朝井リョウのレビュー一覧
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ネタバレ「正欲」をよりコミカルな筆致で描かれていると思ったが、オブラートに包んでいるだけで、深刻さは変わっていない。シリアスな内容をギャグタッチの漫画にするような。
個体として発生しただけで生まれた目的は果たされている。オッケー!
子孫を残せればラッキー!
という視点というか、生き物はみんなそうだ、救いがあると思った。人間だけなんでこんなにめんどくさいんだろう。
気を使ったつもりが、傷つけたり神経を逆撫でしてしまうこと、いくらでもあるなと思う。
この小説を新聞で連載したことに大きく意味があると思った。1番伝えたい読者層に届く方法。
終わり方も、すごく急発進で前進するわけでは無いけれども、幸せだなぁ -
Posted by ブクログ
ネタバレ生きてるだけで偉い。こんな類の言葉を素直に受け止められない私にとって、下手な慰めよりも遥かに自分に寄り添ってくれたような、そんな小説だった。
生きがいを求めて生きているのは雄介で、死にがいを求めて生きているのは智也だと途中まで思っていた。表現される見た目や賢さ、性格でいつの間にか勝手に得ていたイメージが覆された。智也の病室から始まり智也の病室で終わるのが良い。
「だけど人間は、自分の物差しだけで自分自身を確認できるほど強くない。そもそも物差しだってそれ自体だけでこの世に存在することはできない。」
「ナンバーワンよりオンリーワンは素晴らしい考え方だけれど、それはつまり、これまでは見知らぬ誰か -
Posted by ブクログ
「正欲」と話の流れが似ていた。異性愛のマジョリティと同性愛のマイノリティ。この本でもマイノリティがマジョリティに存在を認めてもらうという構図への疑問が呈されている。
抜粋↓
「理由もないのに強い気持ち」は、実は共同体や種の拡大、発展、成長に関係していることが多いです。
例えば子供をうみたい、とか。ほんと、あれなんでそう思うんだろう?
スルーしていた小さな違和感みたいなものを、丁寧に拾って言語化しているところがやっぱり朝井さんってすごいなと思いながら読んだ。
読後もふと考える、自分って何のために生きてるんだっけ?
拡大、発展、成長に寄与していないとソワソワしてしまう。別に成長なんてしな -
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再読。1度目は奇抜な設定に呑まれていたのかそこまでハマらなかった記憶なのだが、再読しこの本の恐ろしさに気づき、魅了された。
グサグサ!ザクザク!斬られる。
インザメガチャーチと重なる部分もあり、その点においても再読を楽しめた。
メタofメタで研究したこの世界の解説書ってかんじ。宇宙人とかに、この世の生活を伝えるならこんな感じになるんだろうなーと思った。
自分のライフステージや置かれる環境によって、受け取り方が変わっていきそう。
会社で、今期の目標は?とか聞かれるたびにうるせえなって思ってたし、目標とか成長とか変化を求められることに最近うんざりしてきてる。
現状維持で、今のレベル以上の仕 -
Posted by ブクログ
自分達の年代が子供の頃は、まだ「スター」とされる人達が存在する時代だった。何万人、何十万人の中から選ばれた特別な存在こそが「スター」だという考えは今もある。だから、自分もどちらかというと登場人物の尚吾の様な考え方でYouTuberを捉えている。でも、結局それは、新しい価値観に順応できていない自分が、新しいものを頭から拒否して取り入れていない結果でもある。
「他を貶すより、自身のやっていることのよいところを見つけていくこと」と千紗の考え方が、新しい価値観が出現した時に大切になってくるのかも知れない。
選択肢が多過ぎて、正しいことも間違っていることも、人によって異なり、自身で選択していくことが難し -
Posted by ブクログ
ネタバレ主人公は、家電メーカーの総務部総務課に勤務するゲイの達家尚成、33歳。そして、その主人公に寄生(?)する生殖本能が語り手という斬新な設定の小説。
ぶっ飛んだ設定ではあるが、生殖本能が主人公の生き方に対して軽妙にツッコミを入れていくスタイルは嫌いではなく、共同体の拡大、発展、成長にのっかるのか、のっからないのかといった人間の生き方に対する深い洞察も垣間見られ、期待を裏切らない面白さだった。自分なりの「しっくり」を追求し、他人からの介入は基本受け流す主人公にあきれる思いも持ちつつ、その受け流しスキルはなかなかのものだと感心した。
ただ、生殖本能が語り手なのに、性欲など性自体の話にはあまり踏み込まれ -
Posted by ブクログ
個を尊重する世の中に見せかけて、まだまだ学歴とか年収がわかりやすい生きがいとして認識されていると思う
世の中の指標に則ったら則ったで、結局その指標のトップになれん人が大多数やから、その指標だけを頼りにすると身近な人との比較に走る
そこまでは誰しも経験するとして、そこから逆張りで開き直るか、言い訳して腐るか、粘るか、自分を受け入れて別の軸を立てるか
開き直ってもいいけどその開き直りに他の人巻き込むぐらいなら1人で腐る方がマシ
自分は勝っとるつもりでも、その承認のために他の人巻き込むのも同じく
ダサい生き方はしたくないな
自分の美学ぐらいは貫いて生きていきたい -
Posted by ブクログ
5編の短編。
でも、全部のお話の登場人物に少しずつ繋がりがあるので、読み進めるほどに繋がりがわかって、同じ出来事を別の人の視点から見れて楽しい。
大学生や専門学校生や予備校生が主人公で、みんなそれぞれ悩んでいる。自分は人とは違うし特別だと思ってみたり、努力せず成功している人を羨ましく思ったり、でも実はその人も努力していたことを知って劣等感を感じたり。登場人物たちは人には隠している心の内面を小説の中で曝け出してくれる。
いろいろな人の内面を覗き見できる小説ってやっぱりすごいね!
共感したり涙したりきゅんとしたり反省したり、今作も感情が揺さぶられた。
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Posted by ブクログ
今更になって気になって読んでみた小説。
高校が舞台の青春小説ではあるが、主人公が動くような小説ではなく、一人に視点は置いているものの群像劇となっているのが特徴で、同時刻に起きたことを他の人から見た描写があるのも珍しい。
思春期の生徒の気持ちや想いの言葉になりにくさを素直に表現できているのは、著者の朝井氏が書いた当時まだ大学生だったこともありそう。
元々は高校生の時分から書きたいと思っていたらしいエピソードは、同氏の「発注いただきました」で少し述べられているのでご参考に。
2012年に映画化しているが、まだ見ていない身からすると正直これを上手く映画化するのはさぞ難しかっただろうと思う...