あらすじ
☆2026年本屋大賞受賞☆
【第9回未来屋小説大賞】
【第2回あの本、読みました?大賞】
沈みゆく列島で、“界隈”は沸騰する――。
あるアイドルグループの運営に参画することになった、家族と離れて暮らす男。内向的で繊細な気質ゆえ積み重なる心労を癒やしたい大学生。仲間と楽しく舞台俳優を応援していたが、とある報道で状況が一変する女。ファンダム経済を仕掛ける側、のめり込む側、かつてのめり込んでいた側――世代も立場も異なる3つの視点から、人の心を動かす“物語”の功罪を炙り出す。
「神がいないこの国で人を操るには、“物語”を使うのが一番いいんですよ」
感情タグBEST3
恐ろしいまでの言語化能力
読み始めてすぐに、恐ろしいと感じた。
ストーリーがではなく、文字.文章そのものが。
生きている上でなんとなく享受しているソレ、うっすら嫌悪感のあるソレ、社会に蔓延るソレらが次々と言語化され 定義され 文字となり頭に入ってくる。なんて恐ろしい。
読む者に確実に影響を与え、見える世界すらも変える力のある一冊。最高です。
「推し活」の光と闇を抉る物語
俳優への心酔やファンダムの熱狂を、個人の孤独を埋めるための「巨大な教会(メガチャーチ)」に見立て、その救いと危うさを鮮烈に暴き出します。
「視野を広げすぎると不安になるが、狭めすぎると狂う」というジレンマに、現代を生きる誰もが戦慄するはず。信じることでしか自分を保てない人間の脆さを残酷なほど美しく描いた、2026年を象徴する衝撃作です。
Posted by ブクログ
推し活がテーマの話。
推し活を作る側の孤独な中年男性と、推し活にハマっていく女子大生、推し活にハマっていたが陰謀論にハマっていった女性の3つの視点で進んでいく。
視野を拡げる、狭めるって何だろうと段々分からなくなってくる。
視野が狭い状態の彼らはとても楽しそうだけれど、現実から逃げているだけで。
みんな結局は辛い現実から逃げて安心するコミュニティに居たいだけなんだよね。それが家庭や近くの友人達にない人ほどハマりやすいのかもしれない。
推し活はほどほどに。ほどほどにすればきっと楽しいんだろうな。
ゾクゾクしながらも一気に読めて面白かった。
Posted by ブクログ
朝井リョウさんの『イン・ザ・メガチャーチ』をAudibleで聴き終えた。読み終えたあと、なんとも言えない「居心地の悪さ」と「救い」が同居する、まさに彼らしい作品だった。
■「やってこなかったこと」のしっぺ返し
物語の冒頭、47歳の久保田慶彦が直面する現実に、思わず背筋が伸びた。
「人生は、やってきたことと、やってこなかったことが返ってくる」という一文。
30代までは「これを頑張れば将来返ってくる」と信じて、がむしゃらに積み上げてきた。しかし久保田が直面したのは、スキルの習得といった「やってきたこと」の結果ではなく、家族との時間や利害関係のない友人関係を「やってこなかったこと」への報いとしての、埋めようのない孤独だった。
離婚した娘との盛り上がらないビデオ通話に、関係が切れる恐怖からしがみつく姿。効率や成果ばかりを追い求めがちな日々のなかで、これは無視できない警告のように感じた。
■ファンダム経済への違和感と「純粋な探求」
本作の核にある「推し活」や「ファンダム経済」の描き方には、非常に強い共感を覚えた。
高校生の頃、周囲がAKB48の総選挙に熱狂し、握手券のために価値のないCDを何枚も買う姿を見て感じたあの違和感。それは、消費者を限界まで搾取し、持続不可能なまでに「脳を溶かす」ことを強いる構造への嫌悪感だったのかもしれない。
一方で、私は『マツコの知らない世界』という番組が好きだ。
例えば「味噌汁の世界」を極める人が、2日目の唐揚げを入れたら美味いとか、レンコンのすりおろしが合うといった発見を伝えてくれるとき、そこには純粋な探求心がある。こうした趣味は人を豊かにするし、時間や労力を際限なく奪い取る「搾取」とは本質的に異なるものだ。
しかし作中では、現実の殺伐とした風景から目を逸らすために、自ら「信者」となって教義に身を投じる人々が描かれる。彼らは自ら脳を溶かすことを望んでいるのではないか、という指摘には、信じたくないけれど納得してしまう自分もいた。
■「孤独」という病と、視野狭窄
結局のところ、登場人物たちの行動の中心にあるのは「孤独」なのだと思う。
人生はあまりに長く、現実はあまりに殺伐としている。その空虚さを埋めるために、人は何かにすがらざるを得ない。それがかつての宗教であり、現代における「推し活」なのだろう。
久保田慶彦が、孤独を埋めるために自分が作り上げた「自分自身の救済としての物語」に没入し、他者との境界線を踏み越えてしまう終盤の展開は、本当にしんどかった。
彼にとっては「純粋な善意や繋がり」のつもりであっても、受け手側や社会のルールから見れば、それは「独りよがりの押し付け」や「恐怖」になり得る。良かれと思った行動が決定的な拒絶を招く、この残酷な温度差。最近学んだ「NHK(認識・反応・関心)」のフレームワークでも、相手の「関心(K)」を見誤れば、注いだ熱量はすべてマイナスに転じると学んだが、久保田はまさにその核心を見誤り、再び逃れようのない「孤独の大海原」へと叩き落とされた。
■なぜ、この「嫌な作家」の本を読んでしまうのか
朝井リョウは、こちらが隠しておきたい「ずるさ」や「弱み」をこれでもかと突いてくる。でも、彼を読んでしまうのは、以下の3つの効果があるからだ。
・ 心が楽になる: 言葉にできなかった生きづらさが表現され、「自分だけじゃない」と思える。
・ 恥ずかしい: 人に言えない気持ちを見透かされるが、それが襟を正すきっかけになる。
・ 頭の整理: なぜ自分がモヤモヤしていたのか、その構造がスッキリ理解できる。
■まとめ・これからの指針
SNSでは「生きてるだけで美しい」といった甘い言葉が溢れているが、その裏側でみんな救いを求めてもがいている。久保田のように孤独の海を漂わないために、今、大切にすべきことを間違えないようにしたい。
・ 「やってこなかったこと」を作らない: 仕事以外の話をできる友人や、家族との時間を大切にする。
・ 視野の使い分け: 広い視野で戦略を立てつつ、ここぞという時に狭い視野で一気に動く。
・ 相手の「関心」を問う: 自分の善意が独りよがりな物語になっていないか、常に一呼吸置く。
Posted by ブクログ
視野が広いと物事を抽象的に捉えてしまい、具体的な行動に移せない。視野が狭くなると目標が見えて行動が具体的になる。視野の広さは良くある具体と抽象の話に落とし込める。
人はエネルギーを持て余している。エネルギーを喜んで使える道を知ったとき、それは生き甲斐になる。生き甲斐を人々は求めている。エネルギーを使うためには行動が具体的なほうが良い。具体的な指針を求めて人々はそれぞれの宗教にハマる。宗教の類は何でも良い。経典でなくとも良い。そして、信じるものは救われる。
個人的には推し活は過度にならなければ前向きに捉えたい。人生を楽しむサポートになるのであれば良いことだと思う。人間誰しも何かしらの宗教に入りながら生きている。でも、家計を圧迫したり犯罪ギリギリの行動をするまでハマってしまうのは本末転倒だ。そこまでハマらせたなら、個人の責任にするのも限界だ。仕掛けているのが少なからず法人なのであれば、社会としてどこまで許容していくのかを考える必要があるかもしれない。
Posted by ブクログ
変化が激しく先行きが見えづらい現代だからこそ、見たくない現実には目を背け、自分にとって都合の良い物語に没頭することで、安心感を覚える。ファンダム経済を生み出す者と飲み込まれる者の対比は正に食う者、食われる者という弱肉強食な現代社会そのものであり、『何者』から続く朝井リョウの残酷なまでの精緻な人物描写と相まって、非常に読み応えのある1冊でした。
特に思い悩むばかりで行動に移せず、留学を諦めて花道というコンフォートゾーンに自ら留まることを決意した澄香と、流行を追いながらも着実に努力を積み上げ、最難関大学への交換留学をもぎ取った菜々の対比が印象に残りました。
いつの時代もチャンスを掴むのは自分に言い訳を作らず、積み上げた努力の成果を求められるタイミングで発揮できる人なのだと思います。
Posted by ブクログ
自分も起きてもおかしくないような人達だった気がする。
視野を広げて俯瞰しながらがんじがらめになりながら過ごすのか、それとも視野の狭めて一つの世界に熱狂的になるのか。と問いかけられた気がする。
それに正解も不正解もないのがこの世界のしんどいところ。読んだらちょっとしんどくなった。
あと読みやすい。
Posted by ブクログ
2026年本屋大賞の大賞受賞作。おめでとうございます!
視野を広げすぎても、狭めすぎても、どちらも弊害があるし、何事もバランスが大事。
何が正解かは視点によって変わってくるから、正解は一つではない。
私も推しはいるけれど、CDを何枚も買ったり再生数に貢献したりするほどのめり込んではおらず、そういう熱量の高いファンを今まで別世界の人たちだと思っていたけれど、
朝井さんのこの作品を読んだ今は、誰でも熱量の高い信徒になる可能性を感じた。
SNSで情報が溢れていて、でもそれと反比例するかのように、誰かと心から繋がりたいと孤独を感じる人が多いこの現代に、
お金や時間をすべて捧げる対象があり、その気持ちを共有できる仲間がいることは、
本人が幸せならそれでいいのかもしれないけれど、
運営側の手の上で転がされているのは悔しいかな。
と、苦しくなるお話だったけれど、澄香のバイト仲間のユリちゃんの言動が素敵だった。
澄香の繊細な気質を直すんじゃなくて、しんどさを解消させる方法を一つでも多く見つけたらいいとアドバイスしてあげてたのが印象に残っている。
それに、アクスタを盗んだ澄香に私ならあんなに大人な対応はできないな。
Posted by ブクログ
今までやこれからの人生に差す影や隙間を埋めるためにそれぞれが歩み始めるも、のめり込み、信じすぎた先にある景色はまた違った影を落とす。それぞれがかけがえのないものを手にするためにもがき苦しみながた気づいた安息を得たいだけなのに、勇気を出して行動しただけなのに。自分に重なる部分があって胸が締め付けられるような思いがした。
一方、登場人物たちが読者の人生を代行してくれたような感覚もある。私たちはまだやり直せる。
今だからこそ読んでみてほしい。そんな一冊でした。
Posted by ブクログ
(Audibleで聴取しました)
誰もが抱えるであろう孤独という魔物と、それを巧み利用する陰の巨大な力の存在という仮説が、自分自身の現実と対比され、いろいろな思考を呼び寄せて、微かなめまいを覚えました。
Posted by ブクログ
自他の境界に関する苦悩を描いた作品。
登場人物の結末を見るとやるせない一方で、「人間ってこんなもんだよな」という共感も覚える。
SNS等で他者の視点に触れることが増えた昨今、あえて視点を狭めて感情に身を委ねる意義が高まっているが、相対する人の気持ちや社会通念までも顧みなくなると破滅が待っている。
「他者に押し付けない」というラインを引いた上で、自分の感情を大切にするバランスが必要だろう。
とは言いつつ、自分の感情をうまく制御し、適切な距離感で他者と関わり続けるのは容易ではない。
人間のままならなさに寄り添ってくれる、味わい深い本だった。
Posted by ブクログ
現代の「消費社会」について小説にしたものという印象を受けた。
朝井リョウさん今までも『生殖器』や『正欲』でも消費社会について取り上げている一面があるなと感じていたが、今回はがっつり「消費社会」について小説にしているなと。
現代において、広告業界を中心に消費者の欲求をコントロールしている側面があるよね、という現代の「消費社会」の批判。
この問題として、欲望や欲求が尽きないこと。
以前は「モノ」の消費が中心で手に入れると満足することができたが、現代では「コト」消費が中心でそこにはゴールがなく、欲望が尽きない。
そういった消費構造の中で、私たちは生きていると自覚するのが大事だなと改めて感じた。
國分功一郎の『暇と退屈の倫理学』を読むと、『インザメガチャーチ』の理解が深まると個人的に思った。
Posted by ブクログ
読み始めたところだが、日経の連載らしく、40代の疲れた男性というのがあるあるですね
---
最後、渋谷の映像で、ちゃみするの顔を見た久保田の気持ちを思う。
色々な意味で刺さった
INFP気質があり、学生で、現在進行形でオタク仲間とオタ活に励んでいる自分には深く深く刺さりました。途中の描写は少し、いやかなりダメージを負いながら読みました。でも、その痛みも含めておもしろかった。
印象に残っているのは、久保田さんと道哉がカフェで会話しているシーン。道哉の台詞がつらつらと続く中で、「つまり何が言いたいの?」と思いながら読んでいたら、まさに同じようなことを久保田さんが漏らしていてびっくり。この時の道哉のような台詞って意図的に書けるものなんだ、と唸りました。朝井リョウさんの文章力に脱帽です。
推し文化の切り取り
推しにまつわる様々な人たちの話がつながっていく物語。正直怖い。のめり込みは気づくとそこにあるもの。そういう怖さを感じながらのめり込んで読んでしまった。
Posted by ブクログ
推し活にハマる心理や、社会的繋がりが希薄な中年の寂しさなど、価値観の多様化により逆に信じるべきものに迷いが生じる現代社会の問題や世相がありありと描かれていると思った。
印象に残ったのは、人は誰でも自分を使い果たしたいのだ、という国見のセリフ。確かに誰しもが心のどこかで、心からうちこみ人と繋がれるものを求めているのだろうと思った。
推し活も行きすぎると是非はあるだろうが、社会的繋がりや生きがいを提供する点では現代の新たな居場所として機能している。一方でこの本で描写されているような行き過ぎて生活を乱すようなことには少し病的なものを感じ、これを避けるためには、やはりみんなが社会的繋がりを持てる社会というのが大事なのかと思った。
Posted by ブクログ
おもしろかった。
男性同士のケア、自分を使い切れるものをみんな探しているとか本質に向き合わないように仕向けられているとか、社会問題みたいなものが沢山だった。
正解より本物の気持ちのほうを抱きしめていきたい。
Posted by ブクログ
ファンダム戦略を仕掛けるアイドルグループ運営に参画することになった中年男性、留学を志す一方で
1人のアイドルに熱中する女子大学生、推しの死から陰謀論にハマる30代女性の3人の視点から物語が展開されていく。それは推し活を仕掛ける側、推し活にのめり込む側、推し活にのめり込んでいた側の視点とも言える。そしてこの作品の背景にあるのは「視野の広さ」である。現代を生きる上で、視野は広い方がいいのか狭くした方がいいのかは決して分からない。人によって幸せが違うから。自分で作り出した物語か、他人が作り出してくれた物語か、何かしらの物語に流された方がいいのかは引き続き考えていかなければならない問いだなと思った。でも個人的には「正欲」の方が面白かった。
Posted by ブクログ
対象が例えば推しか戦争か宗教か。ただそれだけで、人間の本質は変わらないということ。熱狂とは何か。繋がりとは何か。自己実現とは何か。そんなことを考えながら読んだ。中年男性の孤独感が自分に近い感情であった。
Posted by ブクログ
私たちが信じているものって一体なんだろう?
今や世間に溶け込んだ『推し活』。
彼らはどんな気持ちで活動しているんだろう、私たちが彼らのためにしていることは本当に届いているのだろうか?彼らを売り出している人は、本当に彼らのためを思って活動しているのだろうか?
推し活を、【宗教】と感じることは少なからずあったかも知らないけれど、それを会社視点だったりで考えたことはなかったので、なんだか闇の部分を見てしまった気分。危険を孕んでいるかもしれないこの状況を、リアルに言葉にできるのがさすがだなと思った。
ミステリーでもなくヒューマンでもなく、
ノンフィクションに近い物語。
『正欲』の時にも感じたけれど、そういう観点で朝井リョウさんは本当に凄いなと、改めて実感した。
物語にあった「視野を広くしましょう」は、
現代を生きる私たち読者へのメッセージかもしれない。
Posted by ブクログ
3人の主人公から見た視点で動くストーリーがそれぞれ濃密に絡んで最後まで面白く読めた。人物描写も解像度が高く、それぞれの人物に関心が持てた点がよかった。
結末として、幸福か不幸かは不明だが結局人生とはそんなものなのかと思った。何かに夢中になって生きることで、何もかも失ってそれでも得られるものがあれば、それでいいのではないかと。
Posted by ブクログ
正しい幸せの形がないからこそ、
自由になった価値観の中で
自分が何を選んで、
何を選ばずに生きていくのかを問われていると思った。
視野を広げて、興味関心を幅広く持ち、我に返り、自分を持て余すのか?
視野を狭めて、一点に集中し、我に還らないように、自分を使い切るのか?
仕事家事子育ての中にいると、
タスクに埋もれそうになりながらも
小さいながらも充足感や達成感がある。
これは、職場や家族というコミュニティと繋がっていること、仕事と子育てへ視野が狭まっていることで自分を使い切ってしまっているからだと言えるかもしれない。
自分を使い切ってしまう分、本当にわたしがやりたいことはこれなのか?という新たな悩みも産まれがちだ。本当の自分を取り戻したい人に向けて、自己の内面へ意識を向けることを勧める書籍にはわたしも心当たりがあり過ぎる。日記を書け、記録しろ、自分を知って、前へ進め、行動しろ、結局これは視野を広げる作業だったのではないだろうか。自己を掘り下げて視野を広げる、自分を省みる。我に返る作業だ。自分を取り戻すことはできるが、化粧を落とした素顔に真正面から向き合うことでもあり、自分に自信がない人間が本気でやると辛さも伴うかもしれない。
一方で推し活は視野をギュッと絞ることで、自分の役割や居場所を得て、人との繋がりを感じてオキシトシン的幸福に浸れ、推しの成功はわたしの夢的な、ドーパミン的幸福までを感じるようになる過程をこれでもか!と突きつけられた。熱狂的信者層を産み出すための運営側の巧妙な戦略があると分かっていたとしても、推す側には推すことで得られる圧倒的充足感がそこに存在している。
視野をとことんまで絞り切ると、湧き出てくるような行動力と充足感、幸福感に満たされることが分かった。
Posted by ブクログ
星5に近い星4です。視野を広くする人間と、視野を狭くする人間‥‥どちらが正解なのか深く考えさせられました。視点が色々な人に変わりますが、物語の展開がよく出来ていて、テンポよく読み進める事ができました。最後の終わり方が好きでした。
Posted by ブクログ
現代社会を生きる様々な人種をリアルに表現していて興味深く面白かった。
自分の経験から共感できる感情も多々あった。
最終的に「どのような生き方が幸せか」といったヒントが得られるかと期待していたが、そのような結論は自分の中では見出すことはできなかった。
兎に角、今、身近にいる家族や友達を大切にしようと思った。
Posted by ブクログ
本屋大賞作品。
出てくる人は自分でもある。
そう感じられる作品。
推しとか、共感とか、現代のキーワードとなるものがたくさん入っている。
みんなつながりたい、何かに夢中になりたいという気持ちがあり、そうでありながらどこか孤独、そんな気持ちや人々が鮮やかにかかれている。
個人的には久保田がすみかに気づいたのか我気になる。
一気に読める!!
朝井リョウさん、5冊目かな。相変わらず、サクサク読める展開。会話しながら、脳内思考が繰り広げられるところが、臨場感があって好き。私はユリちゃん側の熱量の低い人だから、推し活で楽しんでいる人が羨ましかったけど、やっぱりバランス良く推さないと人生詰むわな、、、。視野が狭くも広くもバランス大事。個人的には、アイドルプロデューサーが冷静すぎて、リアルに感じた。てか、最後の終わり方!!続き書いてーー!!バレるのかな。家族関係の再構築できるのかな。あー気になって寝られなくなっちゃった。これが、視野の狭くなる感覚かな。朝井リョウさんの自叙伝が個人的に一番面白いよ。
Posted by ブクログ
めちゃくちゃおもしろいんだけど、ひとに勧めづらい……。読むことで心えぐられる具体的なひとの顔がいっぱい浮かんでしまう。
テーマとしては非常に普遍的。「ひとはなぜ/どのように推し活にはまるのか?」なんだけど「推し活」の部分は、ギャンブルや恋愛や麻薬や愛国心や陰謀論や宗教と入れ替えても問題ない。理論として半世紀前にボードリヤールが完成させている。シチュエーションやディテールは現代を見事に切り取っているが、それゆえに5年後とか10年後に読むと「なんだこれ?」「固有名詞がぜんぜんわからない」「古っ!」となりそう。だからいますぐ読むべき。
カタルシスもなければハッピーエンドとは程遠い結末は真のラスボスでもある「物語性」を過剰に否定したゆえのオチであると読みとることができるがまったく救いがない。くりかえしになるが、めちゃくちゃおもしろいし、小説としての完成度も高いが、安易に他人に勧めるべきではない取扱注意の毒のような本。
推し活にハマる人、推し活を仕掛ける人、推しが死んだ人の3人の視点で次々と描かれる物語です。
内向的で理想主義でまさにINFPのわたしは読んでいて揶揄されているような批判されているような気持ちになりましたが、最後には推し活の良い側面にも目を向けられます。変わってしまった娘の姿を目にした父はどうなってしまったのか。
Posted by ブクログ
ファンダム経済をテーマに書いた作品。
というのを金髪になった15周年の朝井リョウがテレビやYouTubeで宣伝していて気になっていた。やっと読めた。
毎回「そこに気づいたら生きていけないじゃん…みんな気付かないふりして頑張って誤魔化して生きてんのよ…」みたいなことを書いているけど、今回もそれで、嫌だなぁ凄いなぁと思う。
最後の寮に行くところ、私も物語が始まると思っちゃった。冷静にそんな訳ないのにね。
他人の物語じゃなくて、自分を信じて生きられるようになろうと思った。
Posted by ブクログ
さっと読めて面白かった。
孤独な中年およびその予備軍、推し活と適切な距離を保てていない人はメタ認知のために読むといいかも。
今までの人生、偶像にハマることがなく、依存先は読書や運動だったのでドルヲタとか推しとか概念自体がよくわからなかったけど、この本のおかげで少しだけわかった気がする。
心理的安全性のあるコミュニティで自分らしく繋がれることは、人間にとって渇望に値することなんだなと思った。
Posted by ブクログ
ちょうどライトな小説を読む時間ができた、となった時に本屋大賞受賞の情報をみて購入。この作者は久しぶりだなあと思いながら『もういちど生まれる』を発売直後に手にとった時の気持ちを思い出していた。
最近のSNSでみるような心情の描写や、物事の説明の仕方が多く続いていて、たまにSNSをみているのか小説を読んでいるのかよくわからなくなることがあった。それもあってか、読み終わるまでにけっこう時間がかかってしまった。
この作者のすごいところはこういう描写と構成のバランスにあると思うのだけれども、今回は展開が他の書籍よりも「読者であるこちらに(先に)読めすぎて」しまうような気がした。話はずれるけれども、こうした「ミステリーのように結末が読めないわけではないけれども、先を読み進める気持ちがなくならない程度に先の展開が気になる」構成というのは、相当意識して作っているものなのだろうか。それとも結果的にこうした構成に落ち着くものなのか。
Posted by ブクログ
推す側の心理構造を解剖されているような、ヒリヒリする鋭さがあった。推し活の解像度高すぎて本当に圧倒される。
私もここ半年くらいすごくハマっていることがあるから、運営側からはこんな風に見えてるのか、私もコントロールされてるのかな、、ってちょっと悲しくなった。
でも、視野を狭めて、何かに熱中する時って楽しいんだよなあ。日常の情けなくて退屈な自分から離れて、周りが引くほどの強烈なエネルギーを持てるって最高の遊びだと思う。深く潜る楽しさは、誰にも邪魔されない私だけの聖域としてこれからも守る‼️
推し活の客観的な視点と盲目的な情熱に触れられる一冊。
Posted by ブクログ
視点の数が増え、幸せの正解がその分増えた現在
自分を消費し尽くすことが現代の幸せの形に最も近いのかもしれない
その対象が何であっても
正解がないのに間違えてはいけない空気感の窮屈さや不安の経験が痛いほど分かる
間違わないように生きる=幸せ
ではないのだから、いっそ間違いでも幸せの瞬間が1つでも多い方がいいのかも
なんてやけくそにもなる
Posted by ブクログ
現代の視点を切り取る作家的な紹介をされていて、著者本人の話しぶりが面白いので読んでみましたが、私が求めているものとは違ったのかも。
離婚して元奥さんや娘から疎ましがられ、職場でも窓際部署で後輩からとも関係性が築けない冴えない四十代中年男性と、
その娘は洋楽や洋画が好きという父親からの影響で自分も好きな気がして留学しようとしていたが、内向的でうじうじうじうじしているから一歩が踏み出せず、周りの人間をうっすら下に見ている大学生と、
推していた俳優が自死したことで、「氣づいた」派遣の三十代女性、
の3人の視点が移り変わりながら描かれていく。
推し活を作る側、推し活にのめり込む側、推し活から距離をとったことで踊らされていたことに怒りつつまた新たな搾取に飲み込まれる側と、「推し活」に対する愚かさというか、こんなことに意味ある?感が強くて、読者に搾取されるなよってメッセージを送っているのかしらん、と思った。
3人に共通して味噌汁が出てくるんだけど、みんなろくなものを食べてないのよね。
キンパとか友人とごはんを食べるシーンがあったけど、基本的に食事シーンがあんまり美味しくなさそうな描き方で、作者があんまり食事に興味がないのかしらんと思う。
登場人物の名前をメモしながら読んでるから、最初に「すみちゃん」って2人いるんやね、って思ってたから、オチのクロスオーバーはなんとなく予想できた。
なんか基本的に感情で動かされる人間が多くて、ゲーム開発してた彼くらいしか読んでて感情移入できる人がいなかったな。
仕事は仕事なんだから、割り切って仕事するべきでしょ?
なんというか、後半に向けてもっととんでもない展開が待ってるかと思ったら、そんなことなくてちょっと肩透かし。
期待値が高すぎたのかも。
Posted by ブクログ
✒︎家族と時を過ごさない男は
決して本物の男ではない。
180pぐらい読み進めているが
おもしろい!!!という感じでは決してない。
ストーリー性はそこまでない
半分超えてから面白い
女性と男性のコミュ力の違い
タイムレスを想起させられる
日本の"今"を写した作品
✒︎だけど今は視野をわざと狭めて、動いてみたい。
読みやすくあのページの本を
このスピードで読めたのははじめて!
つまり面白かったのか??
これは!小説!なのか?!
不思議な感覚がずっと残る
この作品を完成させる
朝井リョウがすごいでは済まされない。
ただこの本はすごいが
この本を読んで幸福感はない。