満州事変を引き起こしたの張本人、石原莞爾の戦後を描いた本。戦犯と言えばかなりの戦犯候補だと思うが、何故か東京裁判では被告人とならず、参考人として尋問を受けたのみである。しかもわざわざ酒田に臨時法廷を設けての尋問だから重要視をされていたわけである。
確かに東京裁判で石原を被告人席に立たせたら面白いこと
...続きを読むになっていたと思うのである。何せ稀代の戦略家ではあるわけだから連合国の検事をやり込めた可能性はありそうである。
石原が戦争を指揮していたら日本はアメリカに勝てないにしてももう少し時間を稼げた可能性はあると思うが、なんといっても石原には日本の指導者になる力量、才覚は無かったのである。そこが政治屋東条との違いであるし、戦争になったら少々問題児でも戦争のうまいやつに任せるアメリカとの違いとも言えるだろう。
日本の敗因を問われ、日本が民主主義でなかったからと言う回答をする石原莞爾はやはり面白い人物ではある。
ほかに面白いと思ったのが、満州事変が誰の指示に基づくものであったかと言う事の尋問を受ける部分である。