日高義樹のレビュー一覧
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ネタバレアメリカでは今、ニューヨークを中心に抗議デモが起こり、ウオール街に対する不満が高まっている。オバマ大統領の支持は下がり、共和党では大統領候補者によるテレビ討論会がすでに行なわれている。そんな中で手にしたのが今回の本だ。
著者の日高義樹氏は、日本のメディアには珍しく共和党よりの主張をする。多くのメディアはニューヨークタイムズやABC,CBS,NBC,CNNといった民主党よりのメディアの意見を取り上げることが多い。当然、共和党よりのFOXNEWSは取り上げない。著者は、米国衰退論が日本で盛んに取り上げられ、中国台頭論に引きずられて、日本は中国にのめり込むのを危険だとしている。
2012年の上下両院選挙では共和党が勝ち、大統領選挙でも共和党の候補者が選ばれると述べている。その理由は経済政策の失敗にあるが、オバマ大統領の保守化傾向で、本来支持基盤であった民主党左派の支持を失う可能性が出てくると指摘している。労働者組合の力が衰え、アフガニスタンの戦争をやめないなど、自分達の主張を受け入れないのに業を煮やして対立候補をぶつけることもありうるとしている。このまま、具体的な成果が出ないとその可能性も考えられる。いいとこだけをつまみ食いして支持を得ようとしてはそうはいかない。演説だけでは景気は良くならないからなあ。
選挙の行方は日本にも影響する。とはいっても、日本マスコミがお約束のごとく取り上げる日米関係への影響についての取り上げ方には疑問がある。アメリカ人で日米関係を考慮して大統領を選ぶ人はほとんどいないし、あくまでも大統領候補が国内情勢についてどう考えるかを重視して選ぶのだから。 -
Posted by ブクログ
著者の日高義樹さんですが、中々大層な肩書きを持っているヒトです。多少アメリカ偏重の思想の持ち主であることを念頭に、他の本に於ける意見を照らし合わせる必要があるでしょう。
そういうわけで、もうアメリカやばいよって本だと思ったら逆でしたね。今でもアメリカの戦力は十分であると言う本です。勿論、負債に関してはもはやどうしようもないということに関して触れていますし、金本位制を利用した脱却方法に関しても述べています。
まず日本の民主党が打ち立てた脱米政策に関する米国人・政治家の怒りと当惑ですが、そもそも民主党のバックは中韓であり当然の流れを感じています。
オバマ政権を痛烈に批判しており、ジョンソン、カーターより国際戦略に関する能力・知識が足りていないとしています。反面選挙戦略、国政に関しての能力は評価していますが、基本的に共和党の支持者のようです。
アフガニスタン紛争への参加、GDPに達するほどの負債、公共事業、癒着などオバマ政権の暴走が米国を危機に陥れていること、国際戦略の無さが日本やドイツと言う親交国との不仲、中国につけ上がられる始末に終わっていることを批判しています。
米国の教育・科学能力の高さにも触れていますが、これに関しては全面的に同意ですね。また軍事戦略の遷移、軍事力の向上に関する記述は中々稀有な情報かと。
この本から得られた知識は割と多かったです。米国経済のより真の部分に関して無理だったからかもしれませんが。眠いから割と適当ですがこんな感じの本です。 -
Posted by ブクログ
私が社会人になりたての平成初期までNHKの特派員をしていた日高氏による最近の著作(2020.8発行)です。彼によれば、日本人としては米軍基地や作戦司令室の中にまで入ることのできる数少ない人のようで、米軍の実力もよくご存知のようです。
私が小学校の頃「ノストラダムスの大予言」というシリーズ本が流行ったのですが、その中で印象的なフレーズとして覚えているのは、2020年頃(数字は明確に覚えていません)に、日米安全条約が空文化、意味がなくなるというものでした。このイメージが掴めずにずっと今まで過ごしてきましたが、この本を読んでその意味が少しわかった気になりました。第6章に書いてありました。
現在保有している核戦力が、アメリカ軍人のいわゆるサボタージュによって発射できない状況になりつつある(p179)さらに彼はその章では明確に指摘していませんでしたが、現在、空軍以外のアメリカの部隊は日本から撤退していることもあるかもしれないと思いました。
以下は気になったポイントです。
・中国が香港という特別自治区を使って、中国国内から世界へ資本を動かすこと、同時に世界からの資本を香港を通じて中国国内に受け入れることが作られていた仕組みがあった(P16)EU当局の決定はまだ具体的に発動されていないが、香港・上海の資本は今後アメリカだけでなく、EUに対しても投資が難しくなる(P22)
・実際に中国国内でものを作り中国製として外国に売り出していたのは中国の企業ではなくアメリカや日本などの企業であった、日本やアメリカの企業が中国に進出し、現地の安い労働力を使って世界的にダンピングしたのが、中国のものづくりチェーンの実態である(P70)
・重工業の場合は多くの原材料を抱え込んでいて、原材料の相場を左右することによって多くの収入を得ることが可能、さらにパテントや技術力を行使することで新しい製品をつくることができる、この点が航空企業や観光企業と根本的に違っているところである(P72)その日の収入に頼っている消費的産業は、その規模が大きくなりすぎたために、仕事を取り戻すためには莫大な資金を必要としている(P85)
・コロナウィルスによる中国ビジネスの停滞は、中国自らの不法行為が招いたアメリカからの反発によるもので、その結果、経済活動全体が機能しなくなっているというのが現実である(P86)
・コロナウィルス援助をめぐって、世界各国の政府赤字が増え、収拾のつかない状態になりつつあるが、このまま続けばユーロなどの通貨連合の解体、国際的な通貨交換システムが壊れてしまう危険が強くなる(P109)このため、アメリカでは投資家は金、不動産に投資している。住宅はコロナウィルス騒ぎで工事ができないために売買される住宅が減り、値段が高くなっている(P128)
・アメリカには三種類の戦略攻撃力から成り立っている、1)空軍のミニットマンミサイル、2)海軍のミサイル原子力潜水艦が搭載する、トライデント2D5、3)空軍の戦略爆撃機B52、B1、B2戦略爆撃機である(P170)こうした強力なアメリカの核戦力がアメリカの軍人たちのいわゆるサボタージュによって発射できないという状況が生じつつある(P170)
・沖縄、壱岐、対馬、北海道が奪い取られる危険性がある状況として、アメリカ海兵隊はほとんど沖縄を去り、実戦部隊はカテナの空軍のみ(P177)客観的にみると、日本の安全を維持している日米安保条約は事実上まったく機能しなくなっている(P185)
・いまや安全保障という点では、1)いくつかの在日米軍軍事基地よりも、日本周辺に展開するアメリカ海軍の原子力ミサイル潜水艦が重要、2)潜水艦隊の最前線の中継基地として横須賀に新しい基地が作られたこと(P212)このほか、三沢空軍基地、岩国海兵隊航空基地、東京横田基地は最新鋭の基地になっている(P215)
2020年10月11日作成 -
Posted by ブクログ
日本が戦争で負けるとわかっていたときに、原爆を二発投下したアメリカが解せなくて、読んでみた。理由はなんとなく想像していたのと近かったので納得。
ただ東京大空襲のときの被害の大きさは、原爆のものと匹敵していたのは知らなかった。六章の、いまの現実のほうが恐い。また世界は戦争へと向かっているような気がする。そのきっかけがこのアジアになりそうだと思ったのは気のせいか?
いつまでも同じ世界情勢ではいられない。
集団自衛権でいろいろ言われてはいるが、この章を読むと、そして、アメリカが弱体化し、中国が国際法を領土、海洋を奪い始めているいま、ゆったりとした戦後のアメリカ植民地化している平和から国家として、まともなものにならなきゃ、と思う。
福島原発についても書かれている。原発が日本にあることで、日本はすぐにでも核保有国になれる、ということが、他国への抑止力となっていると他の本で読んだし、納得はするが。だがごみ箱のない放射性物質をまきちらすのもね。 -
Posted by ブクログ
現在2013.6ですが、この数年でアメリカの石油を取り巻く環境が完全に変わりました。これは一種のエネルギー革命と言っても過言ではないと思います。アメリカでのシェルガス・オイル生産が多くなっていると初めてしたのが私の場合、昨年(2012)ですが、今では多くの人がそれについて解説していますし、企業も工場をアメリカに誘致(戻すことも含めて)することを既に発表しています。
タイトルにある通り、2020年にはアメリカが石油超大国になるくらいなので、歴史を振り返ると第二次世界大戦前の状態に戻る可能性もあります。今までは中東の石油を確保するために、軍事力も中東エリアに保持してきましたが、今後は変わる可能性もあります。
アメリカの再生と共に目立ってきたのが、中国の衰退であると、この本の著者である日高氏は強調しています。その中で日本はどのような戦略をとるべきか、大きな転換や決断を日本は求められているようです。私にとってはあと10年程度の社会人生活を外資系企業で勤めるに当り、今後の生き方を考えていくうえでも、その機会を与えてくれた記憶に残る本になりそうです。
この本を読んで、最も印象に残ったのは、オバマ大統領の取得した票の内訳で、黒人100%、ヒスパニックの70%、に加えて 30%取得した白人票は殆ど東欧からきた人たちという事実(p225)でした、昔から住んでいる白人票は殆ど、マケイン氏が集めたのですね。
以下は気になったポイントです。
・アメリカの従来の油田、アラスカ、メキシコ湾岸から産出される石油量は 600万バレル、2020年にはオイルシェルから産出される石油とあわせて、1500万バレル、障害があったとしても 1000万バレルは見込まれる(p5)
・アメリカ企業が次々に仕事をアメリカ国内に戻す「インソーシング」が起きている(p20)
・GEは2014年終わりまでに、電気製品の75%をアメリカ国内で生産しようとしている(p22)
・アメリカ軍は 2014年一杯でアフガニスタンから撤退するが、特殊部隊によりアフガニスタン軍を訓練したいとしている、アメリカ軍の主力は、無人航空機と特殊部隊となる(p49)
・2004年ブッシュ前大統領は、核弾頭の40%削減を命じて、2009年には総数が5113発であることを確認した(p66)
・核弾頭の制作技術は超高度のヒミツだったので、資料が見つからなくなっている(p71)
・アメリカでは独立のために戦った武装グループは、そのまま州兵という組織になった(p80)
・2012.417に、朝鮮戦争以来、在韓米軍と韓国軍の指揮命令権を握ってきた在韓米軍司令官が、その命令権を韓国側に引き渡した、これは 2016.6.30に予定されている在韓米軍の撤退を睨んで(p86)
・北朝鮮は一般には破産状態のイメージはあるが、政治的には非常に強固で、韓国と北朝鮮が合併した場合は、北朝鮮が主導するだろう、歴史的にも北に位置する新羅が強かったので(p95、97)
・アメリカが歴史的な財政赤字を抱えるようになったのは、オバマ大統領が福祉偏重の政策をとり続けたから、4600万人の生活保護、何等かのかたちで政府援助を受けているのは90%(p122)
・中国が世界に君臨するスーパーパワーになれないのは、独自テクノロジーがない、最先端の部品を作る技術がない、パテントの不正使用なしで部品も兵器もつくれない(p136)
・強い海軍を持ったことが無い中国は、技術でもシステムでもはるかに強力なアメリカイ軍には対抗できない(p164)
・四川大地震のあと、政府から活動を禁止されていたキリスト教会と信者たちが、友愛の教えを実践するために動き出した、その後に信者が増えた(p180
・中国では2011年6月以降、急激な勢いで資金が流れだした、2011.9-2012.9の1年間に稼いだ外貨は、1976億ドルに対して、流出した資金は 2257億ドル(p181)
・オバマ大統領の人気が落ちたので、最も力を持っていたEPAの力も落ちた、なのでシェールオイル・ガスを掘りやすくなった(p207)
・アメリカの保守系の人は 2016年の選挙では誰が選ばれようとも、オバマ大統領の失策の後始末に追われて何もできない、2020年にはシェールガス・オイルの生産体制が整い、電子戦争という新しい軍事態勢が確立して、アメリカが戻ると考えている(p219)
・東欧からの白人に当初期待したが、彼らは共産主義体制の落し子であり、黒人たち以上に手が負えなかった、働かずにアメリカ政府の世話になろうとした人が多かった、この問題はタブー(p223)
・オバマ大統領は、黒人票のほぼ100%、ヒスパニックの70%、白人票は30%であったが、この中心は冷戦後に共産圏からやってきた白人たちであった(p225)
2013年6月16日作成 -
Posted by ブクログ
テレビ東京系列で放送されている「日高義樹のワシントン・リポート」の日高さんが著者の本書。
連邦政府や州政府などの財政赤字を合わせると1兆ドルを超えると言われている極めて厳しい財政状況が与えるアメリカへの影響、そして世界情勢への影響について書かれた本です。
本書の主張の骨子は
「国民健康保険制度などオバマ大統領の社会福祉政策により、アメリカの財政赤字は巨額なものとなった。この巨額な赤字によりアメリカの軍事予算が削減され、それに伴いアメリカ軍が弱体化。その結果あらわれる力の真空地帯を埋めんと中国、北朝鮮、イランなどが策動する。この世界において日本周辺が最も危険な地域であり、日本は国防力を増強すべき」
と言う事になるかと思います。
上記骨子に関してはそれなりに説得力を感じるのですが、
・2012年、中国の経済発展に陰り。その結果、中国軍が国内の不満派に対して(これまでよりも強い)弾圧を開始
と書いてある一方で
・中国の経済発展が続けば、15~20年後には米中の軍事バランスは逆転する
と書いたり、
・米海軍の強力な機動部隊は時代遅れになりつつある。しかし、アメリカは過去の成功体験と予算不足に縛られ、新しい戦力の整備が進んでいない
とアメリカの機動部隊保有に対して否定的に書いたかと思えば、
・従来型の海軍が少なくとも暫くは役に立つので、世界各国は海軍力を整備している
とも書いてあり、内容に矛盾点がある等、いくつか突っ込み所がありました。
#海軍云々に関しては、世界物流の主流はコンテナ船によるコンテナ輸送であり、従って船舶の自由で安全な航行を保証できる力を持つことは、世界に対して極めて強い発言力を持つことに等しいのではないか?との疑問も抱きました。
加えて、中国の危険性を主張している箇所では、中国とナチスドイツとの類似点を指摘して、ヨーロッパの人々の意識を引用しながら「中国はヒットラー」とも記載しているのですが、正直、具体性が乏しく、イデオロギーに終始している様に見えました。
#「中国=ヒットラー」論に関しては具体性に乏しい点が一番問題に見えます。
とは言え、北朝鮮が既に200発の核兵器を持っているとの分析を紹介したり、なぜアメリカがイランの核兵器保有に絶対反対の立場を貫こうとするのかという点を解説している他、中国の巨大化する軍事力から日本を守るために必要な国防力増強方法の具体的な提案など色々と参考になる箇所もありました。
筆が滑りすぎている様に見える箇所があった本書ではありましたが、上記の様に参考になる箇所もあり、また文字も大きいので普段読書をしない方でもサクサクっと読み進める事が出来るのではないかと思います。
お時間のある時でも一度目を通しては如何でしょうか。 -
Posted by ブクログ
米国在住の著名ジャーナリストの現地レポート。いつもながら刺激的。これからの20年を考えるのに参考に。
・中国に対して弱腰なオバマ政権は倒れ、中国との対決を掲げた政権が樹立される
・時期は2013年以降か
・勝利しても得るところのないアフガニスタン紛争に第一線の部隊と兵器(F22 etc.)をつぎ込んでいる
・米国は無人偵察・攻撃機でタリバンを追い詰めている
・無人兵器を300機以上、実線配備しようとしている
・米中の金融、テクノロジー、軍事における差は、まだ、大きい
・米中の対決は、最終的に米の勝利に終わるだろう
・中国の敗北に伴う混乱は、中国への傾注しつつある日本の企業に多大なダメージを与える
・中国からの収益はなくなり、中国工場からの世界への出荷もとまる
・アメリカは大陸の地下2000mに数キロの厚さで眠っているオイルシェール(油を多く含んだ石)から天然ガスを抽出する技術を完成させたと伝えられている。これのコストは米原発のコストに匹敵する安値。向こう数十年のエネルギー需要を賄える
・アメリカの金本位制への回帰の動きがある
・日本の民主党政権は、中国にすりより、アメリカを敵にまわした
・移民を受け入れられない日本の生き延びる道は、高い技術力を育てることしかない(キッシンジャー)