学術・語学作品一覧
-
4.2恋の苦悩、自然との一体感、未知の世界への憧憬、酒に溶けゆく魂・・自らの「あくがれ(=憧れ)」を求めて突き進んだ歌人・若山牧水の魅力を、堺雅人が恩師の歌人・伊藤一彦と3夜連続で語り合った師弟対談書!
-
3.4
-
-この広大な地球上で初めて都市国家が形成されてから現在まで、人類が歩んできた世界の歴史は約6000年。その膨大な世界史の知識を、教養としてひととおり得ようと思っても、どこから勉強していいかわからない、いきなりページ数のある本では歴史の流れが理解できないという読者が少なくない。本書は、そんな一般読者に向けて、世界史の概観を理解するのに最低必要と思われる項目を設定し、簡約化を図った世界史入門書である。1項目2ページの見開き解説で、歴史の流れが一望できる。そして、全体を67の項目に分け、どこから読んでもOK、かつ面白く読める工夫が施されているので、歴史が苦手な人にもなじみやすい。さらに、大きく見えやすい図や歴史の舞台となった写真も多く挿入されており、イメージもつかみやすい。世界史に関するひととおりの知識が満たされるだけでなく、学校の授業では味わえなかった興奮も覚えること間違いなしの一冊である。
-
-中国。この興味の尽きない国の興隆衰亡の歴史を中心に、それをとりまくアジアの歴史までをダイナミックかつ面白く解説したのが本書です。「何年に誰々が何々をした」式の味気ない解説ではなく、人物の光と影、事柄の陰と陽というように立体的に歴史をとらえることによって、たんに史実としてではなく、血の通った歴史物語として東洋史を再現することに成功しています。また、個々の項目は2頁から4頁でコンパクトにまとめられており、その部分だけ読んでも十分読み応えがあります。何も最初から通して読まなければならないということはありません。目次で面白そうな見出しを見つけて、拾い読みしていただくのもおおいに結構です。教科書のように硬苦しく考えないで、興味のおもむくままに楽しんでください。読み始めれば、きっと途中でやめられなくて結局最後まで読んでしまうことになるでしょう。この本はそんな計り知れない魅力を持った本なのですから。
-
-
-
3.8改憲か護憲か、親米か反米か、愛国心は是か非か──。左右イデオロギーの対立軸だけで国家を論じるのは思考停止だ。著者は、日本の過去五百年の歴史をふまえ、二つの独創的な視点で国家を論じようとしている。一つは、日本という国のとりうるかたちは、三つのモデルに集約されるという視点。つまり、信長型の「国際日本」、秀吉型の「大日本」、家康型の「小日本」という三つのモデルで考える国家論を披瀝する。さらに二つ目の視点は、日本は常に、三つの主勢力(中国・ロシア・西洋)との距離のとり方によって国運が左右された、という指摘。そして、この「三つのモデル」と「三つの主勢力」という枠組みから、憲法第九条、集団的自衛権、核武装論、六カ国協議、への対応策を導き出す。著者の専門は文化人類学であるだけに、イデオロギーにとらわれない地政学的発想が新鮮である。まさに、「右翼」も「左翼」も語らなかった独創的な国家論といえる。
-
-この広大な地球上に初めて都市国家が形成されてから現代まで、人類が歩んできた世界の歴史は約6000年――。その膨大な世界史の知識を、教養として一通り得ようと思ってもどこから勉強したらいいのか分からない、いきなりページ数の多い専門書ではとっつきにくいと迷っている方が多いのでは?本書は、世界史全体を75のポイントに分け、学校の授業では味わえない躍動感溢れるエピソードで面白く解説していきます。パラパラと本をめくって興味をもった時代のどこから読んでもOK、図表や写真も豊富に収録して、今まで世界史に馴染みが薄かったという人でもイメージが掴みやすい工夫が盛り沢山です。「モヘンジョダロから大量に発掘された人骨の謎」「名家ハプスブルク家、700年の栄華」「ドラゴン・レディー西太后による清朝末期の改革」「イギリスの繁栄を誇示した大イベント・ロンドン万国博」など、思わず目からウロコが落ちる情報が満載の一冊!
-
5.0『武士道』を通して、日本の精神文化を世界に知らしめた新渡戸稲造。新渡戸には、『修養』『世渡りの道』『自警録』といった修養論についての本があるが、これらは、新渡戸が当時の通俗雑誌であった『実業之日本』に連載されたものを、そのつどまとめたものである。その言葉遣い、引用例は通俗的なもので、くどいほどやさしく書かれてある。だが、今となっては読みづらい。そこで、これらの本を熟読吟味して、新渡戸のいわんとする主旨を損なわずに、著者なりの解釈を踏まえた修養論が、本書の「人間道」である。その核心を一言でいえば、「豊かな人生と幸福を誘う生活法」ということになる。具体的には、「かつて日本は『美しい国』であった」「真理は日常の現実のなかにある」「すべては考え方しだいで順境になる」「『調子のいいとき』ほど気をつけよ」など。『武士道』の著者の実践的人生訓が、混迷した今日の日本に力強く蘇る!
-
4.0
-
-
-
4.3現在も多くのリーダーが「最も尊敬する人物」として挙げる西郷隆盛の考えを知ることができる『南洲翁遺訓』。同書を編纂した荘内藩は、江戸市中取り締まりの任にあった際、江戸薩摩藩邸を焼き討ちにした経緯もあり、報復処分を覚悟していた。しかし、維新後、同藩に対して武士道に則った寛大な処置がとられ、それが後に、西郷隆盛の内示だったことを知り、感銘を受けたという。その対応に尊敬の念を深め、荘内藩有志によってまとめられた『南洲翁遺訓』は、著書を残さなかった西郷隆盛、唯一の「著書」ともいえる。本書は、41項目と追加2項目の43項目からなることばを、テーマごとにまとめ、インタビュー風のわかりやすい現代語訳と、西郷隆盛を理解する上でかかせない歴史事実や重大事件について解説を加えた。天を敬い、人を愛した西郷が残した珠玉のことばは、混迷の時代のいまこそ読んでおきたい。
-
4.7幕末の激動期、短い生涯を激しく燃やした吉田松陰。その情熱は周囲を動かし、高杉晋作や久坂玄瑞など、維新の中心となる人物を生み出す。本書は、松陰が、獄舎で処刑される前日の夕刻まで、自身の思いを発信し続けた『留魂録』を現代訳し、解説。さらに、『留魂録』以前の手紙や論文の中からも「死生観」をあらわした史料を選び加えた。また、一番弟子ともいえる金子重之助、松陰の処刑後も自らの志を貫き維新を迎えた野村和作に注目し、松陰との関わりを著した。死を恐れることなく、つねに前を向きつつ、死によって、みずからの命が断ち切られるまで、“誠”の心のもとに“私”を“更新”してやまなかった松陰の「死生観」を学ぶ。
-
3.3大政奉還後に模索されていたという「徳川慶喜による新政府構想」、正憲皇太后の夢枕に立った坂本龍馬の亡霊とは? いまだミステリーの多い幕末・維新の真実に、御三卿筆頭・田安徳川家第11代当主が迫る。
-
-
-
-
-
3.0「風を引くと定額給付金」「遠山の金さんはウソ」「鼠小僧は本当に義賊だったのか」――。数々の珍令や奇令、治安組織や刑罰の仕組み、驚きの事件や裁判から、江戸の不思議と魅力を読み解く。
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
3.0
-
-
-
-
-
4.011年に及ぶ江川文庫総合調査で目録に掲載された7万点の資料のうち、なんと4万点弱が重要文化財に指定された。本格的な分析はこれからだが、これまで知られていた事実の評価の見直しや、新たな幕末像が見えてくることは間違いない。知る人ぞ知る幕末の俊英であった江川英龍だが、幕末・維新の偉人たちが評価してやまない巨人であったのだ。国防からの韮山反射炉・お台場の建設、奇兵隊に先駆けて農兵を組織、近代軍隊の様々な施策(なんと軍用携帯食として初めてパンを焼き、パン祖とも言われる!)。そして、精緻かつ多数の絵画を残す風流人でもあった。今回の総合調査と韮山反射炉の世界遺産推薦をきっかけに、脚光を浴びる江川英龍の最新の研究結果が今ここに明らかになる。
-
-
-
4.4原爆投下は日本に対して使ったのではなく、ソ連との政治戦争で使用した。戦争とは何だったのか?日本とは何だったのか?戦後60年改めて問う。
-
-
-
3.7
-
4.5一説では米沢藩中興の祖・上杉鷹山よりも藩政改革の手腕に長けていたといわれる、信州松代藩の家老・恩田木工。俸禄未払いや、強硬な年貢の取り立てに対して不満を抱いていた藩士や領民は、虚言続きの藩に忠義の心はなかった。そこで、木工は、「今後一切嘘をいわない」という宣言をし、自ら質素倹約を実行。その徹底ぶりが領民の心を動かした。また不正があれば、落ち度を責める前にまずシステムを調べ、諸制度の煩雑さゆえ不備が頻発すると判断した場合は、その仕組みを改めるなど、「仁政」で藩財政を建て直した。わずか5年で、破綻寸前の財政再建を成し遂げた恩田木工の型破りな手法とは!?
-
3.3
-
4.0
-
-
-
3.0
-
4.0日本の人々は憲法を考えるにあたって、まずアメリカが太平洋戦争を自分たちに全く都合の良い形で日本国民のアタマに詰め込んだことを知らなくてはならない。日本にとって大東亜戦争は、近代国家として生きるための資源や市場を求めての経済戦争だった。だがアメリカはこの事実を全面的に否定し、「他民族を圧迫する侵略戦争である」と決めつけたのである。ヨーロッパから独立したアメリカは、両隣がカナダとメキシコという極めて弱く脅威にならない国であったこともあり、自然、国力の拡大を太平洋に向けることになった。日本もまた、明治維新が終わり、日清戦争と日露戦争に勝った後、資源を求めて南方に勢力を向け始めた。だが、すでにアジアは西欧諸国に蹂躙されて、ほとんどの国が植民地になっていた。勝者が歴史を書くという常識から言えば当然の結果であるが、いま憲法を見直すにあたっては、こうした歴史を無視するわけにはいかない。
-
-ペリー来航から明治元年まで、わずか十五年。この短い間に、全国各地でさまざまな人たちが命を懸けて戦った幕末維新の動乱は、数多くのドラマを生み、それらがからみあいながら日本は新しい時代にたどりついた!しかし、人の立場も藩の動きも「紆余曲折」「二転三転」していて、当時の実態はものすごくわかりにくい。たとえば、ペリーが来た頃、徳川幕府と薩摩藩は仲が良く、また天皇は幕府を信頼していたのに、いつの間にか薩長が連携して天皇を擁し、倒幕の中軸となる。どこで何が変わって、こんな事態に至ったのか?本書は、30のエピソードを通して難解な幕末維新の実像を解説している。「倒幕を正当化する根拠を徳川一門が用意していた」「坂本龍馬は徳川家を守ろうとしていた」「徳川方は錦の御旗に対抗して日の丸の旗印を掲げたことがあった」――教科書には書かれていない話を豊富に盛り込み、幕末維新のストーリーが面白く、すっきりわかる一冊である。
-
4.5海軍ファンに衝撃を与えたドキュメンタリー映画『軍艦武蔵』を作り上げる過程から現在まで、千人以上の旧海軍軍人と面談を重ねてきた著者。その中で、常々思っていたのが、「なぜ、彼らのほとんどが、海軍生活をかくも懐かしむのか?」ということだった。苦しみに満ちた闘いを、辛くも生き残った者たちが、「もう一度海軍の飯を食ってみたい」と思うのはなぜなのか。本書は、海軍に生きた男たちの日常や心情、行動などをとおして、海軍の空気、あるいは肌触りといったものを、描き出した、ユニークな読み物である。現実に体験した者ならではの取って置きの話が、士官、下士官ともに、満載されている。「海軍という場所」の真実を知るのにもってこいの一冊である。
-
3.5清州会議に利用された織田秀信、秀吉の保険として養子にもらわれた織田秀勝、茶で世渡りをした織田有楽斎――勝者と敗者を分けたものは何か。独自の史観で歴史に斬り込み、織田軍団とその宿敵たちのドラマに迫る! ※本電子書籍は、角川文庫『英傑の日本史 激闘織田軍団編』を分冊したミニッツブック版(全十二分冊)です。
-
3.0光秀からノーマークだったにも関わらず、人生最大の決断を誤って横死した優秀な長男・織田信忠――勝者と敗者を分けたものは何か。独自の史観で歴史に斬り込み、織田軍団とその宿敵たちのドラマに迫る! ※本電子書籍は、角川文庫『英傑の日本史 激闘織田軍団編』を分冊したミニッツブック版(全十二分冊)です。
-
-
-
-3月20日に米英軍によるイラク攻撃が開始された。戦争関連ニュースでは、米英・イラク双方のプロパガンダをも含めた様々な報道や、内外の専門家による微細な解説がなされているが、当然のことながら、戦争には過去・現在・未来にわたって不変の原則というものがある。本書の目的は、それを大づかみに、手短かに示し、これから起こる予期しがたいすべての戦争に、日本人が大局的な対応をするための決定版テキストを提供することにある。本書で述べられている「権力と戦争の関係」「政治と戦争の関係」「対権力直接アプローチの戦理」「この世から戦争をなくす方法」「軍隊と法による世界経営」等の理論は、イラクで起こっている事態を冷静に読み解くためにも大いに適用可能であり、また北朝鮮危機についても同様だろう。著者20年の戦争考究のエッセンスである本書は、今まさに日本人すべての必読書である。
-
5.0
-
4.0
-
3.7民主党政権時代に自民党が発表した「日本国憲法改正草案」の最も本質的な問題は、9条案や96条案よりもむしろ102条案にある。「全て国民は、この憲法を尊重しなければならない」。憲法とは国民ではなく国家を縛るものであるとする「立憲主義」とは正反対の考え方なのだが、改憲案には他にも「家族助け合い義務」を課すなど、憲法の本義から外れた条項が散見される。本書はカリスマ塾長の異名をとる著者が、自民党改憲案を検証した上で、憲法の本質を歴史的な観点からわかりやすく解説。96条には民主主義ならではの危険を避ける意図があること、9条が変わるとどうなるかについても言及。(その他の内容)■公務員の権利は制限されていいのか ■憲法九条はマッカーサーの押しつけだったのか ■地方自治を保障した現憲法は先進的だった ■ヒトラー政権を生んだワイマール憲法
-
3.5信長&武将たちの「通説」に斬り込む! はたしてその真相は?安土城にあったとされる蛇石。大きさは飛鳥の石舞台よりもひと回り大きい。巨石にして名石の蛇石。南蛮渡来の緋羅紗の陣羽織を着て、蛇石の上に立ち陣頭指揮を執る信長。蛇石は、それぞれの妄念、邪念、想念の集合体であった。武将たちの信長に対する想いは異なるが恐怖という分母を同じくするそれらの妄念が、ある時固まって安土山に出現したのだ。その蛇石が動いたとき、本能寺が焔に包まれる。蛇石が語る本能寺の変の真実とは―秀吉、官兵衛、光秀、信忠が複雑怪奇に絡み合う。そして、信長時代を生きた武将たち、明智光秀、長宗我部元親、島左近、前田慶次郎、伊達政宗、徳川家康……。黒鉄歴画が彼らの謎に迫る。歴史ファンはもちろん、歴画で、信長の疾風怒濤の人生を見る最高の一冊。
-
-
-
-
-
-
-
-
-
5.0※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 ガラス瓶は、わが国では主に近代以降生産・流通するようになったガラス製容器であるが、近代を語る物質資料として注目されてこなかった。しかし、近年は全国各地で実施される発掘調査においてガラス瓶が出土することも増えてきている。本書は、考古学界で初めてガラス瓶を取り上げた著作で、ガラス瓶の技術史的・文化史的背景について触れながらガラス瓶の観察方法や研究方法について解説した。 また、実際に近現代遺跡から出土したガラス瓶を分析することにより、考古資料としてガラス瓶を位置づけるとともに、その土地の歴史を語る物質資料としてのガラス瓶の可能性を引き出した。本書は考古学や物質文化研究を志すものにとって必携の書である。
-
4.0
-
4.0
-
4.4「そもそも中国は近代国家ではありません。近代国家の尺度で中国を判断するから見誤るのです」。――気鋭の憲政史研究者が「嘘にまみれた中国」の正体を明かす。
-
4.1
-
-2005年11月、奈良県明日香村の甘樫丘付近で、7世紀の建物跡が発見された。『日本書紀』によると、この地に邸宅をかまえていたのは蘇我蝦夷・入鹿親子となっている。今回発見された建物跡は、「谷の宮門」といわれた蘇我入鹿の邸宅である可能性が高いとされる。日本の古代は現存する史料が少ないため、このように、一つの発見や発掘が史実を浮き彫りにし、また歴史を大きく変える可能性を常に秘めている。本書は、いまだ明らかにされていない古代史上の謎を集めたものである。記紀神話時代、旧石器時代、縄文時代、弥生時代、古墳時代、飛鳥時代、奈良時代、平安時代に分けて合計77の謎にアプローチする。日本の古代は、どの時代も謎に満ちている。そのため、私たちが教科書で教えられた事柄のいくつかが変わっているように、今知っている古代の常識も、いつ根底から覆されることになるか分からないといえる。古代の面白さを再認識させてくれる書である。
-
4.5
-
4.3亀井勝一郎氏がこんなことを言っている。「歴史にはいりこむということはネ、イデオロギー的にきちっとでき上ったものを扱うことではなく、人間や事件の混沌と翻弄の関係にはいる、ということと同じなんだ。その声を代弁してその魂をよみがえらせるのが、歴史家の使命だと思う」本書が、その言に遠きこと幾里程か、と存じているが、覚悟だけは右のとおりといいたいまでである。(本書「まえがき」より抜粋)良いことも悪いこともしながら、人間がつみ重ねてきた時間の跡である歴史は、底がしれなくて、知れば知るほど面白い。本書では、明治から昭和を賑わせた事件の「その後」や秘話を探索。「山本五十六の恋文の行方」「松岡洋右宛・チャーチルの手紙」「東京初空襲の真相」「ロシア皇太子襲撃事件の顛末」など、大胆な推理と新発見で近代史の裏事情を探り出す。
-
5.0日本の歴史において特筆される66の出来事を、見事な漢詩に結晶させた江戸時代の思想家・頼山陽の『日本楽府』。それまで断片的な歴史の書物や、『大日本史』『本朝通鑑』のような数百巻におよぶ大部の書籍以外に存在しなかった「日本通史」を、広く一般の人々にまで伝える画期的なものであった。内容が短く何より手に取りやすい――国史の絵巻物を見るが如き鮮やかな描写と透徹した歴史観は、日本人に誇りと自尊心を与え、明治維新の原動力ともなった。本書は、「古代の大英雄、日本武尊」「大化の改新」「壬申の乱」「白村江の戦い」「帰らなかった遣唐使」「和気清麻呂と道鏡」「醍醐天皇の御親政」「藤原道長の栄華」「平治の乱」など、神代から平安朝の幕引きまでを収録。保守論客の第一人者による丹念な解説で、戦後の歴史教育で語られなくなった“日本のルーツ”に再び光を当てる!
-
4.0※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 イザナキとイザナミによる天地創世から、スサノオの誕生と放浪、ヤマタノオロチ退治までをダイナミックなマンガで再現した「マンガで親しむ出雲神話シリーズ」第1巻。60年に一度の大遷宮で注目を集める出雲大社がある島根県で、トップシェアを誇る地元紙「山陰中央新報社」が平成24年の古事記編纂1300年を記念して出版。巻末には、良縁占いができる鏡の池で有名な八重垣神社や、黄泉の国の入口とされる黄泉比良坂など、神話ゆかりの地を紹介するマップ付きで観光ガイドブックとしても活用できる。
-
-幕末維新期の難しさは、個々の人間ドラマの背景で、大きなうねりとして展開する「時代の流れ」がなかなかつかみにくいことだろう。黒船はなぜ日本にやってきたのか。その後、尊皇攘夷思想が高まり、倒幕の原動力となっていくのはどうしてなのか――本書は、幕末維新期の小説や映画・テレビドラマの背景を理解する上で欠かせない基礎知識を、キーワードごとに時代の流れを追って解説した一冊である。「日米和親条約」「安政の大獄」「和宮降嫁」「七卿落ち」「王政復古」……など、この時代の歴史用語は知ってはいても正しく説明するのが難しいものばかり。本書では、時代順に章立てしてそれら重要ワードをきっちり整理。簡潔にして当を得た解説によって、各用語を理解しながら、通読すると幕末維新期の全体像が見わたせる。便利で読みごたえある入門書。
-
-
-
-
-
4.7
-
3.8
-
4.1
-
-
-
4.2
-
-
-
3.2風雲急を告げる幕末のニッポン。ペリー来航を期に、泰平の眠りを覚まされ、時代の大きなうねりに飲み込まれてしまうのではないかと不安が増すなか、人々にこぞって読まれたのが『日本外史』でした。この本は、平安時代の源平争乱から徳川家康による江戸幕府開闢までの「武士の歴史」を綴ったもので、歴史上のさまざまな合戦の様子が、さながらスポーツの実況中継のようにスピーディに、ドラマティックに展開していきます。各本文の最後には、「論賛」というタイトルで頼山陽自身の尊王思想に基づいた解説が加えられ、この本独特の風味を添えています。これらが幕末の風潮とマッチし、爆発的な人気を呼んだのでした。本書は、そんな幕末のベストセラー『日本外史』の中から、現代人にとって最も興味深い部分を抜粋し、楽しく読める現代文に訳したものです。志士たちが大いに盛り上がり、味わった痛快な気分を共有できる本です。
-
4.4
-
3.7常に自らの死に直面した戦国武将。その緊張感は、彼らをして現代にも通じる多くの警句を残させた。例えば、「敵に塩を送る」という言葉がある。上杉謙信のエピソードに由来し、「苦境にある敵を助ける」という意味で人口に膾炙している。しかし、彼の本心は、人の弱みに付け込んで姑息な手段を取るものではないというところにあったのではあるまいか。本書では、天下を制した織田信長、豊臣秀吉、徳川家康を始め、武田信玄、上杉謙信、毛利元就、伊達政宗などの戦国をリードした人物はもちろん、なるべく多くの武将の言葉を拾うことを心がけた。時代の風を読み、情況に応じて自在に変化する男たちの口をついて出た言葉は、日々変化を続ける現代に生きるわれわれにとって、またとない人生教科書だ。「言葉は人なり」の事例を、歴史作家が丁寧に掘り起こす人物読本。
-
4.0歴史は何のために学ばなければならないのか? そもそも、社会や個人の役に立つのだろうか?年号ばかり羅列する歴史教科書への疑念。一方で相対主義や構造主義は、“歴史学の使命は終わった”とばかりに批判を浴びせる。しかし歴史学には、コミュニケーション改善のツールや、常識を覆す魅力的な「知の技法」が隠されていたのだ!歴史小説と歴史書のちがいや従軍慰安婦論争などを例に、日常に根ざした存在意義を模索する。歴史家たちの仕事場を覗き「使える教養」の可能性を探る、素人のための歴史学入門講座。[序]悩める歴史学 [1]史実を明らかにできるか―歴史書と歴史小説/「大きな物語」は消滅したか/「正しい」認識は可能なのか [2]歴史学は社会の役に立つか―従軍慰安婦論争と歴史学/歴史学の社会的な有用性 [3]歴史家は何をしているか―高校世界史の教科書を読みなおす/日本の歴史学の戦後史/歴史家の営み [終]歴史学の枠組みを考える
-
3.0三方ケ原の台地を利用し、家康を敗走させた武田信玄。情報操作で敵の大軍を狭い厳島におびき出し、一気に壊滅させた毛利元就。支城をつぎつぎと攻め落として、ついに「難攻不落」といわれた小田原城を攻略した豊臣秀吉――。歴史に名を残した武将たちは、「地の利」を活かし、敵の裏をかく戦術に長けていた。本書は、古戦場の地形からその合戦模様を読みとく。要衝をおさえ敵軍を迎え撃つか、峠や深田に誘い込んで奇襲をかけるか、川を前にして防衛線をはるか、それとも「背水の陣」をとるか…。合戦をその名前から、原・川・橋・島・山・峠・畷・狭間・城などの舞台ごとに分類し、それぞれどのように戦いが展開したのかを論じる。源義経、足利尊氏、織田信長、徳川家康…戦功者はその地の戦略・戦術上の価値をいかに見出し、作戦を練りあげたのか。源平の合戦から関ケ原の戦いまで、日本各地の歴史舞台が物語る、巧妙な駆け引きの合戦劇!!
-
3.0
-
4.5
-
4.3
-
-縄文から弥生、そしてヤマト誕生から律令制度導入まで、日本という国家の成立の過程は数多くの謎に包まれている。しかし、近年の考古学の発展や文献の解読などにより、その様子はだんだんと明らかになりつつある。そしてそれは、今まで教科書で教えられてきたようなものとはまったく異なるものであった……。例えば、従来から唱えられてきた「遅れた縄文人と進んだ弥生人」という説は大きな誤解であり、実は縄文人や東日本こそがヤマト誕生に大きな影響を与えていた。また、天孫降臨や出雲の国譲りなど、神話だと考えられていた物語の多くが、実際の歴史を踏まえて作られていたことを、文献だけでなく地政学の視点からも解き明かしていく。そしてついには、最大の謎である「誰が日本誕生の真実を葬り去ったのか」が明らかに。古代史の残された謎が、いよいよすべて解明される。
-
3.6
-
-
-
3.1
-
4.0古代史の秘密がいま解き明かされる。この本は、日本古代史の常識とタブーに挑んだ、ある自然科学者の知的冒険の書である。「魏志倭人伝」に描かれた邪馬台国はどこにあったのか。女王・卑弥呼とはいったい誰なのか。日本最古の歴史書といわれる『古事記』や『日本書紀』に描かれる様々な神話をどう読むのか。神武王朝は果たして存在したのか。神武の東征は実際になされたことなのか。出雲はなぜ国譲りにたやすく同意したのか。神功皇后の九州遠征が意味するものとは。継体王朝の即位は何を意味したのか。医者であり、また歴史に造詣の深い著者は、自然科学者の「眼」で、こうした謎をひとつひとつ解きほぐしてゆく。Y染色体が示す日本人のルーツをめぐる最新の知見と歴史書の読解をミックスさせ、これまでの発想に自由な著者が導き出した結論は、想像を絶する大胆なものであった……。東アジアを舞台に壮大なスケールで、心躍る歴史のドラマがいま幕を開ける。