歴史・時代小説 - 講談社作品一覧
-
-
-
3.0
-
-
-
5.0
-
4.0
-
4.5
-
-
-
3.0
-
3.5
-
3.0
-
4.0
-
4.5
-
5.0
-
4.0著者は終生、捕物帳には筆を染めなかった。しかし、捕物帳的な傾向の作品といえば、本書が筆頭であろう。十手捕縄をとって30年、捕物の神様とうたわれた名与力・塙江漢が、突如、暴風のように襲った悪魔により晩年の幸福を引きちぎられ、伜郁次郎を獄門に送らねばならぬ悶々の胸中。――これは捕物帳とは一線を劃す捕物帳である。
-
-出羽の浪士・清河八郎は一介の剣客ではなく、政治的野心の熾烈な機略家であった。安政6年、江戸は神田お玉ヶ池に堂々と「文武指南所」の大看板を掲げたほどの豪の者だったが、郷里で17歳のおり隣家に娼婦を招くなど、34年の生涯は不羈(ふき)奔放なところがあった。――文久2年11月、幕府の政事総裁・松平春嶽に当今急務三策を上書して、浪士組成立の端緒をつくった清河八郎が、京師にのぼって攘夷を画策、江戸帰還後も浪士組の隠然たる黒幕として、向背つねなく、攘夷の勅諚を奪還せんとして、幕府の浪士抑圧の策におちいり、仆(たお)れるまでを描いた「浪士組始末」他8編。
-
4.0秀吉軍対北条家。膠着する籠城戦の中、忍者たちは小田原城を舞台に闇の中で激しく戦っていた。書下ろし歴史小説・新シリーズ第1作! 天正18年(1590年)、関東の雄である北条氏の本拠・小田原城が関白・豊臣秀吉の軍勢に囲まれていた。その数、10万。総勢では20万。もはや北条方に勝ち目はなかった。そんな籠城戦の中、徳川家康は伊賀忍者の服部半蔵を城中に潜入させようと画策していた。北条家の当主・氏直は家康にとって娘婿であり、包囲側の身としては困った立場にあったのだ。秀吉に謀反を疑われかねない。北条家をこの戦に導いた前当主の氏政をさらい、秀吉に謝らせるのが家康の狙いだった。だが、北条には風魔という忍者集団がいて……。
-
4.0江戸南町奉行・矢部駿河守が、老中・水野越前守の懐刀・鳥居耀三の奸策で、奉行職を罷免された天保12年の暮、御側御用人・堀大和守の公用人・黒川内記と結ぶ豪商・佐原屋九郎兵衛の毒牙をのがれたお美也を救った大川忠介が、極道ぞろいのはだか長屋に住んだことから、剣難女難の絵巻となる。忠介に助けられた鉄火姐御・お照と材木問屋の女主人・お杉の恋の鞘当てと、佐原屋配下の町道場の殺し屋剣客たちの物凄さ。世に謂う水野の天保改革を背景に、矢部直系の隠密をやめた一介の素浪人に対する鳥居新奉行の執拗な探索と、これに敢然と正義の戦いを挑む大川忠介の虚々実々のかけひき……。<全8巻>
-
4.0
-
-幕末の世、壬生藩の家老の家に生まれた青江京介は、神田の浪人横丁で暮らしている。江戸を一時離れ、人助けをして帰ってきた京介だったが、若き主君の蟄居と父親の切腹に……。しかも遺書には……。
-
3.3
-
3.5
-
3.0
-
3.4幽霊が見えて、数々の幽霊話を解決してきた太一郎の幼馴染みの巳之助は、浅草の道具屋の若旦那の太一郎とは対照的に、鬼も逃げ出すいかつい風貌で怪力の持ち主だ。なぜか深川の皆塵堂には、昔から出入りしていて、力仕事に重宝されている。 長屋のかみさん連中に魚を売る、気ままな棒手振りで、まるで女っ気がなかった巳之助は、札差の大店大和屋の、とびきりの美人女中お志乃に一目惚れ、なんとか嫁さんにもらいたいと願う。 誰がどうみても、お志乃は高嶺の花。皆塵堂の主、伊平次たちも面白がって、呪い話で手に入った藁人形を巳之助に手渡し、四日の内に次々交換して、お志乃さんにふさわしい価値ある贈り物に替えてみせることができたら、材木商鳴海屋のご隠居清左衛門にかけあってもらい、みんなで背中を押そう、と巳之助をけしかける。 藁人形がはたしてどこまで化けるのか、巳之助の涙ぐましい奮闘がはじまる。 そうこうするうちにも、皆塵堂には、次々と怪異話が舞い込んで……。 皆塵堂シリーズきっての強力キャラ、自称江戸一の猫好き、棒手振りの巳之助が巻き起こす一世一代の「わらしべ長者」奮戦記!
-
4.0
-
-わんぱく公子とは、浜町に棄て扶持・五千石の気儘な生活をしている、松平鶴七郎のことである。江川坦庵について西洋流の砲術を、小野派一刀流の浅利又七郎に剣をまなんで、滅法強いが、将軍家御連枝だけに世上の事にはうとい。泥棒のかくし金を探し出す名人が、それを助けて活躍する。わんぱく公子・鶴七郎と忍者とのやりとりなど、これが家斉将軍の子かと思うほどだが、尾州家の駄々姫にはコロリとまいる。金子調達を依頼する棚倉屋の娘誘拐を解決したり、大衆文芸の独擅場ともいうべきお家騒動を中心に展開する道中記のおもしろさは、この作者ならではの時代明朗小説。