をつけていく大切さがある。ポジティブな気持ちを忘れずに毎日生きていきたい。
自分は自分、人は人というふうにきちんと線引きをすることが大切だと思った。
就活で人と比べてしまう気持ちはよくわかるけれど、それをしたところで誰も得はしないのだ。内定をもらうことが終わりではなく、そこからが始まりだということ。
Posted by ブクログ
2026年20冊目『何者』
朝井リョウさんの描く人間の醜さの解像度が本当に高い。ラストで、主人公拓人のイメージがここまで一変するとは思わなかった。
Posted by ブクログ
就活のトピックのみを扱っていたと思って気軽に読み始めてしまった。
散りばめられたプロットを繋いでいくと「人間の醜い部分」という星座ができる。
就活を終えた自分にも刺さる刺さる。
もう感想とか考察とかできなくなりそう。
Posted by ブクログ
かなりぶち刺さりました。刺さったという言葉を作品の感想でよく耳にしましすが、この本には必ず使うべきであると感じました。
就活といういやでも自己と向き合う聞かんであると同時にSNSによる現実逃避と虚像を作ることはより今になって顕著にあると思うので是非色んな人に呼んで欲しいです。
Posted by ブクログ
人間、誰しも内に抱えているであろう醜い部分。
SNSのつぶやきは、直接誰かに向けて放つ言葉では無い。だからそれは心の中に留めた思いだと錯覚してしまう。しかしSNSとは、本来形にならなかったはずの、頭の中の言葉を、世界に象ってしまう。
「想像力のない人間ほど、他人に想像力を求める。」
頭の中にあるうちは自分だけのものだった言葉が形となった時、それは他人の想像を介して意味を持つ。
でも、そんな醜い部分、あなたにもありませんか?
Posted by ブクログ
人間の心理が繊細に描写されていて、特に後半は引き込まれた。
自分は人と違うと言わんばかりに捻くれた発言をする男、教科書通りのエリート路線な意識高い系女、それを俯瞰的に見ながら嘲笑う男。
物事の表面しか見えていない時は、読者も主人公と同じ視点で登場人物を見下し馬鹿にしながら読み進めるも、その人物の本心を知るにつれてまた見方が変わったり、俯瞰的だと思っていた主人公が、実は同じように他人を見下しているだけで実は就職浪人をしている何者でもない人物だったり。
コロコロと登場人物への印象が変わるような構成になっており、人間の心理が繊細に描かれていて共感できる。
特に、友達の内定を喜ぶふりをしながら、実はその就職先の悪い評判を期待していたり、大したことない企業であると思い込みたいという描写は、自分の就活時の黒い部分とも重なるものを感じる。人間は、自分の方が優位な立場にあるときには、本気で他人を心配したり一緒に喜んだりできるが、自分に余裕がないときや相手の方が良いポジションを掴んだときには、相手の失敗や不幸を望んでしまうものだと思う。
SNSで切り取られた他人の日常の一部分を見て、その人を知ったような気になったり、大衆に加勢して叩いたり。自分も主人公と同じように、何者でもない立場で他人を批判しているのかもしれない。
現代に対する問題提起のような作品にも感じられた。
Posted by ブクログ
私も主人公と同じような人種なので、この本が爆発的に流行っていた時は手に取れなかった。気になりつつも「そういう流行りものを読む自分」に居心地の悪さを感じて、「ほとぼりが冷めたら読んでみよう」と先延ばしにしていた。で、そろそろいいかなと読んでみた。読み終わってから「踊る阿呆に見る阿呆、それを傍から嗤う阿呆」というどこかで聞いた一節が頭に浮かんだ。イタイ人はたくさん居る、それを冷笑するイタイ人もたくさん居る。その中にはもちろん私も含まれている。瑞月さんや理香さんが目の前にいたら主人公達と一緒にぶっ刺されているところだった。いや、実際ラストで刺された。純真無垢な赤子になりたい。
ありのままで頑張ろ
格好悪いとしても、そのままの自分で頑張るしかないと、格好つけようとしても自分以外にはなれないんだと、突きつけられた。頑張るしかない、頑張ろ
リアル
現代の若者のリアルな姿。
SNSと就活。とても読みやすかった!多分、sns世代の私だからかな?
受かる受からないに囚われすぎて、自分を見失うのは恐ろしい
Posted by ブクログ
そんなに惹かれる事もなく、すらすら読み進める。
段々と主人公の違和感に気付きはじめるのだけれども「サワ先輩」に窘められるシーンでやっぱり変だと確信する。
大学の性質上、年齢がおじさんなのか?みたいな予測をしたが違った。
光太郎は何者かになれて(本人は思ってなかったが、瑞月から見て)瑞月は母のせいで諦め、理香さんは主人公に2人とも何者にもなれないと言うけれど、まだまだこれからですよとおじさんは思って読み終えました。
結局のめり込むように読んだわけだが、読者が1番の「観察者」なんだよな。
「何様」と言うスピンオフも購入したので楽しみ。
Posted by ブクログ
主人公の目線でわかるわかると読み進めていたから、ラストに、自分ごとじゃん…となるオチがあり、胸がざわついている。
SNSを自分は世代的に否定しがちだけれど、そこにも必死な誰かの姿があるのだからその後ろ側を「もっと想像してやれ」たほうが、人としていいのかな、と思ったけど、どうだろ。
Posted by ブクログ
就職活動に立ち向かう五人の大学生を描いた小説。それぞれが問題を抱えながらも、どこか達観している主人公が印象的である。
最後の展開は、SNS世代である私たちにも何か刺さる内容だと思った。
Posted by ブクログ
「何者」でもない大学生の立場と可能性の多さゆえに一言でまとめられない…
コロナ期の大学時代にこのようなコミュニティすら持っていなくこじらせてしまっていたので主人公に羨ましさも芽生えた。
ただ、共感する部分もあったし、勝手に批判されているようにも感じた(笑)
でも大学生が自分の将来に向き合ってコミュニティを作ってシュウカツに取り組んでることには変わりないのだから立派だ
私は、海外に行くと在学中に決めてお金を貯めはじめた。卒業後半年後に海外へゆき、一年半滞在し、今は帰国して2ヶ月目だ。
だから新卒チケットなんてのは捨ててしまっていた。
後悔はしてないけど、本を読んで
私は「何者」かになることを目指して行ったのか、?
と自問したが絶対にあっちで暮らして生きていくという夢を必死に追っていた。
ただ「自分は新卒を捨てるよ」という自分だけ違うというのにビクビクしながらも気持ちよさは感じてたかもしれない。
まあ、結局帰国しても何者でもない自分を、抱きしめていこうや、と思った(笑)
しかし一般化されすぎた就活文化で、大学生になったら「就活するか、何者かを目指すか」みたいな感じで分かれるし、本でもそれ以外の世界が存在しないかのように書かれてる(登場人物達がそう感じているように)もう少し考えたいのは
この子たちがおそらくmarch 的なレベルの私文で
経済的にものすごく困っているとかではないってことなんだよね
確かに瑞月さんのように語られない「色々」な事情を抱えているのが前提だとおもうけど
この子達はすでに日本社会で「勝ち組」であることを忘れたくないんだ。
そのシュウカツの機会がない人たちもいるってことをね。
Posted by ブクログ
主人公拓人ら5人を中心とした就活をテーマにした物語であるが…
大学生の就活事情や恋愛の物語なのかな…と読んでると後半から読んでる自分の内面を攻撃されているような衝撃を受けた。
なりたい自分、こう思われたい自分って皆持ってると思うけど何者ツイートから形や内容は違えど自分の恥部が見えてくる不思議…
最年少直木賞受賞作らしいがものすごい人間観察と才能溢れる作家さんだと思う。
これぞ朝井リョウ
朝井リョウ氏が、ある対談企画で「人間のことが好きか嫌いか」と問われ、少し困ったような表情を見せたあとに「大好きではないと思います」と答えたのが印象に残っています。
本作は、その言葉の背景にある感覚の一端に触れられるような内容だと感じました。
今のような“大冷笑時代”だからこそ、手に取ってほしい一冊です。
Posted by ブクログ
就活をする5人を通じて自分が何者であるのか どうなりたいのか考えさせられる、心の中をえぐるような作品。5人のディディールが丁寧で、実在感がすごい。
私はある時からレールを外れて自分の会社を立ち上げて生きてしまっているから、同棲中の隆良の気持ちや言い方も、まぁそうなっちゃうのわかるなぁ...とか思うけれど、数年前に読んでいたら捉え方や肩入れする人は絶対に違う。いつ読むかによって、この本の捉え方がかわる気がする。
最後にわかるトリックも含め完成度の高い1冊。
Posted by ブクログ
生きてたら誰もが思う本音と建前。人間関係て綺麗な部分、表向きな事だけじゃなくて、ネガティブな事とか若い頃は特に色々考えてたなと思い出しました。とても面白かった。
Posted by ブクログ
就活ーーー、難しいよね。就活でしか味わえない感情とかあると思う。どの人の就活も存在するなと思いながら読んだ。ラスト、観察してた立場から自分事になって、作者に誘導された通りに読んでたんだなって。
Posted by ブクログ
就活していた頃の事を思い出しながら読みました。
物語は読みやすくて展開も面白く、朝井リョウさんの鋭すぎる観察力に圧倒されました。
就活って、自分を偽ってる気がして、嫌になったり、終わりが見えなくて不安になったり。
私自身は就活仲間が新たにできる事もなかったしTwitterもほぼやってないけど、それでも共感、納得できる部分がありました。
理香が瑞月に言った嫌味に近い事を自分も言われたなって思い出しました…やっぱり嫌味だったんだなぁ。笑
それで、だいぶ感情移入してきた時に、物語のラストが襲いかかってきます。これ、ほんとホラーでした。ホラーは身近にあるんだなぁ。笑
頭をぶん殴られた気分です。でもそのまま終わらない。
この物語で頑張ってる人たちが、皆んな報われるといいな。
匿名
何者を読んで
朝井リョウなので電子書籍で読了。現在大絶賛就活中の身近の悩める大学生に贈本しようかと思って読んでいましたが思いとどまりました。就活しているとあるよね、自分の価値がESや面接の1発勝負で白黒つけられるわけないなんて。「対策」をたてて高評価をもらえるよう企業の求めているであろう人材を演じる自分は本当「何者」なんだろう。でもご安心を。うちの新入社員の子は配属半年で髪がウェービーになって革ジャン・ブーツでアンニュイな表情で仕事をしています。ちゃんと地に足つけて顔をもっていますから。
Posted by ブクログ
就活生5人の物語。
主人公が頭いいかと思いきや就活浪人してるし、面接で全然ダメだし。痛いと思ってた女子に言われ放題で言い返せないところが人間らしくて良い。
Posted by ブクログ
就活の中での人間関係やSNSを題材に、大人になるということや、その為に腹を括って生きていくことの大切さ、難しさを描いた作品。自分はいつか何者かになれるはずと諦めきれない人間のリアリティがある。自分の持っているもの、持っていないものを受け入れて、認めて、開き直り、前進したくなる話
匿名
内定出ないと、自分が周りから拒絶されてる
自分はそんなに魅力のない人間なのかと怖くなりますよね。
人の表と裏をSNSを使って描かれている。昔より今の方が簡単に発信できるからこそ怖いものがあるなと感じました。
全く面白くない
他の方の評価は、総じて高いのですが、私個人は全く面白くありませんでした。
単なる、就職活動でありがちな「自分を勘違いしている学生」の小説でしかありません。
自分は他人とは違う。
自分は特別な人間。
上記のようなことを思っている学生は、多数いると思います。
ただ、真面目に学業に励めば分かると思いますが、多くの場合「上には上がいる」ことを思い知らされ、現実を理解していく学生がほとんどだと思います。