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Posted by ブクログ 2011年10月29日
「異聞浪人記」「貞女の櫛」「謀殺」「上意討ち心得」「高柳父子」「拝領妻始末」の6つの短篇時代小説。武士道とは対極にある士道。個人の生死など歯牙にかけない武家社会の欺瞞を描いている。なかでも「異聞浪人記」は、1962年『切腹』そして本年『一命』のタイトルで映画化され、二度にわたりカンヌ国際映画祭コン...続きを読む
Posted by ブクログ 2016年03月03日
古本屋で偶然目に止まり手に取ってみる。
どうやら映画化の便乗商法による文庫のようですが、これは拾い物。
どの短編も体制とそこに無自覚な人々の曖昧さ・いい加減さ・狡さ等に人生を狂わされながらも、尚それでも真っ当に生きようとする人間への愛に満ちています。当然苦さの残る作品が多い訳ですが、苦くない人生なん...続きを読む
Posted by ブクログ 2016年02月04日
歴史ものは非常に苦手なのですが、短篇集ならと手にとってみたもの。なるほど、面白い。
読んだ後に印象が強いのは、切腹にまつわってはめられた人の復讐の2本。また、他の作品も「謀殺」なる作品もあるくらいで、立場上板挟みの末の話が多い。
映画の宣伝の表紙だったため、つい最近の話かと、それにしては堅苦しい...続きを読む
Posted by ブクログ 2012年06月03日
2004年に亡くなっているらしいが、恥ずかしながら「滝口康彦」という作家を知らなかった。一貫して「士道」を題材にした小説を書かれた作家らしい。
「異聞浪人記(2度映画化)」「貞女の櫛」「謀殺」「上意討ち心得」「高柳父子(直木賞候補)」「拝領妻始末(映画化)」傑作6短編集、かなり一級品。
「武士は死...続きを読む
Posted by ブクログ 2012年01月09日
仲代達也主演の映画 「切腹」、そしてリメイク版 「一命」を観て、二つの映画のラストが異なることから、原作はどうなっているのか気になり、この短編集を読んでみた。
6作のうち、「浪人異聞記」がその原作だが、原作は主人公の津雲半四郎の立ちまわりは、書き込んでおらず、余韻を持たせて終わっている。
ここが、...続きを読む
Posted by ブクログ 2016年07月30日
本当に久しぶりに読む滝口さんです。
滝口さんは白石一郎、古川薫とともに西国3人衆と呼ばれた歴史小説作家さんなのですが、最近はほとんど見かけなくなりました。本屋で見つけ「滝口さんが平積みは珍しいな」と思ったら映画化されたんですね。
この本は映画化を機に新しくまとめられた傑作短編集です。
調べたら滝口さ...続きを読む
Posted by ブクログ 2019年12月14日
滝口康彦 「 一命 」
あまり読んだことがない時代小説であるが、武家社会のルールや慣習に批判的な論調であり、現在的な目線で読むことができる
殉死を扱った「高柳父子」は ネット時代の衆愚さにも当てはまるし、「貞女の櫛」「謀殺」はサスペンス要素あり。
ただ 解説で 武家社会を 現代の会社組織に見立...続きを読む
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