あらすじ
誰かと一緒に暮らすのはきっとすごく楽しくて、すごく面倒だ。「いつかあの人と同じ家に住めたらいいのに」「いずれこの二人暮らしは終わってしまうんだろうか」それぞれに想いを抱えた腐れ縁の恋人たち、趣味の似た女の子同士、傷心の青年と少女、出張先の先輩と後輩、住みついた妖怪と僕……気鋭の作家8名がさまざまなシチュエーションを詰め込んだひとつ屋根の下アンソロジー。
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最後の短編が特に生々しくて。他のもどれも生々しかった。のぞき見している気分。同棲って何なんだろう。結婚のように契約でもなんでもなくて、気持ち次第ですぐに出て行って。また夢に見そう。
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朝井リョウはん目当てで手に取りましたが、
最後の吉川トリコさんの短編がお気に入りです。
私自身も、自分の性格や習慣はこれまで一緒に過ごした人に影響されてるところがあるのだろうと思い馳せました。
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作家8名によるアンソロジー。
ひとつの部屋で暮らす、いろんな二人の物語。
ひとつ屋根の下というと、ルームシェアか同棲がイメージしやすかったのですが、妖怪とか少女とか変わった関係も多くて。
初読みの作家さんも多かったのですが、個人的には徳永圭さんの『鳥かごの中身』がせつなくて、少しあたたかくて好きでした。
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ルームシェア、同棲、長期出張のホテルとか、いろんな形の「ふたりぐらし」を描いたアンソロジー
最初に部屋の間取り図と最寄駅とか築年数とかの情報が載ってるのが部屋をイメージしやすくてありがたかった
備考欄の内容が結構面白くて、ストーリー想像してから読んでた
どの話も面白かったけど、18階の神様と月の沙漠の話が特に好き
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8つのアンソロジーからなる作品。正直アンソロジー作品は多少はハズレがあるが、この本はそれがなくどれも当たりだなと思った。朝井リョウが大好きなので気になって買ったが、他の作家も良い作品だったのでこれを機会に読んでみたいなと思う。
各ページ冒頭の間取り図も見ていて楽しい。
1話目
◎朝井リョウ「それでは2人組を作ってください」
どうしてこんなに女子心がわかるんだろうと思うくらい、人の心の繊細さや機微を感じ取るのが上手だなと改めて感じた。『何者』を読んだことのある人だと余計楽しいと思う。朝井リョウ大好きすぎる。
2話目
◎ 飛鳥井千砂「隣の空も青い」
韓国出張に行く前と行った後の、主人公の心の変化がポジティブな形で細かく描かれていて良かった。高畑は帰国後、香奈とともに過ごしていくこの先の未来のために、同棲やお互いの国に対する考え方や抱えている思いを話し合うんだろうなと明るい気持ちになった。
3話目
○越谷オサム「シャイニングニー」
夢を追う男女が最後自分の道のために別れてしまうのはよくある設定だが、それが爽やかでお互い明るく吹っ切れたラストだったのが良かった。
4話目
◎ 坂木司「女子的生活」
小川さん(くん)が自分の性に対して自信と誇りをもって楽しく生きている姿が素敵だったし、部屋に転がり込むことになった後藤くんもいい意味で気を遣わなく気が回らないので、この2人なら自分たちらしく生活していくんだろうなと思った。小川さんが後藤くんに文句を言いつつも、後藤くんが気にしないで「でもこれも良いじゃん?」と笑顔で言ったことに「まぁしょうがないこれも良しか」となってる未来が見えて微笑ましく思った。
5話目
△徳永圭「鳥かごの中身」
これが一番平凡だったかも。多少抱いた同情で、隣のよく知らない子どもを無責任に勝手に預かって世話をするのはどうかと思った。よくあるテーマ説定感が否めなかった、、ななかちゃんは素直でいい子なんだと思った。
6話目
○似鳥鶏「十八階のよく飛ぶ神様」
SFと神話を盛り込んであるのに、厨二感がなくサラッと楽しく読めた。ミニどんでん返しがあるのも良かった。
7話目
○ 三上述「月の砂漠を」
戦争や昭和の文化観を感じながら読んだ。亡くなった大事な人が同じ男女が共に、そのつらさや思いを抱えて支え合って生きていくためには、時間と深い愛情と話し合うことが必要なんだと思った。
8話目
◎ 吉川トリコ「冷やし中華にマヨネーズ」
毎日一緒に過ごし、特別なことはしない。だらだらとつき合っているが、無意識化でかけがえのない存在だと感じる。結果的には別々の道を歩むことになったが大丈夫、やっていけるはずだと思った。リアリティがあって良かった。
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『女子的生活』と名前忘れたけど神様の話が良かった。
女子的生活は文庫本になってて続編があるからこの本読んで気に入った人は買ってみるといいと思う。
神様の話も良かったな。見た目に囚われちゃいけないと思った。
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"結局私は、自分よりもバカだと思う人としか、一緒にいられない。"
"自分に希望を感じさせてくれるものに目を向けて、それを大事にしたり、誇りに思ってみたらどうかなあ"
"夢のようで、すべてが自分の思い通りの生活はステキ。でもときどき、「自分」すぎていけないのかなって思うことがある。だからこういうノイズも、たまにはあっていいのかも。"
"いたいのって、なんでしつこいのかな。どうしたら飛んで行ってくれるのかな"
ルームシェアいいな〜と憧れもあるけど、全く価値観が違う人と暮らすって大変だろうな…と。
誰と暮らすかって本当に大事。
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8人の作家の作品をつまみ食いできる本。
朝井リョウ目当てで読んだけど、他にも好きそうな作家を見つけることができてよかった。
7つ目の三上延の話が、登場人物が魅力的で素敵だった。
普段の日常では寡黙な人は嫌いだが、この話に出てくるような寡黙な人だったら好きになれそう。
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*それでは二人組を作ってください(朝井リョウ)
姉とルームシェアをする大学生のリカ。小さい頃から二人組を上手く作れず、今回姉が婚約者と同棲するために出ていくことになって、友達の智美をルームシェアに誘おうとするが…
きっと女性なら必ず感じる、「二人組を作る」イベント時に感じる不安を上手く表現されていた。後味はすっきりしない感。
*隣の空も青い(飛鳥井千砂)
同じ会社の男性先輩と急遽、韓国出張に行くことになった男性主人公。宿泊するホテルの部屋が手違いでダブルの部屋で。。
国問題も少し表現されていて、でも希望が見い出せる素敵なお話だった。個人的に飛鳥井さんのファンなので読めてよかった。
*ジャンピングニー(越谷オサム)
プロの漫画家を目指し睡眠を削り死にものぐるいで生活する智美とチャンスを掴みそうなプロレスラーの彼氏との同棲生活。
*女子的生活(坂木司)
東京でともちゃんとルームシェアして女子的生活を送るミキ…
少しだけミステリチックになってて面白かった!
*鳥かごの中身(徳永圭)
ひょんなことから小学生のななかを預かることになった主人公のお話。
*十八階のよく飛ぶ神様(似鳥鶏)
突然、神様と敵が現れるお話。敵から身を護ってくれるという神様と数日同居をするが…
*月の砂漠を(三上延)
大正、昭和時代の夫婦の話。その時はまだ珍しいモダンなアパートメントでわずらわしい規則にうんざりして生活する八重のお話。
*冷やし中華とマヨネーズ(吉川トリコ)
13年近く同棲をする恋人の物語。
アンソロジーの最後に相応しい、少し切なくでも明るく前を向ける作品でした。
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「二人の部屋での同居生活」を物語の共通点とした、複数作家のアンソロジー。
純愛をテーマにした作品だけでなく、なかなか複雑な事情を持った境遇や二人にフォーカスをあてた作品だったりするので、バラエティーに富んでいる。
同居生活から見えてくる隣人との距離の取り方というかなんというか。妖怪や神様が登場する話(!)含め、考えさせられた。
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桐島や何者の朝井リョウさんとビブリアの三上さんに惹かれて購入。自分の中ではキャラ文芸と小説の間くらいを攻めているというイメージの新潮文庫nexってこともあって読んでみたけど、まさしく印象の通りだった。
小説というカテゴライズがしっくりくる話から、これはもはやラノベだろって言いたくなるような話まで盛りだくさん。どれもこれもきっと作者の個性がありありと出ているに違いない。最初から最後まで様々なメニューを楽しめるお店に入ったような感じでした。個人的には「それでは二人組を作ってください」「ジャンピングニー」「月の砂漠を」「冷やし中華にマヨネーズ」の4作がお気に入り。
こういうアンソロジー系って、作家さんがスタートラインに並んでよーいドンってやるわけじゃないですか。誰が一番良い記録を出せるか、みたいな。そういう時、実際に顔を合わせた時はお互いの作品についてあれこれ言ったり褒めたりとかするのかもしれないけど、内心では絶対「俺の方が面白い」って思ってるんじゃないかなって。でも、そういう気持ちって大事だよね。少なくとも自分はそういう人間です。あと多分朝井さんも。
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短編集は作家の実力が出ると思う。
短い中でどれだけ自分の色を出せるか。
そういった意味では、朝井リョウ、吉川トリコが楽しめた。
後はまぁ、つまらなくないが印象には残らない。
短編集とは、読んでいるその時間を楽しむものだと思う。
お話を楽しみたければ長編を読むべし。
星は3.3くらい。
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誰かと一緒に楽しく暮らしたいのに
何か上手くいかない、アンソロジー8編
各部屋間取り付きでイメージが湧きますね
「それでは二人組を作ってください」朝井リョウ
これは「何様」に収録されていた短編ですね
ぞわり、隠しきりたい心情をえぐるタイプの
大好きなやつ。何者→何様で読んでいただけたら幸いです
「女子的生活」坂本司
これは、もしかしたら、昔NHKドラマ10で志尊淳が、めちゃかわ女装男子を演じていた原作ですかな?
意味深なストーリーへの入りも良い
吹っ切れた、女の子になって女の子と付き合いたい、今はまだ女装男子の切れ味良い攻め気味の会話がそそる
「十八階のよく飛ぶ神様」似鳥鶏
悪い神様と良い神様との同居
シュール 似鳥さんはこちらが本領なのかな
「冷やし中華にマヨネーズ」吉川トリコ
十三年という時間を過ごしたカップル
最初は確かに好きだった
生活感の食い違い 目に付く悪癖
いつしか 部屋をシェアする関係に
クズな男が浮気を繰り返し部屋を出ていく
そうそう、今は悲しくても別れて正解
「ジャンピングニー」越谷オサム
好きな男はどうも生き方が甘い
嫌いになったわけではないが、自分次のために別れを告る
「隣の空も青い」飛鳥井千砂
「鳥かごの中身」徳永圭
彼女がインコを逃して出ていく
そのあとに迷い込む隣の部屋の少女
「月の砂漠を」三上延
順不同でしたー
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思ってたより面白かった。どの話もそれぞれの色が出ているなと。カラフルな表紙通りの作品群。その部屋で生活している住人たちの頭の中、独り言、生活模様を覗き見しているような気分になる。
印象に残ったのは、三上延さんの「月の砂漠を」。
ちなみに一つだけ異色な部屋が混ざってます(笑)
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一つの部屋と二人をお題として八名の作家が書いたアンソロジー。同じお題なのに全然違ってて面白い。朝井リョウさん目的で買ったけど、他の作家さんのも面白くて、なるほど、こういう風に好きな作家さんを発掘していくのも面白いなと思いながら読んだ。吉川トリコさん好き。
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冷やし中華にマヨネーズはかけませんが、他人と暮らすってそういうことなんだろうなあと思いました。価値観の相違をどのようにして擦り合わせていくのか、どのようにして生きていくのか。いつか他人と暮らすときにもう一度読み直したい作品です。
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浅井リョウ「それでは二人組を作ってください」
飛鳥井千砂「隣の空も青い」
越谷オサム「ジャンピングニ―」
坂木司「女子的生活」
徳永圭「鳥かごの中身」
似鳥鶏「十八階のよく飛ぶ神様」
三上延「月の砂漠を」
吉川トリコ「冷やし中華にマヨネーズ」
以上8つの短編集。
率直な感想を述べると、私には少し難しかった。
同居人との間には特別な価値観があり、そしてその形の多様さはとても素敵だと思う。
しかし、若輩者の私には実感が伴わなかった。
この物語を楽しむには私の経験が足りない。
逆に言えば、もっともっと多様な人と出会っていけば、きっとどこかで共感できることだろう。
以下は、いくつか気になった作品について。
「鳥かごの中身」は、途中まではすごくよかったのだが、結末に納得がいかなかった。
主人公はななかのおかげで救われたかもしれないが、ななかはあの後前向きにやっていけるのだろうか。
小さな少女が大人に諭されて、仕方なく従っただけではないか。
ななかへの救いがほしかった。
「十八階のよく飛ぶ神様」は、8つの作品の中では唯一ライトノベルっぽい。
しかし展開はラノベのようにはいかない。
読み終わった後に、愛着を感じてしまっていたのにと寂しさを覚えたのは私だけだろうか。
「月の砂漠を」は作品としての出来が一番いいと感じた。
八重の寂しさがよく伝わってくる。
いい夫婦の話。
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朝井リョウ、飛鳥井千沙、越谷オサム、坂木司、徳永圭、似鳥鶏、三上延、吉川トリコという8人の作家が、それぞれ「部屋に住む」ということをテーマに綴ったアンソロジー。
それぞれの作家性というか、クリエイターの個性あふれる物語で非常に面白かった。
「住む」ってのは衣食住のひとつを占めるとてもとても大事なマテリアルだし、更に異性とどんな形であれ一緒にひとところに住む、ともなれば「物語」は自ずと生まれるわけで。
Posted by ブクログ
誰かと一緒に暮らすことをテーマにしたアンソロジーですが、それぞれの作家さん達があまりにも個性的な設定を駆使したお陰でそれなりに面白いのですが、まとまりが無さ過ぎる一冊になってしまった印象です。
Posted by ブクログ
全部のお話に部屋の見取り図がついてて、これ見るのが楽しい♪
△それでは二人組を作ってください 朝井リョウ
主人公がヤな子で、さすが朝井リョウというか、隠れブラックだった。読後感があまりよくない。
○隣の空も青い 飛鳥井千砂
男二人でダブルの部屋に出張、という設定が笑えた。主人公より、同室の先輩がいい味出してる。日韓関係を盛り込んで、希望もあって、○
×ジャンピングニー 越谷オサム
ダメんずとズルズル同棲話。この手の話はあまり興味が持てない。私小説、リッチな日本の時代版て感じ。でも、最終話よりは、終わり方が爽やかかな。
○女子的生活 坂木司
なるほど!という設定。主人公が潔くて可愛くて、○○
Posted by ブクログ
共同生活がテーマで書かれたアンソロジー。
面白い作品と微妙な作品の差が激しいと思った。
特に、男女の恋愛模様を描いた作品はだいたい私の好みではなかった。
逆に、恋愛絡みではない共同生活(ルームシェア、出張のホテル、隣の家の子供の世話)は結構面白かった。
好きな作家さんがいるなら読んでもいいかもしれない。
Posted by ブクログ
部屋がらみで様々な人が寄稿した短編集。
それぞれの人の特徴を感じながら一気に読める軽い本。
この本を皮切りにいっぱい本が読めるようになってきた。
もっと簡単に本に向き合って良いんだなと思わせてくれてありがとう。
Posted by ブクログ
腐れ縁の恋人たち、趣味の似た女の子同士、傷心の青年と少女、出張先の先輩と後輩、住みついた妖怪と僕…。気鋭の作家8人がさまざまなシチュエーションを詰め込んだ、ひとつ屋根の下アンソロジー。
いろいろな間取りがあって楽しい。
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最近の人気作家8名の作品によるアンソロジー。
朝井リョウさん,似鳥鶏さんを目当てに読み始めたが,他の方の作品も良かった。
自分以外の他者との共同生活。
それは,自分の私的な一面を他者に開示するのと同義である。
その他者が親しい人間とは限らない。
それでも,同じ空間とルールを共有していくなかで,互いの私的な部分も共有され,いずれは自分の習慣の一部として生活に組み込まれていく。
私の大学は同棲率が高いことで有名らしいが,実際はどうなのだろう。
意外と本書のような物語が,私の部屋のすぐ下で起こっていたりするのかもしれない。