日高義樹のレビュー一覧

  • 帝国の終焉 「スーパーパワー」でなくなった同盟国・アメリカ

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    アメリカは人種や宗教における構成が変化した結果、国家として変質し、内向き化。また、軍事技術の進歩により、アメリカの戦略は再構築が求められているが、進んでいない。更に、財政赤字が国防費を圧迫し、技術開発や艦船・航空機の配備に影響。日本周辺での米軍プレゼンスが低下し、日本は中国の影響下に入るか、武装強化・核配備するか選択を迫られる・・・。平和が続くと思っていたが、日本も戦争に巻き込まれる可能性が高まっているということか。

    0
    2012年04月08日
  • 帝国の終焉 「スーパーパワー」でなくなった同盟国・アメリカ

    Posted by ブクログ

    わずか70年足らず。超大国アメリカが覇権国家の座から滑り落ちようとしている。

    ローマ帝国は千年、大英帝国は二百数十年続いた。それから比べればアメリカの繁栄はあまりにも短い。

    本書の中で日高氏はアメリカが変質した理由として、白人人口が少なくなる一方、ヒスパニックや黒人の人口増大を挙げている。
    アメリカ建国を担ったのはヨーロッパから移り住んだ、理想に燃えたキリスト教プロテスタント信じる白人達一団。
    しかしその伝統を受け継がない人種や移民が増えるにしたがい、アメリカらしさが失われていったと日高氏は説く。


    増え続ける膨大な財政赤字、削減される軍事予算。世界の警察官を辞めたアメリカの後に訪れるのはどんな世界なのか?

    本書の中では中国とアラブ諸国の台頭を予測しているが、それは経済大国としてでなく核兵器や膨大な軍事予算をバックにした覇権争いであり、平和とは程遠い世界である。
    平和とは戦争が一瞬止んだ束の間の平穏状態でしかない、との言葉があるがはたして日高氏の言うように世界は再び混沌の状態に置かれるのか。

    「日本列島周辺が世界で今、最も危険である」との一文が衝撃的である。

    アメリカが守らなくった日本を一体どれだけの人が想像しているのだろうか・・・・

    0
    2012年02月10日
  • ブッシュのあとの世界 「甦る大国・日本」叩きが始まる

    Posted by ブクログ

    日高さんの最新の本です。
    またまた中国の最新事情が書いております。
    結構、エグイですが、重要な情報ばかりです。

    0
    2009年10月04日
  • 米中石油戦争がはじまった アメリカを知らない中国は敗れる

    Posted by ブクログ

    また中国問題の本です。
    僕はアジア経済(特に中国)に関する本が大好きです。
    現在、世界で中国がどの位置にあり、
    今後、どのようなアクションを起こしそうかを考えておくのは非常に重要です。

    昔、(といっても1〜3年前)に、
    日本企業が「人件費が安い中国に工場をたてます」と言っていた時の、中国のイメージとは全然違います。

    特に日高さんの本は分かりやすく深いと思います。

    0
    2009年10月04日
  • 日本人が知らないアメリカひとり勝ち戦略 日米安保は終焉する

    Posted by ブクログ

     アメリカの政治経済を見る上で大変参考になる好著だ。特に、イラク戦争以降アメリカの世界戦略の中心がイラクになったことや、軍事的には厳しく対峙するブッシュ政権と中国政府が経済問題については円満な関係を保っていることなどを詳しく説明している。
     一方、アメリカはシーレーンの確保以外アジア極東での軍事行動の必要を認めていないという指摘を日本はよく理解しておくべきだろう。ましてや、極東の軍事戦略をアメリカの意図に基づいて勝手に変え、日米安保条約に基づいて手にしている権益はそのまま使おうとしているというブッシュ政権が、米軍の再編をめぐって日本側にどのような対応を示してくるかは要注意だ。
     それにしても、この本を読めば読むほど、アメリカの軍事力による覇権が、対日本だけでなく対ヨーロッパについても経済面にまで及んでいることを強く感じさせる。

    0
    2009年10月04日
  • 米中衝突の結末――日本は孤立し、自立する 日高義樹論考集

    Posted by ブクログ

    NHKのNY支局長、ワシントン支局長を歴任された方の著書。流石の取材力と文章力。日本のマスコミではトランプ大統領は、その言動から悪く描かれがちだが、本書では一貫してトランプ大統領の政策、特に対中政策が適当かを力説している。その説明は納得できるものであり、トランプ大統領の見方が変わった。本書発刊時点では予期し得なかった新型コロナの影響もあり、トランプ再選の予想は外れてしまったが、バイデン新政権になっても中国の不正な経済・軍事活動には厳しい姿勢で臨んでもらいたいし、そうあるべきだろう。また、日本は、中国、北朝鮮、ロシアが軍事活動を活発化させる中で、早急に安全保障政策を組み立て直す必要があると感じた本だった。

    0
    2021年01月21日
  • 米中衝突の結末――日本は孤立し、自立する 日高義樹論考集

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    日高氏の視点は、いつも参考になります。

    本書は、米国民がトランプ大統領を支持する背景が、分かりやすく描かれています。

    トランプ発言の非常識さが際立つせいか、
    そもそも中国の横暴な態度が誘引しているのに、
    そこに目が向いていないことに気づかされました。

    トランプ大統領が仕掛けたのは、単なる貿易戦争ではなく、中国の不法な政治経済システムへの警告だということ。

    一つの事実も、見方や立場が異なれば、こうも違うのかとハッとさせられました。

    0
    2019年12月19日
  • トランプが日米関係を壊す

    Posted by ブクログ

    これもまた書名と中身があっていない本で、トランプのことなど全体の1割も書いていない。

    ただ米国を始めとする世界情勢の評価は斬新かつ明確で、納得させられる点が多い。

    0
    2016年12月24日
  • トランプが日米関係を壊す

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    いつもある種の危機感を持ち、自力をつける努力を加速する必要性を感じます☆

    ↓↓

    アメリカが世界における立場を失ったことは、70年にわたって日本を保護してきたアメリカの力の消失を意味する。
    つまり、日米安保条約のもとで、アメリカの力によって安全と繁栄を維持してきた日本は、その後ろ盾を完全に失うことになる。
    トランプは今年2月、集会の席上でこう言った。
    「なぜアメリカが日本を守らなければならないのか。アメリカが中国やロシアと戦争を起こした場合に、日本は一緒になって戦うのか?」
    この言葉は、今やアメリカの多くの人々が考えていることを端的に反映している。
    (中略)
    日本にとって最も懸念すべき事態が現実になろうとしている。

    0
    2016年07月30日
  • 戦わない軍事大国アメリカ 止まらない中国の脅威に対して日本は何をすべきか

    Posted by ブクログ

    元NHKの日高さんのアメリカレポートである。日高さんというとNHKよりNHKを退局したあとテレビ東京で日曜日の夕方にやっていた「日高義樹のワシントンリポート」の印象が強い。
    本書ではまずアメリカは世界最大の軍事大国であり、中国と戦ったら間違いなく勝つというところから始まっている。それは、通常戦力では中国を凌駕する最新鋭の兵器を数多く持っており、兵站を含めて戦略的に優れている。不測の事態が起こったとしても、超高空からの攻撃で中国軍はあっという間に身動きが取れなくなる。一方海軍も中国の対艦ミサイルに対抗して小型ミサイルを搭載した艦艇を配備して対抗しつつあり、なんと言っても海軍、空軍のネットワークを生かした戦略は自分勝手な動きをして統率がよく取れていない中国軍とは比較にならないとしている。
    問題は中国が核を使う可能性があり、第三次世界大戦を恐れていると言うことと、アメリカそのものの交際戦略が民主主義を守り広めるという国家理念をなくし内向きになっているということを指摘している。
    その他、アメリカは南シナ海は重要視しているが、東シナ海、尖閣諸島は地域問題だと考えていること、中国共産主義体制はめちゃくちゃで崩壊寸前であると言うこと、アメリカでは政治家が信用されなくなってきており、キリスト教のモラルが低下し、アメリカ社会が分裂してきていることなどが述べられている。
    通常戦力でアメリカに勝てない中国は核の小型化により対抗しようとしているのは頭が痛い点だ。北朝鮮の核よりよほど中国の核兵器の方が問題である。日本も戦わないアメリカについてよく考えて日米同盟を改めて考え直す必要があり、経済力に見合う国際的な政治力と軍事力を持つべきだとしている。
    ワシントンの右派とつきあいの多い日高さんらしいレポートである。
    アメリカと中国の軍事力比較がどの程度正しいのかよくわからないが、中国共産主義は崩壊すると何度も言われていながらまだ保っているし、アメリカにはかなわないと言っているものの、中国の軍事力増大は心配である。いったいどこまで信用して良いのかがわからない。確かに、中国は一方的に海洋領土を拡大しようとしているには間違いないし、アメリカが当てにならない以上、自国をきちんと防衛できるような体制は整えておく必要はあるように思う。単に攻撃されたら防戦するという単純なものではなく、有効な反撃をすると言うことは考える必要はありそうだ。ただ、どの程度どうするのが妥当かを判断するのはなかなか難しい。

    0
    2016年05月21日
  • アメリカの大変化を知らない日本人 日米関係は新しい時代に入る

    Posted by ブクログ

    今あるアメリカの状況と、国として独り立ちしていない日本の状況から予測される未来を筆者が記したもの。
    アメリカが日本を守ってくれると信じている日本人を戒める意見には同意。日本人はもっと世界のことを勉強しなければならないと思う。

    最新鋭兵器については、インパクトのある事実のみを取り上げており、誇張に感じた。(レールガンにも砲弾は必要。レーザー兵器は雨天時に役立たず)

    2014年の中間選挙後にオバマ大統領への弾劾が起きるかどうか、注目しておこう。

    0
    2014年07月06日
  • アメリカの大変化を知らない日本人 日米関係は新しい時代に入る

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    アメリカの状況とそれに伴う日本への影響。日本のマスコミ等の論調とは違う情報として刮目させられた。
    米中の通貨財政同盟、アメリカの財政・軍事費削減と兵器技術の進歩による兵の撤退、日米安保条約の評価と集団的自衛権の由来など。
    情報や主張を鵜呑みにすることは危険だと感じるが、このような見方があるということを知ることは必要だと感じる。
    14-90

    0
    2014年06月29日
  • アメリカが日本に「昭和憲法」を与えた真相

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    憲法を変えるのは自由だ。日本が独立した時、憲法をどうしようが、それは日本に自由だ 国会議員はほとんど全員が、憲法改正に賛成、軍事力の放棄にも反対はしなかった 天皇制を存続させ利用しようとした ドラッカー:日本の高等教育は危機に瀕している。生徒の教師に対する尊敬が損なわれた。これは危険だ。本当に危険だ 

    0
    2014年02月08日
  • なぜアメリカは日本に二発の原爆を落としたのか

    Posted by ブクログ

    原爆投下に関する話は面白い。

    読みやすい文章かと言われると、?な感じ。
    結論部分(筆者の主張)が、ちょっと微妙というか乱暴?

    でも日本人なら知っておかないといけない内容。

    0
    2013年09月07日
  • アメリカが日本に「昭和憲法」を与えた真相

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    (以下、要約メモ)

    日本の憲法は簡単には変えられない。変えることが難しいように作ったから。

    アメリカやフランスは憲法改正の発議について複数の方法があり、国民投票についてもアメリカの場合は必要としておらず、フランスの場合は必ずしも必要としていない。

    最も重要な問題は、アメリカ軍によって作られた昭和憲法のもとで、軍事や外交と真剣に関わることをしなかった日本の政治家たちが、日本を動かすことができなくなってしまったこと。

    日本の現在のシステムの基本になっている憲法を与えるとともに、その憲法を変えることを難しくしたのはアメリカだが、平和主義の理想を貫く憲法の背後に潜んでいるのは、戦勝国による“報復”。

    日本と同じように第二次世界大戦に敗れたドイツに対して戦勝国は「報復」という言葉を直接的に使った。ドイツ固有の領土であった東部プロシアがポーランドとして分割された。

    昭和憲法はアメリカが太平洋戦争に勝ち、敗者である日本を徹底的に押さえつけるために作り、日本に与えたもの。日本はこの憲法の元でアメリカの軍事力の庇護を受け、経済活動に邁進してきた。

    日本人は、まずアメリカが、太平洋戦争をまったく自分たちに都合のよい形で日本国民のアタマに詰め込んだことを知らなければならない。日本にとって大東亜戦争は、近代国家として生きるために資源や市場を求めての経済戦争であった。だがアメリカはこれを全面的に否定し、他民族を圧迫するための侵略戦争であると決めつけた。

    昭和憲法の前文に「平和を愛する諸国民の公正と信義に信頼して、われらの安全と生存を保持しようと決意した」とあるが、世界の現実を見れば、他国の公正と信義を盲目的に信頼できないことは誰の目にも明らか。

    世界の人々は日本が第二次大戦という悲惨な戦争を経験した結果、平和を愛することで意見が一致していると考えている。
    だが今なお日本人の半分が昭和憲法を支持している背景には、この憲法が国益、つまり日本にとって得なものであるという現実的な考えが存在している。

    アメリカ軍は、間接的に日本を統治しようとしたが、新しい政府を作るためには、憲法が必要であった。昭和憲法は、アメリカとアメリカ軍が望むような新しい日本をつくるための道具に他ならなかった。この事実を日本人はうやむやにしている。

    アメリカ軍が日本を軍事的に占領するという大前提があって、戦争を放棄するという条項になった。

    自衛力は日本国民が望むように持つことができるという解釈があり、そうした解釈が憲法第九条を変えなくてもよいという意見につながっている。

    日本人は「国の守りはアメリカに任せておけばよい」という考えでこの憲法を70年近く維持してきた。そんなことが永遠に続くのだろうか。

    アメリカ人の中には依然として日本に対する根強い警戒心と恐れがある。1941年の真珠湾攻撃に対する恐怖心がいまも残っている。

    ドイツは占領そのものについては日本よりも酷い目にあった。ソビエト兵は暴虐の限りを尽くした。

    アメリカ占領軍は、日本人に民主主義の基本から教えようとしたが、ドイツ人に対してこの考えを押し付ける気概はまったくなかった。

    敗戦後のドイツが大きな軍事力を持たないのは、NATOに組み入れられている結果で、ヨーロッパ共同体の一員としての立場があるから。

    アメリカのドイツにおける基本的な占領政策は、ソビエトからの侵略に備えることが基本で、ドイツ人が再びヒットラーの時代に戻ることを懸念したり警戒したりすることはまったくなかった。この点、アメリカの日本に対する態度とは違っていた。

    平和主義の理想を掲げた憲法は、文章だけから言えば崇高だが、実際には、占領政策を支障なく遂行するためのものであった。

    日本が憲法を変えなかったのは、新しいことを嫌う保守的な国民性が大きな原因になっているが、同時にアメリカ占領軍が憲法を変えられないように厳しい縛りを加えているからである。

    日本国憲法の場合、修正ないし改正の発議ができるのは国会に限られているが、アメリカでは連邦議会だけではなく、州議会の2/3の提案によっても憲法改正の発議を行うことができる。承認されるには州議会の3/4の同意が必要だが、国民投票はない。

    キッシンジャー
    「日本が憲法を変えればアメリカ国内で疑問を持つ人もいるだろう。そういった問題にどう対処するかが日本にとって重要になってくる。
    日本は今後、外交問題に積極的に関与しなくてはならなくなる。アメリカに頼りきりというわけにはいかなくなるだろう。日本の外交的な発言に人々は耳をかさなければならなくなり、日本は影響力を持つようになるだろう。」

    1945/7のポツダム会議での議題は3つ。
    ・降伏したドイツをどうするか
    ・日本の制圧後、天皇制をどうするか
    ・アメリカが開発した原子爆弾をどう扱うか

    会期途中でのチャーチル首相の失脚、4月に亡くなったルーズベルト大統領の後を継いだトルーマン副大統領の力の弱さ。ボツダム会議で力を発揮したのはスターリン。

    昭和憲法作成時、日本人の関心の95%が天皇の地位についてで、第九条を含む他の問題への関心は5%ぐらいだった。

    昭和憲法は、明治憲法73条に基づき、「天皇の提案によって明治憲法を修正できる」という条項に基づいて誕生した。明治憲法と昭和憲法の間には法律的にみて継続性が成立している。昭和憲法は、明治憲法の修正と言うことができる。

    アメリカ陸軍の主力部隊、第八軍は占領軍としてフィリピンから戦闘隊形のまま佐世保に上陸し、日本を占領し、日本を動かすことになった。日本を動かしていたのはそういった戦闘集団。

    バターンクラブ…マッカーサー総司令部の中で、フィリピンで日本軍の捕虜となり厳しい扱いを受けた軍人たちの秘密組織めいた集まり。捕虜になったときの仕打ちを恨み、日本に報復することを誓っていた。マッカーサーの幕僚のほぼ全員。

    キャノン機関…ジャック・キャノン中佐が中心となっていたマッカーサーの秘密諜報機関。

    バターン半島での「死の行進」…捕虜たちは炎天下を100キロ以上歩かされた。数千人が死亡したといわれている。

    1945年10月、マッカーサー司令部は東京のすべての新聞の検閲を開始。占領政策に反対する記事を排除。その措置についても報道できなかったため国民は気付かず。日の丸掲揚と君が代斉唱も禁止に。

    天皇と憲法第九条は密接に関わっていた。マッカーサーは幣原首相にこう言った。「天皇制の存続は日本にとって良いことだ。だが天皇制を存続させる最も確実な方法はただ一つ、新しい憲法の中で戦争を放棄することと、軍隊を持たないことを明言することだ」。

    ソビエトは天皇制に反対していた。戦後のアメリカによる日本支配は避けられないとみて、自分たちはポーランドをはじめ東ヨーロッパを獲得しようと考えていた。
    ソビエトはアメリカにこう言った。「日本で勝手なことをするのを認める。だが自分たちも東欧で同じことをする権利がある」。だから天皇制に口を挟まなかった。

    憲法草案第九条には共産党を除くすべての国会議員が賛成。

    第二次世界大戦が終わろうとしている頃のソビエトは、アメリカやイギリスに対して強い影響力を持ち、日本に対する領土的な野心を隠そうとしなかった。原爆が投下されるや 、すでに戦う力もなかった日本に戦いを仕掛け、濡れてに粟をつかむように樺太や北方領土を手に入れた 。ロシアはいまなお日本から何かをとろうと狙っていると見てよい。

    フィリピンの戦場からやって来たアメリカ軍人たちが作った日本の憲法は 、アメリカ軍の憲法だった。マッカーサー司令部の担当者たちが指摘しているように、日本の人々は憲法を大歓迎した。新聞が褒め称えたからだろうが、日本人はそれがマッカーサー司令部の検閲の影響だと気がついてはいなかっただろう。
    日本のマスコミは、もともと歴史的な視点から報道する能力に欠けている。占領時代だけではない。戦争中も、そして現在も、日本のマスコミ報道はきわめて現象的で、しかも感情的。

    日本周辺の安全は、アメリカ第七艦隊と第五空軍によって維持されている。

    朝鮮戦争によってアジア情勢が急変したため、平和条約調印への動きが進み、1951年9月8日、サンフランシスコで盛大な調印式が行われ、同時にソビエトを敵とする日米安全保障条約が締結。

    日米安全保障条約は1960年、岸首相のもとで改定が行われ、日本の立場を大きく変えることに成功した。岸首相による条約の改定は日本にとって歴史的な大事業だったが、マスコミをはじめ日本の世論は声高に条約の廃止を求めていた。学生たちが大掛かりな反対運動を続け、デモで女子学生の死亡事故が起きたりしたことから、岸首相の歴史的業績は無視されてしまった。

    日本人は戦争に敗れた後、アメリカの統治政策によって完全に西欧化したと信じている。いっぽう中国は共産主義という一党独裁の専制体制を取り続けている。日本人のほとんどは、占領政策の延長というアメリカのやり方に反感を持ったとしても、中国のもとに馳せ参じることなど到底できないと考えている。しかしアメリカの指導者は、中国が台頭しているのを見て、日本が中国という、アメリカからすればわけの分からない勢力に乗り換えてしまうのではないかという強い疑いを持っている。
    よほどの日本びいきですら、この点について日本人の考え方を理解していない。結局アメリカの人々にとって日本は、基本的に異質の国なのである。

    アメリカの影響力と軍事力は急速に後退しつつある。日本がアメリカから独立しようがしまいが、独自の力であらゆる国際情勢に対応しなければならないときがきている。

    いまやアメリカは在日米軍を朝鮮半島台湾に出動させることができなくなってきている。経費の問題だけでなく、アメリカの若者をアジアの紛争で犠牲にしたくないという考えが強くなっている。

    いま新しい国際社会に危険をもたらそうとしているのは中国の軍事力。
    アメリカは太平洋戦争後、日本が二度と戦争を起こさないように、憲法第九条と日米安保条約を与え、軍事能力を奪ったが、いまやその近隣諸国の一つである中国が、軍事力で日本を侵略しようとしている。
    中国はいまや尖閣諸島だけでなく、沖縄も自分の領土であると主張している。だがアメリカはもはや正面から中国と戦うことができない。
    この状況を放置すれば、やがて中国の軍事力がアジアを席巻することになるだろう。アメリカの力が衰退し、日本を守ることができないのであれば、日本が自らを守るために、憲法第九条と日米安保条約を変更するのは、歴史的必然と言うこともできる。日本は自力で尖閣諸島という領土を守らなければならない。尖閣諸島の問題は、アメリカの時代が終わったことを明確に示している。

    0
    2013年08月16日
  • アメリカの新・中国戦略を知らない日本人

    Posted by ブクログ

    アメリカの衰退と中国の台頭。

    日本のメディアによって盛んに報道されるこの図式も、日高氏の目線で考えると全く違ったものが見えてくる。

    ワシントンリポートでおなじみのの日高義樹氏による本書は、アメリカ政財界や国防省、海軍などの重要人物に直接会って取材しているだけあって、その内容は極めて信憑性が高く信頼性が高い。

    再選されたオバマ大統領もヒスパニックや黒人に支えられてのもので、社会主義的政策を嫌う多くの白人層からはすでに見放されている事実。

    シェール革命が進行するアメリカで経済状況が大きく好転する可能性。

    太平洋で軍事的台頭を深めつつある中国、それに対して強い警戒感を持つ共和党とアメリカ海軍。親中派であるオバマにも揺らぎが生じつつあるようだ。

    本書の中で書かれている内容は、そのほとんどが日本のニュースには出てこないものばかりだ。
     
    報道されていなくても現実に物事は進行している。テレビや新聞だけで本当の世界を知ることはできない。
    未来を予測するのは難しいが、日高氏の本は先を見ようとする者に対して大いに参考になるだろう。

    0
    2013年03月30日
  • なぜアメリカは日本に二発の原爆を落としたのか

    Posted by ブクログ

    太平洋戦争敗戦間際の日本に対するアメリカ戦略分析書。ネオコン派勢力均衡論による厳格な洞察。また、日本国内の原発に対する過剰アレルギーは原爆にあり、だからこそ安全対策を追求するべきと主張。

    0
    2012年08月07日
  • 帝国の終焉 「スーパーパワー」でなくなった同盟国・アメリカ

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    ちょっと偏った意見だと思う。反オバマの色が濃く出ている気がする。

    ・アメリカ政府は膨大な借金を抱えており、オバマ大統領の社会主義的な政策はそれに拍車をかけている。
    ・オバマ大統領は軍事の事を全く理解していない。財政難とその戦略のまずさから米軍の弱体化が進んでいる。

    ・過去、アメリカは、戦争を仕掛けることで借金を清算してきた。その最大の被害者は日本である。

    ・アメリカの軍事力の衰退で東アジアは不安定化しつつある。アメリカは日本に核武装してもらって構わないとスタンスを変え始めている。
    日高は日本は核武装しろ、持たねばならぬと言っている。

    日本は核武装すべきではないと個人的には思う。

    0
    2012年07月08日
  • 帝国の終焉 「スーパーパワー」でなくなった同盟国・アメリカ

    Posted by ブクログ

    超大国アメリカについて。アメリカの外交戦略について勉強になった。財政難からの国防費削減、それによるアジア太平洋地域の勢力図の変化、そして日本の国防のあり方等々。自衛隊を自衛軍にするかの議論がある今、なかなかタイムリーな話題だと思います。

    0
    2012年03月19日
  • いまアメリカで起きている本当のこと 日本のメディアが伝えない世界の新潮流

    Posted by ブクログ

    私は政治や経済には全くの素人(高校卒業程度の知識しかない)で、
    あんまり参考にならないと思いますが、著者の主張を分かる範囲で簡潔に書くと

    ・民主党もオバマも全然ダメ
    ・次は共和党が政権を取る
    ・日本の民主党もダメ
    ・中国・アメリカ間はこれから対立する
    ・アメリカ衰退論は間違い

    オバマ大統領を褒める部分がひとつもないので、ちょっと可哀相になるくらいでした。
    しかし、その理由も明確に書いてあり、ちゃんとデータを出してくれているので、信憑性は高いと思います。

    そのほか、アメリカの外交戦略やエネルギー事情、ちょっとだけ中国の外交などにも触れてあり、普段全くその辺の事情に疎い私には興味深いお話でした。

    アメリカの政治を見ていると、日本のビジョンのない政治が心配になります。
    著者は保守派なので、民主党よりの主張も聞いてみたいところです。

    0
    2011年11月16日