朝井リョウのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレエッセイから入ったけど…小説もいいじゃないかー!朝井リョウ!!好きな作家の一人になりました。
皆の得意なことが店を守るのに繋がったり、「星やどり」に込められたお父さんの想いに鳥肌!
最後の方、いっぱい泣きました。
<2020.4.16再読>
東京ではない海の見える町。三男三女母ひとりの早坂家は、純喫茶「星やどり」を営んでいた。家族それぞれが悩みや葛藤を抱えながらも、穏やかな毎日を過ごしていたが…。
朝井さんの人物描写はほんとすごい!
リアルなんだよな~。
星則→律子→琴美→光彦→小春→るり→凌馬→真歩→星則……
お父さんから名前がしりとりになって、またお父さんに戻って、家族が輪になる。
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Posted by ブクログ
ネタバレ留学してチャーチマーケティングの研究をする学友は、教会のコミュニティ形成のプロセスや集金システムの是非を高らかに語る。はたまた世界平和や環境問題にまで視野を広げ、世界を正しく真っ当に捉える。その背後で、推し活に専念する澄香のモノローグがある。「正誤を気にして揺るがない真実を求めることに苦心することは、結局そういう物語に取り込まれているだけだ。/ 結局誰だって、信じる物語を決めて生きているだけだ。」
ここで澄香は、自身の信じる物語を相対的に捉えている。少なくともその点だけでいえば、澄香は学友よりも世界を真っ当に捉えているように思える(あるいはそれが私が信じている物語か)。
この場面は著者が力を入 -
Posted by ブクログ
解説で万城目さんが語ったとおり、現実のままならない物語。理不尽な世界であるからこそ、読書は大団円を求めると思う。ただ、大団円はときに辻褄合いすぎという違和感を感じることもままあることも事実。辻褄の合わない世界でどう折り合いをつけて行くかを読者は考えながら読み進める。最も印象にのこった「籤」では逃げ出したバイトの藤堂に対し、主人公であるみのりに「私ならむしろこの籤(勤務交代によって強いられた地震後のお客様対応)をひけてよかったと思う」などと語らせてもよい場面だが、藤堂に自己弁明を語らせておいて放置する強さ、あるいは最も効果的な対応、あるいは自己の気持ちの整理のために身勝手に藤堂を活用したあたりが