歴史・時代小説作品一覧

  • 五瓣の椿
    3.0
    家のために働きづめ、その挙句倒れて死んでしまった大切な父。その時母は浮気相手と不義密通を働いていた――。おしのが母をなじると、返ってきたのはおどろくべき言葉だった。「おしのちゃん、あなたの本当の父親はほかにいるのよ。」 母の不義を憎み、次々と母や、男たちに復讐を果たしながらも、不浄な血が流れている自身の存在に悩むおしの。最後の復讐相手、自分の本当の父親と直面したおしのがとった驚くべき行動とは――。犯した罪をどうやって償うべきか。サスペンス仕立てで語られる、罪と罰の物語。
  • 五瓣の椿
    3.9
    「この世には御定法で罰することのできない罪がある」最愛の父が死んだ夜、自分が父の実子ではなく不義の子なのを知ったおしのは、淫蕩な母とその相手の男たちを、自らの手で裁く事を決心する。おしのは、母を殺し、母の男たちの胸につぎつぎに銀のかんざしを打ちこみ、その枕もとに赤い山椿の花びらを残してゆく……。ミステリー仕立で、法と人間の掟の問題を鋭くついた異色の長編。

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  • 五峰の鷹
    値引きあり
    4.5
    海を奔る男たちの壮大なる戦国叙事詩。 16世紀半ば、朝廷から金掘り御免の認可を得ていた山吹城主・三島清佐衛門は、大内氏から石見銀山の採掘権を得た筑前博多の豪商・神谷寿禎とともに開発を進め.、莫大な収益をあげるようになった。しかし、近隣に勢力を張る尼子氏によって家を滅ぼされ、幼かった清十郎は難を逃れて都で修行生活を送ることになる。やがて成長した清十郎は室町幕府の兵法指南所で頭角を現わし、お家の再興を目指し、海商・王直の知遇を得て貿易商人として才覚を見せ始める。なかでも鉄砲の威力には早くから注目、その扱い方や戦術を学ぶと共に、火薬や弾薬の原料となる硝石や鉛の流通を押さえる必要性も痛感し、戦国大名との交流の中で独特の地位を築いてゆく。その中で、父の敵ともいえる相手と対決、とらわれの身となった母とも再会。将軍・義輝にも重用されるようになり、奉行の役職を与えられるが、足利家の威光はすでに意味を持たなくなっていた。絶体絶命の危機を何度も乗り越え、清十郎は夢に近づいていく。
  • 萩供養~ゴミソの鐵次 調伏覚書~
    3.9
    《萬相談申し受け候》湯島の裏店にかかる看板。ゴミソの鐵次が住む貧乏長屋だ。ゴミソとは、津軽言葉で占い師のことを言うが、持ち込まれる相談は、亡魂の障りや憑物祓いが多かった。長身に長羽織、手には独鈷杵。人に仇なす亡魂を祓いつつ、かれらの悲しみや無念を背負ってやるのだ。江戸を舞台に、北の陰陽師・鐵次が魅せる妖かし調伏、痛快時代小説シリーズ第一弾!
  • 御用絵師一丸
    4.0
    老中・水野忠邦の天保の改革が始まらんとする12代家慶の頃―大奥の実力者であり、幕政にも隠然たる力を持つ広大院に仕える一人の絵師がいた!その名は一丸。彼には絵師としての顔のほかに、命令を受け、裁けぬ悪を討つ、殺し屋としての顔があった!!ライトノベルで大ヒットを放った著者が挑む時代小説。
  • 御用侠
    値引きあり
    -
    酒池肉林とワイロで腐敗しきった権力に挑む痛快活劇。幻の傑作、遂に電子化!! 「わたしのものの味がそんなに悪いかえ?」お公卿の姫のような臈たけた美女はニタリと笑った。その時、「下におれっ。将軍家由貴姫のお成りである。」という声がした。女は道のまん中にしゃがみ込んでいる。侍達は奇怪なうなり声をあげた。彼らは女の股間の地上にあるものを見た!! 同心・恥ずかし瓢兵衛の頼みで、岡っ引きになった屁のカッパはお数寄屋坊主の河内山宗俊と出会った。彼は北斎の枕絵を使って、幕閣達を揺さぶっていた。

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  • 御用船帰還せず
    4.0
    江戸中期、勘定奉行の荻原重秀が財政立て直しに辣腕を振るった陰に、四人の猛者がいた。金の採掘量減少を受け、重秀が金の含有率を下げる御法度の貨幣改鋳を行うと、四人は十万両分の金を積む御用船を強奪。それは金の枯渇感を煽るための重秀公認の裏工作だったが……。日の目を見ることのない者が暗澹たる時代に光を灯す歴史エンタテインメント。
  • 御用盗銀次郎
    -
    1~2巻550~1,650円 (税込)
    開国で揺れる幕末江戸。御家人悪を自称する青木弥太郎の用心棒に雇われた凄腕浪人の魁銀次郎。攘夷の資金集めは仮の姿。脅す、強請るは朝飯前。腕におぼえの剣術で、異国との交易で私腹を肥やす商人から軍資金を巻き上げる! 痛快剣客小説。

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  • 御用盗疾る
    -
    安政の大獄から三年、江戸では勤皇の志士と称する浪人たちが、軍用金調達の名目で富裕な商家を襲うなど、世上騒然として徳川幕府の屋台骨は揺らぎ始めていた。薩長の芋侍たちに幕府を倒されたくない一心で、直参旗本ながら南町奉行所同心となった柘植修理介が、幕末の江戸で起こる難事件の数々を鋭い勘と凄まじい斬人剣で解き明かす。

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  • 御用船捕物帖
    3.0
    大番屋への護送中に逃亡した、盗賊の鎌太郎。やり手同心の続木音之進と江戸の川を知り尽くす船頭・多吉のコンビが、鎌太郎をはじめ、跳梁跋扈する悪を討つ。川を舞台に繰り広げられる、著者待望の書下ろし新シリーズ!
  • ご落胤隠密金五郎 しのび姫
    3.0
    闇を縫い、薩摩藩邸に潜び込んだ一人の男。名は水野金五郎、時の将軍側用人水野出羽守忠成の妾腹だ。水野家家老土方縫殿助の依頼で抜け荷の証拠を掴もうとした金五郎は、琉球衣装の美しい娘に見とれるうち敵に見つかり逃げる羽目に。数日後、金五郎は侍たちに取り囲まれた娘を助ける。娘は金五郎が見とれた琉球王朝の姫だった。将軍の側室になるのを拒み逃げた姫を匿うことになったが…。
  • 五稜郭残党伝
    3.8
    戊辰戦争もあと2日を残し、五稜郭で幕を閉じようとしていた。「降伏はせぬ!」と、陥落前夜、自由を求めて脱出した旧幕府軍の凄腕狙撃兵、蘇武と名木野。逃げのびる二人は、アイヌの土地を蹂躪する新政府の画策を知り義憤に燃えた。だがその背後に迫る、新政府軍残党狩り部隊の足音。酷薄で執拗な追撃戦が開始された…。広大な北海道を血にそめて追われる者と追う者が、男の誇りを賭けて戦う冒険小説!
  • 破落戸 あくじゃれ瓢六捕物帖
    -
    円熟の江戸活劇、いよいよクライマックスのシリーズ第5弾! 文化人を弾圧し悪名高い「天保の改革」。瓢六は弥左衛門やお奈緒らと陰に陽に立ち向かうが、やがて圧政者たちも決して一枚岩ではないことに気付く。 「妖怪」こと鳥居耀蔵の裏切り、それによる水野越前守の失脚と復活。一方瓢六は勝家の若き当主・麟太郎と親交を深める。 時代はうねり、活劇シリーズいよいよ佳境へ。 解説・大矢博子
  • ごろつき狼凶状旅(上)孤影の白刃
    -
    1~2巻440~550円 (税込)
    天保八年、江戸の風紀は紊乱していた。田宮流居合の達人琥珀凶兵衛は、中野播磨守暗殺計画をこともなげに話す老中隠密白蝋乳之助と出会う。一方、同じく暗殺を請け負った一刀流の遣手黒狗飢八郎だったが、風魔の女忍お乱を与えられて播磨守側につく。敵味方として対峙した四人が播磨守の提案で集結し、獲物を求めて奔走することになった。傑作長編時代小説。

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  • ごろんぼう 御助宿控帳
    3.0
    御助人である十四郎のもとに「仕事をしたい」と黒崎という男が訪ねてくる。仕方なく受け入れるも、器量が悪く、剣の腕も良くない、その上、女の尻をすぐ追い回す……。ある日、命を狙われている女から助けて欲しい、と依頼があるが……。書き下ろし。

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  • ご破算侍
    -
    社寺の境内で、大道芸を演じて生計を立てている塚野金三郎。実は、剣にかけては、なかなかの腕利き。ある日彼は、奥州某藩の侍に、藩士として他藩との試合に出てくれと頼まれる。勝てば一両二分、負けても二分はくれると言う。ところが、相手方の藩士からも、負けてくれれば二両やるが、と誘われて……。さて、金三郎が獲得した礼金は? 味わい豊かな傑作時代小説集!
  • 再会 あくじゃれ瓢六捕物帖
    -
    新ヒロイン登場! 絶世の色男が活躍する幕末活劇シリーズ第4作 今度の敵は“妖怪”だ!  瓢六が仲間たちと立ち上がる 天保の大火でお袖を失い自堕落な生活をおくる色男・瓢六。 しかし老中・水野忠邦と“妖怪”鳥居耀蔵の陰謀に苦しむ人々を見ていられず、また謎の武家女性・お奈緒の魅力に導かれるように、相棒の堅物同心・篠崎弥左衛門と幕政の理不尽に立ち向かう。 大切な人を喪った者のみが知る優しさが漂うシリーズ第4弾。 解説・細谷正充
  • 再会―慶次郎縁側日記―
    3.3
    誰にでも、忘れられぬ人がいる。思い出し、心乱れることがある――。十数年ぶりで、昔の女に出会った岡っ引の辰吉。「亭主と別れたい。でなけりゃ死んでしまいたい」。すがる女に、つい手を貸したのが運のツキ。“再会”の甘い感傷は一転、とんだ事件に巻き込まれ……。女の亭主と岡っ引に追われる辰吉の窮地を救うは、むろん我らが慶次郎。円熟の筆致が冴える人気シリーズ第二弾!
  • 西鶴人情橋
    4.0
    俳諧師から草本作家への転身をはかる井原西鶴。亡父ゆずりの豪剣をふるう磯部信十郎。二人の奇妙な友情を軸に織り成される人間模様の数々。米相場を左右する大阪商人たちの葛藤と幕閣中枢の暗闘には、謎の美剣士がからむ。――剣あり、恋あり、友情ありの、浪花元禄時代絵巻。第3回時代小説大賞受賞作。剣と恋がからむ西鶴と青年剣客の熱い友情を描いた、手に汗にぎる活劇ロマン!
  • 雑賀のいくさ姫
    3.8
    イスパニアのイダルゴ(騎士)の家系に生まれたジョアンは、乗り込んだ船での内紛と難破のはてに、紀伊雑賀のいくさ姫、鶴に拾われる。鶴はカラベル船を修復した「戦姫丸」に乗って商いのためにジョアンらと南洋に向かうが、海賊や大名の思惑、そして過去の因縁に巻き込まれていく。雑賀、村上、毛利、大友、島津―戦国の西国大名オールスター水軍が、日本を狙う大海賊と雌雄を決する。戦国の海洋を縦横無尽に駆け巡る、傑作歴史ロマン!
  • 雑賀の女鉄砲撃ち
    4.2
    紀州雑賀(さいか)は宮郷の太田左近の末娘・蛍は、鉄砲に魅せられ射撃術の研鑽に生涯をかける。雑賀衆は、すぐれた射手を輩出する鉄砲集団だ。武田の侵攻に対し織田信長が鉄砲三千挺を揃えたと聞いた蛍は、左近に無断で実見に赴き、三州長篠で武田騎馬隊が粉砕される様子を目の当たりにした! 信長、家康を助け、秀吉、雑賀孫一と対立。戦国を駆け抜けた蛍はじめ四姉妹の活躍を描く歴史時代冒険活劇。
  • 雑賀の女鉄砲撃ち 鋼輪の銃
    3.5
    紀州雑賀は宮郷の太田左近の娘・蛍は、射撃術の研鑽に生涯をかける女。 秀吉に太田城を水攻めで落とされ、父母姉妹と一族を失った。秀吉への復讐を誓い、新開発の鋼輪銃を手に戦場を駆ける。義賊・石川五右衛門と大坂城に潜入したり、徹底的に豊家に抗うのだった。義なき朝鮮出兵に立ち向かうため半島に渡った蛍は、帰国後、関ヶ原へ赴く……。戦国を鮮烈に駆け抜けた女鉄砲撃ち再び! (歴史時代冒険長篇) <目次> 序章 忍城水攻め 第一章 往き残りしものたち 第二章 鋼輪の銃 第三章 盗賊石川五右衛門 第四章 伏見築城 第五章 殺生関白 第六章 残火再燃 第七章 玉女略奪 第八章 天変地異人為 第九章 慶長の役 第十章 家康策動 第十一章 天下分け目 第十二章 関ヶ原に踊る 終章 泰平の世
  • 雑賀乱る 反骨の兵たち
    -
    戦国時代、大名の支配から脱した民の国が存在した。それが紀州の雑賀である。地の利を生かした貿易で栄えるその国の莫大な富を狙い、天下統一を目論んで織田信長が圧倒的勢力で侵攻。大坂・石山本願寺における一揆を端に発し、雑賀の存亡をかけた信長と攻防が始まっていく。「織田は強い、その織田を破った俺達はもっと強い」。本書は雑賀衆の活躍を描いた歴史群像小説。
  • 雑賀六字の城
    4.5
    負ければ皆殺し。生きのこりをかけた戦いがはじまった! 元亀元(1570)年9月。大坂石山本願寺から反信長の檄文が各地に発せられ、紀州雑賀の荘も立ち上がった。得意の海上船や銃撃戦で抵抗する雑賀衆に、信長は圧倒的な軍兵をもってひねりつぶしにかかる。雑賀衆頭領の息子・七郎丸は、将来を約した幼馴染おみつを想いながら銃弾と血風のなかで成長していく。
  • 最強同心 剣之介 火盗改ぶっとび事件帳
    -
    凶暴な盗賊が一膳飯屋に立てこもり、幼子を人質にとった。手を出せぬ同心たちを尻目に、涼しい顔で歩み寄り、あえて盗賊を挑発……電光石火の早業で子どもを救った男――新しく火盗改に配属された、同心・佐治剣之介である。この剣之介、まるで町の不良のような態度で、まことに無礼で不遜。それもそのはず、金貸しの道楽息子として鉄火場で暴れていたところを、火盗改長官・長谷川平蔵に引き抜かれたという、なんとも異色の経歴をもつ同心であった。だが、この型破りで常識知らずの男には『最強の同心』とも言える資質が秘められていた……。武家の礼やしきたりをくつがえす、破天荒な痛快捕物帳!
  • 最強の相棒  ひねくれ浪人と腰ぬけ若様
    -
    毎夜遊び暮らす、腰貫藩の若さま・曾根虎之介が、老中の水野忠邦から命じられたのは、大奥で起きた殺しの捜査。はて困った……と悩んだ虎之介は、飲み仲間である、向井彦治郎の手を借りることを思いつく。彦治郎は浪人であるものの、かつては、名門道場の師範をこころざすまでの凄腕であった。すっかりと世を拗ね、内心では金持ち・お偉方を見くだしている彦治郎と、自分ではなにもできぬ、甘ったれの若さま虎之介……。およそ最低最悪と思われた二人組であったが、いくたの試練を乗りこえるうちに、いつしか互いを認めあい、深い友情で結ばれた最強の相棒へと成長してゆくのであった……。読み切り痛快長編!
  • 最強の虎 隠密裏同心 篠田虎之助
    -
    関宿藩の若き武士・篠田虎之助は、同じ道場に通う加藤柳太郎とともに、竜虎とまで称された剣の達人。その凄腕を見込まれたのか、ある日、藩の重臣から密命を受ける。 要人の暗殺という剣呑な仕事であったが、その途中、友の柳太郎は命を落としてしまう。 主命により江戸にのぼった失意の虎之助は、もう人を斬りたくないという強い決意のもと、変幻自在の武器・杖術を学ぶことに。そんな虎之助に、江戸町奉行から新たな密命がくだるのだが……。 「秘剣の名医」シリーズで大人気の永井義男が描く、まったく新しい剣戟時代小説。 大きな運命のうねりにあらがう若武者が、江戸の隠密同心として悪党を成敗していく、剣と恋の新シリーズ第一弾!
  • 西行桜
    値引きあり
    3.3
    若狭小浜の領主・国枝権太夫の邸で能を舞っていた世阿弥はふりしきる桜から霊気をおぼえ、禁呪の法である“反閇”を踏んだ。領主の奥方が桜谷からこの枝垂れ桜を植え替えて以来、奇病に伏しているという。桜谷を訪れた世阿弥が知った驚くべき事実とは! 呪術にかかった男女を、世阿弥が、闇源氏が、元三大師が解き放っていく。書き下ろし長篇『全宗』で、現在最も注目を浴びている作家の時代ホラー傑作集。

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  • 西郷家の女たち
    -
    二十三歳の岩山いとが西郷吉之助に嫁いだのは慶応元年正月のこと。いとはひとめぼれだったという。念願叶い妻となるが、待っていたのは大家族を抱えての極貧生活だった。国事に奔走する夫の留守を守りつつ、いとは三人の子と二人の腹違いの子を育てる。だが、近代国家黎明期の日本は、維新の清算のときを迎えていた。渦中の西郷は、西南戦争へと自らを導き、明治十年城山に自刃。維新回天の英雄から、一転「賊徒」の汚名を着せられた亡夫に対するいとの思いは……。傑作歴史小説。
  • 西郷札―傑作短編集(三)―
    3.9
    時代小説の第1集。西南戦争の際に薩軍が発行した軍票をもとに一攫千金を夢見た男とその破滅を描く「西郷札」。江藤新平の末路を実録的に描いて、同じ権力機構内にいるものの軋轢、対照的な勝敗を浮びあがらせた「梟示抄」。幕末に、大名、家老、軽輩の子として同じ日に生れた三人の子供が動乱の時代に如何なる運命を辿ったかを追及した「啾々吟」。異色の時代小説全12編を収める。

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  • 西郷隆盛
    -
    薩摩藩主、島津斉彬に見いだされるも、幾たびの困難を乗り越え、ついに幕府を倒し、明治新政府をなし遂げる。勝海舟との江戸城明け渡しは世界に誇る無血革命だった。坂本竜馬による薩長連合による大政奉還と王政復古、明治維新の立役者にして英雄。西郷隆盛の波乱に満ちた生涯。※読みやすくするため現代の言葉に近づけていますが、作品の性質上、そのままの表現を使用している場合があります。
  • 西郷隆盛
    4.0
    西郷隆盛は、1827年、鹿児島県に生まれました。7人兄妹の長男として西郷家をささえ、薩摩藩のために身をつくしますが、二度にわたり島流しにあいます。倒幕をめぐってはげしくゆれ動く世の中で、西郷は禁門の変や薩長同盟、江戸城明けわたしなどで重要な役割をはたしました。新政府の中心人物として、数々の改革を実現した西郷でしたが、「征韓論」で下野したのち西南戦争で城山のつゆときえました。
  • 西郷隆盛
    -
    明治維新を研究していた本間は夜汽車の中で不思議な紳士と出会う。歴史の史料には誤伝がある。西郷隆盛は西南戦争では死ななかった。夜汽車の中で見たものは……「西郷隆盛」。他に「蜃気楼」「黒衣聖母」を収録。※読みやすくするため現代の言葉に近づけていますが、作品の性質上、そのままの表現を使用している場合があります。
  • 西郷隆盛 雲竜の巻
    -
    幕府は土台から腐りきっている。並み居る列強の脅威に対抗し、日本を守るには薩摩と長州が手を結ぶしかない…。西郷は大久保利通らとともに両藩の盟約に奔走するが、計画は難航、迫り来る外国艦隊の前に日本は混乱を極めていた。

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  • 西郷隆盛 王道の巻
    -
    勝海舟と協議し江戸城を無血開城に導くなど、西郷が世の平定に奔走する一方、彰義隊戦争を経て、時代は江戸から明治へ刻々と移りゆく…。維新最大の英雄伝、堂々の完結編。

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  • 西郷隆盛 荒天に立つ山の如く
    -
    「英雄」と呼ばれた男の生き様 明治維新から150年 大河ドラマで大反響!! 英傑たちの視点で語られる西郷隆盛の知られざる姿、 大久保利通、五代友厚、坂本龍馬、相楽総三――ともに新時代を創った者たちの目に、西郷はどう映ったのか。 維新による天地鳴動は、男を「軍神」という名峰へと隆起させ、やがて崩壊させていった! 奄美流罪、倒幕、新政府との確執、そして西南戦争へ。鹿児島、奄美諸島での徹底取材で明らかになった新エピソードも収録!!
  • 西郷隆盛 新装版
    値引きあり
    4.3
    「本書によって西郷のみならず明治維新の革命の真相を理解できたと思う」(解説より)――作家・常盤新平氏 近代日本の夜明け、明治維新に燦として輝きを放つ西郷隆盛。「西郷は真の政治家でありながら、世に横行する政治家ではない。西郷は詩人の魂をもった理想家であり教育家であった。芸術家になっても、すばらしい業績をのこしていたろう。そしてさらに、西郷は軍人でもなかったのである」と著者が言い切った男の半世紀の足どりを克明に追った伝記小説。名匠が描いた維新史としても読みごたえ十分の力作。 ※本電子書籍は、昭和五十四年四月に刊行された『西郷隆盛』(角川文庫)を底本としました。
  • 西郷隆盛 天命の巻
    -
    維新第一の英雄、西郷隆盛。維新運動の中心人物として活躍した彼は、なぜ、維新政府に不満を抱いて、賊将として死ななければならなかったのか? 彼に対する世の誤解を解くべく、西郷をこよなく愛する作家・海音寺潮五郎が、彼の本当の姿を描いた傑作長編。

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  • 西郷と大久保と久光
    3.0
    大河ドラマ「西郷どん」をより楽しみ、西郷隆盛を知るには必携の書が待望の復刊。明治維新の原動力となった島津藩で、内外に信望の厚かった西郷隆盛、西郷を疎んじる島津久光、竹馬の友からのちに袂をわかつ大久保利通。3人の個性と人間像を浮き彫りにした史伝的小説。
  • 西郷内閣 明治新政府を築いた男たちの七〇〇日
    4.0
    廃藩置県(明治4年7月)後も混乱が続く日本。そんな中、西郷隆盛は同年11月に欧米使節団を送り出すと、留守政府のトップ=事実上の首相として、内政、外交、財政など日本の国づくり、新政府の立て直しに着手する――。近代日本の礎を築いた西郷と同内閣を支え活躍した男たちの「1年10カ月」を、時系列でドラマ的に描いたノンフィクションノベルズ。
  • 西郷の首
    値引きあり
    4.2
    西郷の首を発見した軍人と、大久保利通暗殺の実行犯は、かつての親友同士だった。激動の時代を生き抜いたふたりの武士の友情、そして別離。「明治維新」に隠されたドラマを描く、美しくも切ない歴史長編。
  • 西国城主
    -
    備中高松城が巨大な人工湖の中に孤立していた。城を攻めあぐねた秀吉は、大堰堤を築き、奇想天外な水攻めを敢行した。城主・清水宗冶は、毛利の援軍を期待して籠城する。が、毛利は動かず。やがて宗冶は、自分を信じて籠城した兵や百姓を救うため、切腹を決意する。(武士の宴) 大国に挟まれた小国領主の悲運。武門の意地を貫き、滅びゆく武将像を活写。
  • 最後の忍び
    -
    鍛え抜かれた技で闇を駆け、秘事を探り、ときに城主をも暗殺する――戦国の裏舞台で暗躍した忍びの者は、やがて徳川幕府に武士として組み込まれ、ついには商人を探る役割のみとなっていく。かつての戦働きの面影もなく歴史のなかに消えていく忍者の苦闘と運命を、剣豪小説の第一人者が、奇抜な着想と巧みな展開でエンターテインメントに仕上げた忍者小説傑作集!
  • 最後の忠臣蔵
    4.1
    吉良邸討入りから引揚げる途次、足軽・寺坂吉右衛門は大石内蔵助に、生き延びて戦さの生き証人となるよう命じられた。義に殉じる事も出来ず、世間の視線に耐えて生きる吉右衛門は、十六年の後、討入前夜に脱盟した瀬尾孫左衛門と再会する。同じ境遇にある旧友にも、実は内蔵助から密かに託された後事があった。苛酷な半生を選んだ二人の武士の信義と哀歓を描いた表題作など、連作四篇「仕舞始」「飛蛾の日」「命なりけり」「最後の忠臣蔵」を収録。
  • 最後の忍者
    -
    音もなく忍び入り、電光のごとく跳躍し、雨のように手裏剣を投げる……。一見華々しく見えるが、忍者たちの訓練は厳しく、常に死と表裏の関係にあった。武術をはじめ、読心、変相、暗号、速歩、薬物、そして道具の作成と使用――。彼らはこれらの技を身につけたときから、人間としての幸福を求めることも許されず、忍びの者の掟に縛られて、謀報と敵の攪乱に生きたのであった。だが、彼らの胸の中には、秘かに人間としての喜びも哀しみも生きていた……。様々な忍者たちの活躍と「生」を描き、その強靭で孤独な魂を浮き彫りにする異色の連作短編。
  • 最後の名裁き 大岡越前ふたたび
    -
    大岡越前、最後のご奉公。老中の面前で下す、評定の裁きの行方は!? 本作は、宝暦年間、実際に起きた三河岡崎藩、藩主押し込め騒動をモデルとしている。藩主押し込めとは、乱行、乱心などで藩政を誤った主君を、家臣たちが座敷牢に押し込め、隠居に追い込むことをいい、幕府に黙認されることが多い。 小説では、藩主派、反藩主派の御家騒動が、幕閣の知るところとなり、裁定が評定所に持ち込まれることになった。現地調査に向かった若き評定所留役・宇津木新五郎は、評定のメンバーである寺社奉行・大岡忠相に奮起を促す。評定の多数派を操る老中・松林備前守は、影で御家騒動の糸を引く。老齢に達したかつての名奉行は、はたして松林の陰謀を打ち砕くことができるのか。評定の場での裁きの行方はいかに……。文庫書き下ろし
  • 最低の軍師
    4.1
    永禄八年、上杉輝虎(謙信)が義を掲げ、下総国臼井城に侵攻を開始した。総勢一万五千といわれる上杉軍に対し、臼井の兵は二千ほど。後ろ盾となる北条家からの援軍は、わずか二百五十余であった。抗戦か降伏か、紛糾する城内をまとめるため、北条の武将松田孫太郎は道端の易者を軍師に仕立てた。白井浄三である。ところが、浄三は想像を絶する奇策を次々と画策し…。 歴史小説界に超彗星現る!
  • 斎藤道三
    -
    蝮と言われ、梟雄と呼ばれる戦国の怪物斎藤道三。彼はまさしく国を盗った。一介の素牢人が油売りから身を立てて、ついには美濃一国の主に成り上がったのだ。その智謀と武略、非情ともいえる自在な権謀術数は、さすがの戦国時代においても群を抜いていたといえよう。この一代の傑物の生涯を克明に描く好著。
  • 斎藤道三 信長が畏れた戦国の梟雄
    -
    「こやつの頭の回転の速さはどうだ。それに、この尋常でない腹の据わりようは……大たわけどころか、きっと何かをやりおるぞ」道三はいち早く娘婿・信長の器量を見抜いていた――。一介の油売りから、度胸と才覚だけで美濃一国を支配するまでになった斎藤道三。蝮(まむし)と呼ばれ畏怖された戦国武将を、これまでにない解釈と練達の筆でよみがえらせた傑作歴史小説。
  • 斎藤 一
    4.5
    新選組きっての剣の達人といわれ、常に戦いの中に身をおき続けた斎藤一。しかしその出自や経歴については、長い間不明とされ、新選組隊士の中でも最もミステリアスな人物の一人であった。本書は、先達の詳細な研究から、次第に明らかになってきたその生い立ちや新選組解体後の足跡をふまえ、大正まで生き抜いた男の生涯を瑞々しく描く。

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  • 道祖土家の猿嫁
    3.7
    失われた故郷への鎮魂歌! 明治の中ごろ、土佐・火振(ひぶり)村の名家、道祖土(さいど)家に嫁いできた蕗。その容貌から“猿嫁”と揶揄されながらも、蕗は天真爛漫な性格で名家に溶け込んでいった。やがて日露戦争や太平洋戦争の戦渦は、道祖土家を巻き込み、各々の人生も翻弄していく。百年の時を通じ、日本人が来た道、行く先を描く壮大な歴史ロマン。
  • 再問役事件帳~江戸の冤罪専門捜査官~
    4.0
    時は徳川10代将軍家治の治世。老中筆頭の田沼意次は、杜撰な犯罪捜査や事件の揉み消しが多発する現状を憂え、新たな役職を設置した。“冤罪”の疑いのある事件を再調査する〈再問役〉である。任に選ばれたのは中堅旗本の隠居・不破源兵衛と、御家人崩れの川野参九郎。町役人の圧力にもめげず、頑固老人と軟弱浪人の二人組が、正義のため事件の裏にある真実を暴く!
  • 堺港攘夷始末
    -
    慶応四年二月十五日、フランス水兵と土佐藩兵との間にその事件は起こった。殺されたもの、切腹したもの、死は免れたもの――非運な当事者たちを包みこむ事件の全貌を厳密正確に照らし出そうとする情熱、歴史をみはるかす自由闊達な眼差し……。構想十年、歴史を文学に昇華させる夢を紡いだ偉大な作家の渾身の遺著。

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  • 榊原康政
    4.3
    徳川四天王の一人に数えられる榊原康政。若き彼は、今川義元の横死によって岡崎に逃げ戻った家康と、師・登誉上人の「厭離穢土」教えに従い、主従の固い契りを結ぶ。以後、乱世終息に殉じることを信条とし、時に憤り、時に惑いながらも、家康の天下人への道を支えていくのである。紊乱の世にありながら爽やかな、そして信念ある康政の生き方を活写する長編力作。
  • さかしま砂絵 うそつき砂絵~なめくじ長屋捕物さわぎ(六)~
    4.0
    半世紀を超える長い創作活動の中で、推理小説史に残る多くの傑作を発表してきた著者・都筑道夫のライフワーク、「なめくじ長屋捕物さわぎ」。その最後の単行本『さかしま砂絵』と、シリーズ無念の幕引きとなった「百物語」「二百年の仇討」の2作に加え、初文庫化を含む珠玉の時代ミステリー9編を収めた『うそつき砂絵』を合本。人気捕物帳シリーズ、これにてお仕舞い!
  • 咲かずの梅 風烈廻り与力・青柳剣一郎
    3.5
    居合の殺人剣が牙を剥く! 加賀百万石を蝕む悪党の狙いとは? 加賀藩主と重臣が対立、前田家を取り巻く闇は深さを増しつつあった。金沢から藩の内情を知らせるため、江戸に向かっていた御庭番は、喉を裂かれ京橋川に浮かんだ。さらに風烈廻り与力青柳剣一郎は、謎の旅僧から藩主側に立つ近習衆・増川省吾に刺客が放たれたと聞かされる。百万石の御家騒動と幕閣が絡む暗い蠢動。殺された者たちの無念を想い、剣一郎は立ち上がった! 衰えを知らぬ長大シリーズ、円熟の第48弾!
  • 酒田さ行ぐさげ 日本橋人情横丁 新装版
    5.0
    お前ェも酒田に行くべ―― お江戸日本橋の人情ものがたり 日本橋の廻船問屋の番頭・栄助の前に現れたのは、以前同じ店で働いていた愚図でのろまの権助だった。しかし、権助は庄内酒田の出店の主に出世したと聞いて、驚きとともに嫉妬の情も湧きあがり……。表題作ほか、花屋、奉行所同心、夜逃げした呉服屋など日本橋に生きる人びとの悲喜交々の心情を描く傑作小説集。新装版化にあたり著者エッセイ併録。 本当の倖(しあわ)せはどこにある― お江戸日本橋に生きる名もなき人々の泣き笑い。 名手が遺した傑作人情小説集 「宇江佐真理の『酒田さ行ぐさげ』は、幸福との出会い方をテーマとする、絶好の人生入門書である。……宇江佐真理は、「時代小説のふるさと」となる名作を、読者に手渡してくれた。だから私たちは、今の日本を前向きに生きてゆく勇気が湧いてくる。」 ――解説(島内景二氏)より
  • 坂本龍馬 1
    -
    現在の「坂本龍馬」像を決定づけた幻の長篇小説 第1巻 薩長同盟の締結に奔走してこれを成就、 海援隊を結成しその隊長として貿易に従事、 船中八策を起草して海軍の拡張を提言……。 明治維新の立役者にして民主主義の先駆者、 現在の坂本龍馬像を決定づけた幻の長篇小説が復刻! ▼目次 第1巻 ・月下の難波潟 ・メリケンの横暴 ・土佐の大地震 ・左馬介光春の後裔 ・山内忠義の英断 ・才谷屋と呼ばれた酒屋 ・井口村暗夜の刃傷 ・平井誠一の最期 ・池田寅之進の復讐 ・弟の死骸を背負うて ・血まみれの死骸 ・一家鏖殺しの評議 ・作戦の裏をかく一言 ・機智と雄弁 ・下郎同然の軽格 ・血染の下緒を啜りて ・寝小便と洟垂 ・潮江の天狗台 ・怪行者と門閥政治 ・人妻に堕胎薬 ・天狗の巣窟へ ・神仏を疑わぬ心 ・深夜の天狗台 ・怪しい光、怪しい姿 ・貞操は取返されぬ ・龍馬初めて江戸に学ぶ ・鹿島立に本人の雲隠れ ・領石村の掛茶屋 ・二枚屏風の錦絵 ▼著者紹介 白柳秀湖(しらやなぎ・しゅうこ) 1884~1950。静岡県生まれ。中学生の時、島崎藤村の『若菜集』に触れて文学に目覚めると同時に、 足尾鉱毒事件によって社会問題にも関心を持つようになる。 早稲田大学在学中は、幸徳秋水、堺利彦ら平民社の社会主義運動に共鳴。 1905年には、中里介山らとプロレタリア雑誌「火鞭」を創刊する。 その頃から論集『鉄火石火』、創作集『黄昏』などを発表して気鋭の作家、評論家として注目を集める。 また市井の歴史研究家としても活躍し、幕末以降の日本の歴史を政治、経済、文化の側面からとらえる 『財界太平記』、『西園寺公望伝』、『坂本龍馬』などの作品を残している。
  • 坂本竜馬
    -
    「日本をいま一度せんたくいたし申し候…」竜馬は、対立する薩長両藩を同盟させ、「船中八策」という明治新政府の絵柄を著して、大政奉還を成しとげる。竜馬の眼には、四海を股にかける己の姿が見えた。土佐藩の風雲児、坂本竜馬の魅力を存分に描ききる。

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  • 坂本龍馬(1) 黒船の巻
    4.0
    坂本龍馬、19歳。ふるさと土佐をあとに江戸は北辰一刀流の名門千葉貞吉の道場で修業中の身だ。1853年夏、ペルリ来航し江戸の町は大騒ぎ。黒船撃退を叫ぶ仲間たちの激論珍論をよそに、龍馬はひとり茫洋と構え、その天稟の資質にまだめざめない。望郷の念にかられ、高知に帰った彼の身に何かが起こる。
  • 坂本龍馬がSNSをやってたら
    -
    【編集部コメント】 坂本龍馬が、桂小五郎が、高杉晋作が、吉田松陰が、SNSと共に幕末を駆け抜ける。 もしSNSが幕末に存在していたら、歴史はどうなっていたのか? その問いと共に、本書では龍馬の一回目の江戸留学時代を友情、恋、修行、そして運命を描く。 激動の日本で、彼らはいかに考え、いかに生きたのか。 【著者コメント】 21世紀。外国では、SNSをきっかけに社会体制が変わる事件、ようするに革命が起こりました。それも一件、二件ではなく、飛び火するかのように何件も立て続けに起こりました。SNSには個人の力を結集させる力があり、それが媒介となって今までと違う形の変革が起こっています。 日本でも大きな革命が起こった時代がありました。幕末です。 坂本龍馬ら若者が日本をところ狭しと駆け巡り、様々な人と出会い、語らい、影響しあい、国を変えていきました。 もちろん、その時代には現代のようにSNSはありませんでした。だから彼らは、その生涯のほとんどを旅で費やします。 そこで、本書のアイデアが生まれました。 「もし幕末にSNSがあったら、どうだっただろう?」というものです。 本作は、その「if」をもとに描く、若者たちの青春小説です。 そのなかでSNSの利用価値や、現代の便利さ、未来の可能性、そして時代は変わっても変わらない人間の根源にあるナニカを、読者のみなさまに感じ取っていただきたく思っております。 目次 人間は生まれる場所も立場もえらべない。けど、ゆく道だけは選べる。 おれ、武市さんはムッツリ野郎だって知ってるぜ 姉さん美人だけどガッチリしすぎ 男は旅をして磨かれる。おれ江戸に行くぜ! 男なんて、普段はぼんやりしてても、決めるべきときに決めればいいだろう? たった一回でも運命の出会いがあれば、人生は最高だ! おれはいつでも本気だぜ。なぜって?人生は一度しかないからだ。 こういうのは優しさとは言わない 人生が変わる瞬間って意外とあっさり来るもんだ きみは何のために生きているのか? 覚悟をもったものには、鮮やかな道が見える 感動が大事を成させるって誰かが言ってた やっぱり現場で現物を見ないと現実がわからないよな 弱肉強食。それが隠しようもない世界の真実だった。 誰にだって黄金の青春時代があるもんだ 愛は名詞じゃなくて動詞。行動しなきゃ伝わらない。 完璧に準備しようとするヤツは一生はじめられない。 君の、その仕事は100年後に残るかい?一生をかけるなら、そういう仕事がしたい。 一つ問題があったら解決案を100個考えよう。人に聞いてもいい。 誇り高い日本人の仕事魂は幕末だって、まったく変わらない 本当に社会のことを考えている人は、かならず人に必要とされるときがくる。 狂え!狂わねば大志を成せぬ。 人間は誰だって、ずっと同じ場所にはいられない。さよなら。
  • 坂本龍馬 《合本版》
    -
    ※本書は『坂本龍馬』1~8巻の【合本版】です。 現在の「坂本龍馬」像を決定づけた幻の長篇小説 薩長同盟の締結に奔走してこれを成就、 海援隊を結成しその隊長として貿易に従事、 船中八策を起草して海軍の拡張を提言……。 明治維新の立役者にして民主主義の先駆者、 現在の坂本龍馬像を決定づけた幻の長篇小説が復刻! ▼著者紹介 白柳秀湖(しらやなぎ・しゅうこ) 1884~1950。静岡県生まれ。中学生の時、島崎藤村の『若菜集』に触れて文学に目覚めると同時に、 足尾鉱毒事件によって社会問題にも関心を持つようになる。 早稲田大学在学中は、幸徳秋水、堺利彦ら平民社の社会主義運動に共鳴。 1905年には、中里介山らとプロレタリア雑誌「火鞭」を創刊する。 その頃から論集『鉄火石火』、創作集『黄昏』などを発表して気鋭の作家、評論家として注目を集める。 また市井の歴史研究家としても活躍し、幕末以降の日本の歴史を政治、経済、文化の側面からとらえる 『財界太平記』、『西園寺公望伝』、『坂本龍馬』などの作品を残している。
  • 坂本龍馬 全3巻合本版
    -
    坂本龍馬、19歳。ふるさと土佐をあとに江戸は北辰一刀流の名門千葉貞吉の道場で修業中の身だ。1853年夏、ペルリ来航し江戸の町は大騒ぎ。黒船撃退を叫ぶ仲間たちの激論珍論をよそに、龍馬はひとり茫洋と構え、その天稟(てんぴん)の資質にまだめざめない。望郷の念にかられ、高知に帰った彼の身に何かが起こる。
  • 坂本竜馬―土佐海援隊 (時代小説文庫)
    5.0
    竜馬の胸に身内のふるうような感激が湧いてきた。無意識に袴の膝をごしごしこすっていた…。今日、熱烈な攘夷論者の竜馬は、勝麟太郎と会い、少年の頃から抱いていた海への夢が広がるのを感じていた。海の豪商と海軍建設の夢。混乱の幕末、暁暗の星のごとく現われ、時代の開拓者として維新回天の軌道をつくり、明治の夜明けと共に光りの彼方に消えた男の豪快で波乱に満ちた実像に迫る傑作長篇。 (※本書は1991/6/1に発売し、2022/1/7に電子化をいたしました)
  • 坂本龍馬 幕末風雲の夢
    -
    坂本龍馬――幕末激動の中に多くの夢をのこして、並みはずれた発想と行動力を示しつつ、懸命に、しかも足早に駆けぬけた風雲児。薩長同盟の締結、大政奉還の実現のために活躍した土佐の風雲児・龍馬は、藩という枠を超えて生きた幕末の自由人でもあった。資料をふまえ、龍馬のロマン、心情、人脈、魅力を探る歴史読物。
  • 逆ろうて候
    3.0
    「信長に仕えるくらいなら、浪人したほうがましや」。美濃にその人ありと知られた武将・日根野弘就(ひねのひろなり)は「信長を討つ」という決意のもと、新たな主を求め東国に向かった。が、苦労して仕官した今川家での待遇は、美濃の五千貫文に対してわずか百貫文。弘就の波乱と忍耐の人生が始まった。〈『浪々を選びて候』改題〉(講談社文庫)
  • 捜し人剣九郎
    -
    南町奉行所の若き同心、三浦剣九郎は、やる気はあるものの結果はいつも空回り。先日も、下手人を捕らえる大捕物で思わぬ失態をおかし、深く落ち込んでしまう。だが、実はそれも、庶民の暮らしや人情の機微を理解しようとしない、剣九郎自身に問題があった。そんな剣九郎を見かねた筆頭同心の増尾は、剣九郎にある任務を与える。それは、名和修五郎という正体不明の浪人と組み、失踪した油問屋の娘を捜せというものであった。任務の軽さや、修五郎の不遜な態度に不満を隠せない剣九郎であったが、この修五郎こそ、雄藩の大名にさえその名を知られた、伝説の捜し人だったのである。人捜しを通じて、人の情を学んでいく剣九郎の成長と活躍。
  • 嵯峨野花譜
    3.8
    花を生ける、人を生かす。 まだ悲しみも喜びも知らぬ少年僧の、四季折々の花に彩られた成長物語。 物語の舞台は文政13(1830)年の京都。 年若くして活花の名手と評判の高い少年僧・胤舜(いんしゅん)は、ある理由から父母と別れ、大覚寺で修行に励む。 「昔を忘れる花を活けてほしい」 「亡くなった弟のような花を」 「闇の中で花を活けよ」 次から次へと出される難題に、胤舜は、少年のまっすぐな心で挑んでいく。 繊細な感受性を持つ少年僧が、母を想い、父と対決していくうちに成長をとげていく、美しい物語。 解説・澤田瞳子 ※この電子書籍は2017年7月に文藝春秋より刊行された単行本の文庫版を底本としています。
  • 嵯峨野明月記
    3.9
    変転きわまりない戦国の世の対極として、永遠の美を求め〈嵯峨本〉作成にかけた光悦・宗達・素庵の献身と情熱と執念。壮大な歴史長篇。
  • 相楽総三とその同志
    3.0
    作家・長谷川伸は幕末の「赤報隊」隊長・相良総三の軌跡を追い、草莽の志士たちの生死をたどることで「歴史」というものの姿をあらわしました。明治維新について記された書物はあまたありますが、その叙述の志の高さにおいて本書をこえるものはまずないでしょう。軽薄で声高な「改革史観」がはびこりつつある昨今、「偽官軍」の悲劇をあますところなく描いた本書がふたたび多くの読者に迎えられることを切望します。(講談社学術文庫)
  • 崎山節のふるさと―西表島の歌と昔話―
    -
    沖縄県発・おきなわ文庫シリーズ第7弾 著者は沖縄県西表島の南西部に位置し、すでに廃村(昭和二三年廃村)になっていて訪ねることができない崎山村に育った川平永美氏。川平氏は崎山村、最後の語り部であった。 本書は崎山村やそこに生きた人びとの事を知ってもらいたい・・・。そんな思いを胸に著者と編集者である安渓遊地・貴子夫妻によるささやかであたたかい記録である。丹念な調査の実りもあって、とても面白く読み進めて行くことができる1冊となっている。沖縄の西表島の西部には、網取という集落があったが、くしくも本土復帰1年前の1971年に廃村となった。 本書には、西表島の最西部に1948年まであった崎山という集落を舞台に、鹿川(1911年廃村)、網取という最果ての集落の話が収めている。「崎山の御嶽」、「鹿川村の娘にふんどしを取られた話」、「網取村の海賊船の話」・・・浮世離れした話がいっぱい詰まっている。本書で取り上げられている崎山,鹿川,網取は島の中の島、陸路のない集落跡である。 「沖縄芝居で世に知られた、強制移民の村、崎山。生まれ島波照間の望郷の念は、崎山節となってほとばしった。しかし、島びとは歌を日々の励みとし、たくましく大らかに生き続けた。これは廃村となった崎山村最後の伝承者と西表島の人と自然に魅せられた若き人類学徒夫妻との感動的な出会いが産んだ類い稀な記録である。読者はここに、消えた村の島びと自身の声を聞き取ることだろう(1990年当時の作品紹介文より)。」
  • 鷺の墓
    3.7
    藩主の腹違いの弟・松之助警護の任についた保坂市之進は、周囲の見せる困惑と好奇の色に苛立っていた。保坂家にまつわる因縁めいた何かを感じた市之進だったが……(「鷺の墓」)。瀬戸内海の一藩を舞台に繰り広げられる人間模様を描き上げる連作時代小説。「一編ずつ丹精を凝らした花のような作品は、香り高いリリシズムに溢れ、登場人物の日常の言動が、哲学的なリアリティとなって心の重要な要素のように読者の胸に嵌め込まれてくる」と森村誠一氏絶賛の書き下ろし時代小説!
  • 咲之進さとり剣 みだら言霊(ことだま)
    5.0
    咲之進は、幕府御庭番を勤めとする美濃部家の次男。父・宗左衛門は長男・甲太郎に家督を譲り、「回天三鈷一刀流」の道場を営んでいる。咲之進は父の道場や、母が屋敷の離れで開いている私塾を姉の真帆とともに手伝い、部屋住みとしてのつつましい日々を送っていた。だが、そんな咲之進は自らの出自に疑念を持っていた。父母や兄姉にも似ない顔形、気性。そしてさらに、その疑いを強くするのは咲之進の内にある異質な能力だった。ある日、咲之進が湯島霊雲寺で見かけた美しい姫。咲之進は姫の心の声を聞く。それは高貴な容姿とはうらはらな女の情欲の声だった…。異能の武士が読心の力で女の懊悩を癒す、時代官能新シリーズ。
  • 朔の道 原爆被害は連鎖する
    -
    原爆被害は連鎖する。長崎原爆投下からの九日間を描いた「漆黒の月」。その後の主人公が被爆による後遺症に苦しむ姿と、彼の家族の悲しみを描いた続編となる原爆小説。 主人公優三郎が結婚し、子どもが出来るが、3人の子が次々と亡くな っていく。子ども達の死は原爆の後遺症によるものだろうか。 悲しみと絶望の中で、核の脅威を訴える著者の悲痛な声に耳を傾けて いただきたい。
  • 昨夜は殺れたかも
    4.0
    今日も二人は"殺し愛"夫と妻の視点に分かれ気鋭の著者二人が競作する、予測不能なラブサスペンス!平凡なサラリーマン・藤堂光弘。夫を愛する専業主婦・藤堂咲奈。二人は誰もが羨む幸せな夫婦……のはずだった。あの日までは。光弘は気付いてしまった。妻の不貞に。咲奈は気付いてしまった。夫の裏の顔に。彼らは表面上は仲のいい夫婦の仮面を被ったまま、互いの殺害計画を練りはじめる。気鋭の著者二人が夫と妻の視点を競作する、愛と笑いとトリックに満ちた"殺し愛"の幕が開く!
  • 桜田門外ノ変(上)
    4.0
    安政七年(1860)三月三日、雪にけむる江戸城桜田門外に轟いた一発の銃声と激しい斬りあいが、幕末の日本に大きな転機をもたらした。安政の大獄、無勅許の開国等で独断専行する井伊大老を暗殺したこの事件を機に、水戸藩におこって幕政改革をめざした尊王攘夷思想は、倒幕運動へと変わっていく。襲撃現場の指揮者・関鉄之介を主人公に、桜田事変の全貌を描ききった歴史小説の大作。
  • 桜の下で 風烈廻り与力・青柳剣一郎 風烈廻り与力・青柳剣一郎
    4.0
    もう俺の手は汚れちまったんだ。 一生逃げるか、別人として生きていくか―― 江戸を追われた男のある目的の前に立ちはだかる邪魔者とは?  青柳剣一郎は、剣術の師・真下治五郎から元足袋屋の主人・幸助の力になってほしいと内密に頼まれる。治五郎の眼には深い事情を抱えているように映ったのだ。 早速剣一郎が調べると、主人は数年前に店を畳んで行方知れずになっていた。さらに、人相も異なる。 そんな折、不審な遊び人風の男が幸助の元に現れ……。 治五郎が会っている幸助は何者か? 意外な因縁が浮上する!
  • 桜舞う おいち不思議がたり
    3.5
    「おいちちゃん、怖いよ。助けて……」。――胸騒ぎを覚えたおいちは、友のもとに駆け付けるのだが。本書は、この世に思いを残して死んだ人の姿を見ることができる娘・おいちが、その能力を生かし、岡っ引の仙五朗とともに、複雑に絡んだ因縁の糸を解きほぐしていく好評「おいち不思議がたり」シリーズ待望の新作。江戸深川の菖蒲長屋で、医者である父・松庵の仕事を手伝うおいちは17歳。父のような医者になりたいと夢を膨らませているのだが、そんなおいちの身にふりかかるのは、友の死、身内の病、そして自分の出生の秘密にかかわる事件等々。おいちは、様々な困難を乗り越え、亡き友の無念を晴らすことができるのか。悩みながらも強く生きたいと願う主人公を書いてきた作家・あさのあつこの青春「時代」ミステリー第二弾! 解説は、作家の小松エメル氏。

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  • 桜花(さくら)を見た
    3.4
    日本橋「いせ辰」の手代・英助には誰にも言えない秘密があった。母が死に際に遺した「お前のお父っつぁまは北町奉行の遠山様なのだよ」という言葉である(表題作)。北斎の娘・お栄の、婚家と実家を行き来する胸の内(「酔いもせず」)。名家老であり、その画業で“松前の応挙”と讃えられた蠣崎波響の選んだ道(「夷酋列像」)など、実在の人物に材をとった時代小説5篇。所収の「シクシピリカ」は、著者の『蝦夷拾遺 たば風』の「錦衣帰郷」と呼応する佳品です。
  • 「鎖国」を見直す
    -
    江戸時代の日本は「鎖国」ではなく「四つの口(長崎・対馬・蝦夷・琉球)」で世界につながり,開かれていた――著者が提起した「海禁・華夷秩序論」は様々な議論をよび,反発を生みながらも,江戸時代のイメージを塗り替え,通説として定着してきた.著者の長年にわたる研究のエッセンスをわかりやすくまとめた待望の一冊.

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  • 左近 浪華の事件帳 : 1 遠き祈り〈新装版〉
    4.5
    千年の時を超え、古の帝からの密命を守り続けてきた〈在天別流〉。その闇の組織に属し、大坂の町と人を守るその使命に命を賭ける、若き美剣士・東儀左近の活躍を描く、書き下ろし長編時代小説の新シリーズ。舞台は、NHKの土曜連続ドラマで放送され好評を博した「浪花の華 緒方洪庵事件帳」の二年前となる。
  • 佐々木小次郎 秘剣「つばめ返し」を編み出した剣豪
    -
    宮本武蔵の最大のライバルとして著名な悲劇の美青年剣士・佐々木小次郎……しかしその実像は、断片的な史料で伝えられるのみで、ほとんどが謎のヴェールに包まれている。本書は、そうした史実の隙間を紡ぎ、佐々木小次郎という一人の剣豪の瑞々しい青春の勇姿を描き出す。少年期に小太刀の名手・富田勢源に入門した小次郎は、背に伝家の宝刀を携え、幼馴染みの若菜を追って各地を流浪しながら、兵法修行を積んでいく。やがて柳生四天王の一人・木村助九郎との打ち太刀や武蔵の門弟・小池左門との決闘などを経て、その剣名が高まると、小次郎は自らの最強を証明したいと願うようになる。そして、もう一方の雄・武蔵に対し、ただ己の編み出した秘剣「つばめ返し」が通用するか否かを確かめるため、運命の“巌流島”へと向かうのだった――。常に敵と真っ向勝負し、倒し続けた孤高の剣士。その生き様を活写した、著者会心の力作小説である。

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  • 佐々木小次郎
    3.0
    母に捨てられ父に刺客を放たれた小次郎は故郷・一乗谷を出奔、魔性の剣に生きる宿命を帯びる。憑かれたように強い敵を求め三尺に余る長刀を次々に血に染める旅すがら、小次郎は「同類の獣」の匂いを持つ男と遭遇、慄然とする。男の名は宮本武蔵。孤剣を牙として修羅の青春を生きる小次郎には、すでに巌流島での対決が運命づけられていた。
  • 佐々木小次郎(上)
    -
    自分の力を試したい。家柄が物をいわず、己れ一人の実力が頼れる世界に出たい――小太刀の名人に養育された孤児佐々木小次郎は、一剣に野望を賭け、恋人を捨て、故郷を捨てた。やがて、出雲のお国の舞い姿に啓示を得た無心の剣は、一閃、熊野に乱舞する飛燕二羽を斬り落とす。これぞ、秘剣つばめ返し! 恨みの白刃、恋のしがらみを振り払い、己れの恣意に生きる美貌の天才剣士の華やかな躍動感!
  • 佐々木道誉 南北朝の争乱を操ったバサラ大名
    3.0
    南北朝の動乱期、武芸だけでなく連歌や立花など風流に通じ、華美な服装、そして遠慮のない振る舞いで「バサラ大名」と称された佐々木道誉(高氏)。本書は彼の波瀾の生涯を描く長編小説である。鎌倉幕府が弱体化し、次なる政治秩序が模索されていたころ、衆望を集めた後醍醐天皇は、幕府打倒を図る。やがて百数十年続いた武家政権を、いったんは朝廷に取り戻すことに成功するが、加担した武士たちが、恩賞の問題で再び不満を募らせることに。そこに登場してくるのが足利尊氏であり、元弘元年の政変(元弘の変)後、尊氏に従った佐々木道誉である。道誉は尊氏の影の参謀として臨機応変に立ちまわり、尊氏とともに時代を動かしていく。そして、再び京に武家政権を打ちたてるのである。「バサラ」を演ずることを、悪い時代を自由に生き抜くための手段とし、己れの進むべき道を強かに、確かに歩んだ武将の生きざまを、見事に描出する力作である。

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  • 篠山早春譜 高瀬川女船歌四
    3.0
    高瀬船の船頭・弥助は、同じ長屋に住み数珠の玉磨きをしている藤蔵という若者を連れ、宗因の営む「尾張屋」へやってきた。宗因は藤蔵が身分を偽り、かつては腕の立つ武士であったことを見抜く。別の夜には、入れ墨をした一見客が現れ、八丈島の三年半に及ぶ島流しから江戸に戻ったが、ある人物を探すために京都へやってきたというのだが――。

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  • さざなみ軍記・ジョン万次郎漂流記
    3.6
    都を落ちのびて瀬戸内海を転戦する平家一門の衰亡を、戦陣にあって心身ともに成長して行くなま若い公達の日記形式で描出した「さざなみ軍記」。土佐沖で遭難後、異人船に救助され、アメリカ本土で新知識を身につけて幕末の日米交渉に活躍する少年漁夫の数奇な生涯「ジョン万次郎漂流記」。他にSFタイムスリップ小説の先駆とも言うべき「二つの話」を収める著者会心の歴史名作集。直木賞受賞。
  • さざなみの彼方
    4.2
    時は戦国。茶々(淀殿)は幼い頃、住んでいた城を信長に落とされた。父が自害に追いやられるも、生まれた時から共に育ってきた大野治長に守られ、逃げることができた。治長は茶々を一生守ると誓い、茶々も彼にそばに居てもらいたいと願う。その後、ふたりは柴田勝家の元に身を寄せたが、今度は秀吉に城を攻められ、茶々の母が自害する。そして二度目の落城を経験した茶々は、秀吉に側室になれと言われてしまい……。二度の落城。許されぬ裏切り。家康の脅威。運命に翻弄されながらも、互いを思い合う茶々と大野治長の姿を描く、歴史恋愛小説。
  • サシバ日和
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    沖縄県発・おきなわ文庫シリーズ第10弾。 「サシバは鷲鷹目の鳥。国境を越えて旅するこの猛禽と秋の季節の一時期に密かに関わってきたのが宮古諸島の、中でも伊良部島の人々である。かつて食生活に滋味をもたらしたサシバは保護鳥となり、それへの思いも変化してきている。著者は鷹獲りを体験した少年期を回想しつつ、その習俗を克明に記録し、文学作品などに見られるサシバ観の広がりを示してくれる。そして誇るべき島の美しさがこの先もそこに生きる豊かさと喜びにつながることを願う。-1997年作品紹介文-」 サシバとは鳥類分類ではタカ科 サシバ属と分類される野生鳥である。寒露のころサシバの秋の渡りが始まる。青森から九州までの地域で夏を過ごしていたサシバたちは、やがて来る寒い季節を前に、南西諸島を南下して、さらに南の暖かい島々へ、大群で大移動する。その越冬地への旅の途中、一夜の羽を宮古島、伊良部島で休めるのである。現在サシバの飛来は秋の風物詩となっているが、国際保護鳥となる以前は神意によって空からもたらされる贈り物として、島人はサシバを捕え自然への感謝の念を持って食していたのである。滋味あるサシバの肉は島人の貴重な蛋白源でもあった。本書はこのタカ獲りを歴史的な習俗として記録し、伊良部島におけるサシバの周辺を紹介する。 著者は伊良部島出身で沖縄タイムスの記者として活躍してきた謝花勝一氏。本シリーズに「ウシ国沖縄闘牛物語」もある。
  • 佐助と幸村
    3.0
    忍びの者・佐助は、武門の誉れを振りかざす武家を軽侮するが、ただひたすら死に花を咲かさんとする幸村と出会い、その孤高の佇まいに惹かれてゆく。迎えた決戦の時。幸村は己の美学を貫き、佐助は死中に活を求めて乾坤一擲の策を講じた――。史実と伝奇を織り交ぜた真田戦記外伝。《『真説 猿飛佐助』改題》
  • 佐助を討て 真田残党秘録
    3.0
    真田十勇士の裏ヴァージョン 最強の忍者、猿飛佐助。かつて彼に追い詰められた家康は悪夢にうなされ、無謀な討伐を部下に命ずる……手に汗握る新感覚忍者活劇!
  • さすらい街道
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    下総無宿、夜番の丹次郎は、孤独の影をひきずる旅鴉。「下手人は必ずおれが、たたっ斬る」顔馴染みになった小料理屋一家を、無残にも殺害した群雲の伝兵衛。丹次郎は仇を討つべく、その無宿者のあとを追った。ついに追い詰めた。しかし伝兵衛は国定忠治に斬られ、ふしぎな三つの言葉を残して死んだ。推理小説的手法を用い、股旅小説に新風を送る傑作。
  • さすらい同心 坂東一徹 仇討ち日光
    3.0
    いかつい顔にげじげじ眉の南町奉行所同心、坂東一徹は、自他ともに認める頑固者で、悪や不正を許さぬまっすぐな男。事件解明のためならば、上司にさえも噛みつく仕事の鬼だが、その性格と容貌がわざわいし、女にはさっぱりもてないという有り様である。ところが文政元年の五月、この一徹に、不釣り合いなほどの別嬪な娘が嫁いできた。まさに美女と野獣の夫婦に、周囲ばかりか一徹本人も戸惑っていたが、その婚礼の場で、なんと殺人事件が発生する。妻を得て、よりいっそう仕事に邁進する一徹であったが、事件の真相を知ったときから、謎の単身赴任を繰り返すはめに……。愛する妻とわかれ、ひとり各地をさすらう名同心の悪党退治!
  • 佐竹義重 伊達も北条も怖れた常陸の戦国大名
    3.6
    「退け! 逃げよ。彼奴は人でなし。鬼じゃ!」――大将自ら、真っ先に敵陣の中へと踊り込み、瞬時に7人を斬り捨てる。漆黒の甲冑が一転して朱に染まるが、それにも飽き足らず、太刀が届く相手を次々と血祭りに上げていく。「鬼佐竹」「坂東太郎」と諸国から怖れられ、伊達・北条と互角に渡り合った常陸の戦国大名、佐竹義重。その鬼神のような戦場での働きは、下妻の追撃戦で北条軍2万を潰走させ、人取橋の戦いでは奥州の伊達政宗さえも討ち取る寸前にまで追い込んだ。最盛期には義重が戦場に姿を現すだけで、敵軍は戦わずして退いていくこともしばしばであったという。清和源氏の流れを組む関東屈指の名家でありながら、常陸の半分にしか勢力が及ばない「半国守護」として、長年屈辱を味わってきた佐竹氏。だが、義重の登場によって悲願の常陸統一を果たし、絶頂期を迎える! 守護職の誇りをかけて、乱世を戦い抜いた男の生涯を描く。
  • 佐竹義重・義宣 伊達政宗と覇を競った関東の名族
    4.5
    上杉謙信と戦友の契りを結んだ佐竹義重、石田三成の危急を救った息子・義宣。混迷する戦国の関東で、伊達を追い散らし北条も一目置いた荒武者父子。台頭する織田信長・豊臣秀吉ら上方の勢力に対し、坂東の覇者としていかに抗したのか。その苛烈な生き様を描く!

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  • 佐竹義宣 秀吉が頼り、家康が怖れた北関東の義将
    3.5
    「鬼佐竹」「坂東太郎」と諸国に怖れられた父・義重を超えて、一族悲願の“常陸の旗頭”となった佐竹義宣――。その所領は、常陸一国54万石余、旗下を入れれば80万石余にもおよび、兵に換算すれば2万人以上を出陣させられる強大な勢力である。豊臣政権下では、関東に移封された徳川家康の“目付役”を担うなど、絶頂期を迎えた。佐竹一族の繁栄を助けた石田三成に恩義を感じる義宣は、秀吉亡きあと、天下取りの野望に向かって横暴をきわめる家康に不信感を抱く。さらには福島正則など武断派による襲撃から、三成の窮地を救った義宣は、日に日に憤りの念を強めていった。そして三成の挙兵を聞き、小山から引き返そうとする家康に、義宣は佐竹氏得意の“追い討ち”をかけようと計るのだが……。時代の流れに抗い、敵将である家康をして「今の世に義宣ほど律儀なものは見たことがない」とも言わしめた、北関東の若き義将の生涯を描く!
  • 定吉七番シリーズ 全6冊合本版
    -
    コードネーム"定吉七番(セブン)"――大阪商工会議所秘密会所に所属し、唯一「殺しの許可証」を持つ丁稚。元締である千成屋宗右衛門に呼び出された定吉は、唐桟のお仕着せに前垂れかけて、愛用の包丁「富士見西行」を懐に、関西経済界の破壊を目論む、悪の結社との戦いに挑む。伝説のスパイアクションコメディーシリーズ全6冊が、合本で登場!
  • 薩南示現流
    4.0
    幕末京都の地で、勇猛とおそれられた示現流は、開祖・東郷重位が16世紀末、薩摩の地に定着樹立させた。京の禅院天寧寺で僧侶善吉の教えを受け、研鑽を積んだ重位の峻烈な生きざまを描いた表題作のほか、示現流達人たちの鋭き太刀風を現代に伝える剣豪小説集。「不敗の剣法・示現流」のすべて、ここにあり。 解説・武蔵野次郎
  • 颯の太刀
    4.0
    十八歳にして、門人のいない道場を引き継ぐことになった筧求馬は、出稽古の帰りに勝ち気で美しい娘が曲者に襲われているところを咄嗟に助ける。娘を匿うため道場で生活を共にしていたが、屈強な刺客に連れ去られてしまう。娘の名は茉名といい、将軍の血を引く姫であり、圧政に苦しむ藩を救おうとしていることを知った求馬。風を感じて敵の動きを察する「颯の太刀」を振るって、茉名を救う旅に立つことを決意する。時代小説の新星が描く、江戸の青春剣劇!
  • 薩摩隠密行 一心剣
    -
    真田幸村に従い、冬の陣を闘った宍戸一剣こと霧丸。徳川によって大坂城の堀が埋め立てられ、豊臣家滅亡を予感した幸村らは、秀頼の嗣子・国松を薩摩に移し再興を図ることを決意する。その密命をおびた霧丸、佐助、才蔵らを待ち受けるものは。

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