Posted by ブクログ
2010年08月05日
全26巻の超大作です。
家康嫌いの将雪が愛読しております(笑)。
叙述が詳細・多岐に渡っていて、描写が豊かで美しく、読み進めていくうちに自分も戦国時代に入り込んでいきます。
さすがの将雪も、これを読んでいるときだけは家康好きになってしまいます(笑)。
まあ普通に考えたら甚だ怪しいんですけどね、「大阪...続きを読む城は涙をのんで攻めた」とか、「秀頼と淀殿は助けるつもりだった」とか、「天下は預かりもの」とか、「泰平のため」とか、思い返すとハァッ?と言いたくなるような、美談の数々がちりばめられています。
でも、読んでいる時は不思議なことに全然疑問を感じないんですよね、怖い(笑)。
そんなわけで、将雪は山岡先生の歴史観には異論がありますが、うなずける部分もあります。
やはり、家康が長い時間をかけて勝者となっていったのには、それ相応の道理があるはずだ、というのは確かに。
まあ将雪はシバリョー先生の描く魅力ゼロの狸親爺の方を支持しますが(笑)、それでもこの本は素晴らしいです。
飽きないドラマ性、歴史の細やかな描写(怪しいのも含めて)、どれも最高ですので、シバリョー先生の『関ヶ原』で口直しをしつつ、この名作を読んでみてはいかがでしょうか?