【感想・ネタバレ】イン・ザ・メガチャーチのレビュー

あらすじ

☆2026年本屋大賞受賞☆

【第9回未来屋小説大賞】
【第2回あの本、読みました?大賞】

沈みゆく列島で、“界隈”は沸騰する――。
あるアイドルグループの運営に参画することになった、家族と離れて暮らす男。内向的で繊細な気質ゆえ積み重なる心労を癒やしたい大学生。仲間と楽しく舞台俳優を応援していたが、とある報道で状況が一変する女。ファンダム経済を仕掛ける側、のめり込む側、かつてのめり込んでいた側――世代も立場も異なる3つの視点から、人の心を動かす“物語”の功罪を炙り出す。
「神がいないこの国で人を操るには、“物語”を使うのが一番いいんですよ」

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Posted by ブクログ

ネタバレ

自分の常識が覆る名作。

久保田慶彦
推しをプロデュースする人
1番共感できた人物。自分のプライドを捨ててまで、大切にしたいものを手に入れたのに、それに裏切られる絶望。自分も暗い気持ちになった。
垣花道哉の気持ちもわかるし、久保田の気持ちもわかる。誰も幸せにならないラスト場面に考えさせられるものがあった


武藤澄香
推しができることで人生が変わった人
自分とちょっと似ていたから、視点を読んでいてドキッとした。
視野が広いのが向いている側と向いていない側が絶対にいて、私も澄香も向いていないから、共感できる部分もあった。
視野狭窄になることで、それしか考えなくていい、それ以外は無関心でいることで、幸せを感じる。
推し活の本質はここかもしれないと思いました。


隅川絢子
推しが死んで、そこから救われたかった人
1番衝撃的だった。
自分の支えになる人というか、自分の人生の視野を決めてくれた人(ここまでしか考えなくていいよみたいな)が死んで、どうすればわからなくなった人はこうなるんだなって感じた。
もう自分を使い終わったという表現は、高度すぎて完全には理解できなかったけど、この人の推し活物語はここで完全に終わったんだなって感じた。

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2026年04月27日

Posted by ブクログ

ネタバレ

ファンダム経済を仕掛ける側、のめり込む側、そしてかつてのめり込んでいた側。さまざまな立場から推し活を描いた一冊。

私は、約2年間とあるアイドルの推し活をしていた。そのため、登場人物に共感する一方で、読むたびに傷が増えていく感覚があった。

特に印象に残ったのは、ファンダム経済を仕掛ける側とのめり込む側のエピソード。
仕掛ける側の視点では、ファンが夢中になるように設計されたマーケティングや、CDの売上を煽る手法、SNSでのトレンド操作など、業界の裏側が描かれている。理解していたつもりでも、言葉として突きつけられると苦しさを感じた。

のめり込む側のエピソードで特に辛かったのは、興味のない人に動画再生やスクリーンショットの協力を頼む場面。
満たされない何かを埋めるように推し活に没頭していく心理は理解できるが、それが消費されていく構造には、正直に言えば少し怖さに近い感情を覚えた。

「視野を狭めることで幸せになれる(ように感じる)」という考え方も印象的だった。私はむしろ視野を広げることで行動力が上がり、結果的に満足度が高まるタイプだと思うが、この点は人によって異なるのだろう。

推し活の光と影を多角的に描いた本であり、自分自身の向き合い方を見直すきっかけになった。
私は、運営側やファンの大きい声に飲み込まれず、自分の生活と将来を守りながら、適度な距離感で推し活をしていこうと思った。

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2026年04月27日

Posted by ブクログ

ネタバレ

本屋大賞2026 第1位!
受賞おめでとうございます!!

現在の社会を朝井リョウさんのレンズを通して見ることができるような作品でした。こんなの持ってこられたら、そりゃ〜1位とりますわ〜というぐらい圧巻でした。何気ない日常を解像度高く表現していくのが巧いですよね。

ゆとり三部作読んだあとなので、素の朝井リョウさんらしさを、感じることができました。思っていることを小説に書いているんだな〜って。オーディション番組が好きって書いてましたし、色んなところから小説のネタを集めているんですね。

推し活がキーワードとしてでてきます。ただ推し活のこんな側面を描写しているものには初めて出会いました。物語中毒、自分のことのようで刺さる……日本のブームである推し活、どうしても推す方で考えがちですが、ブームを起こす方、つまりマーケティング側の立場の視点はとても勉強になりました。「物語」と「脳内物質」、理にかなった方法だと思いました。物語をちょっとずつ定期的に投下して沼らせたら、後は自動化可能でその人に都合の良い物語を形成してくれる……おそろしい!
現代では「界隈」という言葉もよく聞くようになりましたが、界隈以外で話せない、界隈がないと生きていけないしすることもない、つまり、人は信じるものがないと生きられない?そんなところに、
「神がいないこの国で人を操るには、物語を使うのが一番いい」こんな考えを持った人がいれば、上記のような人たちをコントロールするのは簡単。このセリフが物語を作っている張本人の朝井さんからでてきているのがなんともいえません。圧巻。
「何を信じるかによって世界が変わる」って良い言葉ですよね。信じるものによって、自分の核が決まるんですね。

オーディション番組はあんまり見たことないんですが、確かにそこから応援している人たちは熱量が高いような気がします。そこに「物語」という見せ方をそっと与えることで、尚の事「私が推すことで頂点に立ってほしい」という思いが強くなるんでしょうね。

オーディション番組発のアイドルはデビュー時がピークで、新規のファンが入りにくく、既存ファンの負担が大きくなる、ということを今の少子高齢化に例えていて分かりやすかったです。CDの売上も、前回のグループは超えたい、という企業の利益拡大のようで。

例えで言うと、熱量の高い人は勝手に色んなところに布教してくれて、それは選挙と一緒というのも納得感がありました。

「我に返らずに生きていくほうが楽」
「中毒方法がある方が苦しくないんだ、人生は」
この長い長い人生は、視野を狭めて何かに没頭していた方が、生きていくのは楽ですよね。本作では視野を狭めた結果、あまりよくない方向にいってしまうキャラクターが多かったですが、時には狭めることも必要なのかなと個人的には思っています。自分の人生は自分で決めるものですしね。

ちょっとボリュームがすごかったので、ここらでメインキャラクターに焦点を当ててみます。それに付随するエピソードも。

・澄香

読んでいて辛くなります……今流行っている16診断は本来のMBTIと全然違う趣旨で利用されすぎていて、まさにそれに陥っている状態。自分の長所や短所を自覚して自分に向き合っていくのではなく、都合よく分類してINFPなら良くないとか変な話になっている。ですが、それすらもマーケティングに利用されているという……チャーチマーケティングのおそろしさを学べました。
オープンキャンパスで澄香の現況を奈々が解説しているのが皮肉すぎます。コミュニティとストーリー、そしてこれを提供しているのが父親の慶彦。辛い。

YouTubeのアルゴリズムからも人の内面に触れる描写があってすごいと思いました。新しいものはすぐに持ってくるのに、古い情報はなかなか消してくれない。確かにそうですよね。

とにかく澄香の章は読んでて悲しくなりました……

・絢子

SNSのトレンドって作れるって初めて知りました。同じ時間に、あらかじめ決められたハッシュタグを送りまくるデモ。私がSNSに疎いだけで世間では常識なんですかね。ハッシュタグって何気なく使ってましたが、それぞれの界隈をあらわすものでもあるという見方にはかなり納得感があり、その裏側をこの作品で見ることができました。

絢子本人の中でも、段々と視野の狭まりがなくなってきて、我に返りそうになった時に、さらに畳み掛けてまさかの黒幕、日本弱体化計画とは。というか絢子は自分が視野が狭まっていることに気づいているけど、あえて自分から狭めにいっている印象を受けました。そんなところに、新たに陰謀の物語を与えて、標的にとって都合の良い物語を構築させ、そこから弱者を搾取する、昔からありそうな手口ですが、「物語」というキーワードから言語化できていて納得感がありました。
絢子だからあだ名は「あやちゃん」じゃないのはなんでかな〜と思っていたら、そこに繋がるわけですね。二人の「すみちゃん」。何故か最終章の時に、叙述トリックが絡んできているのではないかと考えましたが、全然そんなことありませんでした。深読みのしすぎです(笑)

・慶彦

還ってくるのは、これまでやってきたことよりも、やってこなかったことのほうなのかもしれない……澄香も読んでて辛くなりましたが慶彦も辛い。

チャーチマーケティングの構造が分かっている慶彦でさえ、視野をあえて狭めてしまう。理屈が分かっていても実際にどう行動するかは当たり前ですがその人自身なんですね。その結果があんなことになるなんて。
というか、そもそもチャーチマーケティングをしかける相手が自分の娘なんて!!!読んでいるこっちは、「いや、気づいてよ!チャミスルでしょ!誕生日一緒なんでしょ!」って、コナンと蘭の関係にヤキモキするようなかんじでしたが、当の本人からすれば、視野を狭めていることで、娘だなんて有り得ないという結論になるんでしょうね。


こうやってキャラクターに沿って書いてみると、とても悲しすぎて暗くなりそうですが、人間、というか人間社会の構造を物語を通して的確に指摘する本作品はとっても面白かったです。
推し活を日常的にしている人からしたら、「いや、こんなの推し活じゃない!」と否定的になると思いますが、色んな考えがあっていいと思います。
本屋大賞の会見映像でも、『偏りがある作品だけど、それが小説である』と朝井リョウさん本人もおっしゃっていましたし。

視野を狭めるのが間違っていて、視野を広げるのが正しいというほど人生というのは単純ではないと思いますので、都度視野を調整しつつ、楽しく生きていきたいなと思いました。

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2026年04月26日

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ネタバレ

朝井リョウは天才、、朝井リョウのすごさをみんなにもっともっと知ってほしい。こういう気持ちを表現してくれる作家さんは本当に貴重。本屋大賞も受賞したしここからがスタートだと思って皆さん頑張りましょう⭐︎


4.27追記
久保田さんは紫に髪を染めた推し活に身を投じてる娘を見ても、自分の娘だとは気が付かないと思う、澄香を見ているようで何も見えていない。
個人的に慶彦には同情する部分が多かったため、澄香との距離があとほんの一歩でも近づく未来があればいいなと思う。
だけど澄香からするとそれは幸せではないんだろうな

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2026年04月27日

Posted by ブクログ

ネタバレ

推し活についての小説ということで、推し活している身としては興味津々で読み始めた小説だが、衝撃のラストだった。
推し活をする側、しかける側の各視点からの物語が静かに始まるが、登場人物の視野が狭くなっていくにつれ物語の加速度が増し、絡み合い、破滅的な終着点へと駆け上がっていく。終盤はページをめくる手が止まらなかった。非常に驚きの展開と着地でスリリングだった。この親子が交差した時、どうなるんだろう。余韻が強く残る。
推し活がメインだが、陰謀論を絡め取り、今の社会に散らばっている色んなものを絡め取って、ギュギュッと凝縮したような小説だと思った。
ストーリー性だけでなく、登場人物それぞれに共感できるところ、共通しているところ、自己の再発見とも感じられるところが広く点在していたのもすごかった。人の内面をこんなにも言語化できるのものか、といったところにも圧倒された。特に、年をとって還ってくるのがエネルギーを注いでこなかった方という言葉にハッとするものがあった。
本当に読み応えがあった。

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2026年04月26日

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ネタバレ

納得の本屋大賞受賞だった。

物語の中心となる「推し活」だけでなく、MBTIやメンズメイク、SNSでの最近の話題など細かなところまで解像度が高い。朝井リョウさん自身がアイドル界隈に接近した経験がなければ、ここまで書けなかったのでは。登場人物も「身近にこういう人いるわ」と何度も感じた。アイドル、プロデューサー、コメンテーターなどモデルがいるんだろうなと思う。観察力が相当鋭い。

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2026年04月26日

Posted by ブクログ

ネタバレ

audibleにて。ファンダム形成を仕掛ける側1と、消費する側2の3視点から見る物語。

まず、終わり方、エクセレントでした。アイアンマンみたいな、起承転結の起で終わるみたいなやつ好きなんですよね。その後どうなったかもうちょい見たい、くらいで終わるのがとても良い。ヒュー・ジャックマンもウルヴァリン引退する時に「パーティーは盛り上がってる間に帰る方が良い」とか言ってたもんね。戻って来たけど!!!

メインキャラの一人である久保田慶彦の最後の方の衝動的な行動は、独身40歳男性にとってはめちゃめちゃホラーだった。こわい。まじで声出るくらい怖かった。何でもない用事で会って何でもない雑談をするような友達、います!!没頭できる趣味、あります!!セーフ!!セーフ!!!

推し活については良い意味でも悪い意味でも「宗教」と常々言ってきたので、そうそう、そうだよね、とうんうん頷きながら摂取できる、とっても自分に合う作品でした。

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2026年04月26日

ネタバレ 購入済み

「推し活」の光と闇を抉る物語

俳優への心酔やファンダムの熱狂を、個人の孤独を埋めるための「巨大な教会(メガチャーチ)」に見立て、その救いと危うさを鮮烈に暴き出します。
「視野を広げすぎると不安になるが、狭めすぎると狂う」というジレンマに、現代を生きる誰もが戦慄するはず。信じることでしか自分を保てない人間の脆さを残酷なほど美しく描いた、2026年を象徴する衝撃作です。

#深い #アガる #共感する

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2026年04月24日

ネタバレ 購入済み

色々な意味で刺さった

INFP気質があり、学生で、現在進行形でオタク仲間とオタ活に励んでいる自分には深く深く刺さりました。途中の描写は少し、いやかなりダメージを負いながら読みました。でも、その痛みも含めておもしろかった。
印象に残っているのは、久保田さんと道哉がカフェで会話しているシーン。道哉の台詞がつらつらと続く中で、「つまり何が言いたいの?」と思いながら読んでいたら、まさに同じようなことを久保田さんが漏らしていてびっくり。この時の道哉のような台詞って意図的に書けるものなんだ、と唸りました。朝井リョウさんの文章力に脱帽です。

#深い #タメになる #共感する

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2026年03月05日

ネタバレ 購入済み

推し文化の切り取り

推しにまつわる様々な人たちの話がつながっていく物語。正直怖い。のめり込みは気づくとそこにあるもの。そういう怖さを感じながらのめり込んで読んでしまった。

#ドキドキハラハラ #怖い #ドロドロ

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2026年01月01日

Posted by ブクログ

ネタバレ

本屋大賞だし推し活の話だしめっちゃ楽しみに読んだし、実際面白かったけどあけぼしの方が面白かった!どっちも実際にあった出来事をベースなフィクションなんだけど、メガチャーはあまりにもINIだし三浦春馬だった

久保田が切ない、切なすぎる

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2026年04月26日

Posted by ブクログ

ネタバレ

推し活、私もなかなかハマれないやつ。でも、人間はやっぱり誰かと繋がりたいし、どこかに所属したい生き物なんだなぁ。
搾取する側される側。でも見方や状況が変わればそれはいとも簡単に反転する。
そもそも搾取されているという意識がないならそれはそれで幸せでもあるわけで。ぐるぐる巡り巡って、自分が幸せかどうか決めるのは決めれるのは結局自分だけなんじゃないかと思う。
私はどうやらオッサン側の人間で、こどもが幼稚園の頃から、ママ友との付き合いが苦手で、なんで帰ったら何喋ってたか分からんような話だ、お茶しながら何時間も喋れるのかわからなかったし付き合うの少し苦痛だったなぁ。と、思い出した。
誰かの物語を自分の物語として感じる時、気持ちよくなる。今はアイドルとの距離も遠いのか近いのか曖昧な時代だからますます重ねやすいのかもしれない。
我にかえるのは辛いかもしれないけど、我にかえって、またなにか誰か見つけて繋がったり離れたりしながら笑ったり泣いたりするのが人生なのかもしれない。

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2026年04月26日

ネタバレ 購入済み

一気に読める!!

朝井リョウさん、5冊目かな。相変わらず、サクサク読める展開。会話しながら、脳内思考が繰り広げられるところが、臨場感があって好き。私はユリちゃん側の熱量の低い人だから、推し活で楽しんでいる人が羨ましかったけど、やっぱりバランス良く推さないと人生詰むわな、、、。視野が狭くも広くもバランス大事。個人的には、アイドルプロデューサーが冷静すぎて、リアルに感じた。てか、最後の終わり方!!続き書いてーー!!バレるのかな。家族関係の再構築できるのかな。あー気になって寝られなくなっちゃった。これが、視野の狭くなる感覚かな。朝井リョウさんの自叙伝が個人的に一番面白いよ。

#深い #怖い #ドロドロ

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2026年04月12日

Posted by ブクログ

ネタバレ

★3.5
登場人物に一人ずつ共感する部分と、社会構造としての「今」を描いている素晴らしい作品だとは思う。
推し活が理解できなさすぎて私にはストンと落ちてこなかったかも。
解る人にはぶっ刺さりそう

歳を取ったときに還ってくるのがエネルギーを注いでこなかった方、という文章に痺れた。



何でもいいんです。酒でもタバコでもギャンブルでもSNSでも海外ドラマでも読書でも恋愛でも育児でも仕事でも環境保護活動でも。とにかく、何かに対して熱量を高めていたい、何かに時間や労力や資金を注いでいたいという人はとても多い

我を忘れて何かに夢中になっているほうが、楽だからです。

ずっと我に返ったまま生きるにはこの世界は殺伐としすぎていてますし、人間の寿命は長すぎますから

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2026年04月26日

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