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父・義朝の野望が破れて後に固める頼朝の志とは? 新興武士団の力を背景に、権力の座をめざした父の行く末を、よくよく観た頼朝は、「武力だけでは、天下は取れない!」と悟る。乱世を舞台に、権謀術数が渦巻く闘いに身を投じた、熾烈な人間像を描く。伊豆の地から天下を窺う、頼朝の胸中には何が去来したか?
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源頼朝の思いの変化
平治の乱の後、京を追われた源氏が再びその家を再興する歴史物語だ。 源頼朝は、父・義朝に従い兄の義平と共に平治の乱を起こした。平治の乱は藤原信頼と義朝が、政から上皇派の排除を計った蜂起だが、上皇派の首謀者鎮西を殺害して一時は義朝に有利だった。しかし平清盛の巻き返しに遇い、成果も横取りされた。敗れた義...続きを読む朝は尾張で殺され、義平と頼朝は死罪の刑を受けた。 その時、頼朝だけ15歳という若さ故、池禅尼の口添えで伊豆に流刑となった。 源頼朝は、伊豆に流された当初は仏道修行で写経などをして謹慎に近い生活を送るが、段々とその地の人たちとの交わいもあり、穏やかな生活を送っていた。夏には海沿いの豪族の家で過ごし、秋には伊豆天城山で狩りを楽しみもした。 穏やかに時が過ぎていき、10年ぐらい過ぎた頃に北条政信の娘、政子と結婚する。幸せな生活を送る中、頼朝の心には源氏再興の思いが消えていくのだった。 ただ、騒ぎが一向に収まる気配がない京。京の情勢については頼朝に都の三善康信から書状が送られてくる。 時もまた数年余りが経った頃、平家は力を背景に京で横暴、傲慢な政治の有様。奢る者ひさしからずや。 伊豆や関東では北条と並ぶ勢力のある山木兼隆が目代に登用された。平家との関係が親しい彼は、頼朝への目配りが厳しくなるのである。京からの知らせで、平宗盛は伊豆の源氏に対して天皇からの令旨を受けたかどで追補吏、相模国大庭景親が派遣されると知らされる。 1180年(治承4年)8月17日、伊豆国で源頼朝は挙兵して、目代、山木兼隆を討つと相模国へ進軍する途中、石橋山の戦いで大庭景親と伊豆祐親らの平家軍に敗れ、山中に逃亡・・・ 命からがら真鶴岬から土肥実平が用意した小舟で安房国へ向かった。 もともと関東は源氏との関係が深い。地の利がある。 これからは頼朝のもとには多くの武者たちが集まり、彼は大軍を引き連れることになるのか。そして高みの権力を目指して、京に上れるのだろうか。
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