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落ちぶれていた辣腕ジャーナリストのシトロンは、くせ者政治屋ヘールに雇われる。現政権の大きな弱みともなるスキャンダル情報を入手すべく、協力を求められたのだった。勇躍、中米の軍事国家へと調査に向かったシトロンは、隠蔽されていた同国での過去の不祥事の内実を探りにかかるが……。あらゆる面白さをごった煮(スープ)にし、思わぬ展開と粋な対話で編み上げた、騙(かた)りと企みのタペストリー!(解説・小野家由佳)
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Posted by ブクログ
唯一無二のシブさに痺れちゃう!政治の裏側で生きる悪党たちの犯罪&政治諜報小説 #悪党たちのシチュー ■あらすじ アフリカの刑務所に収監されていたジャーナリストのシトロン、帰国後に政治家の資金調達係であるヘールに雇われる。ライバル政治家が不利になるゴシップ情報を収集すべく行動するも、様々な利害関係者...続きを読むがふたりを襲う… 国をつかさどる悪党たちの犯罪&政治諜報小説。 ■きっと読みたくなるレビュー この唯一無二な感じ、さすがロス・トーマスですよ。古き良きアメリカンクライムムービーを観てるみたい。 まず物語の冒頭、最初のシーンで一気にストーリーに引き込まれますよね。主人公のひとり、ジャーナリストのシトロンがアフリカの刑務所で強烈な体験をするのです。 めっちゃ不愉快なプロットなんだけど、緊迫感やカッコよさも同時にあるという不思議さ。これから何がおこるか分からないというワクワク感も押し寄せてくる。いやー、さすがですね。 このシトロンは無茶で退廃的な人生を歩んできた影のある人物なんです。謎の男っぽさがモテる秘訣なんだよなー。しかもまた母親も実力者らしく、裏社会では暗躍してそう。でも親子関係には暗い過去があって… といったように、人間性に厚みがあり過ぎんのよね。 もうひとりの主人公、政治屋のヘールもシブイ。狡猾で抜け目ないイメージ、彼もきっとモテるに違いない。この二人がどう絡み合うかってところが読みどころなんすよ。そんなモテそうな二人には当然イイ感じの女性がいる。もちろんロマンスの描き方も小綺麗でセンス抜群でした。 物語の筋としては、政治的ライバルを陥れるためにゴシップ情報を手に入れようとする前半。中盤以降は、様々な権力者が登場して犯罪もスケールアップ。さらには中南米の政治家、将軍との駆け引きが拡大していく。 正直なところ途中途中のディティールはよくわからなくなるんだけど、丁寧に説明しないところが魅力なんだよね。本筋は犯罪&政治諜報小説だと思うんだけど、冒険小説でもあり、人間ドラマでもあり、まさしくシチューのごった煮です。でも終盤にかけてはちゃんと清々しさもあって、長い映画を楽しんだような気分を味わえますよ。 偉大な小説家ロス・トーマスの新翻訳、1983年の作品。もちろんクラシックな作品ではありますが、無類の独自性があって、いつも新しさを感じさせてくれるんすよね。さらに混沌とした政治の裏側を描くところなんか、まさに現代こそ読んでおきたいですね。 ■ぜっさん推しポイント めっちゃシブい作品でしたね~。背中で魅せるカッコ良さがあるんですよ。あと洋画のラブシーンって、やたらカッコイイじゃないですか。あんなのを文字で楽しめるってのがイイすよね~ 以下、本文引用 110頁。こんなクールな文章は、他ではなかなか味わえないと思うの。 ――魅力的で身なりのいい女とひどく悲し気な顔の男を眺めた。ただの政治関係の仲間というだけじゃない。たぶんベッドもともにしている仲だ。そう思いながら、自分のことを認めているのに気づいて少し驚いた。何かを認めたり、認めなかったりするのは、少なくとも二年ぶりのことだった。
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悪党たちのシチュー(新潮文庫)
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