【感想・ネタバレ】いまアメリカで起きている本当のこと 日本のメディアが伝えない世界の新潮流のレビュー

あらすじ

2010年秋に行われた中間選挙でアメリカの人々はオバマ大統領の民主党を大敗させることで、中国を甘やかすオバマ大統領の中国政策に不信感を突きつけた。アメリカの人々は、アメリカがついに中国と衝突せざるをえない状況に至っていることを認識し、その決意を表明したのである。(中略)アメリカ衰退論と中国台頭論に酔いしれている日本の企業家たちには読みにくい情勢かもしれない。だが米中の対決はまぎれもなく中国経済を弱め、日本の経済活動は大きな影響を受ける。アメリカの人々は危機に直面すると、それを挑戦と考え、戦って乗り越える。アメリカの歴史はそうやってつくられてきた。アメリカは「中国の挑戦」という危機に正面から立ち向かい、勝つための戦いを始めようとしている。そしてアメリカに戦いを仕掛けられる中国が、いかにひ弱であるか。日本の人々が見落としている事実を、この本で知ってもらいたいと思う。(「まえがき」より抜粋)

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Posted by ブクログ

私は政治や経済には全くの素人(高校卒業程度の知識しかない)で、
あんまり参考にならないと思いますが、著者の主張を分かる範囲で簡潔に書くと

・民主党もオバマも全然ダメ
・次は共和党が政権を取る
・日本の民主党もダメ
・中国・アメリカ間はこれから対立する
・アメリカ衰退論は間違い

オバマ大統領を褒める部分がひとつもないので、ちょっと可哀相になるくらいでした。
しかし、その理由も明確に書いてあり、ちゃんとデータを出してくれているので、信憑性は高いと思います。

そのほか、アメリカの外交戦略やエネルギー事情、ちょっとだけ中国の外交などにも触れてあり、普段全くその辺の事情に疎い私には興味深いお話でした。

アメリカの政治を見ていると、日本のビジョンのない政治が心配になります。
著者は保守派なので、民主党よりの主張も聞いてみたいところです。

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2011年11月16日

Posted by ブクログ

ネタバレ

 アメリカでは今、ニューヨークを中心に抗議デモが起こり、ウオール街に対する不満が高まっている。オバマ大統領の支持は下がり、共和党では大統領候補者によるテレビ討論会がすでに行なわれている。そんな中で手にしたのが今回の本だ。
 
 著者の日高義樹氏は、日本のメディアには珍しく共和党よりの主張をする。多くのメディアはニューヨークタイムズやABC,CBS,NBC,CNNといった民主党よりのメディアの意見を取り上げることが多い。当然、共和党よりのFOXNEWSは取り上げない。著者は、米国衰退論が日本で盛んに取り上げられ、中国台頭論に引きずられて、日本は中国にのめり込むのを危険だとしている。

 2012年の上下両院選挙では共和党が勝ち、大統領選挙でも共和党の候補者が選ばれると述べている。その理由は経済政策の失敗にあるが、オバマ大統領の保守化傾向で、本来支持基盤であった民主党左派の支持を失う可能性が出てくると指摘している。労働者組合の力が衰え、アフガニスタンの戦争をやめないなど、自分達の主張を受け入れないのに業を煮やして対立候補をぶつけることもありうるとしている。このまま、具体的な成果が出ないとその可能性も考えられる。いいとこだけをつまみ食いして支持を得ようとしてはそうはいかない。演説だけでは景気は良くならないからなあ。

 選挙の行方は日本にも影響する。とはいっても、日本マスコミがお約束のごとく取り上げる日米関係への影響についての取り上げ方には疑問がある。アメリカ人で日米関係を考慮して大統領を選ぶ人はほとんどいないし、あくまでも大統領候補が国内情勢についてどう考えるかを重視して選ぶのだから。

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2011年11月06日

Posted by ブクログ

著者の日高義樹さんですが、中々大層な肩書きを持っているヒトです。多少アメリカ偏重の思想の持ち主であることを念頭に、他の本に於ける意見を照らし合わせる必要があるでしょう。

そういうわけで、もうアメリカやばいよって本だと思ったら逆でしたね。今でもアメリカの戦力は十分であると言う本です。勿論、負債に関してはもはやどうしようもないということに関して触れていますし、金本位制を利用した脱却方法に関しても述べています。

まず日本の民主党が打ち立てた脱米政策に関する米国人・政治家の怒りと当惑ですが、そもそも民主党のバックは中韓であり当然の流れを感じています。

オバマ政権を痛烈に批判しており、ジョンソン、カーターより国際戦略に関する能力・知識が足りていないとしています。反面選挙戦略、国政に関しての能力は評価していますが、基本的に共和党の支持者のようです。

アフガニスタン紛争への参加、GDPに達するほどの負債、公共事業、癒着などオバマ政権の暴走が米国を危機に陥れていること、国際戦略の無さが日本やドイツと言う親交国との不仲、中国につけ上がられる始末に終わっていることを批判しています。

米国の教育・科学能力の高さにも触れていますが、これに関しては全面的に同意ですね。また軍事戦略の遷移、軍事力の向上に関する記述は中々稀有な情報かと。

この本から得られた知識は割と多かったです。米国経済のより真の部分に関して無理だったからかもしれませんが。眠いから割と適当ですがこんな感じの本です。

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2011年09月04日

Posted by ブクログ

アメリカと中国という二つの大国。一見、中国は伸び続けてアメリカを追い越しそうに見える。しかしその実はまだまだアメリカの足元にも及ばない。我々、日本人は改めてこの国の行く先を熟慮し、グランドデザインを描くべきである。

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2011年08月18日

Posted by ブクログ

ネタバレ

「アメリカ衰退論」が騒がれているが、決してそんな単純じゃないアメリカの現状を教えてくれた。
同時に、「中国台頭論」には、まだまだアメリカには及ばないという事実を提示してくれた。

日本はこの巨大国家に挟まれながら、どう未来を切り開いていくべきかという戦略を真剣に考えなければいけない。

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2011年03月25日

Posted by ブクログ

私は日高氏のワンシントンレポートという番組が好きで見ているが、著書も数冊読んできた。
この本は、マスコミが伝えていないアメリカの実態を日高氏なりの視点で解説されていた。
民主党対共和党との政権抗争からオバマ民主党政権のもたらしているアメリカの世界戦略の失政、台頭する中国の覇権に立ち向かえるか・・・米国民主党の今後は?

賛否両論あるだろうが、少なからず勉強になった著書である。

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2011年06月11日

Posted by ブクログ

■米国
1.日本では今、環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)が注目をされている。これは米国が主導するアジアの新しい経済同盟で、反米的な姿勢の民主党政権がアジア諸国をまとめるのを阻止する、という意図の下に作られたものである。
2.中国は「米国のドルがいつまでも国際基軸通貨であるのはおかしい」と発言するなど、米国と対立する姿勢をとり始めている。これは、中国を甘やかしてきたオバマ政権の外交政策が完全に失敗に終わったことを示している。

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2011年05月31日

Posted by ブクログ

米国在住の著名ジャーナリストの現地レポート。いつもながら刺激的。これからの20年を考えるのに参考に。
・中国に対して弱腰なオバマ政権は倒れ、中国との対決を掲げた政権が樹立される
・時期は2013年以降か
・勝利しても得るところのないアフガニスタン紛争に第一線の部隊と兵器(F22 etc.)をつぎ込んでいる
・米国は無人偵察・攻撃機でタリバンを追い詰めている
・無人兵器を300機以上、実線配備しようとしている
・米中の金融、テクノロジー、軍事における差は、まだ、大きい
・米中の対決は、最終的に米の勝利に終わるだろう
・中国の敗北に伴う混乱は、中国への傾注しつつある日本の企業に多大なダメージを与える
・中国からの収益はなくなり、中国工場からの世界への出荷もとまる
・アメリカは大陸の地下2000mに数キロの厚さで眠っているオイルシェール(油を多く含んだ石)から天然ガスを抽出する技術を完成させたと伝えられている。これのコストは米原発のコストに匹敵する安値。向こう数十年のエネルギー需要を賄える
・アメリカの金本位制への回帰の動きがある
・日本の民主党政権は、中国にすりより、アメリカを敵にまわした
・移民を受け入れられない日本の生き延びる道は、高い技術力を育てることしかない(キッシンジャー)

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2011年05月12日

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