歴史・時代小説作品一覧

  • 心変わり 風烈廻り与力・青柳剣一郎[63] 風烈廻り与力・青柳剣一郎
    4.0
    「あと一度という気持ちが命取りになりましょう」 剣一郎を嘲笑うかのように押込み強盗の一味と思しき男が殺される。 裏切りか、それとも―― 盗賊の末路は!?  火付盗賊改を翻弄するかのような押込みがこの二年間、続いていた。決して人は殺めず、狐の神楽面をかぶっているという。 盗んだ金はしめて七千両余。業を煮やした老中が、青柳剣一郎に密かに探索を命じる。すると剣一郎は火盗改の動きに不審を抱く。盗賊に手の内が洩れているのでは? やがて一味とおぼしき男に目を付けた矢先、刺殺体となって川に浮かんだ!
  • 小言又兵衛 天下無敵 血戦護持院ヶ原
    -
    人呼んで「小言又兵衛」、日の本一ひ弱な仇討ち姉弟に助太刀いたす! 将軍吉宗も呆れた頑固者、新シリーズ第1弾! 吉宗公亡きあと、武士道も人倫も廃れた世に、小言が尽きない旗本のご隠居が、はじめて真剣を手に大暴れ! 将軍吉宗公をして「小言又兵衛」と言わしめた武辺者の石倉又兵衛も、今では隠居の身。小者の三助に誘われて初めて芝居を観て驚愕した。鍵屋の辻の決闘など、町人が夢中になる芝居にこそ失われた武士道があったのだ。そんな折、仇討ち旅をする健気な姉弟に遭遇して又兵衛は嬉々として助太刀に乗り出す。頭脳明晰な蘭医・良庵を指南役に、奇想天外な仇討ち小説開幕!
  • コサック物語 アンチャールの木―妖樹
    -
    「コサックには正義がある、正義のない奴はコサックじゃねえ」 時代の流れがつくる渦の中で、己の道から逸れることができなかった―。19世紀初頭、志を抱きながら、家族、名誉、愛、すべてを失ってゆくコサック青年の葛藤を描いた小説。
  • 湖州の筆
    -
    世界を征服した蒙古は、自分独自の文字をもたねばならなかった。フビライはチベットから連行した聖童の誉れの高かった八思巴(パスパ)に命じて新文字を作成させた。だが、どの筆もこの文字を書くために適していない。新しい筆が必要であった。湖州の筆匠馮応科は、パスパ文字用に穂が短く先端がやわらかで根もとからそこまでを極端に固くした奇妙な「新しい筆」をつくった。そして五十年以上筆匠として働いた。湖州は名筆の産地として有名になり、馮応科の名も世に宣伝されるよになった。 蒙古の宮廷では、多勢の写字生を雇って、せっせとあらゆる古典をパスパ文字に訳していたが、それを読もうとする者は一人もいなかった。その事業の主催者である皇帝さえも。パスパ文字の書物はいたずらに宮廷の倉庫に山と積まれて眠っていた。 やがて台州で、用心深い方国珍が造反した。これが元末の動乱のはじまりであった。

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  • 拵屋銀次郎半畳記 侠客一〈新装版〉
    -
    ================ 剣戟、捕物、謀略、そして人の情 すべてが揃った時代小説の最高峰! ================ 拵屋にして、無外流免許皆伝 異色の経歴を持つ男が、 大奥を揺るがす大事件を解決すべく、 江戸を疾駆する!  女性の着付け、化粧にかけては 江戸一の評判を誇る銀次郎。 そんな彼に仕事を依頼した 老舗呉服問屋京野屋の先代主人が惨殺された。 実はその主人、 幕府の隠密調査役を担っていた 過去の持ち主。 きな臭さが漂う中、第二の惨殺事件も発生し、ことは大奥大年寄、江島をも巻き込む 大事件に発展する。 旗本・桜伊家の嫡男にして 無外流の免許皆伝者。 異色の経歴を持つ銀次郎、江戸を奔る!
  • 拵屋銀次郎半畳記 汝 想いて斬 一
    -
    息をのむ剣戟! 銀次郎に迫る妖美の月光院! 哀切と慕情が剣と化して烈しく舞う! 大河シリーズ第1期の『侠客』全5巻に続く興奮の大河劇場『第2期』遂に開幕! 宿敵・床滑七四郎との凄絶な死闘で負った瀕死の深手が癒え、江戸帰還を目指す銀次郎。 途次、大坂暴動の黒幕で、前の老中首座・大津河安芸守(幕翁)が立て籠もる湖東城に、黒書院直属監察官として単独乗り込んだ!? 一方江戸では、首席目付らが白装束に金色の襷掛けの集団に襲われ落命。 その凶刃は、将軍家兵法指南役の柳生俊方にも迫った! 壮烈にして優艶、娯楽文学の王道を疾走る大河シリーズ、『第2期』遂に開幕!
  • 拵屋銀次郎半畳記 汝 戟とせば(一)
    3.0
    幼君・家継の乗った駕籠が賊の槍でメッタ刺しに! 銀次郎の必殺剣が唸り、轟いた! 衝撃の「門田泰明大河時代劇場」堂々の第三期突入!! 品川宿にたどり着き意識を失った黒書院直属監察官・桜伊銀次郎。 毒矢を射られて生死の境をさまようが、ついに意識が戻った。 黒鍬衆の隠宅で、女黒鍬の頭領・加河黒兵の手厚い看護をうけ、順調に回復していたなか、幼君・徳川家継が見舞いに駆け付けたのだ。 将軍剣術指南役・柳生俊方ら柳生衆も同道していたが、帰途、白装束に白覆面の賊に襲われたのだ! しかも幼君が乗った駕籠が賊の槍でメッタ刺しに! 阿修羅と化した銀次郎剣が炸裂する大河シリーズ、(第1期 侠客・全5巻。第2期 汝 想いて斬・全3巻)第3期遂にスタート!
  • 拵屋銀次郎半畳記 無外流 雷がえし上〈新装版〉
    -
    娯楽文学の王道を疾駆する「門田泰明時代劇場」の代表的長篇! 拵屋の異名を持つ銀次郎は、大店のお内儀や粋筋の姐さんらの化粧や着付けなど「拵事」では江戸一番の男。だが仔細あって、雄藩大名、いや時の将軍さえも手出しできない存在だった。その裏事情を知る者は少ない。 そんな銀次郎のもとに、幼い女の子がひとりで訪ねてきた。母上の仇討ちを助けてほしいという。母娘の頼みを引き受けた銀次郎は、そうとは知らず修羅の道を突き進んでいく。 この男には天下の将軍といえども手出しでき申さず! 殺された友の仇を討つため遭遇した姿亡き謎の凶悪組織!! ベストセラー、拵屋銀次郎半畳記シリーズ、刊行10周年を記念し、第1作目を新装版で!
  • 『古事記』の謎 神話が語る日本秘史
    -
    「古事記」とは一体、何なのだろう?官報のような「日本書紀」と比べ、人間味溢れる最古の古典文学の風格備える「古事記」。そこには古代人の意識・ライフスタイル、生活感情を知る手がかりがある。原典を忠実に小説化した第1部と、その現代的解釈を試みた第2部の構成で、「古事記」の謎に迫る。
  • 古城秘話
    3.5
    「文化的遺産はすべて、それをめぐる人とのかかわり合いにおいてこそ、後世の人々の心をより強く打つものなのだ」隠密が潜み、裏切りが行われ、亡霊がさまよう。──北は松前城から南は鹿児島城まで、全国三十の古城名城にまつわる秘話裏話伝説記録を、そこに込められた哀しみと憤りと、怨念と呪詛と、闘いとその血汐とともに鮮やかによみがえらせる。
  • 古城物語
    -
    築城の普請作事が終わるとき、城の秘密を守るため設計施工者は抹殺される運命にある。古今未曾有の天守閣をもつ安土城を設計した中村正清は、信長につぎつぎと新しい城造りを進言して、その命を全うしたかに見えたが……(「安土城の鬼門楼」)。大阪城、熊本城、春日山城など7つの名城・古城を舞台に、まがまがしい歴史の数々を描く残酷歴史譚。
  • 巨勢入道河童 平清盛
    3.0
    「おまえが武名を高めた“やすもとの乱”というのはどういう事件だ?」。河童の頭目、九千坊が問う。清盛が笑う。「それは“ほうげんの乱”だ」。平清盛は死後、筑後川の支流の巨勢川の河童になった。疑り深い九千坊との丁々発止のやりとりのなか、かつての自分がたどった道を振り返る。厳島の社、福原の新都、海に造った経島。ひたすら夢を追い続けた男を描く、童門冬二の書き下ろし、異色時代小説。
  • 小せんとおとき (角川ebook)
    -
    貧乏芸人、柳家小せんはある妓楼でひとりの女郎と出会う――。現在の落語を作り上げた破天荒な名人の生きざま、そして、彼を支える女房おときを、当時の風俗や文化を交えて描いてゆくノンフィクションノベル! ※本書は、2016年9月30日に配信を開始した単行本「小せんとおとき」をレーベル変更した作品です。(内容に変更はありませんのでご注意ください)
  • 小袖日記
    4.0
    失恋した「あたし」は雷に打たれ、目覚めるとそこはパラレル平安朝。 彼女は、大人気小説「源氏物語」の作者・香子さまのもとでネタを探す女房・小袖となっていた。 夕顔、末摘花、葵―おなじみの女人達を訪ね、その真実の生、歓びと悲しみに触れた時、 時空を超えた友情がめばえる。感動の王朝SFミステリー。 解説・山本淳子 ※この電子書籍は2011年7月に文藝春秋より刊行された文庫本の新装版を底本としています。
  • 古代からの伝言 日本建国
    3.7
    東アジアに足跡を残した初々しい日本外交の姿を卑弥呼と司馬仲達を中心に描き、正史「日本書紀」が伝える神武天皇の建国神話へとつなぐ。臨場感溢れる筆致で迫った画期的労作。「日本建国」「大和の青春」収録。 ※単行本『古代からの伝言 日本建国篇』(二〇〇三年一月、小社刊)を文庫化したものが底本です。
  • 古代ヤマト政権の誕生ロマン 神武東征から継体天皇まで
    -
    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 「古事記」、「日本書紀」等を参考に想像を広げ、口承の視点を取り入れ、古代人の生活と権力誕生を描いた小説。
  • 児玉源太郎 日露戦争における陸軍の頭脳
    -
    領土拡大の野心をみなぎらせ、南下を続けるロシア。戦って、勝たなければ、日本もいずれ植民地化されることはまぬがれない。日露戦争とは、そういう戦争だった。絶対に負けられないギリギリの状況の中で、その陸戦の総指揮をとったのが、本書の主人公・児玉源太郎である。自らの使命に無私の精神で臨むとき、人間はどんな存在になれるか? 私欲のみを追求する今だからこそ顧みるべき、明治人の心を読む。
  • 木霊の声 武田勝頼の設楽原
    4.3
    勝頼はなぜ圧倒的不利な戦いに挑んだのか? 果たして史上稀なる“愚将”だったのか? 令和の新解釈で再現する長篠・設楽原の戦い。武田軍敗北の知られざる真実とは――。 愚将・勝頼による旧式の騎馬戦術 対 天才・信長による新式の鉄砲戦術。 戦国史上最も有名な合戦のひとつ“長篠・設楽原の戦い”から、伝説と虚飾を廃し、ドキュメンタリー・タッチで、この戦いを問い直す。 合戦のリアルと、暗愚と嗤われた勝頼の真の素顔を描き出す渾身の歴史長篇。
  • 胡蝶に告げよ・戦国前夜より
    -
    天文二十二(一五五三)年如月、今川義元の家老、由比家に仕える地侍の伴十郎衛門の足軽をする佐平は、夜更けに同輩の孫吉が山中で怪力を放つ光景を目撃する。 孫吉の体につけた御札のおかげだと目星をつけた佐平は手に入れようと決める。 数日後の晩に佐平は甲州衆に追われた鉱山遊女の珠を救って同衾する。 珠のために真人間になれるかもしれないと考えた矢先に佐平の留守中に珠は甲州衆に連れ去られていた。
  • 胡蝶の剣
    -
    世情騒がしい幕末。幼少の頃から人並みはずれた剣の才能をあらわした薩摩藩士・三原林太郎は、御前試合で藩主・島津斉彬の目にとまり、江戸での剣術修行を仰せつかる。千葉周作率いる玄武館道場での激しい鍛練、剣技はますます研ぎ澄まされていく――。やがて、斉彬の隠密となって奉公することとなった林太郎を待ちかまえていたのは、反斉彬派の刺客たちとの凄まじい争いの日々であった……。剣一筋に生きる若き薩摩隼人を描く傑作歴史小説!
  • 胡蝶の陣 ~中国歴史小説 倭寇に復讐する中国人の怨念
    -
    賊は風のようにあらわれた。やっとのことで、賊の眼をのがれることができたが、陳可願の家族は、みな殺しにされていた。倭寇といっても、もとはただの武装貿易商人なのに。あの胡蝶の陣の白扇のゆらめきは、その後、陳可願の夢になんどあらわれたかしれない。悪夢である。陳可願には片時も忘れられないことがあった。それは、復讐である。父母を殺した憎き倭寇の得意の戦法「胡蝶の陣」。地主の息子・陳可願が奇策をもって倭寇に復讐する中国裏面史。

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  • 胡蝶の夢(一)
    3.9
    黒船来航で沸き立つ幕末。それまでの漢方医学一辺倒から、にわかに蘭学が求められるようになった時代を背景に、江戸幕府という巨大組織の中で浮上していった奥御医師の蘭学者、松本良順。悪魔のような記憶力とひきかえに、生まれついてのはみ出し者として短い一生を閉じるほかなかった彼の弟子、島倉伊之助。変革の時代に、蘭学という鋭いメスで身分社会の掟を覆していった男たち。
  • 胡蝶の夢(一)~(四) 合本版
    -
    黒船来航で沸き立つ幕末。それまでの漢方医学一辺倒から、にわかに蘭学が求められるようになった時代を背景に、江戸幕府という巨大組織の中で浮上していった奥御医師の蘭学者、松本良順。悪魔のような記憶力とひきかえに、生まれついてのはみ出し者として短い一生を閉じるほかなかった彼の弟子、島倉伊之助。変革の時代に、蘭学という鋭いメスで身分社会の掟を覆していった男たち。 ※当電子版は『胡蝶の夢』(一)~(四)の全四巻をまとめた合本版です。
  • 克己
    -
    守られた権益か、勝ち取る未来か 今や、海外から日本人のメンタリティーと誤解されている、切腹や、戦前の価値観では美徳とされた『死を持って失敗の責を償い』それを命じた権威。その考えや行為、その存在の愚かさを彼は、この時代に既に喝破し、故に、参集してきた若者に説きたかったのだろう。(本文「克己」より)

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  • 骨董屋征次郎京暦
    3.7
    京の八坂下、夢見坂の骨董屋「遊壺堂」を営む柚木征次郎。御一新の世の中で移ろう世間の価値観に抗って、日本古来の文物を守ろうと西洋化の波と対峙する。骨董をただの“もの”として西洋に売りさばこうとする輩と文化の価値を信ずるものとの戦いは、自ずと過酷なものとなっていくのだが……。前作品集『骨董屋征次郎手控』につづく、骨董屋シリーズ第二弾にあたる傑作時代短編小説集。(講談社文庫)
  • 骨董屋征次郎手控
    3.5
    幕末動乱の京都で小さな骨董屋を営む征次郎には2つの裏の顔があった。世間に出せないいわくつきの品物を取引する“六道(ろくどう)闇ノ市”の一員であること。長尾流体術、鞍馬楊心流(ようしんりゅう)剣術を修めた武士の身分を捨てたこと。闇の骨董鑑定人・征次郎が、魔道に巣くう贋作(がんさく)師に立ち向かい、時代を揺るがす難事件に挑む!(講談社文庫)
  • 子連れ侍平十郎 1 上意討ち始末
    4.0
    1~2巻440円 (税込)
    剣の達人であったがために藩を二分する権力闘争渦に巻き込まれた長岡平十郎。病身の妻と5歳になる千沙を守りながらも、強大な権力に押し流されていく下級武士の悲哀を、チャンバラ小説の第一人者が描いた“泣ける、感動する”長編時代小説です。

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  • 子連れ侍江戸草紙
    4.0
    直参旗本の次男、高見沢彰吾は、忘れ形見の娘の為に、旗本の身分を捨て陪々臣として生きる道を選んだ。与えられた役目は、他家との外交役。懸命に仕事に取り組む彰吾に、思いもよらぬ事件が――。
  • 子づれ兵法者
    -
    剛剣が唸り小太刀が舞う、武士の世界。我が子の命を賭け真剣で勝負を挑んだ兵法者と、その男を愛してしまった道場主の娘を描いた表題作をはじめとする7編の時代小説短編集。自らも剣の達人である筆者が洞察力鋭く、緊迫した立ち合いの瞬間を描く。ドゥ・マゴ文学賞に輝いた『黄落』に続く佐江作品の傑作。
  • 虎徹入道~御刀番 左京之介(四)~
    3.0
    駿河国汐崎藩の御刀番、左京之介は「長曾禰虎徹」を汐崎藩堀田家の菩提寺天慶寺の住職が求めていると聞いて訝る。やがて京之介の耳に汐崎藩が「虎徹」を購うという話が。背後に潜む奸計、それを阻止せんとする京之介。そして、京之介に暇が出される。左霞流の遣い手、京之介が、小者の佐助、元裏柳生の女忍び楓と藩を揺るがす輩に立ち向かう。大好評シリーズ第4弾!
  • 小伝馬町牢日誌 お帰り稲荷
    -
    小伝馬町牢屋敷の同心、大賀弥四郎は、罪を憎んで人を憎まずをモットーとするお人好し。牢名主の長兵衛と共に事件の真実を突き止めていく――弱き者のために立ち上がる鉄火肌の男たちを描く新シリーズ!
  • 秋声のうつろい 小伝馬町牢日誌
    4.0
    凡庸な忠義者の助蔵が、剣客として知られる主人を斬り殺した科で入牢してきた。不審に思った大賀弥四郎は、持ち前の人の好さで調査に乗り出す。一筋縄ではいかぬ想いに目をこらす心優しき牢屋同心の事件簿。
  • 惑いの面影 小伝馬町牢日誌
    -
    お人好しのやっさんと囚人からも親しまれている牢屋敷の同心・大賀弥四郎のもとに、亡き妻と面影の似たお峰が、亭主殺しの科で入獄してきた。しかしそこには様々な男たちの野心が何重にも渦巻いていて……。
  • 琴海の嵐 ─幕末大村藩剣客、渡辺昇伝─
    -
    幕末──長きに及んだ徳川の世を終わらせ新しい時代を作ろうと、多くの志士たちが命の火花を散らした。〈鞍馬天狗〉のモデルともいわれる九州大村藩の剣客・渡辺昇も、そんな一人である。長州や薩摩という大藩の者たちの活躍は広く知られているが、時代を動かしたのはなにも彼らだけではなかったのだ。歴史に埋もれてしまった渡辺昇の活躍が、痛快歴史小説として今蘇る。
  • ことり屋おけい探鳥双紙
    -
    姿を消した夫の帰りを待ちながら鳥を商うおけい。美しい娘が鳥に興味がないのに紅雀、相思鳥と次々と買い求める理由とは?店に持ち込まれる様々な事件を解決しながら、しなやかにたくましく生きるおけいと市井の人々を活写した、清々しい時代小説。
  • 蠱毒の針 無茶の勘兵衛日月録14
    3.0
    御三家に次ぐ家格だが小藩の越前大野藩への謀略は止むことがない。大老酒井忠清の絶大な権力を背景に、大藩越後高田藩家老小栗美作新たな陰謀は、すでに動き出していた。延宝五年(一六七七)、その毒網に絡め取られたのは元番頭で現無役の縣茂右衛門であった。藩内の不穏を察知した御耳役落合勘兵衛は秘密裡に行動を……。
  • コナトゥス・カレンダー ~生命の図形と星々の記憶~
    -
    17世紀のオランダで哲学者ベントは、人間の本質と自由を探求していた。一方江戸では幕府天文方の隼人が、西洋暦と東洋暦の間で揺れていた。そして忍者の頭領赤影は、墓を暴き少年に人体をスケッチさせていた。一件何の関連もなさそうな3つのファクターが実は……。〈人体〉は宇宙の営みそのものだ。コナトゥス──それは人間の本質、内なる力……。AI活用のNEO小説。
  • 小鍋屋よろづ公事控
    5.0
    夫婦で営む小さな小鍋屋「よろづ」は今日も賑わう。旬の食材で作られる小鍋は滋味満点。つまみにして飲むもよし、おかずにして飯をかっ込むもよし。ご近所の常連はもとより足をのばしてわざわざ訪れる者もいて、評判はうなぎのぼり。客の絶えない繁盛店になった。ある日、紙問屋の主が女将のお咲に相談をする。孫娘が飼っていた猫が行方知れずに。ほうぼう探した結果、近所の老婆に飼われていることが分かった。お金を積んででも返してもらおうとするが、老婆は頑として譲らない。果たしてどうすればいいのか、と紙問屋の主は頭を抱える。実はお咲、両親は公事宿(行政書士、司法書士のようなもの)を営んでいた。子供のころから相談事に触れてきたので、少しは知識がある。私が仲裁に入れば、事件は解決できるかも? お咲は、主と一緒に老婆のもとにおもむいた。さて、お咲が提案した仲裁案は? 美味しい小鍋と公事知識でお客の悩みをほっこり癒す!
  • 小西行長
    3.0
    天下を掌握した豊臣秀吉は、ついに無謀な朝鮮侵略を目指す。キリシタン大名・小西行長は、主・秀吉の野望のままに従うか、それに背いて神の教えを守るべきか、と苦悩する。そんな彼に理解を示す石田三成。対照的に敵意むき出しの加藤清正。やがて秀吉を説得し海を渡った行長は、講話交渉の駆け引きに畢生の手腕をふるい、己のすべての夢を賭けた。長編時代ロマン小説!
  • 木練柿(こねりがき)
    4.0
    胸を匕首(あいくち)で刺された骸(むくろ)が発見された。北定町廻(きたじょうまちまわ)り同心の木暮信次郎が袖から見つけた一枚の紙、そこには小間物問屋遠野屋の女中頭の名が。そして、事件は意外な展開に……(「楓葉の客」)。表題作をはじめ闇を纏う同心・信次郎と刀を捨てた商人・清之介が織りなす魂を揺する物語。時代小説に新しい風を吹きこんだ『弥勒の月』『夜叉桜』に続くシリーズ第3巻、待望の文庫化。
  • 近衛文麿と日米開戦――内閣書記長官が残した『敗戦日本の内側』
    4.3
    昭和史の貴重な記録を読み解く。日本が太平洋戦争に突入していく重要な時期に国政を担った、第二次・第三次近衛文麿内閣。その内閣書記官長を務めた富田健治によって、戦後に書かれたのが『敗戦日本の内側――近衛公の思い出』である。そこには、近衛らが緊迫する国内外の情勢にいかに対応したかが、当事者しか知りえない舞台裏と共に、息づかいまで感じられる筆致で綴られている。解説は、昭和史研究の第一人者である川田稔名古屋大学名誉教授。会話などからも歴史的価値を見出し、読み解いていく。はたして、日米開戦は不可避だったのか、それとも――。
  • この君なくば
    3.9
    伍代藩士の楠瀬譲と栞は互いに引かれ合う仲だが、譲は藩主の密命を帯びて京の政情を探ることとなる。やがて栞の前には譲に思いを寄せる気丈な女性・五十鈴が現れて……。激動の幕末維新を背景に、懸命に生きる男女の清冽な想いを描く傑作長編時代小説。
  • この20人は、なぜすごいのか 乱世を生き抜く「考え方・戦い方」
    3.0
    今を乱世と呼ぶ人がいる。国民不在の政局、沈み続ける日本経済、ほんの数年先の未来がまったく読めない時代に、自分の居場所すら惑う人も多い。それは今までのセオリーが通用しなくなったからだ。しかし、そんな先行き不透明な時代だからこそ、「歴史に学ぶ」という視点が必要になる――。本書は、今の日本に強烈な影響を与えた“すごい”先人たち20人を中世・戦国・幕末から厳選し、その考え方・戦い方を解説。「上杉謙信――自分の強さと弱さに向き合い続ける」「伊達政宗――組織のなかで自分を成長させた教養の人」「藤堂高虎――人間を見抜く者が時代の先を見通せる」「竹中半兵衛――私心を捨て去ることで物事の本質が見えてくる」「源頼朝――生きることへの執着」「西郷隆盛――人を愛し、愛されたリーダー」など、混迷の時代を生き抜く指針を今に伝える。きっとあなたの理想となり、武器となる“すごい人”が見つかる一冊だ。

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  • この世の花
    3.3
    徳川譜代の名門で七千石の旗本の妾の娘・花。母・ふきは商人の娘ながら父・真島兼続に惚れられて娶られ、母子ともに兼続から愛されていた。だが、それを正妻、そして他の妻は妬み嫉み、事あるごとに虐げる。兼続の長男・一成やその親友・青山信義や保坂勇里は花の健気な姿に目を掛けているのだが、それがまた他の娘たちには気にくわない。そんな中、ふきが病に倒れ――。激動の時代に、苦難を乗り越え健気に輝く、一人の少女の物語。
  • この世をば(上) 藤原道長と平安王朝の時代
    4.2
    藤原兼家の三男に生まれた道長は、才気溢れる長兄の道隆、野心家の次兄の道兼に比べて、平凡で目立たない存在だった。左大臣の娘・倫子と結婚、そして父の死により、出世競争の道を走り始める。平安王朝の貴族社会を描いた傑作歴史小説。
  • 小早川隆景
    値引きあり
    4.0
    毛利元就の三男として生まれ、小早川家の養子となった隆景。元就の「三矢の教え」の下、次兄の吉川元春と共に「毛利両川体制」を築く。厳島合戦で水軍を率いる武勇だけでなく、豊臣政権と太いパイプを築くなど政治的な面からも毛利を支え続けた知将の生涯。

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  • 初午いなり 木挽町芝居茶屋事件帖
    完結
    3.8
    木挽町の芝居茶屋かささぎは、若い店主・喜八とその兄弟分・弥助、料理人・松次郎の三人で営む小さな店。誰もが振り向く色男・喜八と冷たい風貌で女心を痺れさせる弥助目当ての女客や、気の利いた小料理を求める常連に愛されている。が、じつは喜八、かつて江戸市中の風紀を乱す無頼の徒と粛清され、命を落とした町奴かささぎ組親分のひとり息子。それ故、鬼勘の異名をとる火付改・中山直房に、なにかと敵視され……。芝居の町を舞台に、喜八と鬼勘の掛け合いが見どころの事件帖、人情たっぷりにいざ開幕!
  • 虎符を盗んで 王命なく国軍を動かす大義
    -
    中国の戦国時代は百家争鳴、百花斉放といわれる躍動の時代で、客好きの戦国四君のなかで信陵君は芸術家的な気質があり損得抜きの行動が任侠に近く、姉妹国趙が秦国の侵攻を受け援軍を求めたとき「虎符」を盗んでやむにやまれぬ任侠の拳に出たのだ。

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  • 辛夷の花
    3.9
    九州豊前、小竹藩の勘定奉行・澤井家の志桜里(しおり)は嫁いで三年、子供が出来ず、実家に戻されていた。ある日、隣家に「抜かずの半五郎」と呼ばれる藩士が越してくる。太刀の鍔(つば)と栗形(くりかた)を紐で結び封印していた。澤井家の中庭の辛夷の花をめぐり、半五郎と志桜里の心が通う。折しも小竹藩では、藩主と家老三家の間で主導権争いが激化していた。大切な人を守るため、抜かずの半五郎が太刀を抜く!
  • 子分は将軍様   信弥と吉宗
    5.0
    「織田さまっ」──ひとりの浪人の前で、そう呼びかけた大男が腰を折る。このふたり、どうやら旧知の仲のようだが、共にただ者ではなかった。何を隠そう、大男は城を抜け出した八代将軍・徳川吉宗、そして、織田さまと呼ばれた浪人は、本名を織田信三郎信弥といい、かの天下人、織田信長の直系子孫にあたる高貴な血を引く人物だったのである。遠い戦国の世、信長は徳川家康と同盟関係を結び、天下統一へ邁進した。信長が斃れた本能寺の変で友好関係は崩れたが、深い因縁は百六十年後の太平の世で再び織田と徳川を結びつける。盗賊に襲われた吉宗を信弥が助けたことから、ふたりは師弟関係になったのだ。天下人同士、最強の相棒が江戸の悪人たちを斬る、待望の新シリーズ、誕生!
  • 孤篷のひと
    3.6
    千利休、古田織部、徳川家康、伊達政宗――。当代一の傑物たちと渡り合い、天下泰平の茶を目指した茶人・小堀遠州の静かなる情熱、そして到達した"ひとの生きる道"とは。あたたかな感動を呼ぶ歴史小説!
  • 「小牧・長久手合戦」両雄の激突
    -
    柴田勝家を打ち破った羽柴秀吉は、急速にその地位を高め始めていた。本能寺の変以降、天下取りの争いを静観していた徳川家康は遂に、信長の二男である信雄とともに、秀吉と対峙する。その後、家康の評価の元となった、小牧・長久手合戦を分析する。
  • 駒、玉のちりとなり
    -
    この国が激動の世を迎えていた古墳時代末期―――。豪族・蘇我馬子の護衛頭である東漢駒は、主君の命に服従して生きる運命に翻弄されていた。天皇家も巻き込む権力争いの渦中、天皇の妻・河上が冷遇を受けていることに懊悩する駒への命は「天皇の暗殺」だった。
  • 小町殺し
    3.0
    松本清張賞作家が満を持して放つ書き下ろし時代小説。新内流しを生業とするおれんは、旧知の清元の師匠・梅春の遺体発見現場に遭遇する。梅春は錦絵「艶姿五人小町」に描かれて人気だったが、その小指の先は切り取られていた。半月後、同じく錦絵に描かれた船宿の娘が殺された。これは連続殺人なのか? そんな折、おれんは錦絵の作者の弟子、玲泉と知り合うが……。
  • 駒姫―三条河原異聞―(新潮文庫)
    4.5
    山形十九万石を治める最上義光の愛娘で東国一の美少女と称される駒姫は、弱冠十五歳にして関白秀次のもとへ嫁ぐこととなった。が、秀次は太閤秀吉に謀反を疑われて自死。遺された妻子には非情極まる「三十九人全員斬殺」が宣告された。危機迫る中でも己を律し義を失わない駒姫と、幼き姫に寄り添う侍女おこちゃ。最上の男衆は狂気の天下人から愛する者を奪還できるか。手に汗握る歴史小説!(解説・縄田一男)
  • 跡とり娘 小間もの丸藤看板姉妹
    完結
    3.0
    江戸の真ん中、日本橋伊勢町の小間物商「丸藤」は、紅やおしろい、櫛やかんざしなど、きらびやかな品揃えが自慢の大店だ。その「丸藤」の娘ふたりのうち、幼いころから病弱で品川で暮らしていた姉の里久が、年頃を迎え、家族のもとに戻ってきた。ところがその里久、漁師町の暮らしにすっかり染まり、まっすぐな物言いと大店の娘らしからぬ立ち居振る舞いで、実の母も妹・桃も戸惑うばかり。だが、里久の底抜けの前向きさが、閑古鳥が鳴き始めていた店を少しずつ変えていって──。おてんばな姉と小町娘の妹、看板姉妹の物語。
  • 径(こみち)に由らず~御算用日記~
    5.0
    幕府御算用者の生田数之進が、友の早乙女一角とともに潜入を命じられた丹後国鶴川藩は、この5年ほどの間に、借財を半分に減らしていた。女色に耽り、芸事を好む藩主・牧原英成は、本当にうつけなのか、それとも……。豊かに見える藩に隠された真実とは何か? 藩の裏帳簿「西施帳」とは何なのか?数之進の新たな恋の予感を告げる、大好評シリーズ第8弾!
  • 暦のしずく
    4.3
    宝暦八年、獄門を申し渡された講釈師・馬場文耕。長屋暮らしの文耕は、かつてなぜ刀を捨て、そして獄門に処されることになったのか? 謎に包まれた実在の人物、文耕の生涯を端正な文章と魅力的な登場人物で描き出す。沢木耕太郎、初にして堂々たる時代小説!
  • 古来稀なる大目付 まむしの末裔1
    4.0
    古稀とは思えぬ若さ、明晰な頭脳と剣の冴え。 新しい大目付の誕生! 常陸の極小藩への誹謗中傷、調べを進めると、隣の藩に由々しき問題が見えてくる。 策謀を重ねる大名家相手に、新任大目付の活躍はいかに。 痛快時代小説の開幕! 新シリーズ第1弾! 「大目付になれ」──将軍吉宗の突然の下命に、一瞬声を失う松波三郎兵衛正春だった。蝮と綽名された戦国の梟雄斎藤道三の末裔といわれるが、見た目は若くもすでに古稀を過ぎた身である。しかも吉宗は本気で職務を全うしろと。「悪くはないな」──冥土まであと何里の今、三郎兵衛が性根を据え最後の勤めとばかり、大名たちの不正に立ち向かっていく。痛快時代小説の開幕!
  • こらしめ屋お蝶花暦 寒中の花
    3.8
    江戸日本橋の御茶漬屋女主人・お蝶は、悪事には拳を上げ、困っている者がいれば助けを惜しまない。周りからは「こらしめ屋お蝶」と呼ばれて慕われている。そんなお蝶の亭主・伊三郎は「お役目」だと言い残し、姿を消した。時々届く花だけが無事の報せ。いとしい人の帰りを待ちわびながら、今日もお蝶は世話焼きに駆け回る。
  • 狐狸庵 歴史の夜話
    4.0
    晩年の豊臣秀吉は愛すべきフーテン老人? 立派だが、どこかおっかなくて近寄りがたい細川ガラシヤおばさん。もし織田信長が現代に生きかえって、われわれの目の前に現われたら? そして信長の眼には今の社会はどのように映るのだろうか……。あるときは廃墟にたたずんで昔日に想いをはせ、またあるときは埋もれた史料の山から歴史の真実を探りだす。夜が更けるのも忘れて、狐狸庵山人がユーモアを織りまぜて語りかける、渋味あふれる歴史エッセイ。読んでいくうちに思わず、歴史人物や日本史への新たな興味を呼びおこすこと間違いなし!

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  • 狐狸の恋―お鳥見女房―
    4.0
    夫伴之助が任務を終えて家に帰り、矢島家には平穏が戻りかけていた。お鳥見役に任命された長男久太郎には縁談が持ち上がり、次男の久之助にも想い人が……その成長は頼もしいが、久太郎の相手は一家の敵・老中水野忠邦に連なる家の娘、久之助の見初めた娘にも家がらみの事情があった――子らそれぞれの幸せを願って温かい珠世の笑顔が、家族の絆を支える好評シリーズ、第4弾。
  • これからの橋 雪
    -
    ならず者の夫が流刑となり、心なしか解放されたおけいは、働き始めた料理茶屋で源一郎という浪人に出会う。源一郎は十六年前父親の敵捜しに出たが、今では仇討ちを断念し幼い娘と暮らしていた。次第に心を通わせる二人だったが、源一郎は敵を発見してしまい……(「冬の虹」)自選短編集『これからの橋』を新たに構成した一冊。
  • 虎狼は空に 上 小説新選組
    -
    幕末の京都に江戸から上洛した浪士たちは、いかにして暗殺集団へと変貌していったか。市中警護に飽きたらず、厳しい規律のもとに敵対者たちを容赦なく斬り捨てていった血まみれ軍団「新選組」の実像に迫る傑作長編!
  • 虎狼は空に 小説新選組
    5.0
    「新撰組を描いた小説はこれまでにおびただしい数になるであろうが、津本氏のこの長編の特徴は、新撰組をあくまで非常な暗殺集団として容赦なく描き切ったところにある」(解説・桶谷秀昭) 幕末の京都、江戸より上洛した浪士組が殺人集団へ変貌していく。 敵対する者は斬る、隊規を乱す者は斬る。士道不覚悟は切腹。 新撰組の殺伐たる実像を新視点から活写した力作長篇。
  • 殺しの掟
    3.8
    江戸の暗黒街。昼間は実直な職人や清貧の剣客が、夜闇の中では金ずくで人を殺める殺し屋に変貌する。法の裁きの及ばぬ悪を闇から闇へ葬る裏稼業の男たちの非情さと日常に立ち戻った瞬間ふと見せる人間味を、練達の筆致で描く著者十八番の暗黒小説集。人気シリーズ“仕掛人・梅安”の原型をなす傑作9編を収録。
  • 殺しはエレキテル~曇斎先生事件帳~
    3.0
    「エレキテルで昏睡状態になっていた男が、消え失せた!?」江戸後期の大坂。蘭学者・曇斎先生こと橋本宗吉の元には、摩訶不思議な事件ばかりが持ち込まれる。寺子屋の若き師匠・箕四郎と美少女・真知を助手役に、曇斎は奇々怪々な事件を鮮やかに解き明かしてゆく――。次々に飛び出す魅力的な謎に奇想天外な仕掛け。本格推理の真打ち・芦辺拓、初の捕物帖!
  • 今昔物語集 本朝世俗篇 (上) 全現代語訳
    値引きあり
    3.0
    我が国最大の説話集であり、内容の多様さも文学的興趣も群を抜く「今昔物語集」。古来我が国で「世界」を意味した三国、天竺・震旦・本朝(インド・中国・日本)の一千を超える説話を収めた三十一巻(うち三巻を欠き、現存は二十八巻)のうち、本朝の世俗説話を収めた巻二十二~三十一。その平易で読みやすい全現代語訳をコンパクトに刊行。語注も充実。巻二十二~巻二十四。
  • こんちき あくじゃれ瓢六捕物帖
    4.0
    色男・瓢六が大活躍。人気捕物帖シリーズ第二弾 晴れて無罪放免となった瓢六だが、お袖と熱々の平和な日々も長くは続かない。 わけありの母子を匿ったり、瓦版を作ったり、そして今度はお袖が牢に入れられる……!? 粋で愉快でほろりとする六篇を収録。痛快無比の時代小説。
  • 近藤勇と科学
    -
    新選組は鳥羽伏見戦争にて新政府軍の銃撃により多くの仲間が倒れていった。土方歳三から戦況報告を受ける近藤勇は、新選組が戦いで甚大な被害を受けていることが信じられないでいる。近藤勇は火器の攻撃力を軽んじ、あくまで刀槍の優位性を謳っていたのだった。新政府軍に対抗するべく火器による武器やその武器を扱える兵を集めようとするが、近藤勇はそれを止めさせるのであった。
  • 近藤勇白書
    3.5
    幕末動乱のとき、真剣なら無類の強さを発揮する天然理心流の道場主・近藤勇は、志を同じくする土方歳三、沖田総司らと江戸から京に上り新選組を結成、尊皇攘夷、倒幕を画策する長州や薩摩など西南雄藩の活動家と闘う。芹沢鴨一派との内部抗争を経て、京の池田屋に長州藩の過激派を襲い、天下にその名を轟かせるが……。幕府瓦解の前夜、一瞬の光芒を放った新選組。その局長、近藤勇の激闘の日々と隊士との交情を熱く描く傑作。
  • 崑崙の玉/漂流 井上靖歴史小説傑作選
    -
    中国の古代から人々が執心してやまない「玉」の産地として聞こえた、誰も知らない崑崙山を目指して黄河の源流へと遡っていく一行に襲いかかる苦難の行方を描いた「崑崙の玉」。著者の独擅場とも言うべき西域・中国もののみならず、戦乱の世において非運に倒れた武将たちの運命を見据えた戦国もの等も収録。透徹した視線と自在な筆致が冴える傑作短篇集。
  • ご隠居さん
    3.3
    「軍鶏侍」の野口卓、渾身の書き下ろし! 腕利きの鏡磨ぎ師の梟助じいさん。江戸に暮らす人たちの家に入り込み、おもしろい話を披露して、ときには事件を鮮やかに解決します。
  • ご隠居同心
    -
    息子に家督を譲り隠居した、元南町奉行所の同心・成島外記。裏長屋でひとり気ままな生活を目論むが、訳ありの住人たちに振り回され……。「秘剣の名医」の著者、新シリーズ! ※本電子書籍は電子書籍化にあたり、許諾等の理由から資料画像の一部を掲載しておりません。あらかじめご了承ください。
  • 御隠居忍法
    -
    間諜・伊賀者の子孫であり昌平坂学問所の秀才・鹿間狸斎が訪れた奥州の山村。そこには奇妙な事件が渦巻いていた。人気シリーズ開幕!
  • 御隠居忍法6 恨み半蔵
    -
    草深い奥州に隠居した元幕府御庭番・鹿間狸斎。彼のもとに、二代目服部半蔵が遺した呪いの書が、かつての上役から届く。その争奪戦に巻き込まれ、贋医者の汚名を受けて投獄された狸斎はその謎に迫れるか? 黒幕の狙いは? 痛快さの中にも「惻隠の情」(縄田一男氏の解説より)漂うシリーズ第六弾!
  • 御隠居忍法3 鬼切丸
    -
    伊賀者の子孫・鹿間狸斎は四十で家督を子に譲り、草深い奥州、笹野に住み着いた。しかし、静かに暮らしたいという願いとは裏腹に様々な事件が降りかかってくる・・・奥州寒村の隠居所に暮らす伊賀者の子孫は、いかに難事件を解決するのか。天下一の勇士と呼ばれた男の差料を巡る騒動を描く「鬼切丸」他、鹿間狸斎の才覚と手腕を活写する。狸斎のとぎすまされた気と技がこの世の悪を断つ!
  • 御隠居忍法9 刺客百鬼
    5.0
    狸斎の娘・奈々江の舅であり狸斎の親友でもあった新野耕民が急死。耕民は笹野藩の後嗣をめぐる争いに巻き込まれ、黒手組によって暗殺されたのだった。狸斎は耕民の遺志を継ぎ、君主の幼い落胤と守り役の娘を江戸へ送る役目を引き受けるが、道中、神出鬼没の刺客が襲いかかる! シリーズ第九弾。
  • 御隠居忍法 しのぶ恋
    -
    遊郭街で発生した火事。焼け跡から見つかった首なし死体は、どうやら、狸斎の盟友・新野耕民の死と関わりがあるらしい。笹野藩内では仇討ちを耕民の息子にけしかける者が増え、不穏な雰囲気がただよう。事件を調べていた狸斎は、藩政の裏で跋扈する暗殺集団「黒手組」と全面対決することに――。「御隠居忍法」シリーズ完結篇。
  • 御隠居忍法8 振袖一揆
    -
    長引く飢饉で米が高騰し、大黒湊では農民たちが穀屋に押しかける騒ぎが発生。夜には盗み、人殺しと事件が続く。さらに貧乏長屋に銭を放り込む義賊・立烏帽子の行方を追ううち、鹿間狸斎は一揆と陰謀の渦中に巻きこまれて――。好評時代小説シリーズ第八弾!
  • 御隠居忍法2 不老術
    -
    芥川賞作家・高橋義夫による御隠居忍法シリーズ。間謀・伊賀者の子孫であり、昌平坂学問所の秀才鹿間狸斎が江戸から奥州の隠居所に戻ると、山中で白骨化した手首が見つかったとの報せが……難事件に狸斎はどう立ち向かうか。神隠し、消えた死体、天領と小藩を巡る陰謀の行方をめぐって、御隠居が活躍する痛快時代小説。「この御隠居、ただ者にあらず!」乞うご期待!!
  • 御隠居忍法7 魔物
    -
    十二年に一度の奉納試合。前回その凶猛な剣で二人を殺して優勝した斎木源助が、再び出場する。不穏な空気の中、剣術道場の意地と遺恨がぶつかり合う。その立会人は、草深い奥州に隠居した元幕府御庭番、ご存じ鹿間狸斎。試合の陰に仕組まれた大きな陰謀に巻き込まれていく……。好評シリーズ第七弾!
  • 御隠居忍法5 亡者の鐘
    -
    暗闇が訪れるころ、奥山の寺で呪いの鐘が鳴る……。住職の血を吸った鐘楼に隠された謎とは? 巷間を騒がす噂の真相を明らかにしようとする御隠居一行に、襲いかかる黄泉よりの遣い手たちの正体は? 家督を子に譲り奥州は笹野に住み着いた伊賀者、元御庭番・鹿間狸斎見参!
  • ご隠居は福の神1
    3.0
    貧乏正義漢の無役旗本、居候のスーパー爺さん、皆の心に花を咲かせる。 可哀想な人を日々助けるが、自らは貧乏にあえぐ若旗本。 その屋敷に一人の老人が…。何にでも長けた「ご隠居」が、若殿を幸せの伝達師に! 心に花が咲く! 新シリーズ第1弾! 「世のため人のために働け」の家訓を命に、小普請組の若旗本・高山和馬は金でも何でも可哀想な人たちに分け与えるため、自身は貧しさにあえいでいた。ところが、ひょんなことから、見ず知らずの「ご隠居」を屋敷に連れ帰るが、料理や大工仕事はいうに及ばず、体術剣術、医学、何にでも長けていた。和馬はこの老人と暮らすうち、いつしか幸せの伝達師に! 「ご隠居」は何者?
  • 江 ――波瀾と愛憎の生涯――

    -
    近江の浅井長政とお市の方の三女として生まれた江。生後まもなく伯父・織田信長が長政を討ち、母と三人の娘(姉は淀、初)は小谷を出る。後に母の再婚で北ノ庄の柴田勝家のもとに。その勝家も秀吉に敗れ、母は勝家と共に自刃してしまう。秀吉のもとから佐治一成に嫁いだ江だが、秀吉により離縁の憂き目に。秀吉の甥・羽柴秀勝と再婚するも、夫は朝鮮で病死。天下をとった秀吉は、徳川家康の息子・秀忠と江の三婚を決めてしまう…。戦国乱世の時代に翻弄されながらも、女としての幸せをつかむために懸命に生き抜き、徳川三代将軍・家光など秀忠との間に子女七人を儲けた御台所・江の半生を描く。

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  • 豪快茶人伝
    5.0
    信長、秀吉、利休、宗二、織部、遠州――。戦国時代以降、茶の湯は多くの権力者や文化人たちを虜にしてきた。いつの時代も各々の美学の発露であった茶の湯を通して、個性豊かな茶人たちのなまの姿と心情に迫る。
  • 号外! 幕末かわら版
    4.0
    嘉永六年(1853)江戸。好奇心たっぷりの銀次と絵師の歌川芳徳は、妖怪伝説やゴシップネタなどを追う、低俗なかわら版を売りさばいて人気を博していたが、浦賀に来た黒船を見に行き、勢いで乗り込んだことがきっかけで人生が変わる。江戸一番の物知りと評判が高い佐久間象山に師事し、勝麟太郎や坂本龍馬、吉田松陰、西郷吉之助など、様々な幕末の英雄と出会い、大地震や大火災、死の疫病をかわら版で報じるうちに、銀次は報道の使命に目覚め、弱き大衆のために立ち上がる。 幕末の動乱の中で、真実(たまに嘘)を追い求めるかわら版屋を描いた、痛快時代小説!!
  • 豪商伝 薩摩・指宿の太平次
    3.5
    三井、鴻池に並ぶ豪商と謳われた薩摩の海運商・浜崎家は、八代目太平次の時代、藩政改革を進める家老・調所広郷と結び、全盛を迎えた。その富で、薩摩を一躍雄藩へと押し上げた男の、先見に満ちた不屈の生涯。
  • 郷四郎無言殺剣 正倉院の闇
    4.0
    奈良に入った音無黙兵衛こと菅郷四郎と伊之助は、無念の死を遂げた郷四郎の父・郷左衛門の墓を訪れる。二十年前の正倉院宝物流出に絡んで、郷左衛門は無実の罪を着せられ、切腹に追い込まれたのだった。真相を探るべく、奈良を探索する郷四郎と伊之助は、事件の黒幕が今をときめく御側御用取次の水野忠秋であることを知る。書き下ろし。
  • 郷四郎無言殺剣 百忍斬り
    4.0
    郡上の照月寺に匿われていた初美が出奔した。濤海と休雲が急ぎ後を追う。一方、奈良に向かう“黙兵衛”と伊之助は、伊賀国に入った。背後に得体の知れない気配を感じながら道中は続く。はたして二人は、幻術師・春庵を擁する伊賀者の本国を突破できるのか。「無言殺剣シリーズ第二部」第二弾。書き下ろし。
  • 郷四郎無言殺剣 柳生一刀石
    4.5
    奈良を探索する音無黙兵衛こと菅郷四郎と伊之助は、幕府の実力者である御側御用取次・水野忠秋が、二十年前の正倉院宝物流出の首謀者であるという決定的証拠を手に入れる。その直後、郷四郎のもとに一通の書状がもたらされる。そこには、「一刀石で待つ」と記されていた。無言殺剣シリーズ完結篇。
  • 郷四郎無言殺剣 妖かしの蜘蛛
    4.0
    美濃郡上で宿敵・横山佐十郎との決戦を制した音無黙兵衛こと菅郷四郎は、伊之助を伴い、東海道を西に向かった。目的地は、京か奈良か。その行く手を総がかりで阻もうとする伊賀者たち。さらに、謎の幻術師の魔手が忍び寄る。はたして危地は乗り越えられるのか。書き下ろしシリーズ、第二部開幕。
  • 剛心
    4.0
    日本近代建築の雄、妻木頼黄(よりなか)。幼時に幕臣の父を疫病で亡くし、維新後に天涯孤独となり、17歳で単身渡米。コーネル大学で学んだ異才は、帰国後にその力量を買われ、井上馨の「官庁集中計画」に参加。闇雲な欧化ではなく、西欧の技術を用いた江戸の再興を。そう心に誓う妻木は、大審院、日本勧業銀行、日本橋の装飾意匠他、数多くの国の礎となる建築に挑み、やがて、この国の未来を討議する場、国会議事堂の建設へと心血を注ぎこんでいくが……。彼と交わった人々の眼差しから多面的に描き出す、妻木頼黄という孤高の存在。その強く折れない矜持と信念が胸を熱くする渾身作!
  • 豪姫夢幻
    -
    信長の天下統一目前の頃、前田利家の四女・豪姫は秀吉の養女となり、やがて宇喜多秀家に嫁いだ。秀吉の養子にして中納言、備前・美作の太守となった秀家の愛情に恵まれ、豪姫は、戦陣の夫を気づかいながらも満ち足りた日々を送っていた。しかし、秀吉亡きあと、徳川家康に対する石田三成をはじめとする秀吉側近との対立は激化、ついに関ヶ原の戦いの幕が開く。そして、西軍が敗れた時、豪姫の運命は一転する――。戦国という荒波に翻弄された数奇な生涯を活写する歴史長編。
  • 江姫 -乱国の華- 上 浅井の幼姫
    5.0
    「―― 泣くものか。泣けば負けだ。負けはならぬ。決して、負けてはならぬ」信長の姪であり、お市の方の娘である浅井の三女・江。 生まれは北近江、育ちは伊勢、母とともに越前へおもむき、知多大野へ十二歳で嫁ぐ――幼い頃から転変の人生を歩み、二度の落城をくぐり抜け、三人の夫に嫁して、ついには徳川将軍の御台所に上りつめた、強く誇り高い娘。信長・秀吉・家康ら、乱国の世を駆け抜けた英雄と出会い、その生き様を見届けた江姫の、波乱と激動の生涯を描く物語。上・中・下の全三冊で堂々刊行!
  • 五右衛門処刑(電子復刻版)
    -
    三条河原の刑場で、油が煮えたつ大釜に投ぜられようとしているのは、大盗賊の石川五右衛門だった。高貴な女人との恋を得ようと内裏に忍び込み、彼女たちを辱めたもののうまくゆかず、失意にあった彼に、秀吉の暗殺とひきかえの任官話が持ちかけられた……。彼の胸中を知ってか知らずか、四人の男女が、いまそれぞれの思いを秘めて見つめていた。表題作他、己の価値観で生きる人々の時代短篇集。

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  • 五右衛門妖戦記
    -
    京は三条河原(さんじょうかわら)に広がる刑場(けいじょう)は、時ならぬ人混みでごった返していた。ご存じ、怪盗・石川五右衛門の処刑の日だ。大釜(おおがま)に煮えたぎる油の前に引き立てられ、絶体絶命と思われたその時――もう一人の五右衛門が現れた! 韓(から)の国からやってきた二代目・五右衛門が、初代直伝(じきでん)の妖術を駆使し、仇敵・秀吉の首を狙う。読み出したら止まらない、痛快ノンストップ活劇!(『妖術 太閤殺し』改題)
  • 護鬼の里
    -
    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 第30回手塚賞佳作受賞作家が書き下ろした、日本の伝承を下敷きにしたかつてない奇想天外な歴史ファンタジー。
  • 極悪 五右衛門伝
    -
    朝鮮出兵に叛旗を翻した罪で捕縛され、妻子領民を目前でなぶり殺しにされた五郎太。処刑されず追放され、絶望の彷徨が始まる。九州からマニラ、京へ、心に地獄を抱えた男に恩寵は訪れるのか。異端の神父との出会い、罪深き所業の数々、関白秀次との黙契。俗世の綺麗事を踏みにじり、善悪の彼岸に挑んだ魂の沸騰を描く歴史小説。
  • 獄医立花登手控え 全4冊合本版
    5.0
    藤沢周平の人気シリーズ「獄医立花登手控え」全4冊を、ひとつにまとめてお届けします。

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