作品一覧

  • 百人一首 編纂がひらく小宇宙
    4.8
    1巻968円 (税込)
    『百人一首』は,誰によって,何の目的で作られたのか.長らく藤原定家が撰者とされていたが,著者の最新の研究により,後人による改編が明らかとなった.成立の背景やアンソロジーとしての特色を解きほぐし,中世から現代までの受容のあり方を考えることで,和歌にまつわる森羅万象を網羅するかのような求心力の謎に迫る.

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  • 新古今集 後鳥羽院と定家の時代
    4.3
    1巻1,584円 (税込)
    歌に目覚めた後鳥羽上皇の元には藤原俊成、定家、良経など、新たな手法で歌を詠む廷臣たちが揃い、式子内親王、俊成女など、女性歌人も顔を並べた。宮廷をあげて歌に明け暮れる稀有な時代の幕明けを描く。 ※本作品は紙版の書籍から口絵または挿絵の一部が未収録となっています。あらかじめご了承ください。
  • 中世初期歌人の研究
    -
    1巻10,450円 (税込)
    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 中世初期、すなわち鎌倉初中期という激動の時代におかれた歌人たちの、伝記や歌壇・グループとの関わり、詠歌の具体相や表現意図、歌人としての意識のありようなどを、さまざまな資料・和歌に即して探る。
  • 異端の皇女と女房歌人 式子内親王たちの新古今集
    4.0
    1巻1,584円 (税込)
    和歌芸術の黄金期、新古今時代。帝王・後鳥羽院は式子内親王をはじめ多くの女性を歌壇に招き入れた。従来の規範にとらわれることなく活躍の場を広げていった女性たち。自らの才で時代を切り開いたその真の姿に迫る。

ユーザーレビュー

  • 百人一首 編纂がひらく小宇宙

    Posted by ブクログ

    百人一首についてあまり知らない初学者にとってもわかりやすく、勉強になった。
    まず勅撰集は何か、その配列にはどのようなことが意識されてきたかについて。そして勅撰集とは別の形態として、百人一首の前に公任による三十六人撰があった。
    通説として百人一首は藤原定家が撰者とされてきた。ただ明月記の関連記事を再検討し、加えて近年発見された百人秀歌などから、百人一首は定家による編纂ではなく、百人秀歌をもとに誰か別人が編纂したものと結論する。
    百人秀歌は贈り物であるため、贈る相手を考慮して歌が選ばれている。なのでベストな歌100首というわけではない。小倉色紙も当然定家によるものではない。
    ただ室町時代の宗祇に始

    0
    2024年09月03日
  • 百人一首 編纂がひらく小宇宙

    Posted by ブクログ

    初学者にもわかりやすい。論理の筋道が明解で、名探偵の推理を聞いているようだ。

    百人一首の歌の新解釈も紹介されていて非常に興味深く読んだ。とくに「末の松山」の解釈に興味を引かれた。貞観大地震の際に、ここを津波が越えたのではないか、そのことが人々の記憶に残されて、本歌の古今集の歌に譬喩として使われたのではないか、と。なんと、確かにありうることだ。

    終章では、定家が百首をどのような基準で撰んだかを考察しているが、著書は、その中に俊成卿女や宮内卿が無いのは残念!と個人的感想を述べている。まるで、著者と定家が時代を隔てて会話し始めるのでは無いかと思わされるほど、二人の心の距離が一冊の本を通して縮まっ

    0
    2024年08月31日
  • 新古今集 後鳥羽院と定家の時代

    Posted by ブクログ

    新古今和歌集の成立の過程が時系列で解説されていて、とても理解しやすかった。その主役となった後鳥羽院と藤原定家をはじめ、それを取り巻く人々の生々しい姿が『明月記』『源家長日記』などの引用なども交えられながら、生々しく語られている。それらの人々の息遣いが聞こえるような臨場感があった。

    なるほど、新古今和歌集がこんなふうにして出来上がったのか、とイメージが膨らんだ。

    実際にこの和歌集を読んでみようといえ意欲がわいてきた。

    0
    2024年08月18日
  • 百人一首 編纂がひらく小宇宙

    Posted by ブクログ

    読み応えがあり面白かったです。
    そして同時に、日本文学を学んでいる者として勉強不足を痛感しました。
    百人一首をしっかりと読み込みたいです。

    0
    2024年06月02日
  • 百人一首 編纂がひらく小宇宙

    Posted by ブクログ

    謎の多い百人一首。撰者は本当に藤原定家なのか。定家撰の百人秀歌とはどういう関係か。撰歌や配列に意味はあるのか。今も愛されるアンソロジーの成立と受容史を解き明かす。
    「小倉山荘に飾るため定家が選び色紙に書いた」という話は伝説である、という指摘は目から鱗。原型となった百人秀歌は、定家が縁戚である幕府の御家人・宇都宮頼綱に贈ったものだった。そこに手を加え、承久の乱で敗れた後鳥羽・順徳両上皇の歌を末尾に入れたのは後世の誰か。だがその改変こそがドラマ性を生み、時代を超える輝きを与えた。長年の疑問が解けると同時に、ますます百人一首が好きになった。

    0
    2024年04月14日

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