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プレカリアートの憂鬱
めくるめくプレカリアートの世界へようこそ! 活動家・雨宮処凛が、17人の「プレカリアート」な人々を徹底取材。彼らに希望は?? 社会は変わるか? 生きること、働くことの根源を問う、渾身のルポルタージュ! ――俺たちの魂の叫びを聞いてくれ! これは、明日の見えない「プレカリアート」たちの自由と生存のための闘争史だ。月収10万円のフリーター、ロスジェネ世代のニート、「派遣切り」におびえる非正規雇用者、「債務奴隷」さながらの新聞奨学生、高学歴ワーキングプア、「ネットカフェ難民」の日雇い派遣……「雇用崩壊社会」の現実に迫る懇親のルポルタージュ!! -
常識的文学論
歴史小説、推理小説は「文学」に値するのか? ――大衆文化の隆盛とともに、文学の世界においても、大衆小説や中間小説が文壇の主流へと登場しつつあった1960年代初頭。こうした流れを、純文学にとってかわるものとして擁護する批評家の言も含め、歴史小説や推理小説の実体を根底的に批判した、ポレミックな文学論。<『蒼き狼』論争>となった井上靖への批判、深沢七郎の『風流夢譚』批判、松本清張批判など、スリリングな文芸時評16篇。 「昨年中から大衆文学、中間小説の文壇主流進出を認容する論調があった。現象自体は現代の大衆文化進展の一環であり、別に不思議もないが、われわれの伝統や世界文学史に基いた文学の理念をこわしてまでこれを擁護しようとする批評家が一部にあった。(略)私はそれらに対して、文学の原理を争うのではなく、諸君の礼拝している淫祠邪教の実体はこれなのだ、と摘発する方法によった。」(「序」より) -
飆風
作家になることは悪人になることだ。生きることで他人を傷つけ、小説を書くことで自らをも痛めつけてゆく。すさまじい作家が、己の精神を追い込み、崩壊していく様を曝した、最後の私小説――「靴と下駄とスリッパが空中を飛んでいるんだ。ほら、そこに。」「くうちゃん、何言ってるの。何も飛んでいないじゃない。」「いや。飛んでいるんだ。階段も廊下も流れているし。」「変ねェ。何も流れていないじゃない。いつもの通りじゃない。」「ああ、俺は気が狂った。アロエの毒を呑まされた。」「誰に。」「誰だか分からない。俺の頭の中を風が吹いていくんだ。」「風?」(本文より) -
鳴滝日記・道 岡部伊都子随筆集
「美の巡礼者」岡部伊都子の京を巡る随想集。いとはん育ちの著者は、婚約者を戦争に送った慚愧を胸に戦後を生き、暮しの細部に宿る美、哀歓を美しい言葉で綴った。土地の精霊との交感から生まれた清々しい初期随筆集! ――ふしぎなめざめにうながされて……、凍てつく土中から虫たちが這い出すように、女ひとり、戦後をつよく生きる想いを綴る「四季採譜」。大阪のこいさん育ちの著者が生涯の地・京に移り住み、暮らしの中から紡ぎ出す美しい言葉で古都の魅力を語り尽す「鳴滝日記」。古の道、ふるさとの道、露地の道を行き交う人の運命を哀切に描く「道」など4篇。豊かな感性と強靭な志の1冊。 -
黙阿弥
黙阿弥の真の姿と心の奥の風景を描く曾孫からの鎮魂の評伝。 ――坪内逍遙に“明治の近松、我国のシェークスピア”と称された河竹黙阿弥。その78年の生涯を、秘蔵の原稿や手記をもとに、曾孫にあたる著者が心をこめて描いた評伝。幕末から明治への激動の時代を生きた黙阿弥の作者魂と、江戸作者の矜持。それは現代にも通じるひとつの「生」の記録でもある。 ※本書の初出は、「別冊文藝春秋」(1991年夏~1992年秋)に「孤影の人」という題で発表され、単行本は、文藝春秋より1993年2月に『黙阿弥』と改題され刊行しました。底本は、文春文庫『黙阿弥』(1996年)を使用し、著者により若干の訂正をいたしました。 -
書林逍遙
かくも深遠なる本の世界。太宰治・江戸川乱歩・柴田錬三郎・宇野千代・岡本綺堂・川口松太郎・三島由紀夫・舟橋聖一・幸田文・芥川龍之介・川端康成・夏目漱石・柴田翔・吉行淳之介・伊集院静・吉村昭・山田風太郎・小沼丹・向田邦子・近松秋江・武田泰淳……急逝が惜しまれる、稀代の読書家・久世光彦がこよなく愛した文学のかたち、そして初版本との出逢い! 〇書は<時代>を映し、かつての数々の<恥>を呼び覚ます。特に若い日に読んだ書は厄介だ。1冊1冊に恥が纏い付いている書の記憶は、突然蘇って、いまもこの身を苛んで離れない。「右大臣実朝」の顰みに倣うなら、《歳月トハ、怯懦ノ姿デアロウカ》――。<本文より> -
私の長崎地図
生まれ育った町を振り返りながら書き綴った「私の長崎地図」を中心に、筆者の長崎へ対する思いが溢れる小説、随筆を編纂した作品集。――生まれ故郷・長崎。しかし、そこは再訪するのに四半世紀の時を必要とした地でもあった。強い郷愁と訪れることへの不安が、町の色や海の香に彩られた過去から、現在に至る心の風景を紡ぎ出す。長崎を舞台にした「私の長崎地図」「歴訪」「色のない画」などの小説や随筆を精選したこの作品集は、『私の東京地図』と対をなす著者の魂の彷徨である。※本書は『佐多稲子全集』(講談社・昭和52年11月~昭和54年6月刊)、『小さい山と椿の花』(講談社・昭和62年10月刊)、『思うどち』(講談社・平成元年6月刊)を底本としました。 -
償いのフェルメール
シリーズ連続全米1位! 世界的名画《合奏》が消え、いわくつきの富豪が殺害された。 その背後には核の危機を招く陰謀が―― 巨匠が描く、スパイ小説の最前線。 アマルフィの豪邸で黒い噂のある実業家が殺害され、一枚の絵画が盗まれた。イタリア当局から協力を求められたガブリエル・アロンは消えたのはフェルメールの幻の名画であり、殺人はプロの手口だと見定める。手がかりを追ううち、Zのタトゥーのある暗殺者の襲撃を受けたガブリエルは、事件の裏に“コレクター”と呼ばれるロシアの謎の新興財閥(オリガルヒ)の存在と、隠された核を巡る陰謀を突き止め――。 -
スパイたちの遺灰
その“手記”は世界の秩序を破壊する。 WWⅡ後の諜報史、その裏には伝説のスパイ・スカーレットがいた―― ジェフリー・ディーヴァー絶賛! 「生まれながらのストーリーテラー」ジェフリー・ディーヴァー 「注目必至。ページをめくる手が止まらない」スティーヴ・キャヴァナー サンデータイムズ紙のBook of the Year 2023選出! ガーディアン紙のBook of the Year 2023選出! ある日、冴えない諜報史の准教授マックスのもとに1枚の名刺が届く。スカーレット・キング――MI6の伝説のエージェントが、半世紀にわたる諜報活動を綴った手記を出版したいと言うのだ。イギリス政府が隠蔽してきた作戦が表に出れば、世界が注目する。マックスは浮き足立つが、直後にスカーレットが殺害され、MI5に追われる身に。窮地を脱するため手記の原本を捜すうち、歴史の裏に隠された真実が浮かび――。 -
怪奇日和
「この現実と地続きの近未来恐怖絵図」【解説】東雅夫(文芸評論家) 新世代モダンホラーの旗手ジョー・ヒル最新作。 記憶を吸い取る“ポラロイドカメラ”を手にした謎の男が現れる『スナップショット』、森林火災が迫る町で起きた不可解な銃撃事件を追う『こめられた銃弾』、スカイダイビング中に不思議な雲に迷い込んだ男の追憶『雲島』、奇妙な雨が降り、あらゆものが命を奪われていく『棘の雨』の4篇収録。デビュー作にしてブラム・ストーカー賞に輝いたモダンホラーの奇才が放つ、怪奇幻想文学 中篇集! 【収録作品】 スナップショット 白石 朗 訳 Snapshot こめられた銃弾 玉木 亨 訳 Loaded 雲島 安野 玲 訳 Aloft 棘の雨 高山真由美 訳 Rain -
詩人と母
2021年冬、ほぼ同じ頃に母を亡くした同世代の詩人が、 それぞれの母への想いや少年時代のエピソードなどを詩とエッセイで綴り、 それが1冊の詩集になりました。この詩集は、母の死をきっかけに生まれた詩集であり、 同時に、中国と日本の詩人の友情から生まれた詩集でもあります。 二人の詩人は「あとがき」に次のような言葉を記しています。 「母が亡くなった翌日、涙を流しながら、詩を書き始めました。 私たち二人の母だけでなく、天下のあらゆる母に感謝します。産んでくれてありがとう」(田原) 「読んでくれるみなさん、一人ひとりが、身近な人の死に関わる時、 そこから命を引き継いで自分らしく生きていくヒントになればと願って、 私はこの本と『さよなら』して、読者としてまた鑑賞します」(松崎義行) 本書では、「母の死」を描くことで「母の生」に光を当て、 詩人らしい感性豊かな言葉で生き生きと「私の母」を描いています。 それは心の中でいつまでも生き続けるやさしい母ですが、 同時に「謎」としての母でもあります。 そして詩の中の母は、肉体の死を超えて永遠に生き続けるようにさえ思えます。 -
革命前・革命中・革命後 歴史概説
【タイトル】 『革命前・革命中・革命後 歴史概説』 【内容紹介】 ウジェーヌ・スクリーブ (1791–1861) +ド・ルージュモン (1781–1840)作『革命前・革命中・革命後 歴史概説』は、典型的な貴族シュルジー家の約40年間(1787年・1793年・ 1825年)を、フランス革命がどのように変革したかを、それぞれ喜劇・ドラマ・ヴォードヴィルという3つの演劇ジャンルに分けて舞台上で表現してみせた驚くべき意欲作である。スクリーブは、長子相続権に象徴されるアンシャン・レジーム(旧体制)の支配した革命前、離婚法に代表される極端な民主化を産んだ革命中、王政復古で立憲王政になった革命後、その激動の時代のフランスを描き切ったのである。日本ではほとんど紹介されたことのない19世紀最大の劇作家スクリーブの問題作の本邦初訳である。 2. 英語紹介文 (English Description) 【Title】 Before, During, and After the Revolution: A Historical Survey 【Description】 Before, During, and After the Revolution: A Historical Survey—co-authored by Eugène Scribe (1791–1861) and Michel-Nicolas Balisson de Rougemont (1781–1840)—is a remarkably ambitious play. It vividly demonstrates on stage how the French Revolution transformed the lives of the Churlgy family, a typical aristocratic household, over a span of approximately forty years (1787, 1793, and 1825). Strikingly, the authors captured each of these eras through three distinct theatrical genres: comedy, drama, and vaudeville. Scribe masterfully depicts a changing France: the pre-revolutionary period ruled by the Ancien Régime and symbolized by primogeniture; the revolutionary period marked by radical democratization and the introduction of divorce laws; and the post-revolutionary period under the constitutional monarchy of the Restoration. This volume marks the very first Japanese translation of this thought-provoking masterpiece by Scribe, the greatest playwright of the 19th century, whose work has rarely been introduced in Japan. 3. フランス語紹介文 (Description Française) 【Titre】 Avant, Pendant, et Après : Esquisse historique 【Description】 Avant, Pendant, et Après : Esquisse historique—œuvre co-écrite par Eugène Scribe (1791–1861) et Michel-Nicolas Balisson de Rougemont (1781–1840)—est une pièce d'une ambition remarquable. Elle met en scène la manière dont la Révolution française a bouleversé sur près de quarante ans (1787, 1793 et 1825) la vie de la famille de Churlgy, une lignée aristocratique typique. Les auteurs ont le génie de dépeindre chacune de ces époques à travers trois genres théâtraux distincts : la comédie, le drame et le vaudeville. Scribe y retrace magistralement les mutations profondes de la France : l'Avant-Révolution dominé par l'Ancien Régime et le droit d'aînesse ; le Pendant-Révolution qui vit naître une démocratisation extrême illustrée par la loi sur le divorce ; et l'Après-Révolution sous la monarchie constitutionnelle de la Restauration. Cet ouvrage propose la toute première traduction en langue japonaise de cette œuvre majeure de Scribe, le plus grand dramaturge du XIXe siècle, dont le génie restait jusqu'alors largement méconnu au Japon. -
文藝 2026年秋季号
※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 【創作】 大前粟生「いつか、僕のしたことをきみに話せるだろうか」 作家仲間たちと公園で落ち合う深山。Iさんが最近は戦争のことばかり考えてしまうと言う。そして深山にもついに「その日」が訪れ――時代の生傷を照射する圧巻の日記文学。 金子薫「〇(まる)」 未解決事件の新展開を機に、自身の創作にひそむ妄想に取り憑かれた人形作家・宍戸。万物の球化を幻想し、生みだす手と殺める手が重なりかけた先で彼が出会う世界とは――。 日比野コレコ「ALL IS HONEY TO ALL」 建築学科生のしゅづきは、友だちの恋人で身長が3mの「六」と出会う。彼は金属製の竹馬のような装置を履き、まるで尖塔のようで――。奇想と日常が溶け合う青春短篇。 【特集1 失踪・家出・エスケープ】 ◎短篇 石田夏穂「私を某国に連れてって」 奥野紗世子「惑星と大銀杏」 木村友祐「握った手を放すかも」 相川英輔「丸洗い」 ◎短歌 穂村弘 選 “失踪”短歌10首 ◎ブックガイド 佐藤究・松永K三蔵・江南亜美子・駒田隼也・豊永浩平・杉江松恋・倉本さおり 作家・書評家7人による人生を揺さぶる「失踪」文学3選 ◎エッセイ・論考 島本理生「銀河鉄道には乗らない」 大森時生「thin たぬき」 いがらしみきお「リセット三題」 金川晋吾「いなくなって、戻ってくる父」 星野概念「星野狂セリ、みたいな」 森あらた「繰り返す、ニューノーマル」 村上靖彦「刑務所で出会ったAさんの逃走から教わる」 【特集2 AIは中原昌也を拡張できるか】 高橋源一郎「中原昌也と声帯AI中原昌也とオレ、エトセトラ」 高橋源一郎×中原昌也×宇川直宏「声帯AI中原昌也と未来の文学」 【紀行】 西加奈子「北米滞在記」 【第9回 日本語で読みたい韓国の本 翻訳コンクール 受賞者決定!】 ◎審査評 星野智幸、オ・ヨンア、古川綾子 ◎受賞の言葉 中井優子 ◎課題作 キム・メラ 著、中井優子 訳「エコール」 【特別寄稿 戦争がふたたび日常になったこの時代に】 皆川博子「声」 辻真先「戦争が日常だった時代のぼく」 【連載】 師田史子・柳谷あゆみ・須藤輝彦「世界の路上から」vol.2 アフマド・サアダーウィー 著、柳谷あゆみ 訳「ムタナッビー通りから世界へ バグダード──痛みと語りの街」 北村薫「日もすがら、夢みつつ……」【第2回】 星野智幸×シン・ミナ 往復書簡「地球から半歩」【第3回】キム・ソキ、清水知佐子 訳 円城塔「ホモ・ネクロ」【第5回】 いとうせいこう「難民移民モノローグ」【モノローグ6】 岸政彦「犬は人生」【第6回】 岸本佐知子「尻 on fire 日記」【第6回】 文芸季評 水上文「たったひとり、私だけの部屋で 立場性と文学」2026年4月~6月 山本貴光「文芸的事象クロニクル」2026年3月~5月 第64回文藝賞応募規定 【書評】 皆川博子『ジンタルスRED AMBER』【評】石井千湖 町屋良平『IDOL』【評】笠井康平 八木詠美『アンチ・グッドモーニング』【評】土門蘭 遠野遥『吸血鬼』【評】河野真太郎 土門蘭『戦争と五人の女』【評】植本一子 松田いりの『ハッピー山』【評】原宿 荻世いをら『彼女のカロート』【評】山本莉会 J.D.サリンジャー 著、柴田元幸 訳『サリンジャー初期短篇全集』【評】佐藤友哉 著者一覧 次号予告・編集後記 -
レオン、ザ・ゴラッソ~スラム街編
ワールド・カップ優勝の夢を抱き、東南アジアにあるカヤオ国のスラム街ドリーム・ヒルズから、世界へと飛び立つサッカー少年、レオン・メンドーサの挫折と希望の物語。サッカーに夢を託した少年、レオン・メンドーサの物語の第一章「スラム街編」です。東南アジアのある国の、トタン板に囲まれたスラム街ドリーム・ヒルズに生まれ育った少年レオン・メンドーサ。未来のない貧困に囲まれながらも、ある日サッカーに出会い日本のジュニア・チームとの試合で蒲田平介コーチの目にとまります。スラム街の男の子レオンが自分のそしてスラム街の人たちの夢をサッカーに託し、小さな身体でたくましく歩み成長する、友情と挫折と希望の長編物語。東南アジアから日本、日本から欧州へと、サッカーの真なる「野生」の強さ、清々しさを纏る、レオンがたどるサッカーの旅路を皆さんと楽しめればと願っています。本作は「スラム街編」です。 -
世界怪奇実話傑作選
・三つの筆名を使い分け、わずか35歳で忽然と世を去った伝説の作家、長谷川海太郎=牧逸馬。 ・「中央公論」に連載された代表作を精選。愛好家必読のミステリー百科。 ・著者は、1928年、中央公論社の特派員として、1年3ヵ月に及び欧州に滞在。ロンドンでは、中央公論の潤沢な資金を用いて、街一番の古書店にある、あらゆる怪奇事件を伝える資料を買い占めたと伝えられる。 ・帰国後、この資料をもとに執筆されたのが、「牧逸馬」名義の代表作となった「世界怪奇実話」である。 ・『中央公論』1929年10月号~1933年3月号連載。全33話。1930年~32年に順次書籍化されるが、単行本としては未完。 ・本書は、島田荘司氏が、本連載から「ミステリー百科」的要素を持たせたいと14編を精選。1)短篇小説として読める。2)その出来具合、面白さの度合い。3)ミステリー教養的な意味合いで、事件の客観的重要度。以上の観点からセレクトしたもの。 ・本書の編集にあたって、各編のタイトルは、事件に寄せたものに一部変更。 ・事件の同時代に現地に居合わせた作家によるドキュメントとしても貴重。 ・2003年、島田荘司編『牧逸馬の世界怪奇実話』として刊行されたものを改題した。 -
桜田に散る
戦国の関東を駆け抜けた一人の武将、その生と死を描く歴史小説。 本作『桜田に散る』は、北条氏の関東制覇という激動の時代を背景に、大道寺政繁という実在の武将の生涯を軸に描かれた重厚な物語です。 北条早雲の登場から始まる関東の覇権争い。応仁の乱後の混乱を機に、旧来の秩序が崩れ、新たな力が台頭していく中で、武士たちは己の野心と信念を胸に戦場へと身を投じていきます。そうした時代のうねりの中で、大道寺家は北条氏と運命を共にし、その中心にいたのが政繁でした。 河越夜戦をはじめとする数々の合戦、主君への忠義、家の存続を背負う覚悟――。若き日から戦場に立ち続けた政繁の姿は、単なる武勇伝にとどまらず、「武士とは何か」「生きるとは何か」を問いかけます。 本書は、戦国史における北条氏の躍進と関東の勢力図の変遷を丹念に描きながら、一人の武将の生き様を通して、時代そのものの熱と重みを伝えます。歴史好きはもちろん、骨太な人間ドラマを求める読者にも強く響く一冊です。 -
さえないミステリ作家の事件簿
自分の本を売り込もうとブック・フェスティバルへの参加を決めたミステリ作家のジェイン。けれど来場作家リストに名前はないし、売れている新人に嫉妬してしまうし、大物編集者にも書評家にもうまく話しかけられない……だったらせめて自分の小説を物販ブースの目立つ場所に移動させてしまおうと、テントに忍び込んだ。そこで見つけたのは、業界でも有名なやり手エージェントの死体! ジェインは第一発見者として警察と話をするけれど、たかが本のことで人が殺されるわけがないと決めてかかっている。このままでは犯人は見つからないのではないか。フェスティバル会場でも事件のことを、出し物のひとつのように噂している。今までジェインが執筆してきた探偵術は、現実でも犯人を見つけられるのか!? -
文藝 2026年夏季号
※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 特集:失恋、あるいは愛の不可能性 【創作】 小泉綾子「私の獲物が、」 絶対ありえない。夫の上司に勝手に子どもの命名をされ、怒髪天をつく那美の信じられない反撃! 女が自由に生きられない世界に全力でNOを突きつける、文藝賞受賞第一作! 図野象「空洞」 若くして死んだ友人の葬式に出席するため、俺は会社を辞めることにした。恋・仕事・友情――人生の地獄めぐりの果てに見えた景色とは。衝撃の文藝賞受賞第一作。 ◎BAUM×文藝 特別企画 掌編 西加奈子「みどり」 幼い頃、桜の下で「小さなおばさん」を目撃したみどり。以来「わからない」を忌避してきたが――。 【特集1 失恋、あるいは恋の不可能性】 ◎対談 島本理生×濱野ちひろ「『恋愛の加害性』を超えて」 又吉直樹×小原晩「ひと、わからないからおもしろい」 ◎短篇 長井短「根津ハイツ400」 J.D.サリンジャー、柴田元幸 訳「イレーン」 小原晩「さようならしないよ」 ◎短歌 川野芽生「占星」 ◎論考 堀内翔平「試行錯誤のできない社会で、恋の不可能性を考える」 難波優輝「恋愛の根源的はちゃめちゃさとおもちゃの恋」 ◎ブックガイド 瀬戸夏子、宮崎智之、青木耕平「もうすぐ絶滅するという恋愛についてのブックガイド」 ◎エッセイ 石井ゆかり「『世の中』の周縁のサンクチュアリ」 八木詠美「失恋博物館へ」 年森瑛「一角獣は自由恋愛の夢を見るか?」 山田由梨「恋愛を描きたくなかったのは」 ラブリーサマーちゃん「痛みを誇る」 【緊急寄稿 特集2 殺したくも殺されたくもない私たちのNO WAR】 いとうせいこう「平和を笑うな」 金井真紀「二月、テヘランにて」 グレゴリー・ケズナジャット「葬儀の準備」 コムアイ「絶望に駆られないための読書とポッドキャスト」 瀬尾夏美「あたりまえの反戦」 谷崎由依「四歳児の問うたこと、または資本主義の身体について」 吉村萬壱「症例(手記 六十五歳・小説家)」 【新連載】 北村薫「日もすがら、夢みつつ……」【第1回】 大久保健、粟飯原文子、嘉山正太「世界の路上から」【vol.1】 奈倉有里「酸素ボンベ——ロシア文学の海外出版・地下出版の現在」 嘉山正太「煙の街──一五歳の少女と横たわる死」 【連載】 町田康「ギケイキ」【最終回】 往復書簡 星野智幸×シン・ミナ「地球から半歩」【第2回】キム・ソキ、清水知佐子 訳 円城塔「ホモ・ネクロ」【第4回】 いとうせいこう「難民移民モノローグ」【モノローグ5】 岸本佐知子「尻 on fire 日記」【第5回】 岸政彦「犬は人生」【第5回】 柳美里「JR常磐線夜ノ森駅」【第9回】 【季評】 水上文「たったひとり、私だけの部屋で (ディストピア)文学」2025年12月~2026年3月 【書評】 松浦理英子『今度は異性愛』【評】水上文 島本理生『ノスタルジア』【評】吉田大助 世阿弥、岡田利規 訳『現代語訳 風姿花伝・三道』【評】濱口竜介 綿矢りさ『グレタ・ニンプ』【評】中西智佐乃 桜庭一樹、斜線堂有紀『そうだ、きみを憎めばいいんだ』【評】齋藤明里 水沢なお『こんこん』【評】大前粟生 才谷景「海を吸う/庭に接ぐ」【評】朝宮運河 有手窓『お隣さんの置き配がヤバすぎる』【評】犬山紙子 【連載】 山本貴光「文芸的事象クロニクル」2025年12月~2026年2月 著者一覧 次号予告・編集後記 -
美貌の県主は領地の事件を解く
京城一の美貌と謳われた名門令嬢――昭華県主。 皇帝に寵愛された公主の娘として生まれ、 両親に溺愛されて育った“掌中の珠”。 しかし十六歳で嫁いだ先の夫は、臆病で無能な野心家。 夫婦の心はすぐに離れ、財産を分けて別居。 結婚は名ばかりのものとなった。 二十七歳となった今、 彼女は南方の領地〈緑桑塢〉で自由気ままな生活を送っている。 広大な荘園、富と権力、忠実な従者たち。 だが、この地では日々さまざまな事件が起こる。 盗み、争い、不可解な死―― 聡明な県主は、領主として民の訴えを裁き、 時に自ら現場に赴き、謎を解き明かしていく。 そんな彼女の前に現れたのは、 かつて幼い頃、彼女の家に預けられていた少年。 今や皇帝の子として封じられた、若き親王だった。 年下で、狡猾で、執念深い男。 そして――彼女にだけ執着する男。 彼は微笑んで言う。 「あなたと私が結ばれる理由ですか?」 「縁がなくても――権力があればいい。」 領地で次々と起こる奇妙な事件。 背後に潜む陰謀と権力争い。 そして十年越しに再び動き出す、危険な恋。 聡明な美女県主 × 腹黒年下親王。 二人が挑むのは、恋と謎に満ちた事件の数々―― 中華風ミステリ×ロマンス、開幕。 -
あの日、君の背中を追いかけなければ
SNS総フォロワー数35万人超え、累計発行部数10万部突破! 切ない恋愛メンタリティーを表現する投稿に共感の声が続出。 恋愛作品作家、メンヘラ大学生初の長編書き下ろし小説。 大学時代にSNSで始めた恋愛に関する切実な投稿が共感を呼び、 それらをまとめた恋愛エッセイ『好きな人のよさをわかっているのは自分だけでいい』(KADOKAWA)でデビュー。 初著書で4万部突破。2023年に初の小説『君に選ばれたい人生だった』を刊行。 人気スリーピースバンド「Saucy Dog」の楽曲から生まれた連作小説集がSNSで反響を呼び3万4000部突破。 本作『あの日、君の背中を追いかけなければ』は著者初の長編小説。 東京の私立大学に合格し、山梨から上京した主人公・矢島幹人は、新歓コンパで出会った少し変わった女の子・長岡ちなと意気投合。 彼女の望みである<死ぬまでにやりたいことノート>を2人で1つ1つ実践し、叶えていくことを約束する。 ところが、そのノートを叶えていくためには、彼女の抱えるある病気が大きな障害に。 その病にふたりは、どのように向き合い、答えを出していくのか………? 恋をすることの意味、人を愛した証しとは? 幹人とちなが決断したラストに、涙腺決壊必至。切なすぎる青春ラブストーリー。 プロローグ 1章 俺はお前らがうっすら嫌いだし たぶんそれ以上に自分のことが嫌いだ 2章 君と出会ってからやたらと世界がまぶしい 3章 近付かなければ、知らなければ 4章 それでも好きでいいですか 5章 君が君じゃなくても <ストーリー概要> 市立高校を卒業したと同時に、志望していた都内の大学の合格通知が届いた幹人。 東京出身の母の学歴志向により、中高と勉強に明け暮れた幹人にとって、東京での大学生活ははじめて手にする自由だった。 ところがいざ学校が始まると、幹人の思うような大学生活は始まらなかった。 輝かしい学生生活を謳歌しようと必死な同級生たちを冷めた目で見ているうちに、いつの間にか周りは友達で固まり、 幹人にとって唯一気軽にしゃべれるのは、たまたま学籍番号が隣だった同じ地方出身の勇太だけだった。 焦りを感じた幹人は、勇太の誘いで、飲みサー同然のバドミントンサークルの新歓コンパに参加する。 馴染んでいく勇太と違い上手く立ち回れない幹人は、飲めないアルコールを無理強いされた挙句にジョッキを落とす失態をしてしまう。 そんな中、飲み会の最初から気になっていた女の子が、席を立ち店を出ようとしていたところを見つけ、 思わず声をかけ、ともに店を抜け出すことになる。 長岡ちなと名乗る彼女は、長い間病気をしていたため、これまでの人生でできなかったことが多く、 闘病中にそれをノートにリスト化してきたのだという。それが通称<死ぬやり>ノート。 これからの大学生活で、ノートのリストの1つ1つに挑戦していきたいのだと言う彼女に、 幹人は、思わず「一緒に手伝いたい」と申し出る。 嬉しさのあまり泣き出したちな。こうしてふたりの「死ぬやり」ノートの実践の日々が始まるが……。 <著者より> なんで人は恋に落ちるんだろう。 誰かを好きになって、ときに苦しんで、それでも過ごした時間を愛おしく思うんだろう。 幹人とちな、二人が選ぶ恋のあり方に注目して読んでみてください。 -
老令嬢探偵の事件簿
【1910年、ハレー彗星の降る夜。誰が子爵を殺したか?】 面白すぎて発売前に14ヵ国が版権取得!! 79歳の老令嬢と少年院帰りの召使いが挑む。 フーダニット×孤島×密室×貴族の館=どんでん返しの連続殺人!? 解説・若林踏 【誰が子爵を殺したか? 容疑者リスト】 No.1 エドウィン ケチな下院議員。 No.2 ミスター・ストークス 優秀な執事。 No.3 レティス 子爵の従姉(いとこ)。 No.4 ジョリオン 大酒飲みの海軍少将。 No.5 ミュラー教授 ドイツ人科学者。 《探偵チーム》 ミス・デシマ 79歳の毒舌老令嬢。 スティーブン 少年院帰りの召使い。 テンペランス 泣き虫メイド。 《ロンドン警視庁》 ジャーヴィス警部 【あらすじ】 1910年の英国。少年院帰りのスティーブンは謎の手紙に導かれ、孤島の館で従僕(じゅうぼく)として仕えることに。 その日は奇(く)しくもハレー彗星が地球に到達する日で「毒ガスが広まり、世界が終わる」と騒動が起きていた。主の子爵は館中の窓や扉を板で密閉させ、スティーブンに嫌われ者の老令嬢デシマの世話を任せる。 その夜、事件が起きる。子爵が書斎で殺されたのだ。犯人は誰(フーダニット)? 面白すぎて発売前に14ヵ国が版権取得した超期待作! The Murder at World's End by Ross Montgomery カバーイラスト/原田俊二 カバーデザイン/鈴木成一デザイン室 -
ことばと
文学ムック 『ことばと』vol.1 創刊号 編集長/佐々木敦 ロゴマーク/石黒正数 表紙・本文デザイン/戸塚泰雄 装画・挿絵/近藤恵介 巻頭表現 福田尚代「文房具たち」 創作 阿部和重 小笠原鳥類 片島麦子 小林エリカ 佐川恭一 千葉雅也 保坂和志 マーサ・ナカムラ 山本浩貴 本がなければ生きていけない 伊藤亜紗 堤雄一 など ※電子版には≪【座談会】柴田聡子×又吉直樹×佐々木敦「「言葉と何か」についての120分」≫≪翻訳 ウティット・ヘーマムーン 心焦がすサイゴン 福冨渉訳≫は含まれません。 【目次】 巻頭表現 福田尚代 文房具たち 創作 千葉雅也 マジックミラー マーサ・ナカムラ 帝都の墓/阿弥家の墓参り 阿部和重 Hunters And Collectors 小笠原鳥類 エルガーを聞きながら書いた小説 小林エリカ 緋色の習作 A Study in Scarlet 佐川恭一 舞踏会 保坂和志 胸さわぎ 片島麦子 レースの村 山本浩貴 pot hole(楽器のような音) 本がなければ生きていけない 堤雄一 二つの本棚 本がなければ生きていけない 伊藤亜紗 とともに考える 執筆者プロフィール ことばと新人賞創設のお知らせ・公募一次選考通過作品 編集後記 【著者】 書肆侃侃房編集部 書肆侃侃房編集部 -
三重県津市西区平山町3-15-7
「ていうか、そもそも三重に西区も平山町もないやん。釣り確定」 「その通りです。けれどこの住所は、検索履歴、ネットの書き込み、テレビの速報テロップ……。 あらゆるところに紛れ込んでいるのです。本当に、存在しない、のでしょうか?」 『三重県津市西区平山3‐15‐7』 それは、存在するはずのない住所。 けれどネットで、書籍で、新聞で、雑誌で。 あらゆるところでその住所の情報を目にし、 作家の小林は、まるで見入られたように、その住所について調べ始める。 すると一見関連性のない出来事が、一つの真実を指し示し……。 カクヨムコン10 ホラー部門大賞、コミカライズ賞受賞のモキュメンタリ―ホラー、書籍化! -
シャーロック・ホームズの事件録 三つの鍵
19世紀、ロンドンを賑わす大魔術師の脱出マジックで殺人が―― ホームズ×ワトスン、3つの謎に挑む本格パスティーシュ! 1887年、大魔術師の公演に沸くロンドン。その魔術師のもとに切断された指が届き、心配した妻がベイカー街221Bを訪ねてきた。ホームズとワトスンが公演へ赴くと、巨大な水槽からの大脱出の最中ありえない事故が起きる。同じ頃、若い娘が忽然と姿を消し、腕をもぎとられた彼女の人形が川で発見される。さらにワトスンは亡き母が遺した鍵のかかった小箱を受け取り……。ホームズの新たな事件! -
神様のリセット
ショートショートの小箱シリーズ第5弾! 怪しく面白い不可思議な世界、花咲町へようこそ! 珠玉のショートショートがラストにつながる39編 → 1編というハイブリッドな展開をご堪能あれ 舞台となる花咲町界隈は、怪しくも面白い不可思議な世界です。 随所に散りばめられた伏線と、まさかの結末をご堪能ください。(「はじめに」より) 【目次】 はじめに 川柳合戦 丑の刻参り 欲張りなばあさま みんなの夢 心霊盛り 森の鍼灸院 夜のしらべ 自称宇宙人 茶屋の藁人形 手品少年 異星のターザン 口止め料込 三つ目の願い アリ仙人 流れ者の報酬 小さな英雄 オリク星 十左衛門の首 憑依生物 三つ目入道 なぞかけ町 あっぱれな忍者 首長族の商法 老舗ブラック軒 神の喫茶 昭和風小学校 長年の増築 返信王子 本物 骸骨星人 動物店員 パワーアップ 身体を張って 前世と来世は 不可思議な力 二人の先生 トリックプレー 伝説のオオカミ 神様のリセット 【著者】 目代雄一 高知県生まれ。学校勤務を経て、現在はショートショート作家。著書に『花咲町奇談』『開けてもいい玉手箱』『切手の贈り物』『森の美術館』などがあり、単行本とともに電子版も配信中。 -
人に学び、人に生かす。
Ai時代、人からの学びが人を、組織を育てる。 度肝を抜かされた星野仙一の愛、悔しさしか残らなかった名将・野村克也との出会い、指導者として学びを与えてくれた工藤公康、辻発彦……名将たち、松井稼頭央、浅村栄斗、柳田悠岐……名プレイヤーたち。実績を残せずとも心に残る多くの指導者、選手たちに学び、生かそうとしたこととは? 優しいだけでもダメ。叱るだけでもダメ。 どうすれば、指導者は選手を、組織を成長させることができるのか? 向き合い続けた平石洋介が綴るその作法は「平石洋介を作らない」。 39歳で東北楽天ゴールデンイーグルスの監督となった平石洋介。その後も、福岡ソフトバンクホークス、埼玉西武ライオンズのコーチとして請われてきた。 「年齢関係なく、意見ができる」 PL学園の先輩で楽天時代のチームメイト、その後はコーチと選手、さらにはヘッドコーチと監督というさまざまな関係性を築いた松井稼頭央は平石をそう評価する。 選手にも慕われた。「辞めないでください」行く先々でかけられた。 平石洋介が多くの選手、チームに信頼された理由。 それが「本気で人に、チームに向き合う」なかで「長所」「短所」を見つけ、必要なタイミングで伝える、ことに腐心したことだ。 なぜそれができたのか? プロ入りまで中学生で大分から大阪に渡るほどの心意気で野球に没頭し、プロ入り後は多くの失敗を経験して「人に学んできた」。そこから導き出された人生の在り方と、頼られるリーダーのあるべき態度。 -
信商デパートは終わらない
信商デパート――それは長野県の信州商業高等学校で、在籍生徒総動員で行われる年に一度の大イベントである。 生徒たちが模擬会社を組織し、自らの手で「信商デパート」と呼ばれる大規模販売会を企画・運営するのだ。 冴えない中学生時代に信商デパートを訪れ、その楽しさに魅せられた三浦和樹は、「ここの社長になりたい!」という野望を胸に信商に入学した……のだが、生来の内気な性格を打ち破ることができず、3年生となった今年も一社員としての参加にとどまるであろう、相変わらずの冴えない青春を送っていた。 そんなとき、密かに憧れていた教師の村松摩耶に呼び出された和樹は、彼女から「社長特別補佐」に任命される。聞いたこともないその役職に戸惑う和樹。しかも今年度の社長は文武両道に秀でた完璧少女として名高い武田晴香なのだから、自分の出る幕などどこにあるというのだろう。ますます困惑する和樹に、村松はさらなるミッションを与えた。「あの子の様子を見張って、私に報告してほしいの」と。 アイドル志望の少女と料理男子が「和食の甲子園」を目指し奮闘する姿を描いた『コイのレシピ』の著者が新たにお贈りする、実在する高校生たちによる模擬会社とその事業をモデルとした青春ストーリー!! -
グッバイ、サイレントゴースト
本当はずっと、さよならしたかったんだ。 ――此見えこ史上最も切ない、「決別」と「再生」の物語。 博多に暮らす高校1年生の白崎結芽は、言葉を話すことができない。 中学時代のある事件をきっかけに、声を出せなくなってしまったのだ。 ある朝、どうしても学校に行けず教室から逃げるように訪れた公園で、不登校の中学生・くるみと出会う。 近い境遇に意気投合する2人だったが、くるみの兄は高校でアイドル的の存在の三年生・須賀雅也先輩だった。 2人との出会いで大きく動き出す結芽の人生。 しかし平穏な日々は唐突に、そして残酷に終わりを迎える――。 切なくも驚愕を伴うラストを、あなたは予想できるか。 儚くも美しい青春を描き切る、此見えこ新境地! -
歌舞伎町 路地裏法律事務所『山科信一』の事件簿『完全犯罪のレシピ』
欺く者と暴く者の果てなき攻防。 法と論理が完全犯罪を崩す瞬間を描いた、知的興奮に満ちた本格推理の新境地。 本書『完全犯罪のレシピ』は『完全犯罪の美学』に続くシリーズ第2弾。歌舞伎町の路地裏に佇む弁護士・山科信一が再び挑むのは、鉄壁のアリバイに守られた数々の難事件である。 仁徳天皇陵を舞台にしたゴーストライターと歴史学者の確執、国際空港のトイレで起きた不可解な殺人、古式銃と猛毒トリカブトを組み合わせた冷酷な計画、AIと動画編集を駆使したデジタル偽装、そして東北新幹線「はやぶさ61号」とねぶた祭りに絡む時間操作の罠――。 五つの事件はいずれも周到に仕組まれ、誰もが不可能と思う「完全犯罪」に見える。しかし、どれほど完璧に構築されたアリバイであっても、わずかな綻びは必ず存在する。山科は冷徹な論理と弁護士としての観察眼をもって、それらを一点突破で崩していく。 本作は単なる謎解きにとどまらず、現代社会の暗部を鮮烈に映し出す。SNSに氾濫する虚構、歴史の捏造、投資詐欺、デジタル社会の影――人間の欲望と欺瞞が複雑に絡み合い、読者に「真実とは何か」を問いかける。 鮮烈なトリックと現代性、そして法と論理による逆転の快感。欺く者と暴く者の果てなき攻防を描いた本格ミステリーの新境地がここにある。読後には「してやられた」と唸ること必至。推理小説ファンのみならず、リーガルサスペンスや映像化作品を愛する読者にも強く推奨したい一冊である。
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