あらすじ
生きるとは、何者かになったつもりの自分に裏切られ続けることだ。直木賞受賞作『何者』に潜む謎がいま明かされる―。光太郎の初恋の相手とは誰なのか。理香と隆良の出会いは。社会人になったサワ先輩。烏丸ギンジの現在。瑞月の父親に起こった出来事。拓人とともにネット通販会社の面接を受けた学生のその後。就活の先にある人生の発見と考察を描く6編!(解説・若林正恭(オードリー))
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Posted by ブクログ
『何者』のエピローグとも言える短編集です。各章で登場人物たちの背景が深掘りされており、本編で抱いていた彼らへの印象が大きく変わる人もいて、深く心に残りました。
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いやー本当朝井リョウ好き。
全部凄い面白かった。
特に好きなのは「水曜日の南階段はきれい」
最後読みながら泣いてしまった。
他の短編も面白くて一気読み。
ただ、「何者」のスピンオフ?ってことを知らずに読んじゃったので、ちょっと「何者」の内容を思い出してからあらためて読んでみたいと思う。
あっ、逆算も好きでしたw
Posted by ブクログ
今回もグサグサ刺さりました
社会人になった途端「私はもとからこういう人間です」と演じなければならない違和感
「逆算」と「むしゃくしゃしてやった、と言いたかった」も思い当たる節が多くて…
「何者」のサイドストーリーだけど、「何者」の登場人物の少し離れた人物がメインであるところも面白かった
Posted by ブクログ
謙遜もなく、虚勢もなく、20代という年代の疑問なり、葛藤なりを素直に描いていると思った。
学生とは違う、社会人として20年過ごしてきた人とも違う、これからどのようにでも選択できる危うさと自由を持つこの年代の不安げで挑戦的な行動と考えがすごくみずみずしく、まぶしい。
読むのは2度目なのだが、何歳の時に読むと共感できるのか、感動できるのか、嫌な気持ちになるのかは人それぞれだと思うけれど、私は今読んで好きな話と、なんとなく気持ちが沈む話は入れ替わっているような気がした。
何様!何様?といつの間にか経験を積んだと思っていた、人生の荒波を乗り越えてきたと思っていたけれど、それはとても危うくて、自分勝手で、上手く行ったかのように理由と言い訳で固めているだけなのかもしれない。
1秒でも誠実であれば、それを認めてあげるという言葉に救われる。
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個人的には、何者よりもこちらの方が面白かった。
前半は青春もののようで、個人的な内容だったが、後半になるにつれ段々と社会と密接に関わる日本人が普遍的に持っている価値観を問うような内容になり興味深かった。
しかし、最も度肝を抜かれたのは、物語ではなく、最後に書かれてある、オードリー若林の解説の文章である。ぜひ、若い人にこそ、こちらの本を買って、解説に書いてある、社会を謳った、会社員になるとはどういうことなのか、社会に出るということはどういうことなのか、を考えながらご自身の価値観を変え、新しい教養を掴んでほしい。
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久々の星5。6つの短編がつまった作品。特に印象に残ったのは、⑤むしゃくしゃしてやった、と言ってみたかったと⑥何様の2つ。
⑤は正しい自分でいようとしてきた人生に疑問を持ち葛藤する主人公が描かれていた。主人公の性格が、昔の知人と重なってなんとも言えない気持ちになった。また、日常のむしゃくしゃが吹き出し、今までできなかったことが普通にできてしまう、そんな人間の生々しさが表現されていて印象に残った。
そして⑥何様。この話を読んで星5にしようと思った。社会人1年目の主人公が、人事部に配属され、評価されてる立場から人を評価する立場となる。そこに葛藤や疑問がうまれる。(誠実ではないと感じる)物語終盤で先輩社員である君島は、100パーセントでなくとも数多の感情の中に1秒の本気の感情があれば、それも誠実のうちだと言う。その本気の1秒から少しずつ拡張していくという君島先輩の考え方には衝撃を受けた。この小説を読んで、99%の不誠実の元で捨ててしまった大切なものがたくさんあると認識できた。これからは本気の1秒、大切な感情を持てる大人であろうと思った。
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「こういう時は、ピボットだ」
「軸足はそのままで、寄り添ったり、本当に危ないと思ったら距離おいたり。とにかく自分がいる場所は変えない事が大事、って。」
ーきみだけの絶対ー
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水曜日の南階段はきれい
夕子さんの文章のところで泣いた。
伏線回収が爽快超えて美しすぎる。
静かだけど、自分を強く持ってる人に憧れる、、!
返す言葉が一つ一つ刺さるし、その場で答えなくても全部の質問を覚えてるのもすごいと思う。
夢を公言する主人公。
自分の中で外からの力に負けないように持ち続ける夕子さん。
二人とも素敵だった。
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やっぱり朝井リョウさんの作品が好きだなあと改めて感じました。
文章の緩急が滑らかで、さりげなく物語の山場へと導いていく手腕が本当に見事だと思います。
『水曜日の南階段はきれい』
当事者にとっては何でもない光景なのかもしれないけれど、第三者から見ると二人があまりにも輝いていて、最高でした。読んでいて心が潤いました。
『それでは二人組を作ってください』
理香の姿は、ただ「かわいそう」と片付けられない複雑さがありました。
人間らしさが滲み出ていて、嫌いではないけれど…何とも言えない後味が残る作品でした。
『逆算』
沢渡さんとぜひお近づきになりたい…。
『きみだけの絶対』
自分が大切にしたいと思ったことが、相手にとってはそうでもなかったり、逆に相手が印象に残していることが自分にとっては何気ないことであったり。
他者との違いを認めることの大切さを改めて考えさせられました。
それができない人がたくさんいるし、自分自身もそうなってしまうことがある。
SNS上での誹謗中傷にも通じるものがあるのかもしれません。
『むしゃくしゃしてやった、と言ってみたかった』
正美の姿が痛々しくて、読んでいて胸が締めつけられました。
中学三年生の自分と重なる部分が多く、思い出したくない記憶まで呼び起こされて苦しくなりました。
「懐かしい」と軽く振り返ることができるのかと期待していましたが、辛い記憶はいつまでも辛いままなのだと、改めて実感しました。
『何様』
最後の展開が、まさに朝井リョウさんらしく、やっぱり好きだなと思いました。
『本気の1秒』
自分と向き合う上でも、誰かと向き合う上でも、直感的に「これだ」と思える瞬間はとても大切だなと感じました。
私はつい、人を(自分自身も含め)タイプごとにカテゴライズしてしまう傾向があるので、そうしそうになったときにこの物語を思い出したいと思います。
朝井リョウさんの作品を読み終えたあとは、感想を書こうと考えれば考えるほど言葉がまとまらなくなります。
なので、とりあえず今の感情と記憶を残すために、こうして殴り書きのように記しておきました。
『何者』を読んでから、読んでみると
他人からどう見えていても、人それぞれ葛藤があるものだよなと納得させられる。
納得させるほど人の醜い部分や温かい部分を描き切る朝井リョウさんはやっぱりすごいなと。
Posted by ブクログ
令和8年1月
何者と一緒に購入して、読み始める。
何者で出てきた人の外伝もありつつ。楽しめた。
って、裏表紙みたら、全部外伝やん。
気づかなかった。
就職を重点に置いた短編集
朝井リョウさんの本を始めて読んだけど、面白いな。
すごい引き込まれる話の書き方。
子供のことって、男は他人事だよね、誠実であれ。肝に銘じます。ごたゃごちゃ考えちゃあかん。素直な気持ち。
Posted by ブクログ
社会人10年を過ぎて、がむしゃらさの先に何かがあることを期待(?)することはなくなった。それは自分を信じないからではなく、自分のサイズが分かってきたからだと思う。それと同時に、他人を揶揄したり畏怖したりすることも少なくなった。それは社会の中でいろんな人がいて、自分もその一部だということが意識無意識で分かってきたからだと思う。
最後の「何様」以外の主人公たちの心象風景は、いっぱしのサラリーマンとして感じてきたことに重なる。自分の勘違いを思い知ること、自分の殻を破ってみたくなること。キラキラ度合いは違うけど、全部覚えがある(気がする)。
ただ、最後の「何様」は、自分がいま感じていることに重なっている。仕事をしていて、自分のやっていることに不安になることや意義がよーわからんと思うことがある。
だから多分生煮えの理解だと思うけど、君島の諭す「本気の一秒」はハッとした。その瞬間を探し続けて、(あるいは信じ続けて)、我々はメンバーを引っ張り、引っ張られ、社会に価値を出せると思っていかなければならないのだと感じた。
明日から仕事始めだ。100%の本気かは分からないが、一秒を信じて頑張ってみようと思う。
Posted by ブクログ
それぞれに共感できる部分があって、刺さる。「何者」も読み直して、より楽しめる。ゆとり三部作も大好きなので、朝井さんの価値観がたくさん入っていて嬉しかった。若林さんの後書きもよかったなぁ。
Posted by ブクログ
『何者』のサイドストーリー。とはいっても、6つの話に分かれており、薄ら繋がりが見えるような感じで、どこでどう繋がってゆくのかな、と思わされるフリースタイルみたいな展開。
人間は不器用で、人間を取り巻くものは複雑で白黒つけられる単純なものではない。このことを受け入れた上で単純に生きてもいい、と思えた。どこまでいっても単純に生きることは出来ないから。
解説も良かった。自分の気持ちを忘れないようにここにメモしてるけど、解説を見てほしい。
解説にあるように、自分の人生が進めば本から受け取るものも変わるだろう。
自分がどう変わっていくのか、この本を時折読みながら確かめてみたい。エネルギーがいるだろうけど。
Posted by ブクログ
読めば読むほど理香に惚れる(自分と重ねられるから)
自分と重ねられるけど、もちろん理香の方が行動力も実践力も、痛々しい自分を受け入れる強さもあって、ここまで図太くなれるように、自分ももっと自分の出来ることを理解していきたいなと思った
君島と理香を勝手に同一人物だと思ってた、じゃあ一定数そういう人間はいるって言う表現、、?
1秒でも肯定的に心が動いたなら、それを誠実と呼ばせて
Posted by ブクログ
「何者」のスピンオフ的な作品だが、独立した短編集としても面白く読めた。特に、最初の話と最後の話が個人的には好み。
なお、作品には全く責任がないが、「何者」と「六人の嘘つきな大学生」の記憶がやや混在してしまうのは私だけではないはずで、その点からは本作を読む上で少し戸惑う。
Posted by ブクログ
劇団の話が1番印象に残った。
誰かの希望になりたいなどという言葉は、ただの綺麗事に聞こえるてしまう。主人公の彼女の家は貧乏で苦労していた。彼は思ってだろう耳触りのいいことを言いやがってと。彼女の現状はすぐには変わらないだろう。何かを体験したときの感想は人それぞれである。ギンジはそのことを周りとワイワイ話しながらも明日を生きる糧にして欲しいと。何を与えたいか。少しマーケティング的な考え方と似ている気がする。心に響くものがあるがあった。
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光太郎の話が1番好きでした。光太郎と夕子のなんともいえない、言葉で表すことが難しい関係性がすごくリアルでした。高校生に戻って人生やり直せたらもっと夢について深く考えていたのかなとか、あの時こうしておけばよかったとか、今思っても仕方がないけどすごく過去に戻ってやり直したくなるようなお話でした。とても純粋で青い作品。短編ではなく長編で読みたくなりました。
Posted by ブクログ
4.0/5.0
人間の実像と仮面、本音と建前…そういったものの間にある感情やあやふやな状態を描くのが本当に上手い。
人の感情や欲望は簡単な言葉では表せないほど複雑で、この世の中に生きる全ての人がそれぞれにそれぞれの事情や葛藤を抱えながら毎日を過ごしているという当たり前の事実にハッとさせられる。
朝井リョウさんの小説は、人間の面倒くささと面白さの両方を感じられる。
Posted by ブクログ
「何者」のサイドストーリー集。
「何者」を拝読してからだいぶ時間が経っていたため内容を理解できるか不安だったけど、それぞれのお話が独立していて読みやすかった。
就職や面接、進路、新社会人など、いろんな面で悩む人の葛藤が描かれていた。
逆算のお話で沢渡さんが言っていた「きっかけとか覚悟とかって、多分、あとからついてくるんだよ」が忘れられない。
1歩踏み出してチャレンジする人を見るとその勇ましい姿にまぶしさを覚えるけれど、本人からしたら万全の覚悟なんてそうそうできていなくて、あとから振り返った時に「あれがきっかけだったんだな」って
思うのがざらなのかもしれない。
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『何者』の登場人物達のスピンオフ的な短編集。
個人的には理香と隆良の馴れ初めを書いた「それでは二人組を作ってください」が印象的でした。
友達ですらない宮本に同棲の話を持ちかけるしかない、理香の上手く友達と付き合えないような性格が哀れに思えました。
Posted by ブクログ
1. 水曜日の南階段はきれい
バンド活動に打ち込む高校時代の光太郎と、密かに彼を見守る女子生徒の淡い青春を描き、後に彼が出版社を志す原点となる物語。彼女は金曜日の光太郎のライブを怪しまれずに見る口実として窓掃除をしており、そのカモフラージュとして水曜日に南階段を掃除していた。自身の目標を決して口に出せない彼女にとって、目標を堂々と公言して着実に達成していく光太郎の姿はひときわ眩しく、強い憧れの対象だった。有言実行を貫く彼の強さに深く惹きつけられ、読んだ私自身も「光太郎のように目標を言葉にして真っ直ぐに実現できる人間でありたい」と強く前向きな気持ちにさせられた。
2. それでは二人組を作ってください
何者』で同棲していた理香と隆良の出会いを描く前日譚。同居人を探す理香は、インテリアショップで働く隆良と出会う。二人は「意識高い系」や「クリエイター気取り」といった互いの虚栄心や中身のなさを冷酷に見透かし合う。しかし、学校の「二人組を作って」という言葉が象徴する孤立への恐怖から逃れるため、似た者同士として同棲を始める。理香の不器用で痛々しい自意識と人間的な弱さが描かれる。
3. 逆算
『何者』で達観した姿を見せたサワ先輩の過去と恋愛を描いた物語。彼は常に理想の結末から「逆算」して行動する合理的な生き方をしてきた。しかし恋愛でも相手を自分のレールに乗せようとし、すれ違いを生む。そんな中、予測不能な現在の恋人と出会い、理想に縛られ「今」を見失う逆算思考の罠に気づく。ゴールからではなく、現在を積み重ねて未来を築く大切さを知り、不器用な彼が人間らしく成長していく過程が描かれている。
4. きみだけの絶対
就活せず劇団を立ち上げたギンジの現在を、甥の高校生・亮博の視点から描いた物語。世間のレールから外れ泥臭く活動するギンジの姿は、安全な場所から観察する亮博たちには最初みっともなく映る。しかし、他者の評価に左右されないギンジの圧倒的な熱量と「自分だけの揺るぎない絶対的な価値」に触れ、彼らの心は大きく動かされる。他人の目に怯えず、自分だけの絶対を信じて無様に突き進むことの尊さと希望を描いた、読者への力強いエールとなる作品。
5. むしゃくしゃしてやった、と言ってみたかった
瑞月の父親と不倫関係になるマナー講師・正美の視点で描かれる。親の期待に応え常に「優等生」として生きてきた彼女だが、元不良の妹や「元ヤン」を売りにする同僚の方が周囲から愛され、評価される現実に理不尽さを募らせる。ずっと正しく生きてきた自分が損をしているという抑圧された不満から、「自分もむしゃくしゃして道を外れたい」という衝動に駆られ不倫に走ってしまう、真面目な人間の息苦しさを描いた物語。
6. 何様
『何者』で主人公たちと同じグループ面接を受け、内定を勝ち取った学生・克弘のその後の物語。社会人1年目となった彼は、人事部の都合で急きょ新卒採用の面接官を任されることになる。つい最近まで「評価される側」として就職活動の理不尽さに苦しんでいた自分が、たまたま内定を得て入社しただけで、今日から突然、他人の人生を左右する「評価する側」の椅子に座らされる強烈な違和感。必死にアピールする学生たちを前に「自分は一体何様のつもりなのか」と激しい葛藤と自己嫌悪に苛まれる。それでも自分の不完全さを自覚しつつ、与えられた「何様」としての役割を引き受けて生きていく覚悟を決める、大人への痛みを伴う通過儀礼を描く作品。
Posted by ブクログ
思ったよりスピンオフでは無かった。短編集って感じ。
スラスラ読めて面白いけど、「何者」よりは刺さらなかった。一般的な社会人を過ごしていないからか、自分が社会人になって、学生と数年しか変わらないのにやっている事が何様なんだと感じる機会がないからだと思う。
これはそんなにだったけど、朝井リョウの作品には心奪われているので色々読みあさりたいと思う。
Posted by ブクログ
個人的には1番最初の光太郎の初恋相手との話がよかった
あの歳であんな別れ方をすることができてしまう彼女は末恐ろしい笑
光太郎といつかまた会えるのを祈ってます
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すぐ別の気持ちに呑み込まれたのかもしれないけど、その1秒だって誠実のうちだと思うよ、という君島のセリフが良かった
てか現実にサワ先輩いたら絶対好きになっちゃうなー
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最近何者を読んだばっかだったから登場人物たちの背景や関係してる人のその後がわかって面白かった
個人的には最後の若林さんの解説が興味深かった
自分は反対でにアクセルがどっちも強い人間だと思う1度踏み出したら止まらない栄子側だなって
Posted by ブクログ
短編集だった。
朝井リョウの作品を初めて読んだが、文章が飛ぶ事がたまにあり、読み始めた時はそこに読みにくさを感じた。読み進めるにつれて、慣れていき、自然と内容が入ってくるように感じた。
題材として、世間の言語化しにくいが、不満に思っていることが、全体的に扱われていた。思考が単純な自分にとっては、そういう考え方あるのかと、考えさせられることがあった。
最後の何様では、ただの人間が、急に面接する側になったり、業界人っぽい言葉を使い始めたりすることに困惑する。しかし、それは誠実にすることの1歩であると。自分を認めてあげよ、みたいなことが描かれていた。
若林の解説も面白かった。