作品一覧 2024/01/25更新 異端の皇女と女房歌人 式子内親王たちの新古今集 試し読み フォロー 新古今集 後鳥羽院と定家の時代 試し読み フォロー 中世初期歌人の研究 試し読み フォロー 百人一首 編纂がひらく小宇宙 試し読み フォロー 1~4件目 / 4件<<<1・・・・・・・・・>>> 田渕句美子の作品をすべて見る
ユーザーレビュー 百人一首 編纂がひらく小宇宙 田渕句美子 謎の多い百人一首。撰者は本当に藤原定家なのか。定家撰の百人秀歌とはどういう関係か。撰歌や配列に意味はあるのか。今も愛されるアンソロジーの成立と受容史を解き明かす。 「小倉山荘に飾るため定家が選び色紙に書いた」という話は伝説である、という指摘は目から鱗。原型となった百人秀歌は、定家が縁戚である幕府の御...続きを読む家人・宇都宮頼綱に贈ったものだった。そこに手を加え、承久の乱で敗れた後鳥羽・順徳両上皇の歌を末尾に入れたのは後世の誰か。だがその改変こそがドラマ性を生み、時代を超える輝きを与えた。長年の疑問が解けると同時に、ますます百人一首が好きになった。 Posted by ブクログ 百人一首 編纂がひらく小宇宙 田渕句美子 『百人一首の現在』(青簡舎)所収の論文群を一般向けに書き下ろした本。だけど『〜現在』では頓阿編纂説まで踏み込んでるのにそこははっきりとは書いてないんですね。なんで? おもしろい詠み人の官位表記の指摘についてもさらっとだけ。 Posted by ブクログ 新古今集 後鳥羽院と定家の時代 田渕句美子 面白かったー! 定家のこだわりもわかるし、なにより後鳥羽の和歌に対する熱意がすごい! 2人の晩年までを丁寧におってくれて、たっぷり味わえる本。 Posted by ブクログ 異端の皇女と女房歌人 式子内親王たちの新古今集 田渕句美子 「玉の緒よ」と、「山深み」の歌くらいしか知らないで、本書を読んだ。 目からウロコの連続だった。 そもそも「玉の緒よ」の歌も、百首歌の題詠であるから、男目線で読んだ歌だったとは。 室町以降の、家制度に取り込まれて女房歌人が活躍しにくい状況が生まれていく中で、女性歌人の歌が私小説的に理解されるようになっ...続きを読むていったという指摘は新鮮だった。 私小説的な理解というのは、もっと近代になってからのことだと思っていたから。 そのほかにも『無名草子』は俊成女の作ではないだろうという推定なども面白かった。 先人の研究成果を踏まえつつ、論を積み重ねているため、とても安心して読めた。 Posted by ブクログ 新古今集 後鳥羽院と定家の時代 田渕句美子 後鳥羽院と藤原定家という個性的な人物の交流を中心に、彼らを取り巻く王朝文化の歴史的実像についての解説をおこなっている本です。 たぐいまれなヴァイタリティをもつ帝王であった後鳥羽院によってあらたな歌壇が形成され、守旧的な歌風に代わって俊成・定家父子に代表される新鮮な歌風が受け入れられ、そのなかで『新...続きを読む古今和歌集』の編纂という大事業がおこなわれます。本書では、その経緯をていねいに追いかけて解説するとともに、慈円や俊成卿女、式子内親王などの歌人たちをとりあげ、歌の鑑賞とともにその人物についての説明がなされています。他方で、和歌よりも『方丈記』に代表される散文の分野でその才能を発揮した鴨長明や、『古事談』の著者である源顕兼、『建礼門院右京大夫集』の右京大夫など、後鳥羽院の歌壇に容れられなかった人物についてもページを割いて、後鳥羽院を中心とするこの時代の文化のありかたを、その内側と外側からえがき出しています。 後鳥羽院と定家は、たがいにその才能を認めあいながらも、性格的にそりのあわない両者のあいだにたびたび緊張が走り、とりわけ定家が活動的な後鳥羽院のさまざまな試みに憂慮していたことが、『明月記』の叙述などを手がかりに論じられます。その後、承久の乱に敗北した後鳥羽院は沖に流され、両者の交流は絶えることになりますが、本書では、おなじ文化的な空気を呼吸していた二人のその後の活動をたどっています。 Posted by ブクログ 田渕句美子のレビューをもっと見る