【感想・ネタバレ】イン・ザ・メガチャーチのレビュー

あらすじ

沈みゆく列島で、“界隈”は沸騰する――。
あるアイドルグループの運営に参画することになった、家族と離れて暮らす男。内向的で繊細な気質ゆえ積み重なる心労を癒やしたい大学生。仲間と楽しく舞台俳優を応援していたが、とある報道で状況が一変する女。ファンダム経済を仕掛ける側、のめり込む側、かつてのめり込んでいた側――世代も立場も異なる3つの視点から、人の心を動かす“物語”の功罪を炙り出す。
「神がいないこの国で人を操るには、“物語”を使うのが一番いいんですよ」

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Posted by ブクログ

「宗教的」なタイトルなのに、冒頭で
「推し活」に関する説明がはじまった。

”推しを布教する”って言葉をこんにち、良く耳にする。そこから「推し活って宗教と通ずる物があるよな」と何となく思っていた。それは「商法」の問題だったんだな。

何となく思っていたことを”物語化”してくれたおかげでスッキリした。それに・・・。

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2025年12月15日

Posted by ブクログ

ネタバレ

最後の高揚感からの二重の絶望。現代の宗教ともいうべき、推し活のすごみが感じられた。一気読み。男性も女性も老いも若きも、コミュニティ=仲間と熱中すべき対象を求めている。

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2025年12月14日

Posted by ブクログ

ネタバレ

めちゃめちゃ面白い
推し活を仕掛ける側の話がゾッとした。
確かに人は物語に弱い。
自分に物語がないから、誰かの物語の一部でありたいと思うし、その場所を守ろうとする
視野を狭くすればするほどのめり込んでいく
一方で、そんな人生もある意味本人にとっては楽しいのでは、幸せなのかもしれない。

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2025年12月14日

Posted by ブクログ

推し活を仕掛ける側と仕掛けられている側の話。
日頃から推し活と密接に過ごしているので題材について身に覚えがあることがとても多く、お話に非常に没頭できました。

推し活と言われるものに没入しすぎていくさま、傍からみると狂っているとしか言いようがないさま、でも当事者本人はそれがきっとすごく充実して楽しいし幸せなんだろうなと思う。
各々の登場人物たちが、物語内で絶頂の幸せを感じていたとしてこの物語が終わったあとに何が残るのかを感じて怖くなりました。

自分も気をつけます。

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2025年12月13日

Posted by ブクログ

ネタバレ

「本質的であろうとするほど、冷笑だけが溢れて人生の砂時計を眺めてるだけになる。」がだいぶ響いた。この自縄自縛な状態に心当たりがありすぎる。自分はもうちょい視野狭めたほうがいいのだろうな。

アイドル好きとしては、界隈の描写のリアルさが面白かった。「オタ活」はしていても「推し活」はしていない自分からすると、近いようでだいぶ隔たっている人種だったけど。サバ番とかその界隈が苦手な理由が詰まってた。

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2025年12月12日

Posted by ブクログ

人気や評判に違わぬ独特な面白さで、なおかつ想像以上に尖った作品でした。
あまりに切れ味良すぎて、個人的に犯罪小説やサスペンス読むよりもしんどかったかもしれません…。
視野を狭めて“物語“に没入していく人間を的確に淡々と描写しており、今の社会に横たわる事象や価値観、感情をえげつないほど生々しく見せつけられる。読んでいて思わず「そこまで書いちゃうのかよ……」と驚くくらい、明け透けなくて容赦がなかったです。
登場人物それぞれの言動や感情に「わかりたくないのにわかってしまう」部分があり、否が応でも色々考えさせられるし、気持ちを引っ張られる。読んでいてまるで自分の心の傷に塩を塗っているかのような気分でした。
読後の余韻もなんとも言えず、読んでる最中も読み終わってからもしばらく本の内容についてグルグルと思考してしまう。
作品を通して、今のこの社会やそこで生きている人、ひいては自分のことを俯瞰的に見ることが出来る強烈な一冊。
“今“を描いてるお話だからこそ、ぜひタイムリーな内に読んで欲しい本です。

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2025年12月12日

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どわーーー面白かった。一気読み。

推しがある人が昔から羨ましかった。
視野を広げたり狭めたり…
感想後日書く。

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2025年12月11日

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ある種、「現代ファンダムの社会学」みたいな内容で、よく見ると解説的な文章も多いのに、スラスラ読めてしまう。
物語は希望なのか、それとも批判されるべき何かなのか、もしくは、この検討自体が「無意味」であり、物語を選び、そこに乗っかってこその有意義な人生なのだろうか。
ここで描かれる父と娘のすれ違いは、同じユニバースに生きているのにまるで異なるマルチバースにいるかのような、現代の孤独を鋭い視点で描いている

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2025年12月10日

Posted by ブクログ

「神がいないこの国で人を操るには、"物語”を使うのが一番いいんですよ」

雑談って多分、ケアなんですよ。

一番のタブーは、自分が余ることなんです。自分を使い切ることが今の時代に手に入れられる唯一の正解であり、"幸せ”なので。

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2025年12月10日

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ほんとうのことを書きすぎている 朝井リョウは小説家であり、社会学者
視野狭窄の末の過ち、何度犯したことか? 小6のとき友達にTroublemakerのシングルCD貸してパケ割られて泣いたの思い出した 根っからのオタク気質 さみしい人間だわ

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2025年12月09日

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いやぁ、怖かったぁ、後半ほぼホラー。推し活という“物語”の深海に潜行していく複数の人々の生き様が絡み合い、最後にごにょっともつれ合う。物語の提供者と、薄ら“そう”だと分かっていても自ら物語を拡大解釈して行動のタガを外していくファンダムたち。その絡み合いはあまりにも残酷で読んでらんない気分になるが、途中から怖さを好奇心が上回る瞬間が来て、そこから怒涛の一気読みとなる。ちょっと上手く構成されすぎているっていうのが冷静になると気になる点ではあるけど、それ前提で読めるのでワザとらしさはない(そう来るよね〜って、ほら来た感の盛り上がりがある)。いやぁ、残酷だなぁこの作家さん。霧島部活、読んでみようかな。

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2025年12月14日

購入済み

面白くて一気読みでした。
なんでこんなにリアルで解像度の高い文章が書けるんでしょうか、、
まだまだ登場人物達の生活が見たいと思いながら読み終えました。

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2025年10月13日

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ネタバレ

推し活と陰謀論
沼る理由はどちらも「物語」

人は物語が好きだっていうフレーズを前にどこかで読んだんだけどなんだったかたな

私自身は何かに夢中になるということが皆無の人生だったので、ファンダムの詳細な分析は興味深かった(私の場合は共感力の不足だな)

推しがいるのは楽しそうだけど、先の選挙で躍進した党もこのファンダムの理論に基づいて活動していたんだ思うと恐ろしい。
広い視野を持ち、自他との境界線を保つ事で物語に飲み込まれない。大事。インザメガチャーチというタイトルの秀逸さを感じる。

味噌汁
味噌汁の味噌を溶かす場面が繰り返し出てくる。

隅川詢子が味噌玉を溶かすシーンで、自分の分だけがなかなか溶けなくて、何度もかき混ぜてやっと溶けてホッとする。まだ迷いがあったけれど無理矢理向こう側へ自分を押しやって納得させようとしている感じ。
国見の「でも、どの物語にも呑み込まれない人生って、間違いはしないけど別に楽しくないんですよね」「だからもう何をするにも、自分はこうやって間違うって腹決めて脳みそ溶かして動くしかないんですよね」

すみちゃん
隅川詢子が最初からすみちゃんと呼ばれていたので澄香と混乱してしまって、もしやこれは…と思っていたらやはり。
"すみちゃん"の章が出てきた時、キターと思ってしまった。

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2025年12月15日

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心の拠り所を求めている、人との繋がりを求めている
ネットで簡単に玉石混交の情報に触れることができる時代
メガチャーチの枠が重なり合う中でそれぞれにどっぷり浸かったりかすめたりしながら生きているんだろうな

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2025年12月15日

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設定がまず面白い。推し活をメガチャーチの思想と絡みつかせ、多角的に見ていく小説。
何かの沼にはまってく過程が丁寧に言語されていました。
ついつい読み進めたくなる、ナッジ的な要素のある本でした。

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2025年12月15日

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自分を見失う程、何かに溺れることが幸せなのか。読み進める間、恐怖と焦燥感で、ザラついた気持ちになる。でも、なんか良い。

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2025年12月14日

Posted by ブクログ

ネタバレ

途中までかなりいい。三者のそれぞれの視点から何が人を突き動かすのかが描かれている。推し活から抜け出した人、これから推し活にハマる人、推し活を作り出す人。それぞれの過程がスッと入ってきて面白い。ある程度近年の推し活ブームを知ってるとより理解しやすいと思う。個人的には味噌汁も良かったな。ダイエットのための味のしない味噌汁、節約のための作り置きの味噌汁、手軽だがその分美味しさに欠けるインスタントの味噌汁。それぞれの性格・生活が反映されていた。
どの本にも感じることだが、起承転までのスピード感はいいけど、結になると物足りなさを感じる。この本もそうだった。なので星4、

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2025年12月14日

Posted by ブクログ

視野を広げることで陥る不自由、視野を狭めることで得る自由。感覚的には分かっていたけど明確に言語化され、あ、これか、この感じかとすごく腹落ちしました。

※内容とは関係ないけど、「寧ろ」という言葉が沢山出てきた。なんか意図があったのかな?

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2025年12月14日

Posted by ブクログ

ネタバレ

自分がまさに最近アイドルグループの推し活を楽しんでいるので、特に仕掛ける側の描写が面白く感じた。誰も今後がどうなるかが分からず、読者に委ねらているところが怖い。虚しさや切なさ、怖さや興味深さ、いろいろな余韻が残る話だった。
頑張ったことが還元されるのではなくやらなかったことが還ってくるという冒頭のくだりから惹きつけられ、そのまま一気に読み終えた。
(…お父さんが可哀想すぎない??なんか胸がきゅっとなった。)

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2025年12月14日

Posted by ブクログ

とても面白く読んだ。この作者ならではの鋭い視点で現代社会の一面を抉っている。自分自身は推し活にはあまり縁がないが、中年男性の孤独については感情移入した。二つの設定の話が交互に描写される場面は、ぐんぐん引き込まれ、混乱してどっちの話わからなくなるギリギリで読ませていく。作中にある視野狭窄に近い感覚と思った。

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2025年12月13日

Posted by ブクログ

「人を操るのには物語を使うのが1番いい」
本の帯からあまりに鋭い...!推し活に熱狂する側と、熱狂をつくる側両者の視点から描かれていて、社会学やファンマーケに通ずる学びが多くある内容でした。

「結局誰だって信じる物語を決めて生きている」「皆各々のドラッグで自分の脳を溶かしながら死ぬまで生きる」

有象無象の選択肢が可視化されてしまった現代においては、推し活に限らず何かしらの物語がないと生きていくには苦しいのかもしれない

ある意味『何者』にも通ずるようで、でもその頃から着実に世の中の価値観はアップデートされていて、現代はもはや何者にもならなくていい、あなたが信仰する物語を実行することこそが美しいと思われる。そんな新鮮な令和の価値観が凝縮されている作品だなと、、

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2025年12月13日

Posted by ブクログ

これぞ「最初から最後まであっという間に読まされた」です。最強
ファンマーケティングは世の中を見ればトランプから参政党から至る所で活用されてて、人を動かす物語をどうやってつくりあげるのか、辛い状況につけ込んだ連帯など、個人的にとても関心がある部分を国見の分析がわかりやすく教えてくれた。
私は久保田であり澄香であり隅川であり、なんなら菜々だし、Tomoyoだったりもする。自分のメンタルのバランスで、本質じゃないことを軽蔑する時もあれば、沼ることもあれば、妄信してつっぱしることも。日本社会で誰もが感じていることなんじゃないだろうか。

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2025年12月12日

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ネタバレ

'自分を使い切る'
なるほど!と思うワードで流石です。どれほどリサーチしたんだろう。ファンダムとカルトの境界は何処だろう。
'やらなかった事'への後悔故お金を搾取されていくすみかパパ、これも一種のスパチャ?かと思ったり。
海外でも読んで欲しいけど、文章に主語がない上に、会話文(といっても「」が付いてるだけで会話ではない)と地の文(といってもネットのコメントであり登場人物の言葉ではない)が入り乱れた構成で状況や感情を表現していて、読み応えあるけど翻訳難しそう。


12/12 迷ったけど追記
どうしても思い浮かべてしまう事件。時間が経っても当事者界隈や関わった人達を思うと辛い。とても危険を孕んだテーマで一石を投じる内容。
あと、2つの思想のネーミングが同じな理由ってどこかに記述あったかな?読み逃したかもなので再読する。

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2025年12月12日

Posted by ブクログ

ネタバレ

子供の頃はみんな自分の物差しで世界を図り考え、行動をしていた。年齢を重ねるにつれて、他人との共存が始まり自分の本当の思いを隠しながら人に見せれる形に変換しながら生活をしていくようになる。それは自分の好きという価値観もだし、友人関係恋人関係においてもだ。きっと思いを隠す段階で自分の本音を言葉で隠すようになる。それは他人に気づかれないようにしていると同時に無意識に自分も気づかないように。
そんな世の中だからこそ、人は自分の本音を伝えることができる人を大切にしようとする。時に、その行為が相手にどのような影響を与えるのか考えることもせずに。ただ自分の理解者が存在しているという心の拠り所を手放さないように自分のために行動する。
人の思考は子供の頃から年齢を重ねていくにつれて自分の世界から社会の世界を見るようになる。社会の世界という視点に呑まれた時、自分とはどういった人物なのかわからなくなり、虚無感に襲われる。そういった考えに陥った大人が子供の頃を想起するような出来事、物語に出会った時自分の世界という視点に戻り社会の世界で生活を始めてしまう。そんな人の集団がここでいうメガチャーチ何だと思う。

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2025年12月11日

Posted by ブクログ

題材は「推し活」ニュースでも推し活の楽しみ方特集が流れるほどの現代社会がテーマでした。
分厚くて読み切れるか不安でしたが、登場人物それぞれの視点で章が細々区切られているのでスラスラ。
推し活の描写がリアル〜〜〜〜〜〜〜

推しが心の拠り所になる人もいれば、
推しで人生が変わりそうな人もいたり。

しの力って凄いなと思うと同時に、
推しへの距離感(金銭面も含む)を自分と重ねて考えさせられました。

昔と違って、今は指先ひとつで推しに会いたいと思えば会いに行ける時代。
推しは推せる時に推せってだれかから聞いた事がありますが、自分の生活と推し活のバランスって大事そうですね…。

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2025年12月11日

Posted by ブクログ

ネタバレ

めっちゃくちゃエンターテイメント!って感じで面白かった〜
私は、人間を推し活する人しない人の2つに分けたら、推し活する側?(ファンクラブは以前1つ入っていて毎年ライブに行ってた)だけど、SNSで発信したりしないし、ライブ以外の課金もしないから彼女たちに共感はせず読んだ。ただ、多くの登場人物に共通する、孤独を埋める手段としての推し活、仕事相手との距離感のバグは、同じ立場になった時自分は絶対にそちらに行かないだろうか...??とぞっとした。
オーディション番組って興味なかったけど今年初めてみてハマったので、客観的に見て勉強になったし、解像度の高さに感心した。

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2025年12月10日

Posted by ブクログ

ファンダム経済について様々な立場の人からの視点で見れて面白かった。臨場感があってドキドキしたり、登場人物と同じように落ち込んだりもした。
完璧なハッピーエンドでないからこその人生だなと思った。

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2025年12月10日

Posted by ブクログ

朝井リョウは、時代の流れやトレンドをすーっとすくい取って、そこで生きている人たちの心の揺らぎを描くのが非常にうまい作家だと思う。組織的な宗教というと大抵の日本人が拒否するが、現代日本のある種ポピュラーな宗教的ムーブメントとも言えそうな現象を的確に表現している。朝井リョウの作品はいつも独特の読後感があるんだけど、今回はそれがより一層独特だった。もう一度読むとまた変わるのかもしれない。でもそれがいつになるかはわからない。

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2025年12月13日

Posted by ブクログ

良いのか悪いのか、登場人物のような推しに力を注ぐことがない。

確かに、推しがあった方が人生が輝く気がする。
自分は何でもソコソコでいいかな。

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2025年12月11日

Posted by ブクログ

物語はどこに着地点があるのかわからないまま3者三様で進んでいきます。途中モヤモヤするところもあるけど会話の中や一文にドキッとさせられるところがあって(雑談の話や神様がいない話など)そういう意味でも読んでよかった。

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2025年12月12日

Posted by ブクログ

ネタバレ

いつも遅いが、久しぶりに一気に読んだ。

テーマは「居場所」なのかなと思った。
どんな場所でも自分の居場所があれば生きていける。
最近「推し活」の話題は多いが、結局はみんな居場所を求めているんだろうな、と。
自分にはまだ何もなくて、何を推そうか模索しているところ。
推し活は信者による活動だとすると、何を信じればいいのか。

性格的に知らない人達と好きなものについて語るのが無理じゃないかと思っているので、こっそりソロ推し活しようと思う。
いや、熱しやすく冷めやすいので、それも無理か。

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2025年12月08日

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