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赤後家の殺人
マントリング邸にある《後家部屋》は、ひとりで過ごすと毒で死ぬとの伝説があり、開かずの間になっていた。そこをマントリング卿が60年ぶりに開けて実験することに。入るのはトランプによる抽籤でスペードのAを引いたベンダーだった。彼は夜の10時から2時間の約束で1人で入り、15分ごとに返事をする。ところが、ちゃんと返事をしていたのに、12時になっても出てこない。皆が部屋に入ってみると、どうも1時間前には毒で亡くなっていたらしい! 謎は解けぬまま、新たな犠牲者が――。作者が好きな「密室殺人劇」だが、毒の罠や処刑人サンソンの話など歴史的蘊蓄の披露もあり、時間的にも空間的にもスケールが広がってゆく展開と怪奇趣味を楽しめる。乱歩の好みの作品だった。 -
赤坂ひかるの愛と拳闘
ボクシングの感動実話を、本人協力のもと完全小説化! 北海道のボクシングジムから、はじめて日本チャンピオンを出す――女性トレーナーと寡黙なボクサーの、感動と奇跡の二人三脚! 「北海道からボクシングチャンピオンは生まれない」 その定説を覆したのは、後にも先にも彼=畠山雅斗だけだった。 そして彼を育てたのは彼女=ボクシング経験のない女性トレーナー・赤坂ひかる。 境遇も性格もまったく異なる二人が、一心同体で駆け抜けた8年間の青春とは。 実話を元にした奇跡の物語。 解説・加茂佳子 ※この電子書籍は2017年8月に文藝春秋より刊行の『無敵の二人』を改題した文庫版を底本としています。 -
明石元二郎 日露戦争を勝利に導いた「奇略の参謀」
世界最強のロシア陸軍を相手に勝利を重ね、日本海海戦でバルチック艦隊を完膚なきまでに打ち破った日本の陸海軍。しかし、ヨーロッパにおける明石元二郎大佐の活躍がなければ、日本がロシアとの戦争に勝つことはあり得なかっただろう。将来を嘱望された若き将校に下った密命――それは、辛くも勝ちを拾っている日本を有利な条件で講和へ導くために、遠き欧州の地でロシアの後方を攪乱することであった。誰が敵か味方かもわからず、まさしく孤立無援で手探りの戦いを強いられた明石は、持ち前の粘り強く奔放な性格もあって、一人また一人と同志を増やしていく。はじめは小さかった炎も彼が煽り続けるによって、やがてロシア革命へと燃え広がっていった。その明石の地道な活動こそが、ロシアに戦争継続を断念させたといっても過言ではない。日露戦争の表舞台には現れることのなかった活躍を中心に、「奇略の参謀」明石元二郎の波瀾に満ちた人生を描く長編力作。 -
赤ずきん、旅の途中で死体と出会う。分冊版
日本の昔話をミステリで読み解き好評を博した『むかしむかしあるところに、死体がありました。』に続き、西洋童話をベースにした連作短編ミステリが誕生しました。今作の主人公は赤ずきん! ――クッキーとワインを持って旅に出た赤ずきんがその途中で事件に遭遇。「シンデレラ」「ヘンゼルとグレーテル」「眠り姫」「マッチ売りの少女」を下敷きに、小道具を使ったトリック満載! こんなミステリがあったのか、と興奮すること間違いなし。全編を通して『大きな謎』も隠されていて、わくわく・ドキドキが止まりません! 本作をもっと気軽に読者へと届ける為に、エピソードごとの分冊版を作成しました。分冊版1は、第1章『ガラスの靴の共犯者』。 魔女に魔法をかけてもらった赤ずきん。シンデレラとカボチャの馬車でお城の舞踏会に向かいますが、途中で男を轢き殺してしまったのです……。 ※興味を持ったエピソードだけ読むのでも面白いですが、第1章から順に読み進めますとよりお楽しみいただけます。 -
紅だすき無頼
公儀直参五百石・織部主膳の嫡男に生まれながら、義母との不和から余儀なく家出して5年、今では渡世人「顎外しの勘八」と異名のある信太郎が、ふとした奇縁で雨中に武家娘の危難を救ったが、それがまだ見ぬ許嫁のお雪だったとは……。という、可憐な美女のひとすじの恋慕絵巻をくりひろげる「紅だすき無頼」ほか、主君の悲哀を察して処女妻を残したまま放浪10年を送る武士の意地を描く「めおと春秋」、天下の剣豪競い立つ幕末期、甲源一刀流の若い剣士が男谷信友・高柳又四郎の情の鞭に鍛えられてゆく「剣客」。ほかに、動乱期に狂い咲く仇花を描いた「夜の花道」などを集めた傑作集。 -
赤ちゃんがいっぱい
アルバイト先の助産院をリストラされた陽奈は、急場を凌ぐために胎内育児を目的とする〈ハローベイビー研究所〉に就職したが、そこでまたしても奇妙な騒動に巻き込まれる。クリーニングの引換券やくずかごなど、価値のないものばかりが次々と盗まれ、さらに十八年前を再現したかのような赤ちゃん置き去り事件が起きるが、上層部はどうやら事件を警察に届けたくないらしく――いったい研究所内で何が進行しているのか?「伝説のカリスマ助産婦」にして安楽椅子探偵・明楽先生の推理が再び冴える。爽やかなユーモアと伏線の妙を楽しめる長編本格ミステリ、助産婦探偵シリーズ第二弾! -
赤ちゃん誕生
男児か? 女児か? どんな赤ちゃんか? 第1子誕生を目前に、不安と期待に胸おどらす若夫婦を中心に展開するホームドラマーー「まるで貴重な壺みたいなものだ。よほど丁寧に扱わないと、こわれてしまう」……愛妻・美和子さんのふくらんだ下腹を見ながら、光男は禁酒・禁欲の決心を新たにする。初めての子供が生れるのだ。あとしばらくの辛棒である。ところが、5年前に別れた初恋の女性・歌代が、いまはスターとなって出現、彼の禁欲をゆさぶったり、ネズミのフンと杉苔を妊婦にのませると、頭脳明敏な男の子が生れると信じてやまぬ故郷の父が乗りこんできたり、三田家は臨月をひかえてもユーモラスな騒動がたえない……。軽やかに淡々と、家庭の笑いをふりまく林文学の異色作。 -
赤ちゃんはまだ夢の中
妊婦さんにも、ミステリがいっぱい!もうすぐ新しい家族が加わるっていうのに、「主人と別れて、新しい恋人のもとへ行きたい」「居候が多すぎる」「強面の借金取りがやって来る」「妊婦さんが上の子に厳しすぎる」と、どうしてどこのお宅も問題ばかりなのっ!再びコンビを組んだ聡子先輩と見習い助産師の陽奈に降りかかる、厄介な家庭の事情の数々。自宅出産専門の助産師コンビの持ち込む家庭のトラブルに、伝説のカリスマ助産婦・明楽先生の鮮やかな推理がますます冴え渡る。様々な“家族の愛”をテーマに、心温かなユーモアを描いた、助産師探偵シリーズ第三弾。 -
赤ちゃんをさがせ
妻と称する三人の妊婦が待っていた屋敷で繰り広げられる本妻捜し「お母さんをさがせ」。両親に黙って出産しようとする女子高生と、父親の名乗りをあげる三人の男性が引き起こす大騒動「お父さんをさがせ」。次々取り消される依頼と、新興宗教絡みの拉致事件「赤ちゃんをさがせ」――自宅出産専門の出張助産婦コンビが向かう先は、なぜか奇妙な謎を抱えた家庭ばかり。明晰な頭脳でそれらの謎を鮮やかに解き明かすのは(推定)七十歳、通称「伝説のカリスマ助産婦」明楽先生!見習い助産婦・陽奈の成長と安楽椅子探偵の冴え渡る推理を描く、爽やかなユーモアに満ちたシリーズ第一弾。 -
赤ちゃんをわが子として育てる方を求む
子をはぐくむのは血ではなく愛のつながり。 1970年代に起きた「赤ちゃんあっせん事件」の真実。命を守るため不屈の闘志を燃やした産婦人科医・菊田昇の信念の物語。1926年石巻に生を受けた昇は、母が営む遊郭で育ち、女達のおかれた厳しい現実を目の当たりにする。医学部へ進み産婦人科医となった昇は、子供の命を救うため、望まぬ妊娠をした女性と、子供を望む夫婦の橋渡しを始める。それは法を犯す行為でもあった。マスコミによって明るみになり、世間を揺るがす事件へと発展。それでも命を守るという信念を曲げることなく国を相手に闘い続け、悲願の「特別養子縁組」の法律を勝ち取った。 ノンフィクションの旗手・石井光太氏が取材を重ね、「赤ちゃんあっせん事件」の裏にある真実を描いた評伝小説。解説はTBS・久保田智子さん。 ※この作品は単行本版『赤ちゃんをわが子として育てる方を求む』として配信されていた作品の文庫本版です。 -
赤塚不二夫 伝 天才バカボンと三人の母
【内容紹介】 強い、弱い、きれい、汚い……、 すべての存在をあるがままに 命がけで肯定した天才と その天才を生み育てた「母」の物語 3人の「かあちゃん」が大好きだった 赤塚不二夫のすべて 天才・赤塚不二夫。赤塚は、無防備な幼児だった。 3人の『母』がそれを理解し、補い、支え、天才を育てた。 実母、りよは、十歳の長男(赤塚)を筆頭に4人の子どもを連れ、満州から1人、引き揚げてきた。 漫画と接する機会を与え、漫画家を志した赤塚を応援した。 最初の妻、登茂子は、アシスタントとして、妻として、出世作『おそ松くん』を共に描き、 プロとしての漫画家・赤塚不二夫を育てた。 そして二番目の妻・真知子は、アルコール依存症になり、がんも患うなど、 どん底に落ちた赤塚を世話女房として復活させ、その命をつないだ。 3人の「母」を通して描く、知られざる赤塚不二夫の物語。 -
暁の革命
1970年―ミュージシャン志望の拓郎と学生運動家・淳子の物語 音楽を通じて淳子への愛を表現する拓郎。彼女を学生運動の過激さから解放しようとする彼の思いは届くのか? 日本政府に対し抵抗を試みる、東京大学「全共連」。ミュージシャンを目指して広島から上京した三流大学4年生の拓郎は、偶然見かけた全共連の活動で東京大学4年生の淳子の美貌に魅せられ、全共連の集会へ通う。共産主義革命を目指す淳子の活動は過激さを増し、彼女が過激派「赤軍」に所属してから、状況が急速に悪化していく。赤軍派山岳ベースキャンプへの参加を決意した淳子の後を追う拓郎。二人は、互いの過去や思想を共有することにより打ち解けていく。淳子の計らいによって、拓郎はミュージシャンになるという夢をかなえるためにレコーディングスタジオへと向かうが――。 学生運動の盛んな1970年を舞台に、拓郎と淳子の関係性と学生らしい情熱を描く青春小説。 -
暁の妃は愛を綴る
暁の公国では、思いのこもった文章を綴ることで政治の手助けをするのが高貴な女性の役割だった。公女・リリアーナは母にかわり、国の平安のため、その大任を担っていたが、体制が揺らぎ、半ば人質のような形で嫁ぐことになった。なんと相手はかつて思いを寄せていた宵の王国の王太子。政略結婚とはいえ、初恋相手に嫁げる喜びを感じたのも僅かな時間で――。周りの妨害に負けず、幸せな結婚を成就させるシンデレラ・ストーリー! -
暁のキックスタート
バイクを愛するすべての人へ贈る、珠玉の短篇集 「オートバイ乗りの心には、埋めようのない深い穴ポコが空いている。オートバイ乗りは、表向きはタフな振りをしつつ、その穴ポコを埋めようとあがいている。オートバイ乗りがオートバイを降りるのは、穴ポコを忘れたときだ。若いうちは穴ポコが見えるけれど、大人になるにしたがって、だんだん穴ポコのことを忘れてしまう」 オートバイの孤独でワイルドなフィーリングに憑かれたぼくは、旅に出ることによって、自然の景観のありがたさを感じ、本当の自分の心のドアを開くことができる。自分を旅するオートバイ乗りの物語。 ●斎藤純(さいとう・じゅん) 小説家。1957年、盛岡市生まれ。FM岩手在職中の1988年『テニス、そして殺人者のタンゴ』でデビュー。1994年『ル・ジタン』で第47回日本推理作家協会賞短編部門を受賞。2005年『銀輪の覇者』(早川ミステリ文庫)が「このミステリーがすごい!」のベスト5に選出される。岩手町立石神の丘美術館芸術監督、岩手県立図書館運営協議委員などをつとめている。 -
赤と青とエスキース
2021年本屋大賞2位『お探し物は図書室まで』の著者、新境地にして勝負作! メルボルンの若手画家が描いた1枚の「絵画(エスキース)」。日本へ渡って30数年、その絵画は「ふたり」の間に奇跡を紡いでいく――。2度読み必至! 仕掛けに満ちた傑作連作短篇。 ●プロローグ ●一章 金魚とカワセミ メルボルンに留学中の女子大生・レイは、現地に住む日系人・ブーと恋に落ちる。彼らは「期間限定の恋人」として付き合い始めるが……。 ●二章 東京タワーとアーツ・センター 30歳の額職人・空知は、淡々と仕事をこなす毎日に迷いを感じていた。そんなとき、「エスキース」というタイトルの絵画に出会い……。 ●三章 トマトジュースとバタフライピー 漫画家タカシマの、かつてのアシスタント・砂川が、「ウルトラ・マンガ大賞」を受賞した。雑誌の対談企画のため、二人は久しぶりに顔を合わせるが……。 ●四章 赤鬼と青鬼 パニック障害が発症し休暇をとることになった51歳の茜。そんなとき、元恋人の蒼から連絡がきて……。 ●エピローグ 水彩画の大家であるジャック・ジャクソンの元に、20代の頃に描き、手放したある絵画が戻ってきて……。 -
赤と灰色のサクリファイス
北信越地方に浮かぶ離島、翡翠島。過疎化に悩む小さな島で、突如、凶悪な事件が発生した。次々に著名な建造物が燃やされていき、最後には死者まで出てしまう。殺されたのは、誰もが憧れていた少年、『ノア』のたった一人の家族だった。父を殺され、親友にさえ別れを告げずにノアが島を去って十年。二十五歳になった真翔と織姫の前に、長く音信不通だったノアが不意に現れる。彼との再会をきっかけに、未解決に終わった連続放火事件の陰惨な記憶が蘇っていく……。哀切の赤い炎が焼き尽くす、新時代の恋愛ミステリー。 -
赤泥棒
町田康さん推し! 言葉に幅があり、しかもそれが的確に使用されている。辛辣な個性とその周囲を無情に描いていてよい。 (文藝賞選評より) 現役慶応大学院生であり、漫画『踊るリスポーン』の著者・三ヶ嶋犬太朗が鮮烈の文芸デビュー! 「捨てられたものを拾うのは泥棒ではない」と嘯き、女装をして女子トイレに侵入し、捨てられた生理用ナプキンを盗む百枝菊人。女装がバレたら心の性別をたてに被害者ぶろうと思っていたところ、同じ学校の明石睦美に目撃される。彼女は百枝が自分と同じく、性別に違和感を抱いていると思い急速に接近してきた。無理解と偏見がマイノリティを利用し、共感と愛情が暴力を肯定する……。表題作「赤泥棒」に加え、文藝賞最終候補に選ばれた「青辛く笑えよ」、「普通」を唾棄する高校生が才能の塊と出会い自我を崩壊させる「寄食のダボハゼ」をおさめた短編集。 -
茜色の空
人間の美しさとみにくさ、コロナ禍での生活、忘れられないあの女性……。 ささやかな日常を詠った誠意ある作品、幅広く物事を取り上げ、「今」を鮮烈に詠いあげた短歌集。 古希越えの人達のスローライフをユーモラスに描いた【古希越えの人々】 突如訪れたコロナとの共存の時代への戸惑いや苦悩を吐露した【コロナ禍】 「アジア」「コロナ狂歌」「最後の恋」など多彩な切り口から、世の中を真っ直ぐに見つめ、魂を震わせ歌い上げた短歌を多数収録。 【収録歌より】 マスク越し目尻に見せるささやかな笑顔が一瞬「分断」を解く 自分という人に初めて会えたよな気がする君を抱きしめた時 この時代生きる人みな大谷世代、ゴクンゴクンとアメリカ飲み込む 崩れゆく医療崩壊泣く暇もない人たちが食い止めている ふーふーと冷まして満月一口に頬張りたいとせがむ幼子 この世からいつか消え去る宿命が些事なることに思える夕焼け 有波 次郎長 1955年生まれ 新潟県燕市出身 千葉県 埼玉県の中学 高等学校で約40年間英語を教える。 短歌歴は短く、本格的に始めたのは最近、教員を引退してからである。最近の受賞歴は、川口市の短歌大会、伊藤左千夫短歌大会、幻冬舎短歌コンテストなど。歌誌・短歌人に一時在籍。 -
茜さす
直木賞作家・永井路子氏の作品が遂に電子化! お嬢様大学に通う友田なつみは、自らの名前のルーツでもある吉野を訪ねる。 そこで知り合った会社社長の泉のことが気になりながらも、卒論、就職活動と慌ただしく日常が流れていく。 友人の死を乗り越えつつ、なんとか編集に携わる仕事を得るが、他方で大学のゼミで勉強した万葉集の額田王の生き方に魅かれていく……。 【目次】 優雅なる喪服 むらさき 夏の川辺 斜光 鍵 山茶花 白いコート 霧の夜 沈める寺 行く人なしに 街路樹 【著者プロフィール】 大正14年東京生まれ。東京女子大学国文科卒業後小学館に入社し、『女学生の友』『マドモアゼル』の編集者を務める。 小学館時代から歴史小説を執筆し始め、昭和39年『炎環』で直木賞を受賞。その他にも吉川英治文学賞を受賞した『雲と風と』等多くの素晴らしい作品を世に送り出している。 男性的目線になりがちな歴史人物や歴史事件を解きほぐし、その陰になりがちな女性にも焦点をあて、歴史上の人物、出来事を鮮やかに浮かび上がらせる作風は、歴史小説に新風を巻き込んだものと評価されている。 また、直木賞受賞作品である『炎環』、『北条政子』などは、NHK大河ドラマ『草燃ゆる』(1979年)の原作として、また『山霧 毛利元就の妻』『元就、そして女たち』などは、同じくNHK大河ドラマ『毛利元就』(1997年)の原作としても知られている。 -
茜さす日に嘘を隠して
「誰かに言えるわけない」私がこう思っている時、あなたは。 若者の真実を描く感動共作!! 就活面接でうまく話せず、彼氏とも疎遠な日々に思い詰める皐月、 寂しさを埋めるため、急に人と会いたくなる衝動を抑えきれない愛衣、 自分の経験を切り売りして曲を作り、シンガーとして活動する文、 大切な友達に言えない秘密を抱えながら過ごす智子ーー 誰かに理解してほしい葛藤をひとりで抱える、"大人未満"の4人の物語。 『青く滲んだ月の行方』(青羽悠)と繋がる世界ーー ●カツセマサヒコ(小説家) 教室の隅で捻くれてた自分に、この物語を読ませたかった。 ●本間悠(うなぎBOOKS) 友人でも恋人でもないあやうい関係性。 みんな、誰かと繋がりたくて、もがいている。 <第1話 さんざんな朝> 就活生の皐月は、ある面接で「あなたを売ってください」という質問を受ける。うまく答えられず落ち込んでいると、大学の先輩のSNSで、恋人の浮気場面らしき写真を見つけてしまう。社会人の彼とは最近うまくいっていない。自分の気持ちに正直に生きたいけれど、私だけが、取り残されてしまうのかーー? <第2話 砂が落ちる> 「好き」は終わりの始まりだ。パパもバイト先の先輩も、彼氏も、マッチングアプリで出会った男の子たちも、みんなあたしの元からいなくなった。わかっているはずなのに、愛衣は新たな誰かを探す衝動が抑えられない。砂時計の砂が落ちていくように、人間関係にもタイムリミットがある。それでも、と願う愛衣が出した答えとは? <第3話 手紙> 井ノ坂文は、SNSで人気のシンガーソングライター・ふみとして活動している。自分の経験をひとつずつ切り出して楽曲を作り、誰かの「自分のための曲」を作ることはできても、楽曲を通して誰とも繋がれないことに不安を感じていた。新曲の制作が進まない文は、ふと男子高校生の自殺のニュースを目にして――。 <第4話 あと1歩> 「男女の友情なんて成立しない」。男同士、女同士だって、友情が成立しないことはあるのに、どうして男女の間だけーー? 智子が、愛衣と涼太と飲む場所は、ラブホテルが定番だ。恋バナをしたり、就活の相談をしたり、定番となった三人で飲む時間だったが、その中で智子はある思いを抱えていてーー <第5話 色を変えて> 大学4年11月、先が見えない毎日を送る皐月。キャリアセンターでの面談を終えてスマホを見ると、サークル仲間の奈美から卒業旅行の誘いの連絡が。「私は皐月のこと、大事な友達だと思ってるよ」。友達って何なのか、そして、私って一体どういう人間なんだろうーー? -
赤羽せんべろ まねき猫
ヒット作『妻の終活』の著者が贈る最新の人情ドラマは「親の終活」 父が脳出血で倒れた。 折り合いの悪い父・時次郎と、この10年連絡すら取り合っていなかった42歳の篠崎明日美。実家からは勘当されとっくの昔に母に逃げられている時次郎にとって、一人娘である明日美は唯一の身内である。変わり者の父は16年前から「まねき猫」という立ち飲み屋を営んでいるが、医師には「回復後も麻痺が残る」と言われ、店に立ち続けるのは難しそうだ。「まねき猫」を閉めるしかないと考えていた明日美だったが、時次郎の友人で店の回転資金として300万円貸しているという「宮さん」によると、返済に関しては「『まねき猫』が続くかぎり無期限」ということらしく、簡単に閉店するわけにはいかず……。 果たして、明日美の選択は――。 ※「せんべろ」とは:1000円でべろべろに酔える酒場などの俗称。 -
赤パンラプソディ
「クセつよ」家族の愛おしく波瀾万丈な日々。 長年の夢であった小説家デビューを果たしたものの、担当編集者から「ボツ」をくらい二作目を出せず鬱々とする古都子は、漫画家である娘たちから60歳の誕生日を祝われ、赤いパンツをプレゼントされるがまったく喜べない。運動不足が祟り「脂肪肝」と診断され落ち込む長女・杏菜と、頑固でコミュ障だが天才気質の次女・瑠花、家族中から世紀末的に嫌われている夫と、愛猫のカンちゃん……。個性の強い4人+1匹の暮らしは一筋縄にはいかない。あるとき次女が、夫が建てた家を自分たちで稼いだお金でリフォームすると言い出して!? 46歳で大学入学、61歳で小説家デビューした著者が、自身の波瀾万丈な人生をベースに書いた、たくさん笑ってたくさん泣ける痛快「クセつよ」還暦小説!! -
赤姫秘文
前田家の美貌の息女と瓜二つだったために、貧乏浪人の娘が遭う災難と冒険。赤城山の奥深くに、人知れず住む人たちの秘儀・赤姫秘文の謎と、それにまつわる奇譚を軸に、ふたりの美貌の女性たちの恋と欲とがないまぜになった、伝奇小説。 -
赤虫村の怪談
愛媛県の山間部にある過疎の村・赤虫村(あかむしむら)には、独自の妖怪伝説が存在する。黄色い雨合羽を着て暴風を呼ぶ「蓮太(はすた)」、火災を招く「九頭火(くとうか)」、廃寺に現われる無貌の「無有(ないある)」、そして古くから伝わる“クトル信仰”。フィールドワークのために村を訪れた怪談作家・呻木叫子(うめききょうこ)は、村の名家・中須磨(なかすま)家で続く不可能状況下での連続殺人に関わることになる。周囲を足跡一つない雪原で囲まれた大木に全裸で吊るされた縊死体。内側から施錠された石蔵で発見された焼死体。妖怪伝説の禍を再現するような事件は、やがて人知を超えた終結を迎える──第17回ミステリーズ!新人賞受賞者による初長編。/【目次】プロローグ/第一章 無有の怪談/第二章 位高坊主の怪談/第三章 九頭火の怪談/第四章 苦取の怪談/第五章 蓮太の怪談/第六章 赤虫村の怪談/エピローグ/解説=多田克己 -
あかりの燈るハロー
言葉に迷ったことのあるすべての方にーー 六年生になる茜は、五歳で母を亡くし吃音となった。思い出の早口言葉を歌い今日もひとり図書室へ向かう。特別な目で見られ、友達なんていないーー吃音を母への愛の証と捉える茜は治療にも前向きになれないでいた。ある日、知らない人物から、「友達になりましょう」というメールがパソコンに届く。差出人は朱里(あかり)、ふたりはすぐに仲良くなった。話すことへの抵抗、思いを伝える怖さーー友だちとの付き合い方に悩みながらも、少しずつ自分を見つめなおし、朱里に対する信頼を深めていく。そんななか、茜は父の部屋で一冊の絵本を見つける……。 【目次】 第一章 バイバイ、お母さん。ハロー、ハンデ。 第二章 ハローワールドの住人 第三章 吃音という証明 第四章 最高の友だち 第五章 うるさい! うるさい! うるさい! 第六章 レインボー薬局 第七章 はーい! せんせー。 第八章 イフ・アカリ 第九章 ハウマッチ 木・木・木 第十章 未来永劫チクワ 第十一章 あたしがやりました。 第十二章 お父さんの恋人 第十三章 アカネ・ゴーラウンド 第十四章 # to the world. epilogue… 【著者】 虹乃ノラン 愛知県生まれ。2024年『そのハミングは7』で第9回カクヨムWeb小説コンテスト〈エンタメ総合部門〉特別賞を受賞しデビュー。喪失と再生を主題に物語を書き、翌年同作で第5回みんなのつぶやき文学賞〈国内篇〉第2位、第1回ずんだ文芸部大賞を受賞。著書に『銀盤のフラミンゴ』など。 -
あかり野牧場
夢は大きく、ダービー制覇! 一頭の馬が人の心を揺り動かし、夢舞台へと駆り立てる―― すべての人を元気にする、感動の競馬小説。 家族経営の零細牧場「あかり野牧場」で生まれた一頭の馬は、「北の大地に灯りがともれば」とキタノアカリと名付けられた。 中央競馬デビュー以来、圧倒的着差をつけて連勝し、いよいよG1に挑む。 広大な町の狭いコミュニティーは、アカリの話題で持ちきりだった。 大牧場が席捲するG1戦線で、世代7000頭超の頂点に立つことなどできるのか? 牧場を営む家族、馬産地の仲間たち、崖っぷちの騎手…… 多くの想いを背に載せて、希望の灯りがターフを駆ける。
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