朝井リョウのレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
ついにゆとりシリーズ3部作目!
朝井氏の身の回りってこんなにも面白い出来事起こっちゃってるのなんなの。
排泄するたびにこんなに書けるなんて、お腹痛くなればなるほどネタが増えて困らないねえ。
結構ミーハーでアクティブに動けるからホールケーキ5つも食べちゃうし余興に力入れちゃうし、けど服や家には全く興味がないって人間味おもしろい。
わたしもゆとり世代。
読んでいくにつれて、あぁ、ゆとりって通用しなくなってきてたなぁって気づいて寂しくもなるし、大人にならなきゃ明日も頑張ろうって何故か思えた。何故か。
ゆとり代表の朝井氏
お腹の調子は悪いけど笑いの調子はすこぶる良い! -
Posted by ブクログ
ネタバレ生殖器視点で書くという発想の斬新さに、まず驚かされた。
数年前に話題になった議員の発言や、現在の社会の風潮に対する作者の違和感や思考が、生殖器視点(ある意味での神視点)という構造をとることで、感情論に流れず、非常に客観的に伝えられていると感じた。
また本作では、わたしたちが共同体感覚を持つこと=安心感を得ることだという点が、繰り返し提示されている。
「仕事でも家庭でも社会貢献活動でも何でもいいから、自分を走り続けさせてくれるものが欲しい」
という言葉は、特に印象に残った。
おそらく今は、価値観が多様化する中で、
「共同体への貢献=善」とする構造そのものに違和感を覚える人が、少しずつ増えて -
Posted by ブクログ
ネタバレ満願からの欲望繋がりで正欲を読んでみました!朝井リョウさんは「何者」以来の2作品目。
最初、元号が変わるまでに何が起きるんだろう?ってずっともやもやした気持ち悪い空気が漂っているなーというかんじでした。元号が変わることで、何か今まで抱えていたものが新しい価値観や新しい考え方が変わるというそういうニュアンスなんですかね?→実際変わりませんでした……
視聴者の要望に応えたい子供YouTuberと自分の欲を満たしたいのかもしれないコメント投稿者。お互いの欲が満たされていると考えると…難しいですね。
人間の数だけそれぞれ考え方や欲望があるのだと思います。ただ、それを分類したときにマジョリティに当 -
Posted by ブクログ
「多様性」とは結局のところ社会が包摂(角を削って丸くして社会に溶け込ませるようなイメージ)できる限りの多様性でしかない。包摂しきれない多様性は社会から排除され、なかったものとされる。「多様性」という耳触りの良い言葉が孕む欺瞞を鋭く描いた作品。
特殊性癖とは違うが、私はアロマンティック(他者に恋愛的に惹かれない)を自認しており、恋愛とは無縁でありたいと思っている。なんでも恋愛に結びつけられ、なぜ恋愛しないのかと問い詰められ、恋愛していない者は劣等であるとジャッジされる異性愛至上主義社会にほとほと疲れている。そのような私にとって、この作品は「多様性」批判でありつつ異性愛至上主義批判でもあると感じ -
Posted by ブクログ
ネタバレ自分の視野の狭さを、想像力の低さを責められているような気分になる。正欲というタイトルの意味がわかったとき、その窮屈さに嫌気がした。正しい欲。社会にとってマジョリティにとって普通で正しい欲。
なぜこの本を読もうと思ったのかを思い出していた。帯にあった「読む前の自分には戻れない」というキャッチコピーだ。確かに自分はもう「多様性」という言葉を気軽に使えなくなってしまった。「多様性」という言葉の持つ"正しさ"に気づいてしまった。
「多様性」とは、どこかの誰かが定めた"正しさ"にみんな従えって上からもの言ってるのと同じなんだと思う。"正しさ"と