朝井リョウのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレおそらく、この本を読んだ誰もが最初のシーンをもう一度振り返りたくなるのではないだろうか。
私は「一度読んだ後に、読む前とは受け取り方が変わる物語」が好きである。そのため、この作品は読み進めるにつれてパズルのピースが自分の中で少しずつはまっていくような感覚があり、とても楽しめた。
私は大学生という立場から、登場人物たちの姿に自分の見たくない部分を突きつけられるような場面が多くあった。何かに対立しなければ自分の価値を見出せない雄介。彼を諭そうとしながらも、自身も父親という存在に疎ましさを抱き、同時にそれを生きがいとしているのではないかと悩む智也。彼らの姿は、「私にとって生きがいとは何か」と改めて -