朝井リョウのレビュー一覧

  • 何者

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    痛い。なんだこの自虐小説は!
    就活というテーマは確かに自分が何者なのか、社会に受け入れられる、認められる人間なのか秤にかけられる一大イベントなのだろうが(経験してないから知らんけどw)
    就活だけに留まらず、SNS社会とリアル社会においての自分の存在が何者なのかを考えさせられる作品だった
    SNSの自分、裏垢の自分、リアルの自分、誰かの前の自分、外での自分、中での自分、どれもきっと嘘はついていないはず
    人間とはイタイのだ
    イタさに気付いていないのがイタイのだろうなぁ
    そのイタさも自分
    認めて受け入れる

    ストーリーとは関係ないけど、細かな『音』に対する表現や情景描写がとても好きだと感じた

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    2025年10月29日
  • 星やどりの声

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    ネタバレ

    とっても良かった~~~これが朝井リョウ。これぞ朝井リョウ!
    もう読み始めてすぐに、この丁寧で綺麗な状況描写、これこれこれーーー(T_T)となった。一つ前に読んでた小説が、こういう叙情的な表現が全然無いどころかむしろもうちょい状況を教えてくれみたいなんやったからもう余計に。連なる文字の表面の空気を吸い込むみたいな気持ちで味わい深く(?)読めた。いちいち味わい深い。良い。
    そして、ミステリとまでは言わないまでも、隠されているものの存在が少しずつわかってきて、それが少しずつ明らかになっていく感じも、上手く徐々に物語に引き込んでくれる感じですごく心地よかった。

    自分もだんだん良い歳になって「家族」と

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    2025年09月01日
  • どうしても生きてる

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     朝井リョウの作品はかなり好きでいくつか読んでるが、今作もやっぱり好き。
     朝井リョウって、複数人から成る小説家軍団なんじゃない?って思う。1人の人間がなんでここまで色んな角度からものが見られるの?
     それぞれに苦しい現実があっても、私から他の人の苦しみは見えない。何が救いになるかも、またそれぞれに違う。正しさのなかで溺れそうになる人がいること、正しさだけじゃ掬い上げられないものがあることを、ここに書いてくれている。私が掬われたわけじゃないのに、掬ってくれてありがとうって言いたくなる。
     

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    2025年08月30日
  • 何様(新潮文庫)

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    「何者」のスピンオフ的な作品だが、独立した短編集としても面白く読めた。特に、最初の話と最後の話が個人的には好み。
    なお、作品には全く責任がないが、「何者」と「六人の嘘つきな大学生」の記憶がやや混在してしまうのは私だけではないはずで、その点からは本作を読む上で少し戸惑う。

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    2025年08月29日
  • どうしても生きてる

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    うわあやっぱり男性作家だなあ〜と思う部分が多々あったりしたけど、どこに出てくる登場人物も近くにいそうだし、何より最後のみのりの章が女の目を通しているとしか思えない人生だった。

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    2025年08月29日
  • スター

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    表現する側ではなくとも、いち視聴者として刺さる部分はたくさんあった。
    サブスクで作品を観ると、「もっともっと」と欲が加速する感覚も覚えがあるし、だからといってその監督の作るスピードにも限界があるから、同じような雰囲気の作品がないかTikTokのおすすめばっかり漁っちゃうし。
    そうやって人によって見たいものが細分化されること、それでも、そのコミュニティの枠を越境した不動の名作が出てくること、どちらも思わず唸るほど納得できる。
    なんでこの人は、こんなにも人々の心の動きや社会の変動を、正確に読み取れるのだろう。
    あと、朝井リョウ特有の「あ、これ読者の自分にも矢が降ってくるぞ…!」っていう自意識を突き

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    2025年08月27日
  • ままならないから私とあなた

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    効率と非効率が分かりやすく循環したオチ。曖昧を楽しめるのは、余裕があるから、ってなってもつまらない。最近とみに小説を面白く感じているのは、AIの反動かしらん。オーディブルのおかげもあるけど。

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    2025年08月26日
  • スター

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    学生映画祭でGPを受賞したサークル仲間の2人。「どちらが先に有名監督になるか勝負だな」と言って別れた2人は映画とYouTubeで異なる道を歩む。「細部は神に宿る」と"伝統"が重んじられ"本物"の作品が求められる世界と、大量生産・大量消費が繰り返されるが誰もが作品をリリースできる世界どちらが正しいのか。互いの世界で突き進み葛藤する2人が辿り着く答えとは。
    芸術に縁のない自分の人生と思ってたけど、仕事の成果物を作品と捉えると学べることが沢山あった気がする。自分が生み出す物には責任と誇りを持っていけるようになりたい。読んでよかった一冊です。

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    2025年08月25日
  • ままならないから私とあなた

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    合理的で効率的な無駄をとことんはぶいて生きて行く薫、ままならなさを感じながらも、不効率から生まれる人間らしさや、努力して得た達成感を大切にするユッコ。極端だけど、効率がよすぎるIT化で子供を産む時期なども全て効率的には違和感。でも全て自分の思うよーにコントロールできるのは羨ましいかな?少し考えさせられたぁ〜。

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    2025年08月24日
  • 世にも奇妙な君物語

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    ネタバレ

    タイトルから想像がつく人は多いだろうが、あのサングラスの方がストーリーテラーを務める人気シリーズに着想を得て作っているとのこと。
    ホラーストーリー、ノスタルジーに浸れるストーリー、切ないストーリーなど、いいバランスで入っている。

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    2025年08月22日
  • スペードの3

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    ネタバレ

    やっぱこういうテーマで書くの上手いなーーって思って面白かったけどアキってお前かい!!ってなったのがピークすぎて3章目が相対的にのっぺりした感じに思えてしまった。1章目が衝撃すぎて、そこから引っ張ってる黄色いストールのことを考えすぎていたからかもしれない......。

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    2025年08月17日
  • 世にも奇妙な君物語

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    シュールで、くすりと笑えて、ゾッとする。
    5話とも感情が揺さぶられ、読んでいてとても忙しかったです。
    ……それにしても、どれも絶対に経験したくないですね(笑)。

    他人の身に起こる“物語”だからこそ笑えるし冷静でいられますが、もし自分に降りかかったら間違いなくパニックです。

    「シェアハウスさない」

    一番経験したくないストーリー。ホラー要素が多めで背筋が凍りました。

    「リア充裁判」

    コミュ障の私には、こういうストーリーは妙にツボ。
    「コミュ障でも勝てる!」がテーマかと思いきや、まさかの結末。
    上げて上げて、最後に突き落とす……この展開の巧さに唸りました。

    「立て!金次郎」

    えげつな…

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    2025年08月17日
  • 世にも奇妙な君物語

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    夏休みの旅行移動中で読むのに最適。短編5つの物語でサクッと読める。オチの内容、着眼点、表現と、作者のセンスを感じる本。

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    2025年08月16日
  • 少女は卒業しない

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    Audibleにて。
    こんな作品があったんだと、旅行の道中で見つけて移動時間で聴いてみました。
    オムニバス形式の作品それぞれに主人公がいて、青春どストレートだったり、そこにまた淡い感じがあったりと毎回キュンx2させてくる系。出てくる高校生たちも当時私が高校生だった頃に近い年代だったから、感覚が当時に少しタイムスリップした。
    私が今まで読んできた朝井リョウ作品は、毎回どこかしらに刺々しさや鋭い針のような文節や表現が沢山あって、でもって読者への問いかけが激しかったんだけど、これはサラサラいける。捻くれていない。中学生から高校生になるだけで、身体も心もとんでもなく大人になるんだなぁ(自分はどうだった

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    2025年08月16日
  • どうしても生きてる

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    衣食住に困るわけでも生死の危険があるわけでも無い日本。それなのに苦しみを感じるリアルで繊細な心理描写に、自分の心が影響を受けてしまった。
    少し気持ちが落ちている時に読んでしまったのが良くなかったかもしれない。
    劇的な展開や明るい希望が感じられるわけではない。それでも生きていく登場人物達の静かな強さが感じられた。特に最後に「くじ」を入れたのは作者の優しさというのか願いのようなものが感じられた。

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    2025年08月14日
  • 武道館

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    最初はアイドルの話かと、半ば冷めた目で読んでいたけど、主人公愛子の「アイドルの自分」と「本当の自分」の葛藤が面白くて熱くなっていく。
    歌って踊ることが好きと、幼なじみと過ごすことが好きは、アイドル前からあったことで決して矛盾しない。
    でも、アイドルとして生きていくためには、選択をしなくてはいけない。それが、その時代の流れで時代のルールなのだ。十年後、二十年後は変わっているかもしれないけど。
    「正しい選択なんてこの世にない。たぶん、正しかった選択、しか、ないんだよ」
    「何かを選んで選んで選び続けて、それを一個ずつ、正しかった選択にしていくしかないんだよ」
    愛子の選択、杏佳の選択に幸あれ。そう祈っ

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    2025年08月12日
  • ままならないから私とあなた

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    生成AIが進歩してる中だからこそ、勉強して知識を身につけようと私が考えてる理由がまさに言語化されてて、今読めて良かった

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    2025年08月11日
  • どうしても生きてる

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    どうしようもなく生きるしかない。
    逃げることもできない。そんな時の気持ちがドバッと押し寄せてくる。
    しょうがないと言っている側、言われた側どちらも言い分はある。
    だけど、言われた側はその相手の気持ちまで抱えなきゃいけない。
    言えたら楽なこと、そんなことはわかっている。
    だけど、言えない。どうしても言えない。時がある。

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    2025年08月10日
  • GOAT Summer 2025

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    面白いけど短編がやっぱり苦手なんだよなぁ…
    これで500円は破格すぎて、もっと短編を楽しめるようになりたい

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    2025年08月09日
  • スペードの3

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    ネタバレ

    3人の女性が主人公。
    つかさ様ファンクラブを取り仕切る女性、くるくる天パのアキちゃん、つかさ様。
    一章のアキちゃんとむっちゃんの叙述トリックがおもろかった、そこで種明かししちゃうんだ的な。普通の本なら最後に明かす種な仕掛けを中盤で明かしていた。
    最終章のつかさ様から円への感情が人間らしくてよかった。ほどの良い悲劇があることで、演技の背景に深みが生まれる、私には何もない(悪い意味でこれで順調すぎた)

    ファミリア内のいざこざやアキちゃんからみちよへの制裁なども、つかさ様からは何も見えていないけど、それぞれで悩みや葛藤をもちつつ、自分のコンプレックスや黒歴史と奮闘している様がおもろかった。

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    2025年08月05日