朝井リョウのレビュー一覧
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ネタバレ『スター』は、創作と評価について真正面から向き合った作品だった。
映画監督を目指す尚吾と、動画配信の世界で活躍する紘。対照的な二人の姿を通して、「良い作品とは何か」「評価されることにどんな意味があるのか」を考えさせられた。
SNSや動画配信が当たり前になった現代ならではのテーマを扱いながらも、単なる時事ネタに終わらず、創作に情熱を注ぐ人々の葛藤や成長が丁寧に描かれているのが印象的だった。再生回数や数字では測れない価値がある一方で、多くの人に届くことにも確かな意味がある。そのどちらも否定せずに描いているところに好感が持てた。
何かを作ったことがある人なら、登場人物たちの悩みや焦りに共感せず -
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昨今の効率化、AIを活用した自己完結化、IT化に疑問を感じ、便利さは利用しながらも、スマホのなかった時代に子ども時代を過ごせてよかったとか、これから歳をとって社会についていけるのだろうかと不安を感じる方の人間です。薫の意見により、自分の価値観を客観的に説明された気がします。辛辣だけど、なるほどなと思った。でもやはり、雪子の語ることに強く共感した。
正反対の価値観を持ちながら、ずっとお互いをかけがえない存在として疎遠にならずに歳を重ねたのは、お互いがそれぞれにとって魅力的だったからだろうし、わかる。ただ、薫の雪子に対する執着が強めに感じた。私が読み取れていないだけだろうか? -
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高校の色んなきらきらが詰まっててよかった( ᵕ̩̩ ᵕ̩̩ )
これ題名だけみて「主人公桐島ね」とか思っていたらまさかの桐島視点のお話さえなくていい意味で裏切られたよ⭐︎
でもお話に出てくる人みんな少ーしずつ桐島やその周りの人との関わりがあって、それぞれの物語を持っていて。
「本当は、世界はこんなにも広いのに、僕らはこの高校を世界のように感じて過ごしている。」
ほんとこれです
学生の時なんて、特に中高は学校が全てなんだよね
それが世界なんだ
せっまい世界で生きてたんだ
その世界の中で知らないうちに影響を与えたり、与えられたり、憧れを抱いたり、好きになったり、嫌いになったりしてんだなって。 -
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ようやく読むことができました。
朝井氏が『何者』で直木賞受賞後、第一作目となるこちらの本『世界地図の下書き』は、児童養護施設「青葉おひさまの家」で暮らすことになった子ども達を描いた作品です。
すごく読むのに勇気が要りました。
だって、様々な事情を抱えて親と離れて暮らす子ども達を直視できるのか不安で……。
やはり途中で何度も読むのをやめました。
そして、辛くなっては朝井氏の『風と共にゆとりぬ』を読み、正気を保たせました。(推奨)
どうしてそこまでしてこの本を読もうと思ったのかと言いますと、知り合いの子が児童養護施設に一時保護されたからです。
朝井さんならきっと子どもの気持 -
Posted by ブクログ
伏線回収も多くて、また最初から読み直したいと感じられた。
読後がすっきりしない。内容がよくわからない、というよりは、それぞれの登場人物の生き方や考え方に共感できるところが多くて、自分の軸が定まらなくて、すっきりしない。
その点で、現代に生きる私たちの価値観がよく描かれているように感じた。
私は智也の生き方に近いと思っていて、生きがいとなる軸がずっとあったが、育った環境が違えば雄介のようになったとも思うし、同じ環境だったとしても誰かを傷つける側に回った可能性もあったなと感じていた。だから、雄介や智也が自分の人生を振り返る過程で、共感してしまう点が多かった。
ナンバーワンよりオンリーワンの思想にな -
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初めての朝井リョウは、「イン・ザ・メガチャーチ」だった。
そして「スペードの3」を読み、今回やっとデビュー作である。
タイトルにある桐島くんは、一切登場しない。
「桐島くんが部活をやめる」という一つの事象が、同級生たちの「高校生活」という小さな世界を揺れ動かす。
桐島くんがどんな人なのか、それは各章の主人公や登場人物たちの目を通してしかわからない。
そして、どうして桐島くんが部活をやめてしまつまたのか、本当のことは誰にもわからない。
そして、高校という彼らにとっての世界では、上とか下とか、目立つとかダサいとか、そういうのが全ての基準であり、法律だ。
その感覚が、かつて高校生だった私にももちろん -
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なぜ、朝井リョウはここまで鮮やかに人間模様と心理をチョキチョキと切り取ることができるのか。
どの話も心がちくちく突かれるのだが、最後の短編「籤」が、自分の今の状況と合っていて、やられた。
「人間は、男はこんなにも醜くてどうしようもないんだって曝け出してる風でいて、どこかで、だから仕方ないよね許してね、ここまで曝け出したっていう勇気のほうを評価してねって開き直ってる感じが嫌なんですよ、私」p.293
みのりは思う。
何でも洗いざらい吐露すること、人間が抱く醜さを抉り出すことが"誤魔化しのなさ”、”嘘のなさ”、快感を生むほどの"正直さ”だなんて褒めそやされるのは、暗転