わずか70年足らず。超大国アメリカが覇権国家の座から滑り落ちようとしている。
ローマ帝国は千年、大英帝国は二百数十年続いた。それから比べればアメリカの繁栄はあまりにも短い。
本書の中で日高氏はアメリカが変質した理由として、白人人口が少なくなる一方、ヒスパニックや黒人の人口増大を挙げている。
アメ
...続きを読むリカ建国を担ったのはヨーロッパから移り住んだ、理想に燃えたキリスト教プロテスタント信じる白人達一団。
しかしその伝統を受け継がない人種や移民が増えるにしたがい、アメリカらしさが失われていったと日高氏は説く。
増え続ける膨大な財政赤字、削減される軍事予算。世界の警察官を辞めたアメリカの後に訪れるのはどんな世界なのか?
本書の中では中国とアラブ諸国の台頭を予測しているが、それは経済大国としてでなく核兵器や膨大な軍事予算をバックにした覇権争いであり、平和とは程遠い世界である。
平和とは戦争が一瞬止んだ束の間の平穏状態でしかない、との言葉があるがはたして日高氏の言うように世界は再び混沌の状態に置かれるのか。
「日本列島周辺が世界で今、最も危険である」との一文が衝撃的である。
アメリカが守らなくった日本を一体どれだけの人が想像しているのだろうか・・・・