歴史・時代小説 - 講談社作品一覧

  • ろくだいめ
    無料あり
    4.0
    【時代将棋小説、小説現代長編新人奨励賞『桎梏の雪』7月26日刊行!】 守るは己の矜持か、家元か――温情と非情の狭間で死力を尽くす棋士たち。江戸時代、全てを将棋に賭けた棋士たちの壮絶人生を描く本編『桎梏の雪』に連なる秀逸短編。

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  • 公家武者 信平 信平への果たし状
    無料あり
    4.0
    公家から武士になった侍・鷹司松平信平を主人公とする「公家武者」は、版元をまたぎ続く人気時代小説です。二見時代小説文庫の「公家武者 松平信平」シリーズでは、最終巻の対決で宿敵・神宮路翔を倒しましたが、講談社文庫の新シリーズ「公家武者 信平」は、その3年後から始まります。本作品はその空白期間、神宮路の弟・明楽との因縁決戦で、空白の三年が明かされる読者待望の短編です。(本短編は『逃げた名馬 公家武者 信平(二)』巻末にも収録されています。)

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  • 鬼惑い
    -
    土の匂い、山の稜線、戦さの音――「川中島の戦い」での足軽大将・山本道鬼齋勘助を、鮮やかに描く「決戦!小説大賞」奨励賞受賞作。武田ファン必読!典厩信繁、飯富、馬場、高坂、山縣、真田ら主要武将だけでなく、"鬼美濃"原虎胤ら隠れた名将も登場します。「決戦シリーズ」第4弾『決戦!川中島』連動企画の電子書籍限定オリジナル作品です。新世代の、新しい読み味の歴史小説、ぜひ先物買いを!!
  • 決戦!大坂城 淀殿編 鳳凰記
    -
    1~7巻202円 (税込)
    亡き豊臣秀吉の側室で秀頼を生んだ茶々。淀と呼ばれ、豊臣家を率いる彼女の前に、徳川家康という強大な敵が立ちふさがる。一族存亡を懸けた"女の戦い"とは。
  • 決戦!関ヶ原 徳川家康編 人を致して
    -
    1~7巻202円 (税込)
    幼少期は人質として、成年しても織田信長や豊臣秀吉、はたまた口うるさい家臣にまで"使われてきた"苦労人の徳川家康。秀吉が死に、ようやく天下取りのチャンスがまわってきた家康の屋敷を、"あの男"が訪ねてくる。
  • 卵のふわふわ 八丁堀喰い物草紙・江戸前でもなし
    値引きあり
    3.9
    江戸に拡がる暖かい煮炊きの煙。人はね、当たり前のことがおもしろくないんだよ。裏返しや逆さまが好きなのさ――のぶちゃん、何かうまいもん作っておくれよ。夫との心のすれ違いに悩むのぶを、いつも扶(たす)けてくれるのは、喰い道楽で心優しい舅・忠右衛門だった。はかない「淡雪豆腐」、蓋を開けりゃ、埒もないことの方が多い「黄身返し卵」。忠右衛門の「喰い物覚え帖」は、江戸を彩る食べ物と、温かい人の心を映し出す。 ◎「読み進むほどにページを繰るのが早くならずにはいられない小説がある。この小説もそうだった」<塩田丸男「解説」より>
  • 樓岸夢一定 蜂須賀小六
    値引きあり
    3.3
    戦国屈指の脇役武将が見た理想と野望――織田信長の能力と残忍性をいち早く見抜き、桶狭間で戦功を上げながらも、臣下として仕えることを拒み続けた蜂須賀小六。やがて、足軽組頭に過ぎぬ秀吉を主人と定め、調略・外交一切を引き受け、ことごとく成功させ、秀吉躍進の最大の功労者となる。嘘偽りなき、まっすぐな生き様を全うした、史上稀なる武将を描く、感動の歴史長編。
  • お白洲無情
    値引きあり
    -
    八州廻りに歪められた理不尽な晩年。大原幽学、無念の生涯――江戸末期、農民に性学の道を説いた大原幽学。貧しい農村を立ち直らせ、多くの道友が集まる。農民たちは協力して教導所「改心楼」を建てるが、その壮観さゆえに関八州取締出役から目をつけられる。事件を捏造され御白洲をたてられた幽学に、理不尽な晩年の日々が待ち受けていた。<『吾、器に過ぎたるか』改題作品>
  • 奥羽の二人
    値引きあり
    4.0
    不敵な野望と奔放さに満ちた若き伊達正宗と、奥羽で対峙する蒲生氏郷――二人にとって越えることのできない大きな存在が、秀吉であった。天下に志を得ずに終わった彼らの胸中の苦悶を描く表題作のほか、抗いがたい力に翻弄され、結局は身を滅ぼしていった武将たちの運命と悲話10編を収録。待望の歴史小説傑作短編集。
  • 白洲次郎 占領を背負った男(上)
    値引きあり
    4.2
    日本でいちばん格好いいといわれている男・白洲次郎。明治35年に兵庫県で生まれ、英国へ留学。戦後、吉田茂の側近として日本国憲法制定の現場に立会い大きく関与した。しかし、彼は表舞台には立たずに、在野精神というダンディズムを貫き通すのであった。初めて知る方にもお勧めの白洲次郎評伝決定版。(講談社文庫)
  • 隠密 味見方同心(一) くじらの姿焼き騒動
    値引きあり
    3.8
    南町奉行所きっての腕利きと噂される臨時回り同心・月浦波之進に特命が下った。「江戸の食いもの屋の動向を探れ」と。調べに必要な飲み食いの掛かりは、すべて請求できるという。十手を羽織の下に隠し、隠密捜査を始める波之進。―その折、金貸しが殺された。生前にその男が告げたある料理。波之進は、その料理を手がかりに、下手人を捜す。謎をはらんだ珍妙な食物が次々登場。軽妙洒脱、仰天推理の傑作時代小説開幕!
  • 潜入 味見方同心(一) 恋のぬるぬる膳
    値引きあり
    4.2
    大人気シリーズ「味見方同心」が帰ってきた! 同心の兄・波之進の後を継いで味見方となった弟・月浦魚之進は南町奉行から密命を受ける。将軍暗殺計画の気配があり、毒見役の鬼役とは別に、城内に忍び寄る悪事を阻止してほしいというのだ。気弱な魚之進にそんな大役が務まるのか? 兄の後家・お静への思いが募るなか、魚之進は美味で怪しい江戸の食べ物を追う! 【南町奉行所・味見方とは?】 江戸市中の食べ物の動向を探る特別役職。水戸藩が南町奉行所に働きかけてつくらせた。同心の月浦魚之進のみが味見方を拝命する過酷な一人役。横行する悪質な抜け荷の現状把握がもともとの目的だったが、捜索の間に様々な食にまつわる事件が発生する。初代味見方の月浦波之進は何者かにより暗殺、それを弟の魚之進が引き継いだ。兄弟の努力と活躍によって悪事は暴かれ、魚之進は兄・波之進の仇を討った。 本巻『潜入!味見方同心(一) 恋のぬるぬる膳』までの顛末は、「隠密 味見方同心」全9巻をお読みください。面白さと美味しさが倍増します!!
  • 坂本龍馬 幕末風雲の夢
    -
    坂本龍馬――幕末激動の中に多くの夢をのこして、並みはずれた発想と行動力を示しつつ、懸命に、しかも足早に駆けぬけた風雲児。薩長同盟の締結、大政奉還の実現のために活躍した土佐の風雲児・龍馬は、藩という枠を超えて生きた幕末の自由人でもあった。資料をふまえ、龍馬のロマン、心情、人脈、魅力を探る歴史読物。
  • マンチュリアン・リポート
    値引きあり
    3.9
    昭和三年六月四日未明、張作霖を乗せた列車が爆破された。関東軍の暴挙に激怒した昭和天皇の密命を受けて、若き軍人が綴った「満洲報告書」で明かされる「真相」とは? 該博な知識と丹念な取材に裏打ちされた浅田史観で、闇に葬られた昭和史最大のミステリーを追う。絶好調『蒼穹の昴』シリーズ第4部。(講談社文庫)
  • 呉越春秋 湖底の城 一
    値引きあり
    3.9
    春秋時代末期の揚子江流域で覇権を争う呉と越。越王勾践に覇を唱えさせた名将・范蠡(はんれい)の類稀な生涯を壮大なスケールで描く。春秋時代後期に覇権を争う、楚、呉、越。楚の人、伍子胥は堂々たる体躯で将来を嘱望される青年。伍子胥は、呉との国境近くの邑・棠を治める兄・伍尚を助けるため船に乗り、江水を往く。「人材こそ国と家の宝だ」伍子胥は、地位や身分を越えてさまざまな人と出会い、歩むべき道を探る。(講談社文庫)
  • 新装版 赤い人
    値引きあり
    4.1
    囚人たちの北海道開拓裏面史。明治十四年、赤い獄衣の男たちが石狩川上流へ押送された。無報酬の労働力を利用し北海道の原野を開墾するという国策に沿って、極寒の地で足袋も支給されず重労働を課せられる囚人たち。「苦役ニタヘズ斃死(へいし)」すれば国の支出が軽減されるという提言のもと、囚人と看守の敵意にみちた極限のドラマが展開する。(講談社文庫)
  • 新装版 落日の宴 勘定奉行川路聖謨(上)
    値引きあり
    4.4
    江戸幕府に交易と北辺の国境画定を迫るロシア使節のプチャーチンに一歩も譲らず、国境画定にあたっても誠実な粘り強さで主張を貫いて欧米列強の植民地支配から日本を守り抜いた川路聖謨。軽輩の身ながら勘定奉行に登りつめて国の行く末を占う折衝を任された川路に、幕吏の高い見識と豊かな人間味が光る。
  • 亥子ころころ
    値引きあり
    4.0
    “思い”のこもった諸国の菓子が、強張った心を解きほぐす――。 親子三代で営む菓子舗を舞台に、人の温もりを紡いだ傑作時代小説! 武家出身の職人・治兵衛を主に、出戻り娘のお永、孫娘のお君と三人で営む「南星屋」。 全国各地の銘菓を作り、味は絶品、値は手ごろと大繁盛だったが、治兵衛が手を痛め、 粉を捏ねるのもままならぬ事態に。不安と苛立ちが募る中、店の前に雲平という男が行き倒れていた。 聞けば京より来たらしいが、何か問題を抱えているようで――。
  • 暗殺の森
    5.0
    討幕への蜂起もむなしく、天誅組は戦いに敗れた。リーダー・中山忠光は、長州藩を頼って亡命する。しかしその直後に、長州の立場は一変した。中山忠光の病死が伝わったのは、この頃である。巷間、それは長州藩による暗殺だとの噂が走った。昭和になって、地元の小新聞の社主・野見は、この真相究明に熱中するが……。長州藩が秘匿した歴史の暗部を、巧みにフィクション化した、歴史推理長編。幕末・長州の謎が現代によみがえる!
  • 怨返し 古道具屋 皆塵堂
    値引きあり
    3.6
    日光街道の越ヶ谷宿の旅籠で働かせてくれた恩人・仁兵衛の遺品には幽霊が憑いていた。仁兵衛が若い時分に、江戸で借金の取り立て屋「すっぽんの桑次郎」という異名をとっていたことを知った甥の藤七は、遺品の数々を元の持ち主に返す旅に出ることになった。道中、「刀狩りの男」と呼ばれる浪人に襲われ川に落ちた藤七は、深川亀久橋近くの古道具屋「皆塵堂」で目を覚ました。 三十年前に仁兵衛が手に入れた遺品の数々は、「すっぽんの桑次郎」の借金の形なのか。優しかった伯父が人々に恨まれる非情な取り立て屋だったことがどうしても信じられない藤七は、限られた七日間の江戸滞在のうちに、遺品の持ち主を捜し出し、憑いている幽霊の謎を解き明かし、伯父の正体をつきとめることができるのか? 材木商のご隠居・清左衛門、力自慢の魚屋・巳之助、有能な小僧・峰吉らの助けも借りながら、「知りたがりの藤七」は江戸でも行く先々で幽霊をみることに……。 怪談+とぼけた笑いで人気の「皆塵堂」シリーズ、第十弾!
  • お江戸けもの医 毛玉堂
    値引きあり
    3.9
    ここは、動物の病を癒し、飼い主の心も救う場所。 動物たちとの触れ合いを通じ、私たちを究極の感動へと誘う激アツの一巻! ――縄田一男(文芸評論家) 江戸の世に、夫婦で営む動物専門の養生所があるという――。 日本歴史時代作家協会新人賞、細谷正充賞受賞の気鋭がおくる、心温まる時代小説の傑作。 谷中感応寺の境内に居を構える「毛玉堂」は、けもの専門の養生所。腕は確かだが不愛想な医者の凌雲と、しっかりもので動物好きなお美津を頼りに、今日も問題を抱えた動物たちがやってくる。治療を通して浮かびあがる、人と動物の温かな絆は、悩める飼い主たちの心も癒していき――。
  • 蒼穹の昴(1)
    値引きあり
    4.2
    汝は必ずや、あまねく天下の財宝を手中に収むるであろう――中国清朝末期、貧しき糞拾いの少年・春児は、占い師の予言を信じ、科挙の試験を受ける幼なじみの兄貴分・文秀に従って都へ上った。都で袂を分かち、それぞれの志を胸に歩み始めた二人を待ち受ける宿命の覇道。万人の魂をうつベストセラー大作!
  • まるまるの毬
    値引きあり
    4.2
    親子三代で菓子を商う「南星屋」は、 売り切れご免の繁盛店。武家の身分を捨て、職人となった治兵衛を主に、出戻り娘のお永と一粒種の看板娘、お君が切り盛りするこの店には、他人に言えぬ秘密があった。愛嬌があふれ、揺るぎない人の心の温かさを描いた、読み味絶品の時代小説。吉川英治文学新人賞受賞作。
  • 虚空を風が吹く
    -
    江戸、芝居町の雀はおもしろ尽に囁きあった。「妾のたたりだぜ。きっと」……おたふく半四郎、目千両と人気の女形(おやま)四世岩井半四郎の怪死に始まる、大和屋を次々襲う、おぞましくも奇怪な事件……。舞台の花の陰にうごめく女と男の愛憎をミステリアスに捉えた標題作ほか、「かえる役者」「祇園ぎつね」「団十郎の死」「手前味噌」。歌舞伎界の裏を縦横無尽に描いた役者小説集。
  • 天を衝く 秀吉に喧嘩を売った男九戸政実(1)
    値引きあり
    4.1
    織田信長が天下布武(てんかふぶ)を掲げた頃、陸奥(みちのく)の南部家では内紛が続いていた。新たな時代を予見する九戸党の棟梁・政実(まさざね)は、ついに宗家を見切った。戦の天才「北の鬼」九戸政実が、武者揃いの一族郎党を束ねて東北の地を駆け巡る。著者が故郷を舞台に熱き思いを込めた歴史巨編「陸奥3部作」の最終章、待望の文庫化。(講談社文庫)
  • 恋歌
    値引きあり
    4.4
    樋口一葉の師・中島歌子は、知られざる過去を抱えていた。幕末の江戸で商家の娘として育った歌子は、一途な恋を成就させ水戸の藩士に嫁ぐ。しかし、夫は尊王攘夷の急先鋒・天狗党の志士。やがて内乱が勃発すると、歌子ら妻子も逆賊として投獄される。幕末から明治へと駆け抜けた歌人を描く直木賞受賞作。
  • 徳川家康(1) 出生乱離の巻
    値引きあり
    4.3
    竹千代(家康)が生まれた年、信玄は22歳、謙信は13歳、信長は9歳であった。動乱期の英傑が天下制覇の夢を抱くさなかの誕生。それは弱小松平党にとっては希望の星であった――剛毅と希望を兼ね備えて泰平の世を拓いた名将家康の生涯を描いて、現代人の心に永遠の感動を刻む世紀のベストセラーの発端篇!
  • 秋蘭という女
    -
    学問の家の神童若江薫子(わかえにおこ)は、紅白粉(べにおしろい)には見向きもしない学者に育ち、攘夷派の浪士たちと悲憤慷慨、新政府に建白書攻勢をかける。時代に逆行する情熱家は危険人物として幽閉され、晩年は失意のうちに放浪したが、その醜貌の下には、女ほんらいの、暖い心が隠されていた。幕末の女志士を描く傑作他8編を収録。
  • 天子蒙塵 1
    値引きあり
    3.9
    さまよう溥儀。 紫禁城を追われた最後の皇帝(ラストエンペラー)は、日本の庇護下に。 混沌の中国で天命を、龍玉を抱く者は誰か。 累計590万部! 「蒼穹の昴」シリーズ第五部、堂々開幕!!(全4巻) 1933年春。 父の築いた国と軍を失った張学良は、欧州へ向かった。 清朝最後の皇帝・溥儀は「満洲国」の執政となっていた。 北京では前の大総管太監・李春雲が、一人の女性の許を訪れる。 紫禁城を去ってからの溥儀がいかにして生きたか、 その証言者は史上はじめて皇帝を離婚をした、元皇妃であった。
  • 海賊とよばれた男(上)
    値引きあり
    4.5
    すべてのビジネスマンに捧ぐ。 本屋大賞の話題作、早くも文庫化! ページをめくるごとに、溢れる涙。これはただの経済歴史小説ではない。 一九四五年八月十五日、敗戦で全てを失った日本で一人の男が立ち上がる。男の名は国岡鐡造。出勤簿もなく、定年もない、異端の石油会社「国岡商店」の店主だ。一代かけて築き上げた会社資産の殆どを失い、借金を負いつつも、店員の一人も馘首せず、再起を図る。石油を武器に世界との新たな戦いが始まる。 石油は庶民の暮らしに明かりを灯し、国すらも動かす。 「第二の敗戦」を目前に、日本人の強さと誇りを示した男。
  • 珍妃の井戸
    値引きあり
    3.8
    列強諸国に蹂躙(じゅうりん)され荒廃した清朝最末期の北京。その混乱のさなか、紫禁城の奥深くでひとりの妃が無残に命を奪われた。皇帝の寵愛を一身に受けた美しい妃は、何故、誰に殺されたのか? 犯人探しに乗り出した日英独露の高官が知った、あまりにも切ない真相とは――。『蒼穹の昴』に続く感動の中国宮廷ロマン。(講談社文庫)
  • 落語文庫(1) 松の巻
    5.0
    1~18巻440円 (税込)
    婚礼の席に呼ばれた松と竹と梅。ご祝儀に謡をやる(松竹梅)。酒を売りながら花見をしようとしたが……(花見酒)。短気な男が心学の先生の所へ(天災)。偽和尚の禅寺に本物の修行僧が問答を申し込んできた(こんにゃく問答)。けち自慢(しわい屋)。法華信者の大家のこだわり(法華長屋)。碁に夢中になっている主人と客を見て、これまた碁好きの泥棒が荷物をかかえて通りかかる(碁どろ)。素人義太夫にこった旦那の被害者は……(寝床)。うそ対決(うそつき村)。
  • 三国志(一)
    値引きあり
    4.2
    日本では卑弥呼が邪馬台国を統治する頃、中国は後漢も霊帝の代、政治の腐爛は黄巾賊を各地にはびこらせ、民衆は喘ぎ苦しむ。このとき、楼桑村の一青年劉備は、同志関羽、張飛と桃園に義盟を結び、害賊を討ち、世を救わんことを誓う。――以来百年の治乱興亡に展開する壮大な世紀のドラマ。その華麗な調べと哀婉の情は、吉川文学随一と定評のあるところである。
  • 玉川兄弟(上)
    -
    江戸は飲み水に不自由な土地であった。町の発展ひいては幕府の威令をいきわたらせるため、多摩川の水を江戸に曳くという壮大な計画が生れた。多摩川上流に生をうけた土木業者、枡屋庄右衛門・清右衛門兄弟は、目先の利益を排して見事入札に成功、数多の困難に立ち向う。若い兄弟の不屈の闘いをえがく歴史巨篇。玉川上水開墾に雄々しく立ち向かう若い兄弟の物語。
  • 火怨 上 北の燿星アテルイ
    値引きあり
    4.4
    辺境と蔑まれ、それゆえに朝廷の興味から遠ざけられ、平和に暮らしていた陸奥の民。8世紀、黄金を求めて支配せんとする朝廷の大軍に、蝦夷の若きリーダー・阿弖流為は遊撃戦を開始した。北の将たちの熱い思いと民の希望を担って。古代東北の英雄の生涯を空前のスケールで描く、吉川英治文学賞受賞の傑作。(講談社文庫)
  • 埠頭の風
    -
    幕末から明治の激変期を、熱く描く短編集。日本を追われたシーボルトが、許されて再び長崎港の岸壁を踏んだとき、娘お稲の胸中には……。文明開化の日本人と、訪れてきた異邦人との愛憎を描く傑作短編他。
  • 悲劇の風雲児
    4.0
    木曽の山谷が育てた天性の武人、義仲の31年の生涯。源家の御曹司として平家打倒の兵を挙げ京へ乱入、敗れた平氏は都を捨てる。義仲の権勢の日が始まったが、武力は憚(はば)かられても野人ぶりはからかわれ、後白河法皇の政略に斃れる。無垢な武将の鮮烈な人間性を描く表題作等、史上の英雄8人を描く傑作短編集。
  • 滝沢馬琴(上)
    5.0
    滝沢馬琴の苛酷な生を描く吉川英治文学賞受賞作。「南総里見八犬伝」「椿説弓張月」等で名声を得た馬琴は、保守的で狷介な性格のため人と衝突することも多く、苦しい家計と病弱な家族の煩労も、一身に負っていた。
  • ザビエルとその弟子
    -
    日本に初めてキリスト教を伝道したフランシスコ・ザビエル。中国への布教を熱烈に夢見ながら、目前のサンチャン島で熱病に斃れた彼の最晩年を、3人の弟子を通じて描く。貴族出身で現世的なフェレイラ、日本人のアンジロウ、そして最期を看取ったアントニオ。聖ザビエルの激しい魂が活写された、衝撃作。(講談社文庫)
  • 新装版 間宮林蔵
    値引きあり
    4.2
    19世紀初頭、世界地図の中で樺太は唯一謎の地域だった。樺太は島なのか、大陸の一部なのか。樺太調査に挑んだ間宮林蔵は、苛酷な探検行の末、樺太が島であることを確認する。その後、シーボルト事件に絡んで思いがけない悪評にさらされ、さらには幕府隠密として各地を巡った、知られざる栄光と不運の生涯を克明に描く。(講談社文庫)
  • はやぶさ新八御用旅(一) 東海道五十三次
    3.6
    身分を隠して江戸を発ち、国許へ向かった大名の姫君をお護りせよ。主君根岸肥前守の密命を受け、東海道を西進する隼新八郎。箱根では5人の追手が斬りかかり、宇津ノ谷(うつのや)峠では虚無僧(こむそう)姿の刺客が現れる。容易ならざる道行きには意外な結末が待っていた。大人気「はやぶさ新八」シリーズが新たな旅に出立す!
  • 謀略の首 織田信長推理帳
    4.0
    天下統一を目前にした織田信長にとって、最大にして最後の敵は一向宗の総本山石山本願寺であった。彼らを壊滅すべく、配下の九鬼水軍では秘密兵器、鉄甲船の建造に着手した。本願寺と組む毛利家はスパイを信長の側近に送り込み、計画の妨害を狙った……。怪事件に信長の推理が冴える!長編歴史ミステリー。
  • 大江戸遊仙記
    4.0
    隅田川の川面に吹く心地よい春の風。船にゆられて墨提のお花見を満喫した後は深川で牡丹、谷中で螢を愛でる。せわしない現代の東京から、一気に160年前の江戸の町にタイムスリップ(転時)した中年男と意気で気風(きっぷ)のいい芸者の大江戸遊覧紀行。綿密な考証で江戸に遊び、江戸に学ぶ「大江戸シリーズ」第3弾。(講談社文庫)
  • 天女湯おれん これがはじまり
    -
    人気作『天女湯おれん』の前夜を生き生きと描く。文政十二年、江戸の町を焼き尽くす大火によって、おれんは、義父も湯屋も失ってしまう。幕府が作ったお救い小屋で生活を始めるおれん。しかし、気風の良さで天女と慕われる彼女のもとには、ここでも次々と厄介事が持ち込まれるのだった。湯屋と裏長屋の再建のため、懸命に走るおれんを描く、爽快な人情話(講談社文庫)
  • 新装版 若き獅子
    3.4
    高杉晋作は、幼い頃から文武に秀で、鬼才と呼ばれた。「脱藩」しては主家に戻り、たちまちにゆるされた。これは異例のことである。いかに彼の才能が頼まれていたかがわかる(「若き獅子」より)。ほかに浅野内匠頭、葛飾北斎、明治の逆賊・小栗忠順など、時代を動かした英雄たちの激烈な人生を描く短編集。
  • 一命
    3.8
    病床の妻子を置いて家を出た浪人は、なぜ自ら命を絶ったのか?―二度映画化され、二度ともカンヌ国際映画祭に出品された不朽の名作「異聞浪人記」の他、武家における殉死の意味を問う「高柳父子」、家族愛を描く「拝領妻始末」など6編を収録。武士の悲哀を描き続けた時代小説家の傑作選。
  • 孤愁の岸(上)
    3.8
    財政難に喘ぐ薩摩藩に突如濃尾三川治水の幕命が下る。露骨な外様潰しの策謀と知りつつ、平田靭負ら薩摩藩士は遥か濃尾の地に赴いた。利に走る商人、自村のエゴに狂奔する百姓、腐敗しきった公儀役人らを相手に、お手伝い方の勝算なき戦いが始まった……。史上名高い宝暦大治水をグローバルに描く傑作長編。
  • 花冷え
    3.0
    紺屋の大店の末娘おたえは、幼くして両親を亡くし、叔父の店で育った。奉公人の弥吉は、5つ年上の型付け職人。いい仲になった2人を、叔父は夫婦養子にと考えていたのだが……。ささやかな幸せを求め健気に生きている、そんな女の一途な想いを情感溢れる筆致で細やかに描いた、珠玉の時代小説7篇を収録。
  • 花隠密
    -
    花を好んだ11代将軍・徳川家斉に、各藩は競って自慢の花を献上した。四国・宇和島藩も、花造りの名人・田吹弥兵衛に花菖蒲を造らせ献上した。だが無残にも家斉は冷笑し、細川家献上の肥後菖蒲を讃美する。その結果、弥兵衛は割腹した。息子・弥十郎は、悲憤に耐え肥後に潜入する。花造りを盗むための隠密である。異色の題材に挑んだ時代長篇。
  • 武将と茶道
    -
    名器をあさり、名物道具を無上の贈り物とした武将たち。茶道は、武将の重要なたしなみの一つだった。それは智的レベルの高さを強調する手段でもあり、権力の象徴でもあった。弱肉強食の変転きわまりない社会機構の下で、武将間の離反確執の原因となったり、逆に時代の潤滑油となったりした例も多い。この書は、茶道が歴史に果した役割を興味深く解明するものである。茶道は歴史にいかなる影響を与えたのか?
  • 石田三成
    3.0
    石田三成にまつわる陰湿なイメージは、江戸時代、幕府御用学者によってでっちあげられた虚像である。では、三成という武将のまことのすがたは、どのようであったのか? ――「士は己れを知るものの為に死す」との真の武士の信念を常に肚に収め、故・秀吉の信頼と恩顧にこたえて、大敵・家康に挑み殉じた、三成の生涯と実像を描く会心作。
  • 首一万両
    -
    面子を捨てて利のみを求めて生きる、したたかな商人上りの侍。毒と知りつつ、あえて江戸友禅の秘法に挑む職人。幕府の禁令に抗して、嫌いな家業を継ぐ張形師。若気の至りが、思いがけない人生を招く浮世絵の絵師と彫り師。……意地と工夫で日々の暮しをしのいでいく、江戸の庶民たちを描く、傑作時代小説集。
  • お登勢
    値引きあり
    4.5
    淡路島の貧農の娘・お登勢は、徳島藩の家臣・加納家に奉公に出た。そこで陪臣・本田貢に惹かれるが、加納家嫡男に恋慕される。分藩運動に起因する稲田騒動や北海道・静内への移住を背景に、幕末から明治にかけての波乱の時代、愛を貫き、修羅場をくぐり、大地に生きる"永遠の女性像"を描いた、長編歴史ロマンの傑作。沢口靖子主演で、NHK連続ドラマ化された感動作。
  • 天下を呑んだ男 「秀吉」が生まれた朝
    -
    夢は身銭を切って購うもの――東海道吉田宿の一夜、針売りの青年・藤吉郎は、旅の僧にこう言い放った。一升八文の酒を仲立ちに「天下」への道が招き寄せられ、一人の男が歩き始める。平凡な人生を大きく転回させ、歴史に名を成す豊臣秀吉へと変貌させた叡智とは何か。英雄誕生に秘められた、成功への発想法を描く。
  • 紅椿無惨 唐人お吉
    -
    下田一の美妓で、明烏のお吉と人気の高かった娘に立った白羽の矢。お国のために、好いた男の夢のために、異人の許に送られたが、通商条約締結後、無惨に砕かれた女だけが残された。ハリスの許から暇を出されたお吉には、下田の町は居づらかった。愛しい鶴松が侍になっているはずの江戸へ、身を隠して行く。時代の嵐に巻き込まれ、男たちの明治維新に利用された女心。美しくて脆かった女の意地を切々と描く、著者初の時代長編小説。
  • 不知火の化粧まわし なにわの源蔵事件帳
    -
    大阪と東京との対抗意識は相撲界にも持ちこまれ、東西合併興行は大さわぎ。上方力士の梅ヶ谷が勝利を収めて湧く大阪の町で、元大関・不知火の化粧まわしが3本盗まれる。不知火も上方から東京に出て、頂上をきわめた名力士だった。元大関のまわしなどを、誰が何の目的で盗み出したか? 海坊主の親分の活躍に期待が集まる! 快調大阪捕物帳。
  • 六歌仙暗殺考
    3.3
    不可解な心中事件から始まった連続殺人の謎に挑む、名探偵・南条圭の推理。殺害現場には僧正遍昭、在原業平といった六歌仙の歌仙絵が、つねに残されていた。犯人を追う鍵は六歌仙の秘密にあるのだろうか。最も現代的な舞台設定と懐しい探偵小説の世界。古典と現代を結びつける、井沢元彦の歴史ミステリー。
  • 武蔵坊弁慶(一)玉虫の巻
    4.3
    源氏再興に義経と行動を共にし、衣川で果てたわれらが弁慶は、身の丈2メートル、130キロの巨躯にみなぎる怪力に似ず、美女・玉虫との恋に身を灼く純情な青年でもあった。正義感に燃えてふるった蛮勇のせいで比叡山を追われた弁慶を待つものは……。剛力無双のヒーロー・弁慶の波乱万丈の生涯を描く痛快巨編。男の強さ、優しさ、哀しさがみなぎる、NHK大型時代劇原作にもなった全10巻。
  • 青江鬼丸夢想剣
    -
    刀鍛冶に育てられた美少年・次郎丸は、一刀流奥義"夢想剣"の会得と引き換えに師匠・伊藤一雲斎を斬り、育ての親を見殺しにする。非情の剣鬼と化した彼は「鬼丸」と名を変え江戸を目指すが、謎の魔手が行く手を阻む。やがて幕府を巻き込む大騒動が!? 吉宗暗殺を目論む異能集団と新陰流一門に挑む、瞠目の剣豪小説。
  • 女狐
    5.0
    お前、私と相対死しておくれでないか――女の一言が男を出口なしの恋の地獄へと落とした。大店の若内儀・お艶との心中の仕損じから落ちぶれた伝次の、無惨きわまる恋を描く表題作をはじめ、市井に咲いた毒の花・悪女を凄艶に描いて鮮やかな時代小説デビューをかざった傑作短篇集。
  • 海音寺潮五郎短篇総集(一)大老堀田正俊他
    -
    歴史文学の第一人者、海音寺潮五郎の傑作短編80余編を全8巻に編成。武士の潔さ、日本人の美意識を追求した作家の精髄がここに。第1巻は処女作「うたかた草紙」、実録文学「大老堀田正俊」、西南戦争を背景とした「南風薩摩歌」、忠臣蔵の片岡源五右衛門を通して武士道観を描く「白菊」など、著者が作家としての地位を確立させた記念碑的作品群12篇を収録する。
  • 五人女捕物くらべ(上)
    3.0
    朝の神田川に、女が1人釣り糸を垂れていた。「おおい、姐さん、御注進」。猪牙舟(ちょきぶね)が真一文字に近づいて来る。太公望のおせんと綽名(あだな)される売れっ妓は、老岡っ引小平次の手先として、恐るべき連続女殺しに取り組んでいく……。次々と、五人の女岡っ引が小平次と共に難事件に挑む、連作江戸推理作品集。
  • 公子曹植の恋
    3.3
    三国志の英傑・曹操の公子曹植が13歳で出会った人は、兄の妻となる人だった。義姉への叶わぬ恋を詠んだ詩篇は都の文壇で噂となる。その妃の死後、兄である皇帝の非情な仕打ちに不遇の時を過ごしながらも詩作に打ちこみ変わらぬ想いを抱いた。秘めねばならぬ愛を貫いた詩人の生涯を清新に描く中国純愛ロマン。
  • 本能寺の変
    3.0
    信長の天下統一に向けての戦いのなか戦場での武功は目覚ましいものではなかったが、行政処理の敏腕を買われ信長に重用された明智光秀。39歳のときから信長に仕えて15年、なぜ光秀は信長を討とうと決意したのか? 歴史上もっとも有名な謀叛の真実と本能寺の謎を、画期的な視点から解き明かす傑作歴史長編。
  • 勇のこと 坂本龍馬、西郷隆盛が示した変革期の生き方
    -
    改革も闘争の創造も、最後は勇気があるかないか、この1点が勝負を決める。幕末の混乱期に、類(たぐい)まれなる勇気を持って時代を切りひらいた、坂本龍馬と西郷隆盛。この2人の勇気の源とは? 歴史小説家・津本陽が資料を駆使し分析。どん底の日本を変えるために何が必要か。龍馬や西郷の生きかたに答えがある!
  • 謀殺
    -
    竜造寺隆信は、柳川城主蒲池民部大輔を宴に招き、討ち取ろうと企てる。使者は西岡美濃。美濃は竜造寺家切っての正直者として名高い。彼が「身の危険などなし」と告げ、相手を信用させるわけである。果たして美濃の一世一代のウソは通じるだろうか? 竜造寺家、鍋島家にかかわる悲劇の数々を、練達の筆致で描いた歴史小説集。
  • 講談名作文庫13 荒木又右衛門
    5.0
    「荒木の前に荒木なく、荒木の後に荒木なし」と後の世までも謳われた大剣士荒木又右衛門。宝蔵院覚禅坊、柳生十兵衛、塚原卜伝の三名人から奥義を授けられ、武者修行に出ても敵する者はいない。義弟渡邊数馬に助太刀し三十六人を斬って捨て、義父の仇を討つなど勇名を天下に轟かした、痛快無比の大剣士物語。
  • 講談名作文庫12 快傑自来也
    -
    蝦蟇の上で呪文を唱え、印を結ぶ義賊自来也。あるときは雷獣を手捕りにし、またあるときは仇討ちの後ろ盾になり、出没自在の大立ち回り。佐渡島に籠れる大蛇丸一味と攻防激戦、日本海を挟んで術合戦が炸裂する。怪奇幻妙の大怪奇譚!
  • 講談名作文庫11 由井正雪
    -
    駿河国由井の里に生まれた天才児正雪が、勤王の志に燃え、莫大な軍用金と大勢の剣客・豪傑を集め、徳川幕府を倒そうと企てる。丸橋忠彌、牧野兵庫、柴田三郎兵衛など名だたる人物を仲間に大活躍をみせるが、ついには事破れてしまう。天下を驚嘆させた、慶安年間の大騒動。
  • 講談名作文庫10 一休和尚漫遊記
    -
    幼くして仏門に入り、大徳寺で禅の道を究めた一休和尚。並外れた知恵と頓智で、閻魔様から将軍様までまわりの者を笑わせながら、有り難い仏の教えを説く。「このはしわたるべからず」の立て札を尻目に堂々と橋を渡り、「絵にかいた虎を縛ってみよ」といわれれば、平然と縄を借り受ける。
  • 講談名作文庫9 猿飛佐助
    -
    十歳で戸沢白雲斎より忍術を教わり、修行ののち免許皆伝となった佐助は、十六歳で幸村と出会い家来になる。得意の忍術をもって諸国を漫遊中、至る所で弱者を扶けて強者を挫く。彦根の城下に伊井を脅かし、江戸城に関東方の総帥家康に怖じ気を震わせ、仙台青葉城内では政宗を罵る。時に風を呼び火をおこし雨を呼ぶ変幻出没の快場面の連続、痛快講談。
  • 講談名作文庫8 いれずみ奉行
    -
    桜吹雪のいれずみに世情に通じた名裁き。その名も高いご存じ遠山の金さん。一途な忠誠心を買われて北町奉行に推挙され、権勢欲の権化、鳥居耀蔵一味を駆逐して江戸市民の喝采を浴びる。名奉行の一代記。
  • 講談名作文庫7 鼠小僧次郎吉
    -
    十二歳にして世情に義憤を感じ、善悪の見境なく義侠心を振り回す次郎吉は、親に勘当され、京阪まで男修行の旅に出る。貧しき者を救い不善をなす者を挫くその義侠心と人情味。生粋の江戸っ子魂、鼠小僧次郎吉、侠盗の一代記。
  • 講談名作文庫6 太閤記
    -
    尾張愛知郡中村の農家に生まれた日吉丸は、青雲の志を抱いて家を飛び出し、やがて織田信長に仕える。卓越した手腕、生来の人情味によって、木下藤吉郎、羽柴筑前守と名を変えつつ異数の出世を遂げ、信長亡きあと、明智光秀を倒して天下を統一する。人心魅了の天才の、痛快なる出世講談。
  • 講談名作文庫5 赤穂義士銘々伝
    -
    浅野内匠頭殿中の刃傷、内匠頭の切腹と片岡源五右衛門、母と仲間の殉死になく武林唯七、義士の統領大石内蔵助良雄、堀部安兵衛高田馬場の仇討ち、大高源吾、中村勘助東くだり、神崎与五郎かながきのわび証文、夜なき蕎麦売り杉野十平次、酒屋の手代、恋の岡野金右衛門……など、義士の銘々伝。
  • 講談名作文庫4 柳生旅日記
    -
    父但馬守の腕試しにあって右目を失った十兵衛は、将軍の密命をおびて西国を旅する。沢庵和尚に粗暴を諭され、独眼竜片目はずしの正眼を編み出し、名高き剣豪たちと術を競いながら、薩摩藩へ乗り込む。
  • 講談名作文庫3 大岡政談
    -
    厳正さと人情を失わない名裁きによって江戸市民の喝采を浴び、名奉行の名を残した大岡越前守忠相。扱った多くの公事の中でも、最も許しがたいのは天一坊の偽ご落胤騒動だった。切腹まで覚悟した事件の顛末はいかに。
  • 講談名作文庫2 水戸黄門
    -
    天下の副将軍として諸大名を縮み上がらせた水戸光圀公。隠居してからは百姓姿に身をやつし、助さん格さんという剣術の名人をお供に連れ、諸国漫遊に出かけた。お役人やお侍が、百姓爺だと馬鹿にすると、あに図らんやそれが光圀公。びっくり仰天して大騒ぎ! 山賊退治や孝子の助太刀等、痛快愉快の大活躍。
  • 講談名作文庫1 真田幸村
    5.0
    徳川の大軍を向こうにまわしてびくともしなかった大阪方の強みは、軍略の神真田幸村のいたことだ。自製の新兵器地雷火大砲を用い、たくさんの忍術者を八方にとばし、敵の総大将家康を幾度となく追い詰める。大阪冬夏二陣の際の智謀と追撃に、誰もかれもが大拍手大喝采!
  • 御書物同心日記
    3.8
    将軍家の蔵書を守れ! 新米同心の奮闘記。本の知識では誰にもひけをとらない丈太郎は、天下の稀本珍本が集められた将軍家の御文庫に勤める新米同心。その使命は一にも二にも本を大切に保管すること。個性豊かな先輩同心がそろう御文庫に、同じく新米同心として角一郎がやって来たときから、奇妙な事件が相次いだ――。江戸情緒あふれる連作集。(講談社文庫)
  • 彼も人の子 ナポレオン
    3.0
    世界史の上で、最も強烈な光を放った男、ナポレオン。勇敢さと人並み外れた集中力で、仏皇帝の座に就いた彼もまた人の子であった。幼児性を残し、自己正当化の果てに破滅していく生涯。少年兵の体験を持つ著者が、矛盾する大号令を臆面もなくかけ続けた男の素顔に、現地取材して迫る。(講談社文庫)
  • 雁金屋草紙
    -
    慕情を胸に異才尾形光琳を見つめる女の心裡。奈津が雁金屋の次男と出会ったのは光琳八歳、奈津十歳のときだった。早くも逸材の片鱗を見せる光琳に奈津は胸をときめかすが、それは果たせぬ恋の始まりだった。(講談社文庫)
  • 神州日月変(上)
    1.0
    江戸で評判の美女が次々神隠しにあった。娘達はすべて十八歳で人気絵師清春の姿絵になったという共通点があった。事件を追う同心古河雷四郎を取巻く妖気の正体は。(講談社文庫)
  • 講談名作文庫22 左甚五郎
    -
    古今に類のない名人甚五郎の神技! ちょっと見ると阿呆のように見える彫物大工の甚五郎が、天下の大久保彦左衛門老人をすっかり感心させ、将軍家光公からは莫大なご褒美に預かる。知恩院や広徳寺建築では恩義のため身の危険も顧みず大苦心。日光陽明門の普請の時にはあまりの腕前に仲間から妬まれ、遂に右腕を切られたりする左甚五郎の血と涙の修行物語、任侠義烈の一生です。
  • 講談名作文庫23 幡随院長兵衛
    -
    悪の限りを尽くす直参旗本と、侠客の間で争いが耐えなかった寛永年間の江戸。侠客の代表的存在である長兵衛は、堅気の人々にまで被害が及ぶ大規模抗争になることを懸念、方々走って和解の道を探る。しかし必死の働きも虚しく、狼藉を重ねる旗本。孝行ものの力士が闇討ちされ、手打ちの約束も反故にされた長兵衛は、遂に自らの命をもって旗本頭、水野十郎左衛門を破滅させる道を選ぶ。身を捨てて江戸を救った、真の侠客ここにあり!
  • 講談名作文庫29 野狐三次
    -
    江戸の花形、火消しの中でも男の中の男とうたわれた、野狐三次の痛快活劇! 捨て子の境遇ながらも、華々しい火消しの職を得るまでになる三次。しかし義人の行く手に試練はつきもの、悪旗本から芸者を助け、火事に喧嘩に向かう先々で苦難の連続。けれどもさすがは男・三次、果てには天晴親の仇討ちもなし、継ぐは父の名上州屋秀五郎。火消しの頭にもめでたく相成り、愛する人とも結ばれ、全てが万々歳のうちに終わる胸のすく物語。
  • 講談名作文庫24 田宮坊太郎
    -
    苦心に苦心を重ねて十一年、首尾よく親の仇を討った田宮坊太郎の血沸き肉踊る武勇伝! 運命の孤児となって寺へ預けられた坊太郎が、僅か八歳の身で四国から遥々江戸に上って柳生飛騨守(宗冬)の弟子となり、遂に水戸、柳生両家の後ろ盾で天下御免の大仇討ちをするまでの物語。母親おつじの涙ぐましい激励あり、感激のうちに面白く読める名講談!
  • 講談名作文庫30 佐倉宗五郎
    -
    不当な年貢の取り立てに対し、義人・宗五郎が立ち上がる! 唐突に告げられた年貢の増税に対し、一揆寸前もやむなしとする仲間たち。それを抑えて殿様に不当を直訴しに行く宗五郎だったが、暗君である堀田上野介は聞く耳を持たない。こうなっては命がけで将軍に直訴するしかないと、我が身を省みずに行った訴えは聞き入れられ、堀田家の重臣はそのかどで重く罰されるが……。涙なしには読めない、佐倉宗五郎、任侠義烈の生涯!
  • 講談名作文庫27 後藤又兵衛
    -
    7、8歳のころから怪童丸とあだ名をされた後藤又兵衛。10歳の時にものすごい唐犬を退治し、12歳の時には海賊を退治するなどたちまち黒田家の人気者となる。14歳の時には河屋城攻めに初陣して敵の大将を難なく槍玉にあげ、その名を天下に轟かせた。諸国へ武者修行に出かけ、数多の豪傑と腕比べをし、関ヶ原の戦い、大阪冬夏の両陣には大暴れ、大手柄を立てるなど大活躍の痛快物語。
  • 講談名作文庫25 国定忠治
    -
    僅か十四で病気の父のため、馬方として世に出た忠治。ずる賢い継母の奸計で父を殺されるも、見事親の仇を取る。その見上げた孝行心と人情味溢れる人柄を買われ、若くして親分となった忠治。持ち前の義侠心から、飢饉の村に金を届け、非道な悪人を斬って捨てる善行を行う。しかし往くは極道、日陰の渡世、人々にはその徳を讃えられながらも、お上からは追われる立場になってしまう。その身を仁義の二文字に捧げた、胸を打つ一代記!
  • 講談名作文庫28 寛永御前試合
    -
    時は寛永年間、三代将軍家光公の御前において行われた古今未曾有の武術大試合! 出場するは荒木又右衛門、宮本無三四、関口弥太郎、伊達政宗、大久保彦左衛門、笹野権三郎、間垣平九郎、羽賀井一心斎、磯端伴蔵、柳生飛騨守、由比正雪等々、いずれも当代一流の錚々たる面々! その神技を尽くした決死の大試合は、読者をして手に汗握らせ、快哉を叫ばせずにはいない!
  • 講談名作文庫26 岩見重太郎
    -
    見よ! 愉快! 痛快! 物凄い大場面! 大豪傑の岩見重太郎が大勇を奮って掛川堤の28人斬、7メートルある大蛇退治や身の毛もよだつ怪物退治、父と兄の敵をたずねて血の出るような大苦心、遂に天橋立で晴れの大仇討ちなど、聞いただけでも胸は高鳴り、血を湧かさずにいられぬ場面が次から次への大講談!
  • 講談名作文庫21 雷電為右衛門
    -
    天下無敵!! 大関を16年間張り通した稀代の名力士雷電の手に汗握る大相撲物語。小さい時から力自慢で、大釣鐘を担ぎあげて40人力を現したのをはじめ驚異の怪力ぶり。力士を志して江戸に上り、谷風の弟子となっては場所毎に優勝。トントン拍子の出世。相撲道の名誉のために悪人と戦ったり、愛弟子越の海の仇討ち相撲をとったり痛快な大活躍。
  • 講談名作文庫16 弥次喜多道中記
    -
    面白い! 又とない滑稽読み物! 天下一の滑稽で、弥次さん喜多さんの底抜けの道中記。名を聞いただけでもおかしくなるような、弥次郎兵衛と喜多八は生まれつき天下無類の呑気者で、頓狂であわてもの。昔の東海道五十三次を歩きながら旅をする二人が、あちこちで大騒ぎ。次から次へと、道中いたるところで珍妙無類の大活躍、読み始めたらとても手放すことができない。
  • 講談名作文庫15 天保六花撰
    -
    悪童・河内山宗俊、大いに世にはばかる! 金はない地位もない数寄屋坊主が、持ち前の舌先三寸で江戸八百八町を渡ってゆく痛快譚。悪でありながら人情家でもある宗俊の下に集うは片岡直次郎、森田屋清蔵、金子市之丞、闇の丑松、花魁三千歳という、いずれも一筋縄ではいかない怪人物。世のしがらみに囚われず、思うまま生きるその姿は正に大輪の悪の花、となえて天保六花撰! 江戸に咲いた徒花の散り際、とくと見よ!
  • 講談名作文庫19 塚原卜伝
    -
    後世に剣聖と称えられる塚原卜伝、その血沸き肉踊る生涯を余すところ無く伝える名講談! 幼い時から才の片鱗を煌めかせ、師である上泉伊勢守から見事一本! 長じて後は諸国漫遊、各国名人達人、更には怪猫との死闘までも繰り広げ、遂には父兄の仇、卑怯千万な佐竹弾正を見事討ち取る! これぞ男子の鑑。八面六臂の大活躍を、とくと御覧じろ!
  • 講談名作文庫14 伊達騒動
    4.0
    数多きお家騒動の中で善と悪との争い、これほど腹の底から湧く憤激、これほど腹の底から泣ける感激感動の物語なし。
  • 講談名作文庫18 清水次郎長
    4.0
    「清水港は鬼よりこわい、大政小政の声がする」と恐れられた大政、小政を始め、あまたの子分から親分と慕われ、海道一の侠客としてその名を天下に轟かした清水次郎長の一代任侠物語。死相を気にして家業をやめて侠客となる。石松の金毘羅参り、卑怯な都鳥の刃にかかって無念の最期を遂げた石松の仇を討ちとる次郎長の子分思い、大侠客の面目躍如として痛快無比な物語。
  • 講談名作文庫17 寛永三馬術
    -
    天下の三名人が秘術を尽くして天晴れ輝く技くらべ!! 三代将軍家光公の頃、その人ありと知られた、馬術の三代名人、曲垣平九郎、向井蔵人、筑紫市兵衛が火花を散らして秘伝の技くらべ。手に汗握る大試合、壮絶快絶の大場面ばかり。壮快だ! 人間業ではない素晴らしいものだ。
  • 講談名作文庫20 大久保彦左衛門
    -
    家康、秀忠、家光のような将軍達も、彦左衛門には叱られるという天下御免の御意見番!! 二言目には『鳶の巣文珠山……』を持ちだして、諸大名や旗本達をピシャッと押さえる痛快さ。たらいに乗って登城したり、我慢会を催し若い旗本連中を驚かしたり、胸のすくような痛快な活躍。しかも、誠忠無二の忠臣で、情あり、涙あり、智あり、勇ある快男児。

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