朝井リョウのレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
転職して、仕事に慣れなくて、家族ともうまくいってなくて。
そんな今の自分が読むべき本だったと思う。
人からの評価が得られないフィールドに移り、自分自身の価値は何なのか、そもそも自分のやりたいことって何かとか、そんなもんあったのかなとか、自分にできることと、生きてくこと(稼ぐとか、最低限の人とのつながりと)のバランスに目を背けたり。そういう今の自分の危うさと物語の人物たちを重ね合わせて読んだ。
物語のなかの登場人物たちは答えは提示してくれず。いやそもそも、人から与えられた答えに納得できる性質なら今の危うさに至ってないし、答えは与えられるものじゃないのはわかってる。これからも情けない自分と向き合いながら生きてくしかないんだなと改めて認識した。
表立っては、誰も私を評価しない。私自身も他人とは比べない。他人は他人でしかないから、比べることに意味がないし、そんな発想にすらならない。
私自身が、日々自分への絶望を深めていって、この先どうやって生きるのか、どんな人になるのかわからない。目標設定がないんだもの。
この空気感を言い当てられ。つまりはそういう人がたくさんいるってことだな、よくある悩みなんだなと思えたのが、よい収穫なのかも。 -
Posted by ブクログ
自分が持っていないもの。誰かが持っているもの。
他人が持っていない何かを持っていると、優越感を覚えるし、自分が持っていないものを誰かが持っていると羨望や嫉妬を覚える。
「モテる」「モテない」の対立構造の中でわたしたちは「モテる」側に立とうと、意識の中で自分を正当化したり他者を貶めたりしてしまう。
社会の中で自己を位置付けるのは生存に不可欠だからこそ、わたしたちは他者よりも優位に立とうとする。
でも、ほんの一側面しか知らない他人と、(自身ですら理解できているとか限らない)自分の比較なんて、本当に意味に乏しい思考なんだろうなあ。
わたしたちは自分のためにしか生きることができない。
だから自分で自分の生き方を選ぶしかない。そんな勇気がほしい人に。 -
Posted by ブクログ
エッ!?と途中で最初を読み返してしまった、こういう本でえすき
雄介みたいな人間まじで嫌すぎる
でもお父さんの職場の体験はキツかった
だったら今日が、何かが変わる前日なのかもしれないって、思おうよ
⬆️好きだな〜と思ったのにクソむかつく
人生人に期待しなくなってからすごく楽だし生きやすいけど、生きがいがなくなると毎日が本当ただの消化試合になる。生き甲斐がなくてもどころかない方が生きやすいけど、自分の為に生きるために自分を追求することを続けていける根性がないと生き辛くなるのかな。
以下好きだったところ
絶対と唱えた願いが叶わなければ立ち直れなくなるほどショックを受けたかったし、祈りが実れば我を忘れて喜びたかった
十四歳という季節は、毎日毎日、どうしてどうして、が積み重なっていく
争いは集団になることによって核がわからなくなる
人間本来の生きる意味なんて普通の暮らしの中で見つけられるのに。命の使い方なんて、生きがいなんて、どこにいたって感じられるはずなのに
どうせ、担ぐっていう選択肢しかないんだから
女は選べる。男は選べない
結局、人と比べなくていいよ、自分だけの生き方を、なんて言われても、人はどうしたって色んなものと自分を比較してしまうんだと思います
勝手に比較が始まる。誰の口からも出ていない言葉が自分を締め付ける。心が滅んでいく
生きてるだけでいいんだよとか言ってる奴は、その状態には絶対ならねえんだよ
違いは、あらゆる対立の原因となる
そういうものだから、でいろいろ片付けちゃうの、やめないとなって思った、今 -
Posted by ブクログ
晴希、一馬と少々アクの強い愉快な仲間達で送る男子チアの青春群像劇。代表作『何者』や『イン•ザ•メガチャーチ』とは打て変わって、自分たちの演技を誰かに見て貰いたいや出来なかったことが出来るようになりたいという登場人物たちの正の感情をエネルギーに前へ進んでいく物語です。仲間内で懇意にしている定食屋があったり、メンバーそれぞれが活動に求める意義やレベルに食い違いがあったりなど大学の部活動あるあるも随所で描かれており、朝井リョウならではの学生生活に対する解像度の高さは本作でも健在でした。個人的には無尽蔵の箴言で場をいなしつつも、たまには本当に良いことを言う溝口のキャラクターが好きすぎます。
運動経験やモチベーションもバラバラ、当初は勢いと寄せ集めで始まったBREAKERSでしたが、練習や最後の儀式を通じて互いの過去や背負う想いが解き放たれ、終には全国大会という一つの舞台で結実するという締め方はスポーツもの、群像劇両面で王道と言え、爽やかな読後感が味わえます。 -
Posted by ブクログ
2015/11/23
1回目 ★★★⭐︎⭐︎
2026/8/15
2回目 ★★★★⭐︎
自分は特別な何かを持っていると、
自分だけは違うと思っていたあの頃。
何にでもなれると思っていた遠い遠い将来は、
思ったよりもずっと近くにあって。
それは線香花火のように、
最後の力を振り絞ってもがき輝く。
若さという輝き、それ自体がなんなのかわからぬままもがき苦しみながら、別の光を見つけて、大人になっていく。
あの一瞬、一瞬を切り取って、
言葉にしていく。
初めて読んだ時は、痛くて苦しかったのに。
大人になったいま、美しく輝いて見えた。
朝井リョウは天才だ。 -
Posted by ブクログ
タイトルに惹かれて読みました。
人と比べない、順位をつけないという時代が急に訪れ、オンリーワンでいいという言葉が流行った時代。その言葉に心打たれ、それでいいんだと頭では分かっていても、自分の中での他者との比較は終わらず、他人と何か違うものをしなければ、自分が輝ける場所を探さなければと長年自分も苦しんできた、そして苦しんでいるなと気付かされました。そして、自分の人生を振り返り、これからどんな生き方をしていきたいか見つめ直すことができました。モヤモヤする気持ちや自分で見てみぬふりをしていた気持ちが言語化されていて、目を塞ぎたくなるような感覚と同時に、スッと心に入ってくる感覚がありました。