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Posted by ブクログ
歴史ものは非常に苦手なのですが、短篇集ならと手にとってみたもの。なるほど、面白い。
読んだ後に印象が強いのは、切腹にまつわってはめられた人の復讐の2本。また、他の作品も「謀殺」なる作品もあるくらいで、立場上板挟みの末の話が多い。
映画の宣伝の表紙だったため、つい最近の話かと、それにしては堅苦しい言葉を使っているものであると思いながら読んでいたわけですが、解説までたどり着いて1950年代の作品と知る。たしかにね。
時代小説を敬遠しているのは、たとえば名前が難しい上に登場人物が多いとか、言葉遣いが今と違うのでわかりにくいなどもあるのだけど、それ以上に、時代小説って「回想」の文学なんですよね。
敵とまみえたとき、過去の確執や父親の仇の詳細の話にポーンと飛ぶ。さっき死んだはずの人間が、2行後には生きているわけです。しかも子供。
そのうえ、今の時間軸では、見合ったまま動かなかったり、刀一振りで勝負がついたりするわけ。
そこらの感覚についていけるようになった時に、もう一度読んでも良いなと思う短編集では有りました。
Posted by ブクログ
2004年に亡くなっているらしいが、恥ずかしながら「滝口康彦」という作家を知らなかった。一貫して「士道」を題材にした小説を書かれた作家らしい。
「異聞浪人記(2度映画化)」「貞女の櫛」「謀殺」「上意討ち心得」「高柳父子(直木賞候補)」「拝領妻始末(映画化)」傑作6短編集、かなり一級品。
「武士は死を尊ぶ。生涯のすべてをその一瞬にかける」という死を賭した意地を描く。爽やかまたは説教くさい士道ではない、主人公の一方的な思いに同化するのでもなく、「少し違うな」という違和感と哀しみみたいなものを感じる。それは士道を賛美するのではなくむしろ逆。狂言切腹、追腹、お家大事など、歪んで成熟した士道や武士の意地で片づけるのを否定し裏には「生身の人間の思い」があるということを描こうとしているのか。
Posted by ブクログ
仲代達也主演の映画 「切腹」、そしてリメイク版 「一命」を観て、二つの映画のラストが異なることから、原作はどうなっているのか気になり、この短編集を読んでみた。
6作のうち、「浪人異聞記」がその原作だが、原作は主人公の津雲半四郎の立ちまわりは、書き込んでおらず、余韻を持たせて終わっている。
ここが、小説と映画の描き方の差だと感じる。
この原作は、井伊家の庭先で切腹させてほしいと浪人が申し出るという
意外な冒頭から始まり、その後も謎めいた展開で、惹きつけられる。
描かれるのは、武士の生き方の理念である士道というものが、次第に硬直化して建前に堕して、形式的になり人間味を欠いている様であり、
また、安泰こそい第一という組織の論理に押しつぶされる、人間の哀しみ
である。
Posted by ブクログ
以前「切腹」というビデオを観たけれど、まさか原作がコレだとは・・・!
読んでいて、あれ?これは・・・、あれ?ってなった。
竹光で腹を切らせる映像が怖ろしく印象深かった「切腹」。
はてさてリメイク版の映画「一命」はどんなもんか、気になります。
小説は短編集で読みやすかった。
佐賀や福岡が舞台の話も多く、馴染みも深く感じた。
淡々と武士の悲哀や覚悟を記していて、そこがまた切ない。
自分たちの時代が終わるからといって、たとえ人に笑われ、嘲られても、そこから降りるわけにはいかないんだろうなぁ。
そういう人たちの礎の上に、私たちの世の中だ成り立っているんだ。
私はそういう人間になれるだろうか・・・。
今のところ無理そうだー!
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