朝井リョウのレビュー一覧

  • 風と共にゆとりぬ

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    秋から冬へ移行するこの時期に、押し合いへし合いする朝の満員電車の中で、これを読んだことが過ちだった。

    後悔は先に立たず、である。

    読めばわかるが本書は失笑の連続だ。ちなみに言っておくと、失笑は「笑ってはならないような場で、あまりのおかしさに、思わずふき出してしまうこと」である。

    察しの良い方はお気付きであろう。そう、この本は読めば唐突な笑いに「ぷっ」と吹き出してしまい、周りに人がいれば「なにあの人、キモチワルイ」と白い目で見られる、そんなオプションがついているのである。

    それが文庫なら1,000円以下で手に入る!実にお買い得!!───とはならない。

    こちらとしては出会い頭の衝突事故そ

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    2025年10月24日
  • わたしの名店

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    食べることは生きること。
    思い出の味やお店から今は亡き人を偲んだり、
    ただただ好きな食べ物への愛があったり。
    様々な作家による名店にちなんだエッセイ集。
    隙間時間にピッタリ、お腹が空くこと間違いなし!

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    2025年10月20日
  • 世にも奇妙な君物語

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    5作の短編から構成されている。
    どういうテーマで書かれているか知らずに読み始めたからか、1作目の途中からの雲行きの怪しい展開にゾッとした。
    そこからはどの作品も最後にはえ!?そういう展開!?という驚きが隠されているのでは?とある程度結末を予想しながら読んでいたが、それを超えてくるゾワっとする後味を残してきた。

    何にでも理由を求める風潮があるけれど、なんとなくでやってることの方が多いと思う。ふと思いついたものを文字に起こして共有してくれるのが、小説家のお仕事なので、これからも私のような凡人には想像し得ない独創的な世界や価値観を私に見せてほしい。

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    2025年10月19日
  • 死にがいを求めて生きているの

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    話も面白いが、毎回作者の言いたいことがありそのメッセージに痺れる。

    【以下本文より】
    自分とは何かが必ず違う誰かと共に、この世界で生き続けるしかない、今その方法を考え続けることは考え続けながら生きることは、これまで連綿と続いた分断の歴史という巨大なものに立ち向かうこと、そのものではないだろうか。
    それって、結局生きてるだけでいいってやつを言い換えただけじゃないのか?
    そうかもしれない。だけど、実際に何も特別なことはしなくていいんだ、自分だけにできることも、世の中への多大な影響力もいらない。自分とは必ず何かが違う誰かとここで暮らし、対立しては、対話をする、それでいい。その繰り返しの先には対立を

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    2025年10月15日
  • 世にも奇妙な君物語

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    登場人物のキャラ立ちというか、輪郭をすごくハッキリ表現される作風だったので、ストーリーが非常に想像しやすく、読みやすかった。
    世にも奇妙な物語の起承転結をシンプルかつ的確に書かれていて、特に13.5文字はハッとなった。

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    2025年10月13日
  • 武道館

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    ネタバレ

    解像度の高さが、さすが朝井リョウ。

    “武道館”を合言葉に活動するアイドルグループ「NEXT YOU」。
    主人公はそのメンバーのひとり、愛子。
    幼い頃から歌って踊ることが大好きだった愛子と、共に夢を追うメンバーたちが、夢を叶えるために日々活動を続ける物語。

    ただ、単純なサクセスストーリーでは決してないのが本作の面白さ。
    ファンには見せない裏側が、時にファンにとっては残酷なほど緻密に的確に描かれており、その解像度にただただ感心させられる。
    これが10年前に書かれたというのが衝撃。

    崩れない前髪、落ちないヘッドドレス。
    配信サービスが当たり前になった今だからこそ、その価値が問われるCDと特典商

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    2025年10月13日
  • ままならないから私とあなた

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    ネタバレ

    薫ちゃんズレてるな、と感じるのは私も前時代的なのかな
    恋愛の描写がすごく好きだった
    最後どうなったか描かれてないけど、主人公の性質を考えると夢を諦めて、結婚して子供を産むんじゃないかなって気がした
    科学技術であんなことができるって分かったら私ならもう創作続けられないかも

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    2025年10月12日
  • どうしても生きてる

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    生きることと死ぬことは対立する2つの事象ではなくて
    互いに相手を手繰り寄せるように繋がっているのだと気付かされる。

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    2025年10月12日
  • 少女は卒業しない

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    『エンドロールが始まる』『屋上は青』の女の子の感性がとても美しくて好きだ。どういう子なのだろう。いつか会って話をしてみたい。

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    2025年10月08日
  • ままならないから私とあなた

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    正解も間違いもなくてどの部分を切り取って信じるかの違いで価値観が形成されるんだなと

    これからどんどん新しい時代になっていってきっと私は自分の生活が変わってしまうことを怖いと感じるんだろうなと思いました。

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    2025年10月06日
  • ままならないから私とあなた

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    カオル(オーディブルで読んだので音しかわからない)が開発したソフトがお披露目されるシーンで、「いやまさかね」と思ったまんまのソフトで笑った。それはやってはダメでしょう。でも2025年の今、アートの世界はAIが作ったものが圧巻している。私はアーティスティックな人間ではないけれど、触れるもの、身の回りに置くものは人間が作り出したオーセンティックなものにしたいので、カオルが目指す世界は理解できない(もちろんAIのお陰で利便性が高まることも理解した上で)。ていうか大学で研究が及ぼす倫理的な影響について触れなかったんかい。そこに盛大にツッコミたくなった。
    カオルは、親友の夢がいつの間にか自分の夢になって

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    2025年10月06日
  • ままならないから私とあなた

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    ネタバレ

    風俗行く人が人間関係について語るのグロいわよねーそうだよねー

    薫ちゃんの問題点はそこじゃなくて著作権関連だし、ゆっこはちゃんと避妊しなさいよねとは思ったよねー
    (10年ほど前の作品だと知り、昨今のAI著作権問題を鑑みるにビックリ!)
    子どもがそれぞれ親を反面教師にするの、あり得て面白い
    (文庫版加筆だと知りそれもビックリ)
    時代が巡るとは淘汰されることではなく小さい世界がたくさんできることってのがなるほど

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    2025年10月05日
  • 死にがいを求めて生きているの

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    ネタバレ

    「やりたいことを見つけた人は今何してるのって聞いてくる〜じゃあ何かやりたいこと見つけるって話だから」の部分がわかるーーーーーーーってなった
    今何してるのって聞かれるのが嫌な理由がここに詰まっていた

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    2025年10月04日
  • 世にも奇妙な君物語

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    見せ掛けだけで中身が無い現代社会を『世にも奇妙な』展開で一刀両断する、朝井リョウ全開の全5篇。止まらない伏線回収、まさかの結末に筆者の新境地を感じました。

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    2025年10月04日
  • スター

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    どっちがいいとか答えはないけど、考えてしまう問いをくれる本でした。
    正解はないけど、自分はこっち!というのは選べる。

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    2025年10月01日
  • わたしの名店

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    総勢28名による「名店」にまつわるエッセイ集。1編が短くて、するすると読めた。
    宇垣美里さんの文章を初めて読みましたが、リズム感が良くて好きかも。
    美村さんの文で「人の感情を再現する役者の仕事柄か、…お客様の表情を拝見すると、そこが美味しいかどうか大体推し量ることができる。…お客様から安心感と笑顔が溢れている店は、ほぼ間違いない。」というのは面白いなと思った。
    28名がそれぞれの視点から語るのを読むうちに、周りの人にも、名店とそのエピソードを聞いてみたくなる1冊でした!

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    2025年09月28日
  • 死にがいを求めて生きているの

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    ネタバレ

    おそらく、この本を読んだ誰もが最初のシーンをもう一度振り返りたくなるのではないだろうか。
    私は「一度読んだ後に、読む前とは受け取り方が変わる物語」が好きである。そのため、この作品は読み進めるにつれてパズルのピースが自分の中で少しずつはまっていくような感覚があり、とても楽しめた。

    私は大学生という立場から、登場人物たちの姿に自分の見たくない部分を突きつけられるような場面が多くあった。何かに対立しなければ自分の価値を見出せない雄介。彼を諭そうとしながらも、自身も父親という存在に疎ましさを抱き、同時にそれを生きがいとしているのではないかと悩む智也。彼らの姿は、「私にとって生きがいとは何か」と改めて

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    2025年09月26日
  • わたしの名店

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    美味しそうだし 雰囲気が素敵なお店ばかりでぜーんぶ行ってみたくなった。
    こんなに素敵なお店を見つけた方たちの生活も素敵!

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    2025年09月23日
  • 死にがいを求めて生きているの

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    承認欲求が強く他人と比較することが多い私にとって、とても深く刺さる本だった。
    絶対って言葉を多用してしまう未熟さや、対立することで自分の価値を見出すこと、生きがいを求めてしまうことが自らの経験と重なり考えさせられた。
    年代的にも重なり、何のために生きるのかという目的意識をもたないと自分を見失ってしまいそうになる危うい感覚が描かれていた。

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    2025年09月23日
  • GOAT Summer 2025

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    今号も読み応えたっぷり510円でこんなに楽しませて頂いて良いんですか(ありがとうございます)

    どれも面白かったが一穂ミチさんの小羊ちゃんが抜けない棘みたいにジクジクしてる。
    演じさせられてる、それは徴持ちだけだろうか。正義感という熱狂を悲劇を消費する快楽を私たちは覚えこまされ知らず演じさせられていたりはしないだろうか。

    しかし現代詩のコーナーは最悪でした。
    ページを開くと顔に線を描かれてるような感覚になって、詩を読むどころか一文字も入ってこない。何回かチャレンジして読むの諦めた。
    次の号はデザインではなく文字を主役にして頂きたい。

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    2025年09月23日