歴史・時代小説 - 講談社作品一覧

  • 神子上典膳
    3.1
    下野国で、重臣による謀反の難から逃れた領主の娘・澪姫と小姓が追手に囲まれた時、黒い長羽織姿で長身痩躯の男が二人を助ける。男の名は神子上典膳、剣聖・伊藤一刀斎より印可を受けた一刀流の達人。逃避行を続ける典膳らに絶体絶命の危機が迫る! 剣戟あり、謎ありの娯楽時代小説。(『一刀流無想剣 斬』改題)
  • 実さえ花さえ
    4.0
    デビュー作にしてこのハイクオリティ! 今や歴史・時代小説の大家となった朝井まかての初めての小説は、著者がこよなく愛する「江戸の園芸」をモチーフに、今も変わらぬ「人の世の情」を鮮やかに描き出す。 第3回小説現代長編新人賞奨励賞受賞作。
  • 水戸黄門(一)葵獅子(上)
    5.0
    名君の誉れ高い水戸光圀の人間像を浮き彫りにし、その生涯を描く長篇。全8巻。水子にされる運命だった千代松が、気弱な兄にかわって御三家・水戸家の世嗣と決まったのは、寛永11年、7歳のとき――千代松は水戸から江戸に移り、将軍・家光に拝謁し、9歳のときに元服する。そして、徳川左衛門督光国と名乗る……。
  • 水戸黄門異聞
    3.0
    徳川光圀は、海水魚の鯛を真水で飼わせ、みずからラーメンをつくった。初恋と失恋、若き日の放埒な生活、寵臣を手討ち……。ある時は非常に、ある時は寛容に。多くの逸話の裏に、組織と人間のあり方を見事に活写した1冊。<『新・水戸黄門異聞』改題作品>
  • 遠花火 見届け人秋月伊織事件帖
    3.0
    「八歳の女子が赤子を生んだ」。「他人の墓石を勝手に磨いて回る何者かが出現」。江戸旅篭町の古本屋「だるま屋」には公儀の裏事情から町の噂まで、さまざまな風聞が集まる。噂の出所や行く末を追って秋月伊織が“見届ける”抜き差しならない男女の通い合い、心に響く親子の情愛。人情あふれる書下ろし時代小説新シリーズ。(講談社文庫)
  • 春疾風 見届け人秋月伊織事件帖
    4.3
    市井の噂話から千代田のお城の秘密まで。硬軟とりまぜた事件の顛末を情報として商っている「だるま屋」の秋月伊織は、関所を破って江戸に入った女のその後を調べるため、岡場所へ向かった。苦界に生きる女の矜恃と、思いもよらぬ大事とは? 心に迫る表題作他4編、人気沸騰の文庫書下ろしシリーズ第2弾。(講談社文庫)
  • 暖鳥 見届け人秋月伊織事件帖
    3.5
    見届け人・秋月伊織は、笛の音で女を誘い出そうとする男と、それを阻む老夫の修羅場を目撃した。例幣使(れいへいし)に関わるという笛の男を、父の敵として追っている足袋屋に会った伊織は、許されざる町人の敵討ちを見届けることになるのか? 凍えた心をやさしく溶かす人の情けの温もりに触れる、話題集中の文庫書下ろしシリーズ第3弾。(講談社文庫)
  • 霧の路 見届け人秋月伊織事件帖
    4.0
    元女郎おひろから、東北訛りの侍の用心棒を頼まれた見届け人・秋月伊織は、他国に逃げる資金をはたいておひろを身請けした侍の背景に、ただならぬ事情を察する。藩主襲撃事件をきっかけに対立する陸奥広岡藩と盛山藩の遺恨が、江戸に舞台を移して燻っているのか――。文庫書き下ろしシリーズ、待望の第4弾。(講談社文庫)
  • 鳴子守 見届け人秋月伊織事件帖
    3.5
    悲運の姉弟の絆を想い、哀しく田に響く鳴子守の音。南原(なんばら)家の埋蔵金騒動に絡んで、穴掘り人足が次々と殺される。真相の見届けにあたっている秋月伊織は、数日前に縄暖簾で「穀潰し」と罵られていた貧相な若い人足・仙吉の豹変ぶりを不審に思い、探索を開始した。苦界に身を沈めた姉と、貧しさに翻弄された弟の運命を描く、大人気文庫書下ろしシリーズ第5弾。(講談社文庫)
  • 夏ほたる 見届け人秋月伊織事件帖
    3.4
    「蛍の舞う頃にはまた戻る」と言い残して去った男を尋ねて上京した、箱根の宿の女主人おみねだが、運悪く持ち金を掏られてしまう。現場に居合わせた見届け人秋月伊織は、途方に暮れるおみねの探索を助け、紙問屋の倅と名乗った男の行方を追う。しかし語られた身の上は偽りであった。文庫書下ろし第六弾! (講談社文庫)
  • 笛吹川 見届け人秋月伊織事件帖
    3.5
    老母の暮らす郷里に帰った、出入り医師の下男・新次郎が、小仏峠で追い剥ぎに遭い、だるま屋に戻って来た。雪隠から忽然と消えた、料理屋の主の神隠し騒ぎを見届けている伊織は、出所不明の景徳鎮が、二つの事件を繋ぐ鍵だと察知する。氾濫した笛吹川に別たれた、不遇の兄弟。哀しき邂逅を描く文庫書下ろし第七弾。
  • 青嵐 見届け人秋月伊織事件帖
    3.7
    伊織、けじめの「見届け」を描く文庫書下ろし完結巻!「押し込みをやる悪い奴らの情報がある」見届け人志願でだるま屋を訪ねた男は、食い詰めた大店の息子・巳之助だった。生き別れの母との再会を願い、仕舞屋で下働きする巳之助は、伊織が探索する、世間を震撼させた悪党一味につながっていた。伊織、けじめの「見届け」と母子の悲縁を描く感涙のシリーズ完結巻。
  • 見届け人秋月伊織事件帖 全8冊合本版
    値引きあり
    4.5
    江戸・旅籠町の古本屋「だるま屋」に集まる、様々な風聞。噂の出所や行く末を追って、旗本の次男坊・秋月伊織が見届ける、涙を誘う人間模様。"書下ろし時代小説の女王"がおくる人情溢れる人気シリーズが、合本版で登場!
  • 水戸光圀
    -
    五代将軍綱吉の治世、将軍をとりまく柳沢吉保らにとって、西山荘に隠棲している光圀の存在は目の上のコブである。彼らは、水戸家の家老藤井絞太夫徳昭を味方につけ、城下に住む光圀の落胤千鶴を誘拐、これを人質に光圀排斥の陰謀を企てたが……。ご存知、助さん格さんをお供に連れての水戸黄門漫遊記。
  • 源義経(一)
    4.0
    平家全盛の承安3年秋、洛北鞍馬寺で文武の技を磨く、源義朝の子・遮那王は15歳になった。明けて4年の春、遮那王は京五条の橋の上で弁慶と出会い、主従を誓うが、この非凡な少年に平家の目が光る。危険をさけ、奥州平泉に藤原秀衡を訪ねていく途中、近江の国・鏡の宿で元服し、自ら九郎義経と名乗る……。悲劇の英雄・源義経の生涯を描く一代記(全5巻)。
  • 源 頼朝(上)
    4.0
    父・義朝の野望が破れて後に固める頼朝の志とは? 新興武士団の力を背景に、権力の座をめざした父の行く末を、よくよく観た頼朝は、「武力だけでは、天下は取れない!」と悟る。乱世を舞台に、権謀術数が渦巻く闘いに身を投じた、熾烈な人間像を描く。伊豆の地から天下を窺う、頼朝の胸中には何が去来したか?
  • 源頼朝(1) 平治の乱の巻
    4.0
    平氏一門の横暴に抗して立った源氏最後の反乱は失敗に終わる。この平治の乱に初陣した13歳の頼朝は、落ち武者となって吹雪の近江路をさまよう。父義朝は非業の死、兄の義平も捕らわれて斬られた。頼朝も捕まり京へ送られる。源氏一統の血を残らず絶やし、後顧の憂いを除かんとする平清盛の断は、むろん斬首……。
  • 源頼朝(一)
    3.0
    新聞連載「宮本武蔵」の圧倒的な好評を受けて、著者は次作の題材を吟味した。そして朝日新聞紙上を飾ったのが「源頼朝」である。これには“小説日本外史”の副題がついていた。歴史を闊歩した代表的日本人を次々に登場させる構想で、その第一に、源頼朝が選ばれた。まさに頼朝こそ、源平抗争の英雄であり、七百年の武家社会を築いた巨擘である。第1巻は、保元の乱に破れてから、挙兵の直前までを、義経の生い立ちとともに描く。
  • 宮本武蔵(1)
    4.1
    野に伏す獣の野性をもって孤剣をみがいた武蔵が、剣の精進、魂の求道を通して、鏡のように澄明な境地へ達する道程を描く、畢生の代表作。若い功名心に燃えて関ケ原の合戦にのぞんだ武蔵と又八は、敗軍の兵として落ちのびる途中、お甲・朱実母子の世話になる。それから一年、又八の母お杉と許婚のお通が、二人の安否を気づかっている作州宮本村へ、武蔵は一人で帰ってきた。
  • 宮本武蔵全八冊合本版
    値引きあり
    4.3
    野に伏す獣の野性をもって孤剣をみがいた武蔵が、剣の精進、魂の求道を通して、鏡のように澄明な境地へ達する道程を描く、畢生の代表作。若い功名心に燃えて関ケ原の合戦にのぞんだ武蔵(たけぞう)と又八は、敗軍の兵として落ちのびる途中、お甲・朱実母子の世話になる。それから一年、又八の母お杉と許嫁のお通が、二人の安否を気づかっている作州宮本村へ、武蔵は一人で帰ってきた。(吉川英治歴史時代文庫)。
  • 民岩太閤記 【小田実全集】
    -
    大航海時代の「東アジア大戦争」であった文禄・慶長の役(豊臣秀吉の朝鮮侵略)の全過程を日本の少年トン坊とその妹ミン坊の視線から描いた異色作。秀吉のもと、出世と富貴栄華のために出征する武士の群像、戦争を機にひと儲けを企む破廉恥な商人やバテレンたち、そして、強制的に全国から駆り集められた日本の百姓と朝鮮の義兵たちが七年間、いかに抗ったかを捉えた。この悲惨な総力戦は秀吉の死で幕を下ろす。主人公ミン坊が朝鮮の民と運命を共にする結末で終る「未来の歴史小説」。
  • 無間の鐘
    3.3
    修験者のなりをして国々を放浪する謎の「十三童子」。 役者と見まがうこの色男は、錫杖を鳴らし銀のキセルをふかしながら、欲にまみれた人間たちをこう誘う。 ーー来世で地獄に堕ちてもよいなら、ひとつだけ願ってこの鐘を撞け。 ただし、撞いた者は来世に底なしの無間地獄に堕ち、子も今生で地獄に堕ちる。 撞くか撞かぬは、本人次第。さあ、あなたならどうする? 人の欲をためす不思議の鐘、鳴らすか、やめるか? 今が人生の分かれ道。 ストーリーテリングの凄さ際立つ新星が放つ傑作時代小説! 心の奥底に響く物語。深い、深すぎる。ー細谷正充(文芸評論家) 読むと、心のひだをじゃらんと撫でる音が聞こえる。ー三宅あみ(ジャパネスク・ナビゲーター/江戸文化研究家)
  • 武蔵坊弁慶(一)玉虫の巻
    4.3
    源氏再興に義経と行動を共にし、衣川で果てたわれらが弁慶は、身の丈2メートル、130キロの巨躯にみなぎる怪力に似ず、美女・玉虫との恋に身を灼く純情な青年でもあった。正義感に燃えてふるった蛮勇のせいで比叡山を追われた弁慶を待つものは……。剛力無双のヒーロー・弁慶の波乱万丈の生涯を描く痛快巨編。男の強さ、優しさ、哀しさがみなぎる、NHK大型時代劇原作にもなった全10巻。
  • 武者とゆく(一)
    4.3
    剣術指南役を解かれ、手習い所を開いた桜井俊吾。大火で妻子を失い、今は拾った子犬とつましい暮らしを送っていた。だが男にさらわれる寸前、川に飛び込んだ女を助けたことで生活は一変。執拗な男は、周囲の人間の命を容赦なく奪いながら2人の身近に迫ってくる。時代小説に新しい風が吹く!
  • 武者とゆく 全8冊合本版
    値引きあり
    5.0
    二天一流の遣い手桜井俊吾は、肥後熊本藩の剣術指南役だったが、役を解かれ、市中に手習い所を開いた。大火で妻子を失い、拾った子犬を武者と名づけ、つましい暮らしをしている。だが男に攫われそうになり川に飛び込んだお鶴を助けたことから、俊吾の生活は一変する。男は執拗に周囲の人の命を容赦なく奪い、俊吾に迫ってくる。この事件で剣客として、町奉行所につながりのできた俊吾は、次々と厄介な事件に巻き込まれていく。
  • 胸に棲む鬼
    4.0
    志賀島の竜女に恋着された、凜々しい若者の悲劇、奴隷の牧畜を考える冷酷な美女の本性、防人の留守家族に起った戦慄の事件、女奴隷と恋に落ちた高僧の宿業、女の奸計に引っかかり、生霊をとりちがえてしまった傀儡師の嘆き等、奈良、平安朝の下層民の、命のしたたかな強さとあっけない死を語る、傑作短編集。
  • 紫匂う
    4.1
    心極流の達人ながら、凡庸な勤めに留まる蔵太。二人の子供とともに穏やかに暮らす、その妻・澪。すれちがいの暮らしを送る澪の前に、一度だけ契りをかわした男・笙平があらわれる。側用人にまで出世したかつての想い人との再会に、澪の心は揺れる。今、ここで、心のままに生きられたなら――。直木賞作家が描く、人妻の恋。日本人の心が紡ぐ、美しく、哀しき恋。全国17紙に掲載された大人気連載!
  • 村を助くは誰ぞ
    4.3
    尾張が美濃に攻め寄せるという。軍勢が村へ入れば村人たちには生き死にの大問題だ。オトナ衆の次郎衛門は戦火から村を守るため、織田勢から自軍の乱妨と略奪を禁止する命令書をとりつけようとするが……。戦乱の中で奔走する村人たちの、たくましさとせつなさを描いた表題作を始め、全6本の粒ぞろい歴史短編集。※本書は、2004年12月に新人物往来社より刊行されたものを文庫化にあたり加筆修正したものです。
  • 室町小説集
    -
    三種の神器の一つの“玉”を巡り、吉野川源流の山奥での武家、公家、入道、神官入り乱れての争奪の顛末。南北朝の対立が生んだ吉野・川上村の伝説が、博渉、強靱な思考の虚々実々の息吹で鮮烈に蘇る。転換期の奔流するエネルギーの“魔”を凝視しつづける常に尖鋭なアヴァンギャルド・花田清輝が、“日本のルネッサンス草創期”の“虚実”を「『吉野葛』注」「画人伝」「力婦伝」等の5篇で構築する連作小説。
  • 室町耽美抄 花鏡
    4.0
    庶民の「申楽」を、「能」という幽玄の域にまで高めた世阿弥。金春禅竹はその娘婿となり、指導を受けて深く結びついていった。そして義父の最期のとき、奥義が記された伝書が遺される。世阿弥が伝えようとした秘法とは……表題作のほかに、能楽を大成した世阿弥を描く『風花』/闇を背負って禅の修行に明け暮れた一休宗純を描く『闇鴉』/わび茶の祖・村田珠光を描いた『詫茶』。求道にかけた互いの宿命が交錯する連作歴史小説。
  • 治郎吉格子 名作短編集(一)
    -
    みごとな仕上がりで、思わず息をのませる短編の名品佳作。――江戸を荒しまわった揚句、上方に高飛びしてほとぼりの冷めるのを待っていた鼠小僧。ムズムズしてきた例の手くせと持ち前の義侠心が、女のことから暴発した表題作「治郎吉格子」。ほかに「増長天王」「醤油仏」「八寒道中」「野槌の百」「銀河まつり」「無宿人国記」「雲霧閻魔帳」の7編を精選して収録する短編名作集。
  • 明治一代男
    -
    これからは、力より金や! 金がもの云う世の中や。……幕末から明治、間引きされそこなった貧農の子・捨吉は、ふしぎな愛嬌と図太い度胸で、権威にこびず旧弊を捨てて、ひたすらに金と女に執着、ついに天下一百貨店を開業して……。自分の力で儲け掴みとる人生、底辺からのし上ってゆく男の、痛快サクセスストーリー。おのれの才覚と度胸でのしあがった男の痛快一代記!
  • 明治天皇(1)
    3.0
    幕末、日本近海には外国船が頻繁に出没し、徳川幕府の動揺をさそっていた。一方、貧窮のつづく禁裏では、ひとり今上の帝(孝明帝)が暗澹たる世情を憂いていられる。そうした折り、入内した中山慶子が懐妊、めでたく男子をあげた。この皇子こそ、幕末動乱のまっただ中に生を享けた明治天皇であった!
  • 明治天皇 全6巻合本版
    値引きあり
    -
    幕末、日本近海には外国船が頻繁に出没し、徳川幕府の動揺をさそっていた。一方、貧窮のつづく禁裏では、今上の帝(孝明帝)が暗澹たる世情を憂いておられる。そうした折り、生を享けたのが明治天皇であった。浦賀に現れた黒船は、徳川二百六十年の泰平の夢を破った。激しく開国を迫る列強に、佐幕開国か尊皇攘夷か、世論はまっぷたつに割れた。大老井伊直弼の果断にして仮借ない政策は、世にいう“安政の大獄”の嵐となって全国に吹きあれた。将軍継嗣問題も強引に紀州慶福と定め、水戸派勢力の一掃がなされた。その反動は大きく、京洛は天誅につぐ天誅の巷と化した。騒擾のなか、まだ自分の運命は知らぬまま、祐宮は、健やかに成長していた。桜田門外の変で井伊直弼が倒れると、幕府には和宮降嫁にすがる公武合体の融和策しか手段がなくなった。騒然たる世相のさなか、将軍家茂が倒れ、つづいて孝明帝も崩御。若き睦仁親王(明治天皇)の双肩に国家存亡の危機がのしかかる。
  • 女狐
    5.0
    お前、私と相対死しておくれでないか――女の一言が男を出口なしの恋の地獄へと落とした。大店の若内儀・お艶との心中の仕損じから落ちぶれた伝次の、無惨きわまる恋を描く表題作をはじめ、市井に咲いた毒の花・悪女を凄艶に描いて鮮やかな時代小説デビューをかざった傑作短篇集。
  • めぐり逢い 新島八重回想記
    4.0
    天保14年、新島襄は上州安中藩江戸屋敷詰の祐筆の家に生まれる。尊皇攘夷運動の中、キリスト教精神に触れてアメリカへの密航を決意する。他方、八重は会津藩の砲術指南役の家に生まれる。藩主・松平容保が京都守護職に任ぜられ、鳥羽・伏見の戦いが勃発する。──単身渡米して西洋の精神を学ぼうとする襄。会津城で最後まで戦った八重。後にキリスト教精神の「良心」に基づく大学創設に結実するそれぞれの人生の軌跡とは!
  • 目こぼし歌こぼし
    -
    下級武士の息子・足柄七十郎は、ふとしたことから、城下の居酒屋「とろろ」で起きた、不可解で恐ろしい殺人事件にまきこまれた。事件の渦中におかれ、謎の古地図をふところに、仇討ちに出た七十郎は、藩の非人間的な搾取のからくりを知る――人間が真に人間らしく生きる自由と平等の問題を追求した、意欲的な長編時代小説。
  • 飯盛り侍
    3.8
    佐嘉龍造寺家の足軽・弥八は、戦の後方支援を担う賄い方として、日々食糧調達に奔走していた。戦に傷ついた仲間にうどんを振る舞う弥八に目を留めた当主・隆信は、自らを満足させる飯を作らねば斬り捨てると言い渡す。傘代わりの鉄鍋を頭に、腰に包丁を差した"飯盛り侍"の一代記、開幕!<文庫書下ろし>
  • メリケンざむらい
    -
    米田桂次郎は、万延元年(1860年)に16歳で、日米修好通商条約批准交換のための幕府遣米使節団に、通訳見習いとして随行した。アメリカ人にトミーと呼ばれる人気者で、当時の通詞の中では抜群に英語がうまくなった。帰国後はハリスに仕え、戊辰戦争で敗走。激動の時代を大正初期まで生きぬいた、米田桂次郎の波瀾の生涯。
  • 蒙古襲来(上)
    -
    周辺国家を圧倒的な軍事力で蹂躙する元の襲来を予感した日蓮は、実情探索のため、宋の武芸と言葉に秀でた対馬幻次郎を、大陸に送り出す。しかし、嵐で難破した幻次郎は記憶を失ない、漂着した高麗で暮らし始める。同じころ、執権・北条時頼も、配下の密偵・相良通永と忍びの十六郎を、蒙古に向かわせていた! 幻次郎らの大陸探査は成功するのか? <上下巻>
  • 蒙古襲来 海から見た歴史
    -
    13世紀の日本に迫る世界帝国の嵐――元の大軍勢はなぜ敗れ去ったのか?  海洋歴史小説の第一人者にして、戦いの舞台・福岡在住の著者が、クビライの海洋帝国構想、玄界灘の北西季節風の影響、軍船の構造と建造日程など、海からの視点と大胆な推論で、「蒙古襲来」の真相を解明する。13世紀の「日本」と「世界」の激突を、臨場感豊かに描く、歴史読物。
  • 孟徳と本初 三國志官渡決戦録
    4.0
    「友よ、お前は強い。だが、俺はどうしても勝たねばならぬ」帝を擁する奸雄・曹操孟徳と名門袁家の王者・袁紹本初。中原の覇者となり天下を望むには、かつての友が最大の障壁となった。劉備、関羽、筍イク、筍攸、許緒、田豊、郭図、文醜、顔良、英雄たちが、荒ぶり謀る三國志前半の大決戦「官渡の戦い」を描いた長編歴史小説。
  • 毛利元就(1)
    3.8
    応仁の乱から30年。世はまさに乱世。中国地方もまた、山口に大内義興が前将軍足利義尹を擁して上洛をねらい、出雲には老虎尼子経久が牙を光らせていた。その二大勢力の間に揺れる小国安芸の毛利家に生まれた元就。かりそめの平和は父弘元の死で終止符を打たれた。10歳のみなし児城主の運命は……。
  • 萌がさね 藤原道長室明子相聞
    4.0
    「己が時を汚すことなく生きていきたい」……左大臣家に生まれながら、心ならずも政敵・藤原道長へ嫁いだ、美貌の女・明子(めいし)。優しく儚(はかな)げながら、凛乎(りんこ)たる心を持つ彼女こそ、権勢を恣(ほしいまま)にした道長が、愛を得ることに苦悩した唯一の女だった。正妻・倫子(りんし)とともに「二人妻」として記憶される、明子の生涯を綴る、絢爛たる歴史絵巻。道長を懊悩(おうのう)させた美貌の女!
  • 土龍
    3.0
    口入れ屋の紹介で御台場普請に雇われた国太郎と百蔵。2人がそこで見たものは、死人続出の怪しい穴掘り作業だった。一体、誰が何の目的で穴を掘らせるのか? 不審な男たちが跋扈(ばっこ)する中、真相をつきとめようとする国太郎たちの身に数々の危機が。黒船と地震に江戸の町が揺れるとき、城内までも揺れだした! (講談社文庫)
  • 蛻

    3.5
    尾張藩の江戸下屋敷内に実在した、「御町屋(おまちや)」と呼ばれる宿場町。この町では、赤の他人が見せかけの夫婦(めおと)として割り振られた家に住まわされ、仮の商いを営み、藩主が遊覧する時だけ立ち退かねばならなかった。ところが、御町屋で連続殺人が発生し、偽の住人たちは疑心暗鬼に陥る。人心の謎と闇を射貫く、時代小説の決定版。江戸に実在した「偽の宿場町(テーマパーク)」で連続殺人発生。すべてが偽で、すべてが嘘? 気鋭の作家が虚実を重ねて仕掛けた渾身の時代小説!
  • 主水血笑録
    -
    処女の白い脛を見た。その刹那、主水の心身は一変した。ダラリと萎えた右腕は、意志に反し、獣性を帯び、阿修羅のごとくに、無敵な神技をみせた――。田沼意次の治世、麗しい旗本小普請・鈴木主水の右腕にかけられた先祖の怨讐、この「宿命」に果して克つことができるか。エロティシズム横溢する伝奇時代ロマン。
  • 柳生石舟斎
    3.6
    剣の道はかほどに奥深く、玄妙なものであったのか――柳生の里をおとずれた神陰流の流祖上泉伊勢守秀綱と立ち合ったとき、柳生宗厳は己れを愧じた。慢心、うぬぼれ、未熟さ……目からうろこが落ちる思いでそれに気づいた宗厳は即刻秀綱に入門、切磋琢磨を誓う。無刀取り柳生新陰流の開祖石舟斎の半生。
  • 柳生大作戦(上)
    4.0
    石田三成の正体は、朝鮮の古代国家・百済(ペクチェ)の流れを汲む、近江百済党の首領であった。百済再興を謀(はか)り、魔人と化した三成。これを阻まんと、剣客・柳生石舟斎ら大和柳生一族が立ち上がる。唐王朝、古代朝鮮、大和朝廷の動乱から関ヶ原の戦いまで、千年の死闘を大胆な歴史解釈と奇抜な着想で描いた伝奇大作! (講談社文庫)
  • 柳生大戦争
    3.5
    高麗の高僧・晦然(かいねん)が得意の絶頂にあったその日、彼を待ち受けていたのは2度の元寇(げんこう)で散った高麗の兵士たちの霊であった。供養のため倭国に渡った晦然は「一然書翰(いちねんしょかん)」を書き記す。この奇書が、345年の時を経て、徳川幕府と李朝を揺るがし、柳生一族をも混乱に陥れたのだった。衝撃の時代小説、文庫化。(講談社文庫)
  • 柳生宗矩(1) 鷹と蛙の巻
    4.0
    世をすねる。そんな思いが確かにあった。だが巨星徳川家康のひたむきな姿に接したとき、宗矩の眼は豁然と開けた。この日、迷いは木端微塵に砕け散った。文禄3年(1594)5月3日、家康が父石舟斎に入門した日が、又右衛門宗矩の新たな求道への旅立ちの日でもあった。剣禅一如をなし遂げた男の生涯――。
  • 柳生宗矩 全4巻合本版
    値引きあり
    -
    巨星徳川家康のひたむきな姿に接したとき、宗矩の眼は豁然と開けた。文禄三年(一五九四)五月三日、家康が父石舟斎に入門した日が、又右衛門宗矩の新たな求道への旅立ちの日でもあった。東西が激突した関ヶ原、大坂城の攻防を経て、家康の「道義立国」は実現に向かう。生まれながらの将軍家光の時代になると、宗矩は若き貴公子をいかに名将軍に育てるか、多難な仕事が彼の双肩にのしかかる。家康、秀忠、家光三代の師範として剣禅一如をなし遂げた男の生涯。
  • 弥次喜多化かし道中
    3.0
    武蔵国、多摩に住む弥次郎兵衛は容姿に優れた美ぎつね。喜多八はぼっこりお腹のたぬき。人間に献上する供物にはなりたくない、本物の人間にしてくれと願をかけるため、きつねとたぬきのお伊勢参りのはじまり。人間の姿に化け東海道を行く二人。きつねとたぬきの弥次喜多コンビで東海道を行く「化かし道中」スタート!
  • 藪医 ふらここ堂
    3.8
    江戸は神田三河町の小児医・天野三哲は、「面倒臭ぇ」が口癖。朝寝坊はする、患者は待たせる、面倒になると逃げ出す、ついたあだ名が「藪のふらここ堂」だ。ところがこの先生、見えないところで凄腕を発揮するらしい。三哲に振り回されながらも診療を手伝う娘のおゆん、弟子たち、ふらここ堂の面々の日常と騒動を描く!
  • 藪の奥―眠る義経秘宝
    3.0
    後にトロイア発掘によって世界的な名声を得ることになるシュリーマンは、「黄金郷ヒライズミ」の地図を預かる。一攫千金と名声獲得の野望を胸に、シュリーマンは奥州藤原氏の財宝探しに幕末の日本に渡る。稀少な手がかりを元に財宝の在処を平泉北西の北上山地と割り出し、山道険しい藪の奥を分け進む。財宝目当ての争いに、シュリーマンも短銃を手に持ち構える。はたして財宝は見つかるのか、そして義経北行伝説の真相とは?(講談社文庫)
  • 山田長政他
    -
    日本は狭すぎる。理不尽なことが多すぎる。主家が幕府の陰湿な謀略で改易となるにおよんで、山田長政は決意した。そうだ、おれは世界にはばたこうと。真の男の生き方を求めて、波涛さかまく大海原に乗り出した果敢なる日本男児の生涯――。他に「頼朝勘定」「親鸞の末裔たち」「黒船懐胎」を併録。
  • 甲賀忍法帖 山田風太郎忍法帖(1)
    4.4
    家康の秘命をうけ、徳川三代将軍の座をかけて争う、甲賀・伊賀の精鋭忍者各十名。官能の極致で男を殺す忍者あり、美肉で男をからめとる吸血くの一あり。四百年の禁制を解き放たれた甲賀・伊賀の忍者が死を賭し、秘術の限りを尽くし、戦慄の死闘をくり展げる艶なる地獄相。恐るべし風太郎忍法、空前絶後の面白さ!
  • 闇試し 古道具屋 皆塵堂
    3.3
    古道具屋銀杏屋の若旦那太一郎は、幽霊が見える。修業先だった曰く物ばかり集める皆塵堂に降りかかる幽霊騒ぎの数々にかかわってきた。 銀杏屋に浅草森田町の札差大和屋の養女お縫がやって来た。まだ十歳くらいに見えるが、年は十三歳。綺麗な女中と下男を連れ、ふるまいは堂に入っていて、売りたい壺があるという。太一郎は壺に執着する幽霊に気づき、札差を贔屓にしたい番頭の勧めで壺を買おうとする。お縫は太一郎を一軒の袋物屋に連れて行く、その家で太一郎は壺に執着するおかみさんの幽霊を見るが、それに気づいたお縫は、皆の目の前で壺を叩き割ってしまう。壺に執着していた幽霊は消え去ってしまった。 お縫は、太一郎が幽霊が見えるのを知っていて、自分にも見えないものか試したくて、幽霊の出そうなあちこちに太一郎を引きずりまわしたいらしい。 だが太一郎は、お縫の人懐っこい笑顔に悪い予感を抱いていた……。 太一郎のように幽霊を見たいお嬢様に皆塵堂の面々が翻弄される。はたしてその正体は? 「皆塵堂」シリーズに新キャラクター登場!
  • 闇の葬列 広沢参議暗殺犯人捜査始末
    -
    元神奈川奉行所の同心・朝倉新次郎は、維新政府を震撼させた広沢真臣参議暗殺事件の密偵を命じられ、犯人を追って久留米に乗り込んだが、あと一歩で取り逃してしまう。新次郎は、その後6年間犯人を追い続け、西南戦争中に真犯人を捕縛するが、その背後に強大な力の存在を知る。歴史の闇に隠された、明治維新混乱期の実相を抉り出す。
  • 闇の歯車
    3.4
    川端にひっそりとある赤提灯で、互いに話すこともなく黙々と盃を重ねる4人の常連。30過ぎの浪人と危険なにおいの遊び人。白髪の隠居と商家の若旦那。ここに4人を〈押し込み強盗〉に誘う謎の男があらわれた。そして、それぞれに関わる女達。誰が操るのか、皮肉なさだめに人を引き込む、闇の歯車が回る。
  • やん八弁天
    -
    老中・水野の悪事を暴くため、南町奉行の内命を受け、金座役の手代にもぐりこんだ代二郎は、鳥居耀三の配下の者に付け狙われてしまった。なんとか1軒の小料理屋を見つけ、そこに上がり込むと、そこの女将は……。時代小説の名手の十八番とも言える反鳥居ものの傑作ほか、時には脆い青年剣士、男勝りの町娘など、市井に生きる様々な人々の生き方を多彩に描いた、傑作ばかりの15短編。
  • 由井正雪 柴錬痛快文庫
    3.0
    天下をとるぞ――。野望を胸に30年、天才軍師・由井正雪は、巧みな弁舌で、槍の名人・丸橋忠弥と語らい、紀州公を抱き込み、5千余の同志を集めた。慶安4年、家光薨去(こうきょ)を好機に、世に溢れた浪人救済を名目に、幕府転覆を謀る……。だが、決行前夜、計画は漏れた。徳川300年で一番の大陰謀、遅れてきた風雲児を描く、柴錬痛快文庫第1弾! 徳川三代を揺るがす大陰謀の首謀者、倒幕の野心に散った反逆児を描く。
  • 夕立太平記
    4.0
    行け! 勘五郎、父の敵討ちに。無住心剣流の達人・大河原源三郎を追い、ついに劇的な対決を迎える! 面白さ抜群の会心作ーー甲斐の山奥に住み、父の手で鍛えられた若き勘五郎。ある日、父が惨殺された。なぜ? 下手人は? ……左手首はないが魔剣をふるう大河原源三郎と見定め、敵討ちに江戸へ旅立つ。途中で、松江藩の駻馬(かんば)・夕立を鎮め、「夕立勘五郎」の勇名をはせる。そして、藩主の厚情を得て、剣鬼を追い、松江へ……。胸のすく爽快な活劇を描く時代小説。
  • 勇のこと 坂本龍馬、西郷隆盛が示した変革期の生き方
    -
    改革も闘争の創造も、最後は勇気があるかないか、この1点が勝負を決める。幕末の混乱期に、類(たぐい)まれなる勇気を持って時代を切りひらいた、坂本龍馬と西郷隆盛。この2人の勇気の源とは? 歴史小説家・津本陽が資料を駆使し分析。どん底の日本を変えるために何が必要か。龍馬や西郷の生きかたに答えがある!
  • 雪に舞う剣
    3.5
    激しく揺れた幕末・日本。明治という夜明けに向かって、若者たちは命をかけて立ち上がる。高杉晋作ら歴史に名を残す人物から、討ち死にし忘れ去られた数多くの武士、愛する人と刃を交えなければならなかった娘まで……。維新期の日本を生きた人々を、その心の葛藤までも見事に描いた、感動の歴史小説集。幕末を生きた武士たちの、真の姿が明らかに!
  • 雪之丞変化(上)
    -
    あで姿で大江戸の人気をさらう上方芝居の若手女形・雪之丞の胸には、重大な決意が秘められていた。豪商だった父と母を奸計で破滅させ、無残な死へ追い込んだ長崎奉行と輩下の商人たちが、いま江戸で権勢を振るっている。親の仇、恥知らずの悪人どもを許すことはできない! 免許皆伝の腕を美貌に隠し、雪之丞は侠賊・闇太郎とともに復讐の時を窺う。絢爛たる設定、手に汗握る展開、これぞ大衆小説の粋!
  • 行きゆきて峠あり(上)
    5.0
    江戸昌平黌の卒業試験に落ちた榎本釜次郎は、彼を見込む箱館奉公・堀織部正に随って北海道を知り、また長崎で海軍の技術を習得する。オランダ留学も果たし海軍副総裁となった榎本だったが、倒幕の流れは洋々たる前途を一気に押し流す。「男」を描いて定評ある著者が辿る幕末の異才・榎本武揚の運命。
  • 雪渡の黒つぐみ
    3.0
    【第18回小説現代長編新人賞受賞作】 「一読して、抜きんでている印象を受けました」(中島京子) 「エンターテインメントのツボをきちんとおさえた力作」(薬丸岳) 「物語が進むにつれて状況が二転三転し、先が気になって仕方がない」(塩田武士) ――選考委員、大絶賛! 日本文学史上、最も「優しくて強い」武器を持つ忍びがおくる、驚愕必至の時代・エンターテインメント! 「この忍者、手裏剣も吹き矢も使わない!?」 伴天連教迫害が進む1625年。 東北では過激な新興宗教・大眼宗の台頭に、隣国との領地争いと、いくつもの火種が燻っていた。 南部藩の若き忍者・景信は、この世でただ一人の“声色使い”。 どんな声も完璧に真似できる唯一無二の喉を使えば、 無数の敵も指一本触れず制圧することができる。 隣国・伊達藩の動向を探る命を受け、諜報活動に挑む景信が目にしたのは 信仰にすがる声なき人々と、闇に身を潜める邪教の黒い陰謀。 背負わされた十字架、お上の掌返し、見ぬふりをされる人々の思い。 いま、この時代にこそ突き刺さる、驚愕の時代エンターテインメント!
  • 弓削道鏡
    -
    河内国弓削ノ邑に住む貧しい鷹の羽取りの青年・道鏡は、馬の化身かと疑われるほどの肉体のために、村の娘にも相手にされなかった。弟の浄人が恋人を抱くのを垣間見るにつけ、道鏡は懊悩した。そして憤りは野心に変った。彼は家を出奔した。都大路で若く美しい皇女のお姿を拝した。思えば、後に女帝の御寵愛を一身に集め、空前絶後の権勢をふるった怪僧・道鏡の第一歩はここにあった。
  • 湯船の姉弟 湯船屋船頭辰之助
    4.0
    めっぽう前向き、女は苦手、腕は自慢の喧嘩流。湯船の船頭・辰之助が、華のお江戸をかき回す! ――隅田川でもひときわ目を引く屋形船の船頭・辰之助は、喧嘩流の腕も名高い大男。元義理の姉・志乃を湯女とし、移動式銭湯「湯船」を商う。志乃には、実は不思議な能力があり、背中に血のような赤い染みを見た者が、必ず数日中に死んでしまうという。江戸の町狭しと辰之助が暴れる時代小説新シリーズ!〈文庫書下ろし〉
  • 夢介千両みやげ 完全版 上下合本版
    値引きあり
    -
    痛快娯楽時代劇として宝塚歌劇団雪組により舞台化された古典名作! 大枚千両を使い江戸で道楽修業してこい。小田原の豪農である父親から途方もない宿題を与えられ、若き夢介は旅立った。力は強いが底抜けのお人好し。懐中を狙った名うての美女道中師・お銀も、そのとぼけた温かさに、いつしかベタぼれに。よき女房になろうと、ともに江戸に入ったまではよかったが……。 おおらかなヒーロー夢介に女スリお銀がほれ込んだ。戦後日本の心を潤した山手樹一郎の代表作! 上下巻合本版
  • 夢介千両みやげ 完全版(上)
    3.0
    宝塚歌劇 雪組公演 原作! 宝塚大劇場 2022年3月19日(土)~4月18日(月) 東京宝塚劇場 2022年5月7日(土)~6月12日(日) 主演:彩風咲奈、朝月希和 痛快娯楽時代劇として宝塚歌劇で舞台化! 大枚千両を使い江戸で道楽してこい。小田原の豪農である父親から途方もない宿題を与えられ、若き夢介は旅立った。図体は大きいが底抜けのお人好し。懐中を狙った名うての美女道中師・お銀も、そのとぼけた温かさに、いつしかベタ惚れに。前非を悔い、よき女房になろうと、ともに江戸に入ったのはよかったが……。明朗木訥なヒーローの善意あふれる言動を描き、戦後日本の心を潤した大衆小説の代表的傑作!
  • 夢の痕 古道具屋 皆塵堂
    3.5
    古道具屋皆塵堂は、小僧の峰吉で回っている。自在な客あしらい、目利きの確かさ、道具の修繕は職人並みの腕前、と釣り好きで店になかなかいない店主の伊平次に代わって、皆塵堂を切り回している。曰くつきの古道具を手に入れても、峰吉は幽霊を見ないから平気だ。向かいの油屋の小僧参太は、峰吉と違い、幽霊が見える。よその店の古道具の憑きものを見ては、いつも震えさせられている。 それが悔しくてたまらない参太は、一度くらい峰吉に幽霊を見せて、震え上がる姿を見てみたいと思う。幽霊話を仕入れては、峰吉に幽霊を見せようとするが、実際に見て怖い思いをするのはいつも参太ばかり。 そんな参太をご隠居の清左衛門たちも応援にまわる。大人の巳之助、茂蔵、円九郎がとっておきの幽霊話を引っさげ、峰吉に怖い思いをさせる刺客としてやってくるのだが……。 参太のまわりに集まってくるのは、夢がらみの幽霊譚。 夢はお告げか、誰かが救いを求める声か? 職人のじいさんが隠した櫛が気になって成仏できないばあさん。隠し先を峰吉は見破ろうとするが? 二階からあるいは草むらから自分の姿も見える夢を見る菊次郎、誰が夢を見せようとしているのか?  幸ちゃんとしか覚えていない幼なじみの夢を見る円九郎。やっと町名を思いだした円九郎は、峰吉と向かうが、蕎麦打ちに行き詰まり、首を吊ろうとしていた男と出くわした。 ……などなど。他人の夢の話はつまらない、とうそぶきながらも、峰吉は、夢の謎を解く鍵を見つけていく。 皆が期待する峰吉が震え上がる日は来るのか?
  • 夢の燈影 新選組無名録
    3.7
    新選組――その人斬りに、志はあったのか。男たちに残された最後の夢は、この女性作家に描かれるのを待っていたのかもしれない。日本の夜明け前――幕末維新を駆け抜け、散っていった「新選組」。幹部の華々しい活躍の陰で、語られることのなかった、無名隊士の人生もまた、あった。夢、希望、そして家族と生活。縄田一男氏に「『新選組血風録』以来の収穫」と言わしめた、歴史小説界の新星の文庫化。
  • 笑う花魁 結わえ師・紋重郎始末記
    4.0
    菊花結び、鶴結び、宝珠結びに五行結び――。あらゆる“結び”から超人的捕縛術までを操る、漢部紋重郎(あやべもんじゅうろう)は、江戸の花街・吉原で仕事をする結師(ゆわえし)である。ある日、金持の座興で花魁を縛るという依頼を受けた紋重郎は、特注の組紐を手に場に臨む。意外な事の成りゆきと、あらゆるものを結び、解く、神業が連続する痛快書下ろし長編時代小説!   (講談社文庫)
  • 夜明け前の女たち
    -
    坂本龍馬を愛し、支えた寺田屋お登勢、お龍(りょう)。桂小五郎と恋した勤皇芸者の幾松。富岡鉄斎の師であり多くの若者に敬愛された大田垣蓮月……。幕末・維新期は、志士だけでなく、女性の活躍が目覚しい時代でもあった。動乱の世をたくましく果敢に凛々(りり)しく生き、近代日本の礎を男とともに築き上げた、女の群像を描く。幕末をひたむきに生きた女たちの愛と志を活写!
  • ヨイ豊
    4.0
    元治2年(1865)、清太郎の師匠・三代豊国の法要が営まれる。広重、国芳と並んで「歌川の三羽烏」と呼ばれた花形絵師だった。歌川の大看板・豊国が亡くなったいま、誰が歌川を率いるのか。弔問客たちの関心はそのことに集中した。清太郎には八十八という弟弟子がいる。粗野で童のような男だが、才能にあふれている。己が三代に褒められたのは、生真面目さしか覚えがないのに。──時代のうねりに、絵師たちはどう抗ったのか!
  • 妖鬼の剣
    -
    大鷲の嘴(くちばし)が襲ったかのごとき傷痕を残す、斬殺事件が発生した。下手人は夜盗団「鷹の爪」か? 情け無用の魔手は、さらに美少女剣士・琴江に伸びる! 頻発する凶行に怯える江戸の町。ついに若き剣士・毬谷直二郎(まりたに・なおじろう)が立ち上がる。秘技「千手剣(せんじゅけん)」を武器に、悪を討つ直二郎の活躍を痛快に描く時代長編。
  • 横濱 唐人お吉異聞
    3.8
    あの女が戻ってきた途端…謎の女お吉の正体は? 明治初年の横浜を鮮烈に描いた意欲作。御薬師様の日に瑠璃の前に現れた伝説の女・お吉は、横浜と瑠璃の周囲に黒い噂を振りまいて、ある日、忽然と消えた。お吉が本当の母なのか? 母・紀代とお吉には、どんな関係があるのか? 瑠璃の心は騒ぐ。
  • 吉岡清三郎貸腕帳
    3.7
    依頼人からの無理難題を解決するのは、おのれの腕1本のみ。京流の剣の達人にして、まだ見ぬ伝説の強敵と対峙することを夢想し、胸を踊らせる。だが普段は、ひたすらに不機嫌。「2」という数字とお人好しは、大嫌い。雇われるのはもちろん、我慢ならない。豪快すぎる男の生き方を描いた、7話を収録。期待の新鋭が放つ、痛快時代小説。剣の達人にして、ひたすら不機嫌な男が己の力で無理難題を解決する!
  • 桜下の決闘 吉岡清三郎貸腕帳
    4.0
    宮本武蔵をこの上なく憎み、「二」の字が大嫌い。吉岡一門の流れを汲む剣豪・清三郎は、その腕を貸して利息を活計(たつき)にしてきた。顔は美しいが陰気な下女・おさえに見送られ、今日も自慢の腕を揮(ふる)う。そして巡り合わせた、200年の時を超えた復讐劇。二刀流よ、覚悟! 破天荒な剣士の生き様を描く、痛快時代小説シリーズ第2弾!
  • 決戦の島 吉岡清三郎貸腕帳
    3.5
    剣豪・宮本武蔵と決闘をして有名な吉岡一門。その流れを汲む吉岡清三郎は、自分の腕を貸して活計にしている。こんどの客は、大垣藩江戸留守居役。四藩による対抗戦で、各藩が代表を一人ずつ出して戦うことになったのだ。仕合の場所は浦賀近くに浮かぶ小島。さて当日、待たされたあげくに、やっと現れたのは鎖鎌の男。伊賀流らしい。あとの二人の流派はまだわからない。そしていよいよ、巌流島ならぬ「四流島の決闘」がはじまった!
  • 吉田松陰(1)
    4.4
    長州藩きっての俊才として吉田大治郎(松陰)の前途は明るい。だが時代の嵐を察知する彼の目は外へ外へと向けられた。九州遊学中に出会った山鹿万介、宮部鼎蔵らの烈々たる尊皇攘夷の弁、平戸で見た数多くの黒船や異人の姿、大治郎は外圧の高まりを身に刻んで知った。彼は叫ぶ、神州の民よ、めざめよ、と。
  • 義経いづこにありや
    3.5
    義経をもって天下を制す――。「物の怪」と蔑まれ、野心と利害にまみれた男が求めたのは、「源氏の血」を掲げての天下取りであった。武蔵坊弁慶の名を得た男は、義経を御旗とし、一気に世に躍り出る。だが、それは偽りの旗であった……。敵は平家、そして頼朝。虐げられし者どもが乾坤一擲の大博打! 『戯史三國志 我が槍は覇道の翼』で2012年度吉川英治文学新人賞候補。最注目の新鋭による痛快時代長編!
  • 義仲これにあり
    4.5
    平家を討ち破りし先兵となるも、京洛を追われた悪逆の徒、木曾冠者・源義仲――。勝者の歴史に刻まれた彼の姿は、はたして正しいものなのか? 父を身内に殺され、孤独の身で木曾に追いやられた不肖の“源氏の子”。己の血に抗い、立ち向かい、新しい国のありようを求めて戦い抜く男は、やがて天下に手をかける。人の幸せとは何か? 義仲が胸に抱きつづけたテーマを軸に、誰もみたことのない「源平合戦」の幕が上がる!
  • 吉原首代 左助始末帳
    -
    分別盛りの真面目な男衆が四十両もの大金を持ち逃げした。病持ちの女房のためか、積もり積もった借金のためか。始末を命じられた左助は地道な聞き込みで男衆を見つけるが、狡猾な同輩に先を越されてしまう。首代が守るべくは正義よりも廓の利。左助は情と掟の狭間で葛藤する。文庫書下ろし新シリーズ!
  • 四つ目屋繁盛記 美人と張形
    -
    鼈甲の張形や秘薬などを扱って江戸で知らぬ者なしの四つ目屋は、奥の向きからも御用を給わる老舗。信用を大事に、誇りを持って商いに精を出す店は客を気遣って昼でも暗く、さまざまな思いを抱えた男女が暖簾をくぐる――。『女薫の旅』の著者が新たに放つ、人情味あふれる艶やか時代小説。〈文庫オリジナル〉
  • 夜露姫
    4.0
    時は平安。父親が濡れ衣を着せられ急死し、一人残されてしまった中納言の姫君は、謎の盗賊にさらわれて……。姫は、姿を男子に替え、夜露と名を改め、夜盗として活躍し始める。美しく鮮やかな京の町を、姿を霧のように消すことができる狭霧丸と夜露が跋扈する。姫と盗賊が繰り広げる、爽快活劇。凛としながら、平安絵巻のような華やかさもある、22歳大型新人デビュー作!
  • 淀君
    -
    父母の仇、豊臣秀吉の側室となったお茶々。高貴の出である彼女には、その立場が我慢できない。子供が欲しい、男の子を生みさえすれば聚楽第の女主人になれると、神にすがるお茶々は、むかし自分を犯した下郎に思うままにされ、男子を身ごもる。淀君と呼ばれ栄華を欲しいままにするお茶々だが……。子を成すことこそ、女の戦さ! 父母の仇・秀吉に抱かれた日から、男よりも権力を愛した女の数奇な運命。傑作歴史ロマン。
  • 淀どの哀楽(上)
    5.0
    江北に名高い豪勇の将・浅井長政と、たぐい稀な美しい妻・お市との長女・茶々は、恐れを知らぬかわいい姫君であった。幼いときに伯父・織田信長によって浅井が滅ぼされ、母の再嫁先・越前北ノ庄もまた、豊臣秀吉の手によって落城した時、何事にも敏い茶々は、託された妹たちをかばって、戦国の女の宿命に従い、敵将・秀吉の側室となった。信長、秀吉の影に生きた淀君の生涯を描いた傑作時代長篇。<全二冊>
  • 世直し小町りんりん
    3.9
    長唄の師匠である、お蝶は三味線の腕前と美声で気性も粋な弁天との評判。お蝶の兄嫁の沙十は、たおやかな色白美人で観音のたたずまい。人呼んで〈弁天観音〉美人姉妹は、頼まれ事を抜群の機知で解決していく。かしましい日々の裏で、お蝶を狙う影が大きく動き始める。吉川英治文学新人賞受賞作家・西條奈加が本領発揮した、時代小説の真骨頂。
  • 夜の明けるまで 深川澪通り木戸番小屋
    3.8
    江戸の片すみ・澪通りの木戸番小屋に住む笑兵衛(しょうべえ)とお捨(すて)。心やさしい夫婦のもとを、痛みをかかえた人たちが次々と訪れる。借金のかたに嫁いだ女、命を救ってくれた若者を死なせてしまった老婆、捨てた娘を取り戻そうとする男……。彼らの心に温かいものが戻ってくる8つの物語。
  • 夜翔ぶ女
    -
    聖なるもの美しいものへの憧憬を胸に秘め、彼岸と此岸の架橋たらんと志す著者が、20世紀末の哀しみを残酷華麗に奏でるレクイエム。
  • 余烈
    4.3
    土方歳三、中村半次郎、小栗忠順、武市半平太……。博物館学芸員資格を持つ歴史好きタレントとして活動中しているほか、歴史番組・イベント・講演会等で講演やMCとして多数出演している著者が、愛してやまない幕末の侍たちを、実際にその地を巡り、見て聞いて感じたことなどをもとに渾身の力で描いた連作短編集。
  • 四千万歩の男 全5冊合本版
    値引きあり
    -
    忠敬は下総佐原村の婿養子先、伊能家の財をふやし50歳で隠居。念願の天文学を学び、1800年56歳から16年、糞もよけない"二歩で一間"の歩みで日本を歩き尽し、実測の日本地図を完成させた。この間の歩数、4千万歩……。定年後なお充実した人生を生きた忠敬の愚直な一歩一歩を描く歴史大作。全5巻が合本にて登場!
  • 四千万歩の男 忠敬の生き方
    3.2
    素晴らしきかな、忠敬的セカンドライフ。50歳で隠居するまでの忠敬は下総の名家の旦那。隠居と同時に本格的に星学暦学の勉強をはじめ、56歳から72歳までの17年間で35000キロ、約4000万歩を歩き尽くして、日本地図を完成させた。愚直にも思えるその精神が支えた、第2の人生を全うする平凡な覚悟は我々の生き方に大きな示唆を与える。(講談社文庫)
  • 読んで旅する鎌倉時代
    3.9
    蛭が島:若き源頼朝が流された伊豆の地。当時の支配者は北条氏。 真珠院:頼朝との悲恋の末に八重が命を落とした地。 伊豆山神社:頼朝と北条政子が結ばれた地。 石橋山:頼朝が源氏復興ののろしを上げるも、大庭景親、伊東祐親らの平家軍に大敗した地。 黄瀬川:奥州から駆けつけた義経が頼朝と再会した地。 願成就院:北条時政が頼朝の奥州平泉討伐戦勝祈願のため建立した。 銭洗弁財天:頼朝への宇賀福神の夢のお告げを元に、宇賀福神を祀り神仏の供養を行なったのが創建の由来。 三島大社:頼朝が源氏復興を祈願して旗揚げをした神社。 梶原山公園:頼朝の信任厚かったが、その死後に滅ぼされた梶原景時終焉の地。 鶴岡八幡宮:鎌倉幕府とともにあった彼の地のランドマーク。 伊豆修善寺:頼朝の嫡男・頼家が暗殺された地。 など、鎌倉殿(鎌倉幕府)をめぐる13の地を舞台に、歴史時代小説の手練れ13人が切れ味鋭い筆をふるう。 13の掌編を自宅でじっくり味わうも良し、地図と写真を手がかりに今に残る歴史の現場を訪ねるも良し。
  • 雷雲の龍 会津に吼える
    4.0
    名誉を捨て、義を貫く! 講談社創業者・野間清治の祖父にして、門下八百人を超える大道場の当主、森要蔵。 幕末の動乱の中、なぜ彼は藩を抜け、会津で新政府軍と戦ったのか。 世を憂い、家族を愛し、弟子の未来を想った、知られざる剣豪の生涯。 慶応四年(1868年)、六月二十八日。北辰一刀流の開祖・千葉周作のもとで四天王のひとりと謳われた大剣士・森要蔵は、道場のある江戸を出て、遠い会津の地にいた。 門弟や息子とともに会津藩に与し、白河城を奪還する戦に参陣するためだ。 ただひたすら、己の信じる「誠」に従って。 時代の趨勢に抗い、新政府軍に立ち向かった男はいかにその生涯をまっとうしたのか。 ひとたび戦えば、「雷雲を纏った龍のよう」と称された要蔵。 平穏な日々を捨て、世のため人のために生きる信念を貫いた愚直な男を描く、傑作歴史長編!
  • 落語文庫(1) 松の巻
    5.0
    1~18巻440円 (税込)
    婚礼の席に呼ばれた松と竹と梅。ご祝儀に謡をやる(松竹梅)。酒を売りながら花見をしようとしたが……(花見酒)。短気な男が心学の先生の所へ(天災)。偽和尚の禅寺に本物の修行僧が問答を申し込んできた(こんにゃく問答)。けち自慢(しわい屋)。法華信者の大家のこだわり(法華長屋)。碁に夢中になっている主人と客を見て、これまた碁好きの泥棒が荷物をかかえて通りかかる(碁どろ)。素人義太夫にこった旦那の被害者は……(寝床)。うそ対決(うそつき村)。
  • 落日の鷹
    5.0
    天正12年、九州の雄だった竜造寺隆信が戦死し、佐賀35万石の藩主の地位は、隆信の家臣だった鍋島氏に引き継がれた。異例のこの交代劇は、表面おだやかにみえたが、竜造寺家につながる人々にとって、次第に怨念をつのらせる推移となった……。乱世に生きる武門の消長と士魂をドラマチックに描いた歴史長篇小説。

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