あらすじ
沈みゆく列島で、“界隈”は沸騰する――。
あるアイドルグループの運営に参画することになった、家族と離れて暮らす男。内向的で繊細な気質ゆえ積み重なる心労を癒やしたい大学生。仲間と楽しく舞台俳優を応援していたが、とある報道で状況が一変する女。ファンダム経済を仕掛ける側、のめり込む側、かつてのめり込んでいた側――世代も立場も異なる3つの視点から、人の心を動かす“物語”の功罪を炙り出す。
「神がいないこの国で人を操るには、“物語”を使うのが一番いいんですよ」
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
これまでに信徒的にハマった文化はないので、ここまでハマれたら幸せだよなと思う。
自分自身もINFPだからこそ前半の澄香のMBTIの診断を受けて自分に当てはまることに気づいていく描写に共感性羞恥を感じた。
コミュニティとストーリー
視野を広げることで搾取する側に指示する側になれるが、問題が見えてきてできない理由にばかり目がいき、身動きがとれなくなる。
視野を狭めると使われる側の人間だが周りにどう思われるかという客観的視点を削ぎ落として思い切った行動に出れる。
どちらの方が幸せか、金か友達か
そんなに単純な話ではないけど
自分で広げたり、狭めたりをコントロールできれば良いかな。
自分自身の物語を描き、上手に自分を使い切りたいね。
INFPである自分が最近感じていたこと、
ウジウジ考えても無駄に時間が過ぎていくだけだからとにかく行動することが大事!
これも視野を狭めていたのだなと。
やってきたこととやってこなかったこと。
いずれやってこなかったことが見えてくるのだろうか。
考え続け、行動し続けなければならない。
一つでもやってこなかったことを減らすために。
Posted by ブクログ
「推し活」をテーマに「現代人の孤独」を描いた作品。
推し活によるコミュニティの生成、これが推し活の醍醐味だ、こんなことは今やどこでも目にする時代。
さらにその先にある、なぜそれが醍醐味なのか?という深淵に足を突っ込んだ本作。
正解がない時代。
その時代で生きるため、自分を視野狭窄の中へ埋没させる。
そこで得るコミュニティによる、孤独の解消。そして「推し活」という感情を消費しまくる活動による、「自分を使い切る」ということ。
正解がないから、自分が信じる縁(よすが)に縋り、同じ縁を信じる仲間と孤独を埋め合い、その活動の全てで生じる大きな感情の商品のなかで、「自分を使い切る」ことで安心を得る。自分を余らすことは、正解のない現代ではあまりにも大きな不安と孤独を生むから。
これは推し活だけではなく、すべての物事に当てはまると思った。
生きている中で、「これを信じる」とあえて自分の視野を狭めていく。そのなかで、感情を消費し、自分を使い切ってゆく。
そうしないと、不安だから。孤独だから。
現代では「物語」が求められている、というのはよく聞く話。
物語を求める先には、「自分の視野を狭めるため、嘘であってもいいから信じられるものを提供してよ、信じさせてよ」という孤独な欲求が潜んでいた。
そしてこの物語を通して、自分もまた「なるほど、この物語は信じられる」と視野を狭めているのかもしれない。
Posted by ブクログ
ストーリーに生きる人間と推し活の親和性。それを利用する人、信じ込む人、物語に取り込まれる人。自分も、推し活みたいなことの一端に触れているので、身に染みる言葉が多かった。用法容量を守るしかないのか。信じられる自分がないと、行き辛い世の中なのだろう。
Posted by ブクログ
実際の出来事や社会現象がベースになっているため、フィクションと現実の境目が溶けるような生々しさと没入感がありました。
朝井リョウさん自身がオーディション番組やハロプロなどのアイドルファンを公言し、その熱狂を肌で知っているからこそ、ファンダムの構造や推し活の熱量に対する解像度が圧倒的です。
読んでいくうちに、これがただの推し活のリアルな話ではないことに気づかされます。
作中で描かれるファンダムの熱狂は、そのまま現代における新たな信仰として提示されています。推しの有無に関わらず、現代人の抱える孤独や生きづらさ、「何かに縋りたい」「信じられる絶対的な物語が欲しい」という根源的な欲求。それが、いかにして宗教やカルト的なものと同じ危うさへと接続されていくのか、その境目のないグラデーションが極めて鋭く描かれています。
また、熱狂的なコミュニティがどのように形成され、人を惹きつけて機能していくのかという、ある種のチャーチマーケティングの優れたケーススタディとして読める点も非常に面白いです。
現代社会の危うい空気感を切り取る手腕が本当に見事な、多角的に読み解ける傑作でした。
Posted by ブクログ
朝井リョウさんの作品の中で、
過去イチ面白かった!
(新刊出るたびにそう言ってる気もするけれど笑)
みんな何かに夢中になりながら、
自分に都合よく改変された物語に陶酔しながら、
快楽物質ドバドバ垂れ流して、
脳みそ溶かしながら生きていたいんだよ!!!笑
脳みそ溶けきってないとね、
人生薄味になっちゃうんだよ!!!
もうほんと、色んな部分で共感の嵐でした。
正論ばかり言って自分の考えが一番正しいと思ってる澄香の同級生たち。
彼女たちの視野は、果たして本当に、広いのだろうか。"正論信者"だと言えなくはないだろうか。
どんな正論も、見方を変えればきっとどこかでひっくり返る部分がある。
全てが正解とされる無数の選択肢の中で、視野を広げ過ぎてしまうとぼやけていく自分の輪郭。
MBTI診断にパーソナルカラー、骨格診断etc
こういうものは、そのぼやけた輪郭を外側から立て直すため、必然的に生まれてきた指標なんだろうな。
「コンシーラー?
知らない、わからない、聞いたこともない。
だけど俺は今からそれを買う。そういう物語に乗り込んだから」
この台詞がなぜかめっちゃ好き!!!笑
Posted by ブクログ
朝井リョウさん、またすごいものを書かれましたね……。主人公の久保田の物語に没頭、一気に読んで登場人物を応援して、見事にやられました。読後感はいいとは言えないけれど、読んだことを後悔しない(むしろ色んな人に読んで欲しいと思っちゃう)。その後悔しない感じが物語に熱中した証のようで、恐ろしい話だなと思った。
推し活はもちろん、MBTI、アルゴリズム、パーソナルカラー、陰謀論、戦争、環境破壊など、現代を切り取っているところがすごい。
大変分厚いけれど、今読むべき本だった。
Posted by ブクログ
チャーチ経済。ファンダム経済。聞き覚えのない経済用語がこの物語の核心だ。普通の十万人よりも熱狂的な一万人を作り上げ搾取する構造。
神のような絶対的に信じられるものがない現代社会で人間はニヒリズムに陥る。ニーチェは超人になって乗り越えるべきと言っていたが、やはり人間はそこまで強くない。神に代わる信じられるものを無意識的に探してしまうのかもしれない。
そういった無意識的な人間の弱さを利用した搾取。それがこの作品におけるファンダム経済なのだろう。
この作品のすごいところはファンダム経済の悪い側面だけを描くのではなく良い側面も織り交ぜてくるところだ。
すみかはファンダム経済の中で生まれた連帯によって短所を克服した。慶彦は出来なかったことを後悔することが多い人生の中で、自分を余すことなく使い切る経験ができた。
しかし朝井リョウさんには脱帽せざるを得ない。このような物語を思いつく理由もさっぱりわからないし、なぜ荒れ狂うオタクの心情をあそこまで解像度高く描写できるのか。今一番、覗いてみたいのは朝井リョウさんの頭の中かもしれない。
Posted by ブクログ
深い。朝井さんの作品は物語を読んでいるというよりも朝井さんの思考に触れる感覚に近い感じがする。そしてそれがどこまでも深くて、考えさせられる。慣れるとその時間がとても心地良い。
今回は推し活を通して視野(多角的な視点)について語られていた。推し活に対して批判しているのか必要だと掲げるのか?そして視野が広い狭いとは⋯?
読者に疑問を投げつけておいて、何が正解かはっきりと示してくれないところが朝井さんらしいと思う。そこが最高に好き!
今回も本当に面白かったです!
Posted by ブクログ
この人すごいな〜と読みながら何度も唸る。これとこれとこれ、全部ぼんやり気になってたことなんだよなぁってことをうまく摘み上げて一つの物語に集め紡いでいる。世代・年齢・性別関係なく読者には思い当たる部分があるはず。誰かの台詞の中に、思考の中に、自分を重ねる部分があるはずだ。
ちょうどこの本を読んでる最中に旧友と会った。オーディションから勝ち抜いたアイドルグループにとてもハマってしまって推しを応援することが生き甲斐だと言う。これまで「推しがいると毎日ポジティブなれるよね♪」と全肯定していた自分が「そうなんだ」としか言いようがなくなってしまっていて自分自身に苦笑した。
この本の話はしなかった。
Posted by ブクログ
みんな何かの中毒になりたがってる、我を忘れてなにかに夢中になってる方が楽だから。ずっと我に返ったままだとこの世界は殺伐としすぎ、寿命は長すぎる。
共同体への依存。どんな形であれ誰かと繋がってたいし、その中で承認されたい。今の推し文化やゲーム仲間の仕組み。
社会問題の詰め合わせ。推し活、オーディション番組、SNSトレンド、高齢独身女性、仕事引退後の男、社会の中での性差、反ワク等の陰謀論者。
巨大な集金システム=メガチャーチ。人はいつだって孤独にいちばん怯えてる、現代でそこから逃れるには独りじゃないと思える、独りだってことを忘れられる物語しかないのかもしれない。
孤独にならないように、でも危険な物語には手を出さずに生きていきたい。
Posted by ブクログ
すごく面白かった。
推し活のような視野を狭めて突き進んだ経験がないので、色々と問題はあれど羨ましいと思えてしまう。
これから10年20年後に自分に何が残るのか怖くなる物語だった。
色々な意味で刺さった
INFP気質があり、学生で、現在進行形でオタク仲間とオタ活に励んでいる自分には深く深く刺さりました。途中の描写は少し、いやかなりダメージを負いながら読みました。でも、その痛みも含めておもしろかった。
印象に残っているのは、久保田さんと道哉がカフェで会話しているシーン。道哉の台詞がつらつらと続く中で、「つまり何が言いたいの?」と思いながら読んでいたら、まさに同じようなことを久保田さんが漏らしていてびっくり。この時の道哉のような台詞って意図的に書けるものなんだ、と唸りました。朝井リョウさんの文章力に脱帽です。
恐ろしいまでの言語化能力
読み始めてすぐに、恐ろしいと感じた。
ストーリーがではなく、文字.文章そのものが。
生きている上でなんとなく享受しているソレ、うっすら嫌悪感のあるソレ、社会に蔓延るソレらが次々と言語化され 定義され 文字となり頭に入ってくる。なんて恐ろしい。
読む者に確実に影響を与え、見える世界すらも変える力のある一冊。最高です。
推し文化の切り取り
推しにまつわる様々な人たちの話がつながっていく物語。正直怖い。のめり込みは気づくとそこにあるもの。そういう怖さを感じながらのめり込んで読んでしまった。
Posted by ブクログ
めちゃくちゃおもしろいんだけど、ひとに勧めづらい……。読むことで心えぐられる具体的なひとの顔がいっぱい浮かんでしまう。
テーマとしては非常に普遍的。「ひとはなぜ/どのように推し活にはまるのか?」なんだけど「推し活」の部分は、ギャンブルや恋愛や麻薬や愛国心や陰謀論や宗教と入れ替えても問題ない。理論として半世紀前にボードリヤールが完成させている。シチュエーションやディテールは現代を見事に切り取っているが、それゆえに5年後とか10年後に読むと「なんだこれ?」「固有名詞がぜんぜんわからない」「古っ!」となりそう。だからいますぐ読むべき。
カタルシスもなければハッピーエンドとは程遠い結末は真のラスボスでもある「物語性」を過剰に否定したゆえのオチであると読みとることができるがまったく救いがない。くりかえしになるが、めちゃくちゃおもしろいし、小説としての完成度も高いが、安易に他人に勧めるべきではない取扱注意の毒のような本。
Posted by ブクログ
自分で選んだつもりでいても、実は選ばされている。これだって思ってもすぐに反転してしまう。
この物語の、自分はどこのポジションかなって思うけど、主要人物を除いても幸せそうな人が見当たらない。
テーマの一つは行動力。ほどほど教は省エネだからもう少し動き回ろう
Posted by ブクログ
この本を読みながら、何度もどうやったらこのような文章、語彙、構成を思い付くのだろうと素直に感激した。そのくらい解像度が高く現代社会で起きている出来事をノンフィクションに織り交ぜていて、非常に考えされられる小説だった。
「視野の拡張と狭窄」がこの本の真髄のように感じた。物語を通じて熱狂に導く者、かつて熱狂していた者、熱狂の渦にのみこまれていく者。三者の視野がどこに向いていて、どのくらいの広さを持っているのかが文章から伝わってきて興味深く読み進めることができた。
自分に重ねてみると、自分はいつも俯瞰的に物事を捉えて何が正解か分からないため行動に移せない、いわゆるやってこなかった人間に該当するのかなと感じた。
澄香のように盲信的にのめり込むのは避けたいが、理性的な脳みそで1つの物事にのめり込んでみるのも大事なのではないかと感じた。視野の拡張と狭窄を理性的に意図的に使い分ける。これが自分が理想とすべき物事の捉え方ではないかと感じた。
Posted by ブクログ
自分にも「推し」がいるけど、いわゆる「ガチ勢」たちがどういう心理でお金を積んで、熱心に指標を追って、他のファンダムと比較をして悦に入ったり凹んだりしてるのかが全く理解ができなかったので、ある種社会勉強として参考になる部分があった。
別に自分が「刺された」ように感じたわけではないのだけど、妙に胃もたれのする小説だった。
Posted by ブクログ
すごい熱量の内容だった。すべての言葉、人が自分に刺さる。
武藤澄香なんて、ほんとどこにもでもいる普通の人。こんな普通の子なのにあっという間に押し活にはまってしまう。
押し活をする人を分類する国見さん。すごいこんなちゃんと分類されるんだーと思った。そして、信者をターゲットにする商法もすごい、こんなに確立されていたら、はまってしまったら抜け出せない。
とにかくすごい、この本読んだら何がなにだかわからなくなってしまう。
そして最後の絶望感?どうなるこの家族。幸せになってほしいけど。。。
Posted by ブクログ
人生とは、これまでやってきたことが還ってくるものだと思っていた…今後還ってくるのは、これまでやってきたことよりも、これまでやってこなかったことの方なのかもしれない。
主に、立場の違う3人の目線で進む物語。
やっておけば良かった、と悔やむことがない生き方が私の目標でもある。
Posted by ブクログ
現代人の不毛さの行き着く先をリアルに描いたホラーだった。まるで本書の背景知識のような、『福音派』の次にこの本を読んだので、リアルに怖かった。
現代人の孤独と孤立は何の結果なのか。
そして、その行き着く先は何なのか。
推し活の闇を描いた作品。私自身も推し活に絡んでいるから、自分ごとだ。でもそれだけではなく、「推し活」的な、人を夢中にさせるもの、沼らせるものは現代社会の日常で他にもたくさん存在していて、それらは決して悪いものとは限らない。ただ、使い方を間違えれば、何より恐ろしい。
視野を広げる、視野を狭めるという表現が印象的だった。自分の視野のズームは常に自分の意識で調整可能でなければいけないし、遠近の切り替えは理性的にしなければいけない。
どこまでが現実で、どこからがフィクションなのか、わからない怖さ。でも確かな真実は、孤独の怖さだと思った。誰もが孤独な現代だから、本当に怖い。明日からの自分の生き方を変えてしまう小説だった。
熱狂と理性の間の物語。熱狂って幸せで、得難いもの。でも同時に怖いもの。
推し活をやめようではなく、誰とどう繋がるか。誰にどこまで踏み込むか。それを自分の生活圏でちゃんと実践しようと、思わせてくれた。
Posted by ブクログ
苦しい。この一言に尽きる
この本を読み終えた今、
何を感じればいいの?この本から何を受け取れたらいいの?この本で読んだことをこれからの私の生き方にどう影響させられたらいいの?
なんだけど、そう思った自分が素直に怖いし苦しい。
読みながらずっと、
これは自分だどうしよう。でもここは違うからまだ大丈夫。
って考えててすごく苦しかった。
しあわせとあるべきと
何が良くて何が悪くて
誰が普通で誰が普通じゃないのか
そもそも普通は何なのか
全部全部最後まで、おまえが自分で考えろ、だった。
欲しい、答えが。本の感想ですら答えが欲しいって思ってしまった自分が苦しい。
視野狭窄の世界を好んでる自分
やってこなかった事が還ってくる自分
当てはまりすぎて、想像ができすぎて、怖くて苦しい。
Posted by ブクログ
現実の地続きかと思いきや、しっかりとエンタメであり、しかし読後は「やはり現実か、、、?」と思わせてくれる小説でした。
本屋大賞ノミネート作品、今のところどれも面白すぎる!
Posted by ブクログ
読まなきゃよかった…と孤独なオタクならきっと思ってしまう作品。
家族とのコミュニケーションを避けて孤独になった中年、頑張ってはみたけれど陽キャになりきれない女子大生、推しにお金をかけることが自分の使命だと信じてる若者、何かにどっぷりハマって現実をみないようにしたことがある人には痛すぎる。
登場人物が放置されて終わる展開も残酷。
あと推し活をビジネスとしてとらえてる側も描いてて、二重に辛くなりました。
朝井リョウさん現代人の心を可視化するが上手すぎて脱帽です。しばらく立ち直れません。
Posted by ブクログ
結構な問題作じゃないか?推し活を中心にした社会問題を、3人の主人公を中心に細かく描き、そしてそれぞれ決して良い印象がない。描かれている登場人物はかなり現実的で、それだけに現実に推し活の中心にいる人や、他の登場人物に近い人は、怒りすら覚えるかもしれない。どこかの企業や団体から怒られもするかもしれない。それくらいには現実味があり、受け手側としては自分の身に置き換えて、我に返るべきかどうか、考えるきっかけになるかもしれない。面白いし物凄い作品だけど、終始いろんな意味でやんわりと不快感を感じるし、それは解消されることがないのは辛いところ。
Posted by ブクログ
この物語は、推し活や宗教という「一見特殊に見えるもの」を通して、
人間がなぜ何かに“強く依存”するのかを描いている作品だと感じた。
けれど読み進めるうちに、それは依存というよりも、
“心を安定させるための構造”なのだと納得した。
人は不安定な存在で、
世界は複雑で、
未来は不確実。
その中で、
•明確な指針
•絶対的な価値観
•迷わなくていい枠組み
を与えてくれるものは、とても強い。
だからこそ生活に“侵食”する。
⸻
■ 視野狭窄は不幸か、幸福か
特定の対象に没入しているとき、人はある意味で幸せだ。
•比較が減る
•迷いが減る
•世界が単純になる
でもその代わりに、
世界の多様さや他者の視点を失う可能性もある。
幸福は増すかもしれないが、
自由は少し減る。
このバランスの難しさが、作品の核心だったように思う。
⸻
■ 拠り所は弱さか、強さか
拠り所があるからこそ人は立っていられる。
何も信じず、何も支えを持たずに生きるのは難しい。
ただし、
それが
•自分で選び続けているものなのか
•飲み込まれているものなのか
で意味が変わる。
この違いを考えさせられた。
⸻
■ 自分との接点
私は何かを頑張っているときに充実する。
目標を持つことで日々に輪郭が生まれる。
それは推しや宗教とは違うけれど、
「心の拠り所が欲しい」という点では地続きなのかもしれない。
ただ私は、
•視野を狭めすぎたくない
•選び続けたい
と思っている。
だからこの物語は、
“依存の怖さ”よりも
「人が何かを必要とする必然」
を静かに理解させてくれた。
Posted by ブクログ
相変わらず、現代社会を切り取るのが上手な作家さんだなぁ、と。物語っていうよりはジャーナリズムっぽい。いつ、自分が、誰の立場になってもおかしくないくらい、きっと身近に潜んでいる事象。故に読んでて少ししんどかった
推し活にハマる人、推し活を仕掛ける人、推しが死んだ人の3人の視点で次々と描かれる物語です。
内向的で理想主義でまさにINFPのわたしは読んでいて揶揄されているような批判されているような気持ちになりましたが、最後には推し活の良い側面にも目を向けられます。変わってしまった娘の姿を目にした父はどうなってしまったのか。
Posted by ブクログ
日本人は孤独である。
そこを今のカルチャーを使って増幅した物語。
メインの主人公は3人は世代や環境がまでが違う3人だが根底にはコミュニケーションがとれる人がいない孤独を感じていた。
そこに推し活という熱狂的な信者がいるカルチャーを使ってのめり込んでいく3人。
狂気じみた推し活に怖さを感じます。
Posted by ブクログ
ここで終わっちゃうのかーこの先ももう少し見届けたかったなという結末だったけど、読んでよかった作品。
おそらく初めての朝井リョウでした。
文藝春秋の動画で仰ってた通り本当に今を切り取った標本で、リアルだった。
結構読み進めるのにエネルギーが必要な部分が多かったです。
ファンダムをカテゴライズしているのが面白かったな〜