小説・文芸 - 兵作品一覧

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  • 最後の帝国軍人
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    宮崎繁三郎中将と木庭知時少将――昭和20年、インパール作戦で兵たちと生死をともにした、中間管理職の行動の軌跡。危機にあって、指揮の系統は乱れ、現場の兵たちは動揺する。この手に、戦局も兵たちの生命も託されている。決死のシッタン渡河。疲弊し、死んでいく兵士……。危機的状況に、二人の将軍はどう対処したか? 多くの兵士たちの生命を預かり奇跡の生還をとげた決断力と人間性、中間管理職の危機対応を描く!
  • 最低の軍師
    4.1
    永禄八年、上杉輝虎(謙信)が義を掲げ、下総国臼井城に侵攻を開始した。総勢一万五千といわれる上杉軍に対し、臼井の兵は二千ほど。後ろ盾となる北条家からの援軍は、わずか二百五十余であった。抗戦か降伏か、紛糾する城内をまとめるため、北条の武将松田孫太郎は道端の易者を軍師に仕立てた。白井浄三である。ところが、浄三は想像を絶する奇策を次々と画策し…。 歴史小説界に超彗星現る!
  • 堺港攘夷始末
    -
    慶応四年二月十五日、フランス水兵と土佐藩兵との間にその事件は起こった。殺されたもの、切腹したもの、死は免れたもの――非運な当事者たちを包みこむ事件の全貌を厳密正確に照らし出そうとする情熱、歴史をみはるかす自由闊達な眼差し……。構想十年、歴史を文学に昇華させる夢を紡いだ偉大な作家の渾身の遺著。

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  • さかさ吊りの穴 【小田実全集】
    -
    世界の多くの国を歩き考えた著者が、65歳になって過去をはるかに見やる感動の短編12篇。美しかりし幼年時代に初めて出会った「西洋」の記憶、太平洋戦争時の「玉砕」の島々、ナチ・ドイツとベルリン、四天王寺と脱走兵、自爆攻撃とパレスチナ、知覧、古代ローマの饗宴と現代の餓死、旅券と国家、中国の乱世の英雄、インドの聖者、兵士と武器、戦争の悲しみとむなしさ。そして万国共通語としての英語は、世界各国のしがらみを削ぎ落とした本質的な言葉であり、母語もその中で磨かれる。
  • 桜、まだ咲かぬ The Cherry Blossoms Yet Bloomed
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    1巻550円 (税込)
    戦後まもなくの京都・太秦。戦後という新しい時代に翻弄される復員兵・斎藤清太郎だったが、やがて仲間たちと、新しい時代に向けた映画作りに向け走り始める。戦後まもなくの映画人たちから、我々が託されたはずの映画作りの魂を、熱情豊かに描いた作品です。
  • 佐竹義宣 秀吉が頼り、家康が怖れた北関東の義将
    3.5
    「鬼佐竹」「坂東太郎」と諸国に怖れられた父・義重を超えて、一族悲願の“常陸の旗頭”となった佐竹義宣――。その所領は、常陸一国54万石余、旗下を入れれば80万石余にもおよび、兵に換算すれば2万人以上を出陣させられる強大な勢力である。豊臣政権下では、関東に移封された徳川家康の“目付役”を担うなど、絶頂期を迎えた。佐竹一族の繁栄を助けた石田三成に恩義を感じる義宣は、秀吉亡きあと、天下取りの野望に向かって横暴をきわめる家康に不信感を抱く。さらには福島正則など武断派による襲撃から、三成の窮地を救った義宣は、日に日に憤りの念を強めていった。そして三成の挙兵を聞き、小山から引き返そうとする家康に、義宣は佐竹氏得意の“追い討ち”をかけようと計るのだが……。時代の流れに抗い、敵将である家康をして「今の世に義宣ほど律儀なものは見たことがない」とも言わしめた、北関東の若き義将の生涯を描く!
  • 真田義勇伝~二人の六郎記~
    -
    幼少期に真田信繁(幸村)に命を救われた海野六郎は、その生涯をかけて信繁に仕えることを決意する。忍びの能力を持ち、上田合戦、小田原合戦、関ヶ原の戦い、そして大坂冬・夏ノ陣の「真田丸」と“最後の突撃”まで、朋輩・望月六郎と共に信繁の右腕として戦場を駆け抜ける六郎。“二人の六郎”の目を通して日本一の兵・信繁と真田家の興亡を描く、傑作歴史エンターテインメント!
  • 真田の具足師
    4.0
    1巻1,899円 (税込)
    「武士を生かすも殺すも、わしらの腕一本や」――こう言い放つ気概ある具足師たちが、真田信繁を日の本一の兵(つわもの)にした! 本作の主人公・岩井与左衛門は、南都奈良の具足師(甲冑師)の家に生まれ、修業を積んでいたが、あるとき「ズクを打った」(不良品を作った)と言われ、勘当される。その才能を惜しみ、目をつけたのが徳川家康。徳川軍が信濃の国衆・真田との戦いに惨敗した理由は、真田兵が身に着けている「不死身(しなず)の具足」にあり、と考えた家康は、与左衛門に真田潜入を命じる。甲賀の忍びの女と夫婦を装い、真田の本拠地・上田に入った与左衛門だったが、そこで思いがけない光景を目にする。赤備えをつくった具足師たちの命がけの闘いを描いた、戦国エンタテインメント。真田vs徳川のもう一つの死闘に、手に汗握る傑作長編小説。
  • 真田幸村 日本一の兵
    -
    戦国時代、最後の戦いと言われる「大坂の陣」で、徳川家康を震え上がらせ、のちの世に「日本一の兵」とまで称えられたのが、豊臣方の武将・真田幸村(信繁)だった。2016年NHK大河ドラマ『真田丸』の主人公である伝説の武将・真田幸村の波乱の生涯を描きます。
  • 真田幸村
    -
    真田幸村はなぜ豊臣方についたのか。それは家康との確執があった。天下の智将であり軍略家の父昌幸からの因縁。関ヶ原の戦いでは兄弟が東軍と西軍に別れて戦う深謀遠慮。大阪冬の陣では最重要な砦である真田丸を幸村は三千の兵で数万の大軍を退ける。家康から信濃一国と引き替えに勧誘されたが、あくまで豊臣に味方する。真田三代記。他にエッセイ「大阪夏の陣」を収録。
  • 真田幸村 家康をもっとも追いつめた男(小学館新書)
    4.0
    幸村の戦闘力を徹底解剖する! “日本一の兵(ひのもといちのつわもの)”と謳われた真田幸村(信繁)は なぜ家康本陣を崩壊させるほどの活躍ができたのか? それは豊臣への忠義か? 徳川への敵愾心か? それとも・・・・ いまなお絶大な人気を誇るこの戦国武将のすべてを、 日本テレビ系列『日本一受けたい授業』などで 多くの歴史ファンに支持されている 歴史作家・河合敦氏が綴った 真田関連読み物のなかでも完全保存版といえる一冊。 壮絶に散った大坂の陣はもちろん、 幸隆、昌幸、幸村と続く真田三代の戦(いくさ)上手な血脈、 関ヶ原合戦での心理戦、 幸村自身の好戦的な人間性、 大河ドラマのタイトルにもある「真田丸」築城の真実など、 貴重な史料を再検証し、 いままで明かされていなかった史実に迫る。 【ご注意】※お使いの端末によっては、一部読みづらい場合がございます。お手持ちの端末で立ち読みファイルをご確認いただくことをお勧めします。
  • 真田幸村 新装版
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    敵将・島津家久をして「日本一の兵」と言わしめた真田幸村。家康が誰よりも恐れた戦上手は、温厚篤実な人柄で多くの者を魅了し、「大坂の陣」には多数の信奉者が付き従った。義を尊び、家康の再三の誘いを拒んで豊臣恩顧として徳川方を翻弄した勇将の生涯。
  • <真田幸村と大坂の陣>不落の砦出現す! 真田丸の奮戦
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    大坂冬の陣、幕府軍の心胆を寒からしめた真田幸村の秘策・真田丸を解説! 大坂城を囲んだ幕府軍二〇万に反撃を――大砦・真田丸を築いた謀将・幸村は、真田家伝統の用兵術と一糸乱れぬ統率力で大軍を翻弄する。日本一の兵と称された幸村の奮戦に刮目せよ!
  • 真田幸村と忍者サスケ
    -
    若き幸村は少年忍者サスケと出会い、大冒険が始まった! 3人だけで800人もの兵を破り、命をねらう忍者集団と決闘する。そして、幸村は徳川家康方の大軍と戦う! 天才武将と忍者が活躍する血湧き肉踊る戦国物語!【小学中級から ★★】
  • さらば、カタロニア戦線(上)
    -
    1936年秋、スペイン―英国の詩人ジュリアン・レインズは共和国軍に身を置き、ファシスト反乱軍と戦っていた。そのレインズが、ケンブリッジ大学時代に洗脳された、ソ連のスパイではないかとの疑惑に、英国情報部MI6はレインズの旧友ロバート・フローリーを派遣する。いやおうなく戦闘の最前線に投げ出されたフローリーの前途に立ちふさがるドイツの義勇兵、ソ連軍情報部の狡知な罠。そして、戦乱の地に展開する、英ソの暗闘。スティーヴン・ハンターの名を日本の読者に知らしめた巨匠若き日の傑作、復活!

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  • 三国志(1)飛龍の巻
    -
    いまから約1800年前、後漢の時代末期。中国の地は戦乱にまみれ、人々の苦しみがつづいていた。そこに、乱世をすくうべく、3人の英雄が立ちあがった! 漢の皇帝の血をひく劉備玄徳は、関羽雲長、張飛翼徳と義兄弟の契りをむすび、世をすくう英雄となる日を夢見て、義勇兵をひきいて出陣する!!歴史大河ロマンが、いまはじまる
  • The Indifference Engine
    3.8
    ぼくは、ぼく自身の戦争をどう終わらせたらいいのだろう・・・・・・戦争が残した傷跡から回復できないアフリカの少年兵の姿を生々しく描き出した表題作をはじめ、盟友である芥川賞作家・円城塔が書き継ぐことを公表した『屍者の帝国』の冒頭部分、影響を受けた小島秀夫監督にオマージュを捧げた2短篇、そして漫画や、円城塔と合作した「解説」にいたるまで、ゼロ年代最高の作家が短い活動期間に遺したフィクションを集成。
  • ザ・レッド・ライン 第三次欧州大戦 上
    4.0
    米独露開戦――ヨーロッパは三度戦場と化す!! プーチン時代が終焉を迎えたロシアでは、息を吹き返した共産勢力が政権を握り、“ソヴィエト”の復権が急速に進められていた。粛清を繰り返し書記長の座に就いたチェニンコは、ワルシャワ条約機構を復活。さらに、東西ドイツの分断を目論み軍事介入を開始した。一方、ドイツではネオナチが台頭し、これに対抗。二カ月の内戦の末にソヴィエト軍の放逐に成功する。東西の統一を維持したことでネオナチ支持の機運が高まり、次の総選挙ではそのリーダーであるフロミッシュの勝利が確実視されるようになっていく。ナチスを憎悪するチェニンコに対し、ソヴィエト軍作戦長官はある作戦を提案する。圧倒的な物量で陸と空から一気にドイツ全土へ侵攻するその計画は、大規模演習と偽って百万のソヴィエト兵をドイツ国境沿いに集結。同時多発的に在欧米軍の通信機能を破壊・分断し、指揮系統を麻痺させた隙をつき、五日間でドイツを制圧する電撃作戦だった。 著者について ●著者略歴 ウォルト・グラッグ WALT GRAGG テキサス州オースティンで妻や子ども、孫たちとともに暮らす元弁護士。ロースクール入学前にアメリカ陸軍で軍隊生活を経験し、さまざまな任務に従事。冷戦のさなかには、ドイツのアメリカ欧州軍司令本部に三年間勤務している。この頃、ドイツ防衛時のアメリカ軍の作戦計画に関与し、数多くの演習に参加。本書の着想を得るとともに、これらの実体験が本書の場面設定や描写のもとになった。本書『ザ・レッド・ライン 第三次欧州大戦』が長編小説のデビュー作となる。 ●訳者略歴 北川由子 Yuko Kitagawa 翻訳家。英国ニューカッスル大学修士課程修了。得意なゲームはアーケードゲームとレースゲーム。主な訳書に、『亡霊は砂塵に消えた ステルス機特殊部隊777チェイス』『不可解の国のアリッサ』『マインクラフト はじまりの島』(すべて竹書房)などがある。
  • ザ・レッド・ライン 第三次欧州大戦 【上下合本版】
    -
    米独露開戦――ヨーロッパは三度戦場と化す!! プーチン時代が終焉を迎えたロシアでは、息を吹き返した共産勢力が政権を握り、“ソヴィエト”の復権が急速に進められていた。粛清を繰り返し書記長の座に就いたチェニンコは、ワルシャワ条約機構を復活。さらに、東西ドイツの分断を目論み軍事介入を開始した。一方、ドイツではネオナチが台頭し、これに対抗。二カ月の内戦の末にソヴィエト軍の放逐に成功する。東西の統一を維持したことでネオナチ支持の機運が高まり、次の総選挙ではそのリーダーであるフロミッシュの勝利が確実視されるようになっていく。ナチスを憎悪するチェニンコに対し、ソヴィエト軍作戦長官はある作戦を提案する。圧倒的な物量で陸と空から一気にドイツ全土へ侵攻するその計画は、大規模演習と偽って百万のソヴィエト兵をドイツ国境沿いに集結。同時多発的に在欧米軍の通信機能を破壊・分断し、指揮系統を麻痺させた隙をつき、五日間でドイツを制圧する電撃作戦だった。 著者について ●著者略歴 ウォルト・グラッグ WALT GRAGG テキサス州オースティンで妻や子ども、孫たちとともに暮らす元弁護士。ロースクール入学前にアメリカ陸軍で軍隊生活を経験し、さまざまな任務に従事。冷戦のさなかには、ドイツのアメリカ欧州軍司令本部に三年間勤務している。この頃、ドイツ防衛時のアメリカ軍の作戦計画に関与し、数多くの演習に参加。本書の着想を得るとともに、これらの実体験が本書の場面設定や描写のもとになった。本書『ザ・レッド・ライン 第三次欧州大戦』が長編小説のデビュー作となる。 ●訳者略歴 北川由子 Yuko Kitagawa 翻訳家。英国ニューカッスル大学修士課程修了。得意なゲームはアーケードゲームとレースゲーム。主な訳書に、『亡霊は砂塵に消えた ステルス機特殊部隊777チェイス』『不可解の国のアリッサ』『マインクラフト はじまりの島』(すべて竹書房)などがある。?
  • 残響
    -
    1巻942円 (税込)
    サッポロビールの「生みの親」として知られる、村橋久成の波瀾と謎に満ちた生涯を描く。村橋は薩摩藩の名家に生まれ、慶応元年同藩が密かに英国に派遣した15人の留学生のひとり。戊辰・箱館戦争には軍監として従軍。戦後は開拓使に奉職し麦酒醸造所や製糸所建設を始め農業振興にも努め、琴似屯田兵村の土地選定、兵屋建設にも重要な役割を果たした。いわば「北海道産業の礎」を築いた人物である。 黒田清隆らとの角逐は以前からあったが、開拓使の諸事業の民間払い下げが具体化した時、開拓事業を私物化しようとする薩摩藩人への怒りと失望を押さえられず、明治14年5月開拓使を辞職し消息を絶った。11年後の神戸で行路病者として発見される。
  • 斬ばらりん2 京都動乱編
    -
    舞台は風雲急の京都へ。幕末痛快活劇第2弾。  長崎のオランダ坂で、めっぽう腕の立つサムライが用心棒をしているという。噂を聞きつけた福澤諭吉は、文久元年(1861年)神田小川町の勝麟太郎とともに江戸から長崎へ書状を送る。オランダ坂のサムライは、妻子とともに薩摩の関を破ったあの脱藩浪士にちがいない――故島津斉彬の秘蔵っ子で合伝流の鉄炮師範をしていた男・斬(しばし)善次郎だ。  書状は善次郎の妻の萌と一子・爽のもとに届くが、善次郎はこのとき倒幕過激派の妨害工作に対抗する用心棒として京都にいた。江戸に福澤を訪ねたのち、長崎に帰り着く善次郎。異国の風が吹くグラバー商館で、本国アメリカにも出回っていない最新式のライフルを目にした翌朝、斉彬から下賜された愛刀に暗号のような不思議な模様を見つける。かつての盟友・新納亀十郎に思いを馳せ、薩摩藩の秘密を胸に秘め、妻子を連れふたたび京都へ向かう善次郎だが、薩摩の実権を握る島津久光もまた一千の兵を率いて上洛を目論んでいた。  蕃書調所頭取助に任じられる勝麟太郎(海舟)、土佐勤王党を脱藩する坂本龍馬、奄美を離れた西郷吉之助(隆盛)ら幕末の志士とともに、風雲急の時代をニューヒーローが疾走する書き下ろし痛快活劇第2弾!
  • 申(シェン)の村の話
    -
    1巻2,200円 (税込)
    時代に翻弄されながら、したたかに生きた十五人の職人の物語。 誰の心にもきっと「失われた村」がある。 パリに住む中国人作家・申賦漁(シェン・フーユイ)が描く、江南の村を舞台にした一大叙事詩。 父や祖父から聞き、幼い頃に交流もあった、故郷の村の個性的な人々。 彼らがたどった波瀾万丈の物語を、筆者は百年にわたる十五人の職人の話として描いた。 中国、フランス、アメリカで刊行され、各国で高く評価されている注目作家、待望の初邦訳作品! ◆十五人の職人とその物語 1 瓦職人:キリスト教に改宗し、先祖の位牌を焼いた男の話 2 竹細工職人:老いたアカウシと暮らし続けた男の話 3 豆腐職人:夭折した友人の父で、礼節を重んじた男の話 4 灯籠職人:外祖父が新四軍の逃亡兵だったと知る話 5 大工:祖父の大ノコギリが夜中に死者を知らせる話 6 床屋:日本軍がきた村で男が起こした驚きの事件 7 鋳掛屋:「村の六百年で最高の大人物」になり損ねた男の話 8 彫物師:朝鮮戦争から戻り孤独に死んだ男の秘められた恋 9 植木職人:幼馴染が猫殺しの事件に巻き込まれる話 10 鍛冶屋:先祖の陵墓を失った男が死して掘り返された話 11 なんでも屋:定職に就かない伯父が語った幽霊譚 12 仕立屋:名士の息子が密告を受けて死刑になる話 13 教師:文化大革命で進学も恋愛も成就しなかった男の話 14 秤職人:「三代続けて頭の弱い男が生まれる」と予言された家 15 織物職人:意に沿わぬ結婚から自らの人生を貫いた女の話
  • 指揮官たちの特攻―幸福は花びらのごとく―
    3.8
    神風特別攻撃隊第一号に選ばれ、レイテ沖に散った関行男大尉。敗戦を知らされないまま、玉音放送後に「最後」の特攻隊員として沖縄へ飛び立った中津留達雄大尉。すでに結婚をして家庭の幸せもつかんでいた青年指揮官たちは、その時をいかにして迎えたのか。海軍兵学校の同期生であった二人の人生を対比させながら、戦争と人間を描いた哀切のドキュメントノベル。城山文学の集大成。

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  • 至近距離
    完結
    -
    全1巻275円 (税込)
    容赦なき30発。おそらくは、 リベンジの範囲を超えた、怒りの銃弾。 片岡義男の全作品中でも、 おそらく最もストレートで、待ったなしの一編だろう。 沖縄を思わせる場所で、米兵がトラブルを起こす。 現実に歴史の中で起きている出来事を、この短編も引き継いでいる。 やられたら、やりかえす。必要以上に。徹底的に。 タイトルから想像できるとおりの、いや、 それ以上の場面が展開される。 この一編を現在のアメリカ兵が読んだら、 果たしてどんな感想を持つだろうか。 【著者】 片岡義男:1939年東京生まれ。早稲田大学在学中にコラムの執筆や翻訳を始め、74年『白い波の荒野へ』で作家デビュー。75年『スローなブギにしてくれ』で野生時代新人賞を受賞。ほか代表作に『ロンサム・カウボーイ』『ボビーに首ったけ』『彼のオートバイ、彼女の島』など多数。
  • 疾駆する白象
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    あらゆる歴史は現代史である(ベネデット・クローチェ) コンバウン朝ビルマでは、第六代ボードーパヤー王(在1782 ~ 1819)が 1784年末、アラカン王国を制圧、当時上座部仏教の崇拝の的だった青銅製の 大牟尼仏を略奪し、同時に緩衝地帯はなくなり英領インドと対峙した。 ついで北部のマニプール王国、アッサム王国をも支配下におき、版図を最大に 広げ、列強国と角突き合わせた。 ベンガル州の平原プラッシーにおいては1756年6月23日、東インド会社が、 仏ベンガル太守の連合軍を撃破する。1764年10月には、ブクサールの戦いで ムガル帝国・アワド太守・前ベンガル太守の連合軍を破り、1765年8月、 アラーハーバード条約が締結される。これにより東インド会社は、 ムガル帝国からベンガル、オリッサ、ビハール三州での租税徴収権を獲得する こととなり、徴税官を介して財政基盤を固め、民間商社から政治機構へと転身する こととなった。財源を失ったムガル皇帝とベンガル太守は、単なる年金受領者に 落魄し、同じように度重なる戦争と飢饉により東インド会社も財政難に陥っていった。 1774年、140万ポンドの政府貸付金と引換えにしたノース法により、本国からの 規制をも受けることとなる。1784年8月13日、ピット政権はインド法を議会通過 させ印度庁を政府内に設けた。東インド会社は多額の国費を本国に支払いながらも 政府との二重権力の下、インドの植民地化を推進。ナポレオンの時代になる1806年、 弟ルイはオランダに王政を布いたものの、兄の指示に従わなったため1810年、 オランダはナポレオンの直轄領とされることとなった。 これを契機に、1810年~11年にかけては、ベンガル総督ミントーがオランダ支配下 のジャワ島を侵略しラッフルズを知事代理に任命、4年間統治させた。ラッフルズは 1819年、シンガポールをも開く。間もなく王は第七代バジドー王に代替わりし、 そして、西欧列強による東南アジア進出はいよいよ拍車がかかることとなった。 本書は、こうした当時のミャンマー(ビルマ)情勢を背景として、 日本人の漂流民と、アワド藩王国出身のセポイ(インド兵)を主人公にすえて、 血湧き肉躍る冒険活劇的に、小説として創りあげたものである。
  • 忍び秘伝
    3.9
    永禄4(1561)年、川中島――。甲越双方6割の兵が命を落とす地獄の戦を左右した兇神「御左口神」。その力を利用すれば、天下もたやすく手に入るとされる兇神をめぐり、武田・上杉両軍、謎の忍者・加藤段蔵、若き日の真田昌幸、そして山本勘助が暗躍する書き下ろし長編時代エンターテインメント!

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  • シベリア抑留
    -
    酷寒の異境、広大なソ連邦の全域に広がる収容所(ラーゲリ)に、日本兵と民間人六十万が虜囚として強制労働に服した。その隠された実態を、新資料を駆使し、また「最後の証言者」を訪ねて明かす。死者・生者ともに心癒やされぬ歳月と空白の現場が、ついにあらわれる。民族の悲劇に新しい歴史の光をあてたドキュメント。
  • シベリヤ物語
    4.0
    逃亡兵が闇の中で射殺され横たわる「小さな礼拝堂」。凍てつく酷寒の町に一人出されて道路掃除する「掃除人」。シベリヤの捕虜収容所体験をもつ作家の冷静な眼は、己を凝視し、大仰な言挙げとは無縁の視座から出会った人々、兵士、ロシヤの民衆の生活を淡々と物語る。「舞踏会」「ナスンボ」「勲章」「犬殺し」等11篇により、人間の赤裸に生きる始原の姿を綴る現代戦争文学の名著。
  • 絞め殺しの樹
    3.0
    新・直木賞作家のブレイク作!  北海道根室で生まれ、新潟で育ったミサエは、両親の顔を知らない。昭和十年、十歳で元屯田兵の吉岡家に引き取られる形で根室に舞い戻ったミサエは、農作業、畜舎の手伝い、家事全般を背負わされボロ雑巾のようにこき使われた。その境遇を見かねた吉岡家出入りの薬売りの紹介で、札幌の薬問屋「仙雲堂」で奉公することに。戦後、ミサエは保健婦となり、再び根室に暮らすようになる。幸せとは言えない結婚生活、早すぎた最愛の家族との別れ。数々の苦難に遭いながら、ひっそりと生を全うしたミサエは幸せだったのか。養子に出された息子の雄介は、ミサエの生きた道のりを辿ろうとする。 「なんで、死んだんですか。母は。癌とはこの間、聞きましたが、どこの癌だったんですか」  今まで疑問にも思わなかったことが、端的に口をついた。聞いてもどうしようもないことなのに、知りたいという欲が泡のように浮かんでしまった。 「乳癌だったの。発見が遅くて、切除しても間に合わなくてね。ミサエさん、ぎりぎりまで保健婦として仕事して、ぎりぎりまで、普段通りの生活を送りながらあれこれ片付けて、病院に入ってからはすぐ。あの人らしかった」(本文より) ※この作品は単行本版『絞め殺しの樹』として配信されていた作品の文庫本版です。
  • 斜影はるかな国
    4.5
    1936年、フランコ将軍らが蜂起して勃発したスペイン内戦。その最中に、ギジェルモ・サトウと名乗る日本人義勇兵がいた。通信社特報部の記者・龍門二郎は、男の足跡を取材するためスペインに飛ぶが、その裏には大いなる秘密が隠されていた――。スペインの過去と現代を舞台に描かれた、壮大な冒険ミステリー。
  • 灼熱の二人
    -
    サンマルコス共和国の陸軍司令官の公邸で、元秘密工作員のジェドはマリッサ・デヴローを見かけた。昔から顔見知りの彼女はスパイ活動にかかわるライバルだが、何度誘ってもつれないそぶりで彼をあしらう、心憎い女だ。どうしてマリッサがここに……?久しぶりに見るマリッサは相変わらず美しく、思わず見とれていると、彼女はそっと部屋を抜け出し、司令官の執務室に忍び込んだ。いったい何をもくろんでいるのだろう――あとをつけたジェドの目前で、彼女は警備の兵に捕らえられた。マリッサ! 気づくと彼は飛び出していた。彼女を必ず助け出す――今度こそ、ぼくのものにするために。■2カ月連続刊行のR・ヨークによる人気シリーズ〈ライト街43〉。陰謀渦巻く架空の国サンマルコスを舞台に、命懸けの愛を貫こうとするマリッサとジェド。スリリングな展開で、いっきに読ませます。
  • 20世紀の51大事件 私は目撃した! 週刊文春 シリーズ昭和(1)狂乱篇
    5.0
    週刊文春 シリーズ昭和(1)狂乱篇 20世紀の51大事件 私は目撃した! 文春だからキャッチできた衝撃の証言! ■ニッポン列島震撼事件■ ・連続幼女殺害 宮崎勤の家族が嘗めた辛酸 ・殺人鬼・大久保清と刑務所で面会した20分 ・山口組 vs.一和会 私は見た! 元幹部の迷路のような家 ・百日漂流 佐野三治が怯えた死体を食う魚 ・戸塚宏が留置場で連続殺人鬼冷血・勝田と腕立て伏せ ・オカルト猟奇 悪魔払いバラバラ殺人 犯人二人の精神鑑定書 ・グリコ・森永事件 脅迫状に犯人の実像 ・日本人拉致事件 李恩恵を拉致した男は逮捕寸前だった ・飯干晃一の宣戦布告 生命尽きるまで「統一教会との死闘」 ・帰還兵の戦後 横井庄一の遺言は「小動物たちの慰霊碑を」 ・残置諜者 小野田寛郎少尉“発見の旅”から20年 ■テロリズムとその時代■ ・側近が語る 浅沼社会党委員長刺殺の生々しい瞬間 ・よど号ハイジャック事件 石田眞二機長は大阪で警備員に ・三井物産マニラ支店長誘拐事件 日本赤軍関与、私はこうして調べた ・アキノ射殺事件 スクープ写真 私が撮影した ・ペルー日本大使公邸占拠事件 人質たちの後遺症 ・有田芳生があえて書いた オウム真理教上祐史浩の「闇の顔」 ・不肖宮嶋、大倉乾吾 拘置所の麻原激写! 秘密兵器はベニヤ板 ■巨大事故現場は語る■ ・日本航空123便墜落事故 御巣鷹山凄惨現場 ・ホテルニュージャパン火災事故 突入した命知らずのカメラマン ・阪神・淡路大震災 宙吊りバスを救った「奇跡の運転手」 ■「怪死」ミステリー■ ・いまだ根強い謀殺説 女将は見た 中川一郎の顔に不気味な斑点 ・田宮二郎 自殺3日前の「会食」メンバー ・直撃カメラマンの独白 豊田商事永野会長刺殺 私は撮らなかった ・尾崎豊が初めて撮らせた“正面”からの写真 ・「村井秀夫刺殺の指令なし」でオウム真理教事件の謎未だ深し ■スターの肖像 最後の秘話■ ・百恵・友和の初デートを“演出”した親友の告白 ・キャンディーズ バックバンドとタイ旅行三泊四日の一部始終 ・夭逝した美女の俳号は「海童」 夏目雅子は俳句の名人 ・貴乃花との婚約解消 宮沢りえは知らなかった ・がん告白から三年 逸見夫人が神の手手術は無謀と知った日 ・宇多田ヒカルの母・藤圭子が引退で「意外な一言」 ・石原裕次郎 手術直後にヨットレース参加 ・勝新太郎がハワイでふるまった手料理 ・寅さんが残した肉声 留守電テープ50分初公開 ・沖雅也の飛び降りを記録したホテル従業員の「備忘日誌」 ・岡田有希子自殺の一年後 両親は離婚した ・美空ひばりの棺に三日間寄り添い続けた島倉千代子 ■スポーツ列伝 運命の瞬間■ ・長嶋監督解任 世紀のスクープは電話の混線から ・小林繁が初めて明かした 江川卓事件「空白の一日」 ・運命のドラフト 清原ボー然、桑田はそっと部屋から姿を消した ・伊達公子を陰で支えたおむすびの達人 ・東京オリンピック 聖火ランナーを拉致した「スクープ合戦」 ■醜聞報道の深層■ ・金丸信が私にぶちまけた 愛弟子・小沢一郎の非情 ・三越のドン・岡田茂に挑んだ6人の告発者 ・リクルート事件500万円贈賄ビデオ ・「獄中」の三浦和義から届いた電報の中身 ・横山ノックが借りたSMビデオ10本の中身 ■ドキュメント皇室報道■ ・昭和天皇のご病状を明らかにして亡くなった東大教授 ・美智子皇后 結婚5日前の「父娘のキャッチボール写真」 ・雅子妃の父・小和田恆氏に怒鳴られた私
  • 就職先は海上自衛隊 女性「士官候補生」誕生
    4.0
    『早乙女碧シリーズ』著者の原点となるノンフィクション! 普通の女子大生が自衛官になったら? 元虚弱児童にしてカナヅチ、小説家志望のおっとり女子大生が、純白の制服に惹かれて海自幹部候補生に……。女性自衛官として史上初めて遠洋練習航海に参加した著者が実体験を綴る!<br. 一般大学を卒業、ひょんなことから海上自衛隊幹部候補生学校に入った文系女子。そこで待っていたのは、旧海軍兵学校の伝統を受け継ぐ厳しいしつけ教育、短艇訓練、八マイル遠泳……男女の区別一切なしのハードな日々。女性自衛官として初めて遠泳練習航海に参加、艦艇勤務も経験した著者が士官のタマゴ時代を描く。
  • 修羅維新牢
    -
    「待て、ぬしァ旗本か」そのひと言で沼田万八は3人の官軍に呼びとめられた。「ちょっと、来う。汝の首斬る用じゃ!」筒袖羽織に長い毛をなびかせたかつら。そんな異形で江戸を闊歩する官軍が7人、たてつづけに殺された。江戸市民は喜んだが、東海道先鋒隊長の中村半次郎は激怒した。“薩摩兵1人が暗殺されたら旗本10人を斬る”と。その布告に基く犠牲者第一号が沼田万八であった――幕末の激動期、奇しき運命にもてあそばれた10人の侍の人生を、哀切、劇的な展開のうちに描く。
  • 修羅の波濤 外伝1
    -
    二式大挺に刻まれた桜のマークは、生還への希望──死闘が繰り返される中部太平洋最前線グアム島。そこに撃墜機搭乗員の救援活動に専念する部隊があった。二等飛行兵新見正樹は偵察員としての初仕事で見事な成果を挙げるのだが……。裏方に徹し、多大な功績を挙げた907空5号機。その始末記を少年兵の成長と重ね合わせた「生命は我が戦果」。他に「カムヒア、ミッキーマウス」「蒼海の牙」の2編。最前線の将兵たちの視点で見つめ直す「修羅の波濤」世界!

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  • 修理さま 雪は
    4.2
    会津武士の妻としての矜持を胸に自ら命を絶った神保雪子、若松郊外涙橋で果敢に敵兵と白刃を交わし戦死した中野竹子、砲術に優れ会津籠城戦に勇躍、のち新島襄の妻となった山本八重……。会津落城にまつわる七つの悲話を丹念に掘り起こし、美文に昇華した連作短篇集。

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  • 傷痍軍人金成寿の「戦争」:戦後補償を求める韓国人元日本兵
    -
    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 戦時下に動員された韓国人日本兵の戦争をルポ

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  • 小学館ジュニア文庫 小説 そらペン ~謎のガルダ帝国大冒険~
    -
    朝日小学生新聞の人気まんがが小説に! 青葉そらは絵を描くことが大好きな小学四年生。 あるとき描いたものが本物になる魔法のペンを手にし、最初に描いたスーパーヒーロー・スーパーブルックマンとともに、さまざまなことを体験してきた。 ある日、そらと仲間たちは、課外授業で町の美術館を見学することに。 そこでそらは、不思議な少女の肖像画に釘付けになってしまう。すると突然、絵から光が発せられ、気がつくと、そらたちは見知らぬ地で倒れていた。 訳がわからない状況の中、仲間のホクトが警備兵に捕まってしまう。 ホクトを助けるため、その地で知り合った少年・シウォンと一緒に、ホクトが捕らえられているという城に 向かうのだが・・・。 ※対象年齢:低学年から
  • 小学館世界J文学館 ぼくの犬はジャズが好き
    -
    ※本作品は『小学館世界J文学館』(紙版)に収録されている同タイトルの作品と同じ内容です。 いつでも自由! 毎日が冒険! アンドリューハはパパとママと愛犬キートと暮らす男の子。空想好きで、大きくなったらカタツムリを売る仕事をしてお父さんを助けようと考えたり、この町に空飛ぶ円盤が来たらどうなるだろうと考えたりする、ユニークで優しい少年。パパも風変わりで、宇宙人をさがすために突然ヒマラヤ山脈へでかけようとする。ママは料理や家事が大の苦手で、おそろしくまずい料理を並べるが、おおらかで太陽のように明るい女性。それぞれが気ままでマイペースで、常識にこだわらず、思いのままに生きるこの一家には、奇妙でシュールで不可思議な事件が次々と舞い込む。 収録作品=家庭訪問に訪れ、アンドリューハ一家を気に入ったあまり、家族に入れて欲しいと希望する先生(「ああ、モップよモップ、ぼくの愛はどこ?」)、愛犬キートを巨大ネズミだと言い張る獣医。うんざりしたキートは、あるとっぴな行動に出る(「ノミのいる怪物」)、地下室に何十年も寝続けていたナチス兵の物語(「見つかったフリッツ」) ほか、「ぼくの夏に秋がきた」「ぼくの犬はジャズが好き」「私たちはみんな、この地上で宇宙人なのよ」「この世界でたったひとつのもの」など全17編。(本邦初訳) ※この作品は一部カラーが含まれます。
  • 小学館世界J文学館 ガルシン作品集
    -
    ※本作品は『小学館世界J文学館』(紙版)に収録されている同タイトルの作品と同じ内容です。 人生がぎゅっと詰まった数ページ。 19世紀ロシア、傑作短編小説を20編ほど遺して33歳で命を絶った天才小説家、フセヴォロド・ガルシン。今読んでも衝撃的な作品7編を新訳で贈る! 「がま蛙とバラの花」……ある美しい5月の朝、荒れ果てた花壇に一輪のバラの花が咲く。庭に面した部屋で病気の少年は花を気にかける。「ねえ、お庭は今、すてきだよね? バラの花が咲いているかな?」一方、バラの根元には太ったがま蛙がいた。美しくてよい香りのするバラをすばらしいと思い、もっと近くに行きたくて、しかしその優しい気持ちを表現することばがなくて、がま蛙は言った。「じっとしてなよ、あたしがあんたを食ってやる!」 「四日間」……戦場で戦うロシアの兵士は、銃撃を受けてけがをし、動けなくなった。仲間の兵士たちにも気づかれず、兵士は一人取り残される。絶望した兵士は、近くに人がいるのを知る。それは、彼がしばらく前に殺した敵兵の死体だった。兵士と死体は四日間をともにすることになる。 その他、「なかったこと」「信号」「おごれるアッゲイの話――古い伝説の再話」「カエルの旅行者」「アッタレア・プリンケプス」全7編。 (新訳) ※この作品は一部カラーが含まれます。
  • 小学館世界J文学館 機関銃要塞の子どもたち
    -
    ※本作品は『小学館世界J文学館』(紙版)に収録されている同タイトルの作品と同じ内容です。 空襲の翌日、ぼくらは「宝物」を手に入れた。 第二次世界大戦下、夜ごとドイツ軍が空襲にやってくるイギリスの港町。チャスは、そんな中をたくましく生きる少年だ。ある日、チャスは撃墜されたドイツの爆撃機の残骸を見つける。中にはドイツ兵の死体があった。しかし、何より魅力的だった発見は「機関銃」だった。こいつをとりはずして、自分たちの武器にしよう。襲ってくるドイツ軍を、この機関銃で倒すんだ! チャスと仲間たちは、こっそり要塞を作り始める。 やがてチャスたちは、生き残ったドイツ兵ルディを要塞にかくまうようになる。敵兵なのに、不思議な連帯感や友情すら芽生え始めたころ、ナチス・ドイツが上陸してくるといううわさが広がった。パニックになる大人たちをふりきって、チャスと仲間たちは自分たちへの要塞へと走った! 児童文学として、これまでになかった形で「戦争」というテーマに取り組んだ傑作。半世紀ぶりの新訳でお届けする!(新訳)  ※この作品は一部カラーが含まれます。
  • 証言 沖縄スパイ戦史
    4.3
    【第7回城山三郎賞受賞(角川文化振興財団)・第63回JCJ賞受賞(日本ジャーナリスト会議)・第20回石橋湛山記念 早稲田ジャーナリズム大賞草の根民主主義部門大賞受賞(早稲田大学)】 ◆推薦◆ 「被害者だけでなく加害側、虐殺を命じた側の視点からも語り直していくことによって、そこで起きたことが立体的に見えてくる」 ――荻上チキ氏(評論家) 「映画『沖縄スパイ戦史』を見終わった時の感慨を遥かに上回る、切迫感をともなうファクトの重みを喉元に突きつけられた。」 ――金平茂紀氏(TBS「報道特集」キャスター) 陸軍中野学校「秘密戦」の真相。証言と追跡取材で迫る、青年将校の苦悩と少年兵が戦った沖縄戦、最暗部の記録。軍隊が来れば必ず情報機関が入り込み、住民を巻き込んだ「秘密戦」 が始まる――。第二次大戦末期、民間人を含む二〇万人余が犠牲になった沖縄戦。第三二軍牛島満司令官が自決し、一九四五年六月二三日に終わった表の戦争の裏で、北部では住民を巻き込んだ秘密戦が続いていた。山中でゲリラ戦を展開したのは「護郷隊」という少年兵達。彼らに秘密戦の技術を教えたのは陸軍中野学校出身の青年将校達だった。住民虐殺、スパイリスト、陰惨な裏の戦争は、なぜ起きたのか? 二〇一八年公開後、文化庁映画賞他数々の賞に輝いた映画「沖縄スパイ戦史」には収まらなかった、三〇名余の証言と追跡取材で、沖縄にとどまらない国土防衛戦の本質に迫る。
  • 証言その時々
    -
    「私はひとりになった。静かに涙が溢れて来た……祖国は敗けてしまったのだ。偉大であった明治の先人達の仕事を三代目が台無しにしてしまったのである」――収容所で敗戦の報に接した著者が見た戦争、そして戦後日本の姿とは。数々の戦争文学を残した作家が綴る、帰還兵への思い、六〇年安保、チェルノブイリ原発事故への眼差しなど戦争をめぐる証言。(講談社学術文庫)
  • 少女地獄 夢野久作傑作集
    4.0
    書簡体形式などを用いた独自の文体で読者を幻惑する、唯一無二の怪奇探偵小説の巨匠・夢野久作。その入門書にふさわしい四編を収録した傑作集を贈る。ロシア革命直後に語られる数奇な話「死後の恋」。南の島に流された幼い兄妹の悲劇を綴る「瓶詰の地獄」。満州を舞台に、日本兵と異国の少女の逃避行を描く「氷の涯」。虚言癖の少女、命懸けの恋に落ちた少女、復讐に身を焦がす少女の三人を主人公にしたオムニバス「少女地獄」。『黒死館殺人事件』『虚無への供物』と並ぶ、不朽の大作『ドグラ・マグラ』の著者の真骨頂を示すベスト・オブ・ベスト。/解説=戸川安宣
  • 小説 水原親憲
    -
    謙信公の精神を受け継ぐ戦国最強の越後兵をえがく。手取川にて織田軍に圧勝した 越後軍の強さを水原が分析。 桶狭間の戦い、手取川の戦い、本能寺の変等、歴史の流れも踏まえた構成になっており、様々な将軍の人物像や歴史的背景も分かりやすく書かれている1冊。
  • 小説 皇國の母
    NEW
    -
    〈終わったのではなく、日本は戦争に負けたのだ!〉──太平洋戦争敗戦の傷がまだ癒えない大阪の街で、逞しく生きる人々の姿を描いた、時代懐古小説。梅田の地下街を拠点とするスリ集団と彼らに恐れられた刑事、その刑事から温情を掛けられる女スリ、心に傷を持つ復員兵と彼に敬意を払う戦争に行かなかった男たちと、闇市ですいとん屋を営む男装の麗人など、今はなき日本人の姿を描く。
  • 象徴の設計 新装版
    3.8
    西南戦争が終結した後も、日本の動揺は続いていた。そんな時、今度はなんと天皇を守るべき近衛兵が反乱騒動を起こした。竹橋事件である。その背景にあったのは、自由民権運動と農村の貧困。武士に代わる軍隊の脆弱さに事態を重く見た時の陸軍卿山県有朋は、軍のより一層の近代化を進めるため、軍人の軍人たる心構え、すなわち「軍人勅諭」を創るよう西周に命じる。それは天皇にのみ忠誠を誓う統一国家の軍隊だった。明治前期、帝国陸軍創設に意を尽くした山県有朋を描く。
  • 少年ゲリラ兵の告白―陸軍中野学校が作った沖縄秘密部隊―(新潮文庫)
    4.5
    太平洋戦争で国内最大の地上戦の舞台となった沖縄。そこに敵を殺し、友の死を目の当たりにした10代の少年達の部隊があった。陸軍の情報機関により沖縄本島北部で組織された約千人の遊撃隊(ゲリラ戦部隊)=「護郷(ごきょう)隊」は、どのような環境に置かれ、米兵を相手にいかなる戦闘を強いられたのか。戦後70年を経て、生存者が重い口を開いて語る戦場の悲惨な真実! 『僕は少年ゲリラ兵だった』改題。(解説・仲村清司)
  • 少年皇族の見た戦争 宮家に生まれ一市民として生きた我が生涯
    -
    昭和4年(1929)、旧皇族・久邇宮家に生まれ、皇族として海軍兵学校に学び、ビジネスマンとして戦後を生き、そして伊勢の神宮大宮司を務めた著者が、激動の日々、そして思いの丈を語り尽くした珠玉の書。曽祖父・久邇宮朝彦親王、祖父・久邇宮邦彦王、父・久邇宮朝融王と続く久邇宮に生まれ、昭和天皇・香淳皇后の甥にあたる著者が、戦前の皇族の暮らしぶりや、少年皇族として目の当たりにした戦前・戦中の日本、宮中某重大事件などの真相、軍の要職を務めながら日本の苦境に心を痛めていた皇族方の素顔、自らの海軍兵学校での思い出、さらに戦後の経験などを、余すところなく綴る。また、皇籍離脱について、靖国神社のこと、さらに伊勢神宮の大宮司も務めた経験から実感した「神道の心」まで、率直な意見を披瀝。戦前から戦後の日本の姿を知り、これからを考えるための貴重な証言である。

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  • 少年の日の覚悟―かつて日本人だった台湾少年たちの回想録
    -
    古き良き日本時代の台湾で育ったかつての少年兵が「日本へのご恩返しに」と語った、日本の本当の歴史 大東亜戦争末期の台湾。 日本は苦戦を強いられ、当時日本だった台湾への米軍上陸も間近と予想されていた。 その台湾で、内地の学徒兵と同様、まだあどけなさの残る 15歳、16歳の学生たちが祖国を守ろうと立ち上がった。 ある者は志願して、ある者は召集令状を受け取って。 皆が抱いたのは「僕たちがやらなければ、誰が国を守るのか!」という悲しくも強い想いだった。 平和しか知らないあなたに読んで欲しい 国とは戦争とは、人間とは、 そして生きるとは何か <目次より抜粋> 第一部 日本統治時代の語り部として-蕭錦文氏の証言 日本が変えた世界地図 日本軍に志願した理由 激戦の跡シンガポールへ上陸 ビルマから必死の撤退 日本が植民地に勇気を与えた 日本の台湾統治は良かった 今後の日本への不安 大和魂の大切さ 第二部 私は今でもサムライです-許江陶氏の証言 私は今でもサムライです 毎日暗誦した軍人勅諭 戦友たちが私に宛てて書いてくれた寄せ書き 終戦後の台湾の運命 第三部 終戦間際の北京は平和だった-李延益氏の証言 終戦間近の北京 ラッパと共に起きる軍隊生活 中国人と日本兵の交流 北京で聞いた玉音放送 国民党員としての戦後 同期の日本人、先生との交流 第四部 十五歳、命の覚悟-郭鏡川氏の証言 高雄が空襲で全壊 自然に芽生えた信仰心 陸軍歩兵の本当の意味 命懸けの重労働 生死は一瞬で決まる 日本軍の誇り 中国人への落胆 シリーズ「日本人の誇り」刊行によせて

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  • 少年兵はなぜ故郷に火を放ったのか 沖縄護郷隊の戦い
    -
    第2次大戦末期、沖縄北部地上戦を戦った知られざる少年秘密部隊、護郷隊。陸軍中野学校出身者の指揮の下、米軍侵攻を撹乱するため生まれ育った村を焼き払い、学校を破壊した少年兵たちの胸に去来した悲しみを描く。
  • 翔竜 政宗戦記 1 天翔の謀
    4.0
    英雄いまだ遅からじ!天正13年、戦国の世は羽柴秀吉のもとに終息するかと思えたとき、奥羽の地から一匹の竜が飛翔しようとしていた。独眼竜、伊達政宗である。己の弱さを断ち切るかのように右目を潰した政宗は、家督を継いで一年後、畠山義継の凶行により父を喪う。復讐を誓い、兵を挙げた人取橋の合戦が、政宗の未来を変える。客将として麾下に入る謎の僧侶・天海。股肱の臣・片倉景綱とともに目指すは、天下への足掛かりである奥州の統一。今、若き竜の行く手には、果てしない世界が広がっている!

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  • 昭和十七年の夏 幻の甲子園 戦時下の球児たち
    3.0
    正史から抹殺された甲子園大会の「謎」に迫る!  昭和十七年夏の甲子園大会は、朝日新聞主催から文部省主催に変更。さらに、戦意高揚のため特異な戦時ルールが適用され、「選手」としてではなく「選士」として出場することを余儀なくされた。そして、大会後は「兵士」として戦場へ向かった──。球児たちの引き裂かされた青春の虚実を描くノンフィクション大作。 解説・岡崎満義 【目次より】 序章 開幕迄 第1章 満州のハーモニカ 第2章 とある予科練生の憂鬱 第3章 応召した監督 第4章 台湾から来たチーム 第5章 少年航空兵に憧れた主将 第6章 幻のホームラン 第7章 海軍航空隊の現実 第8章 戦時下の大記録 第9章 シベリア抑留 第10章 撃沈 第11章 真の最多得点記録 第12章 焼け落ちた優勝旗 第13章 一通の戦死公報 第14章 キノコ雲の下 第15章 最後の熱戦 第16章 それぞれの青春と戦争
  • ショートショートの泉
    -
    1巻220円 (税込)
    モーレツ社員だ社畜の育ち「昭和もも我息子」。部屋に置かれたAI搭載のマスコットロボットが、製造元の会社のサーバーにお送った映像の中に「AIマスコット」。不意の戦争、伝説のゲーマーが徴兵で配属されたのは「ドローン操作兵」。他に「DNA」「ねこ」「かおると、かおる」「ガラスの天窓」「ぶどう」。「探偵猫マーブルの弟子」より二話、「僕ちゃん」の全五話をあわせたショートショート集。
  • 死を告げられた女
    -
    アフガニスタンから生還し、パリでプロのボディガードを営む元・外人部隊兵のラースは、女性活動家ハイコの警護を依頼される。彼女は過激派にリクルートされる子女を奪回する活動を行ない、そのために過激派から死刑を宣告されたのだ。だがハイコはラースの警護を嫌い、身の危険を顧みようとしない。自信に満ちた彼女に惹かれながらも苛立つラース。やがてハイコの活動に重大な疑惑が生じ、マスコミや世間を揺るがす事態に……テロの悲劇を描く慟哭のサスペンス。
  • シンガポール戦跡ガイド 「昭南島」を知っていますか?
    -
    大検証(粛正)で約5万人が殺害された日本軍占領下の島―その戦争と占領の傷痕を歩く 大検証(粛正)で約5万人が殺害された日本軍占領下の島―その戦争と占領の傷痕を歩く 【目次】 第1章 市街地中心部の戦争の傷痕を歩く 第2章 ジョホール・バルーシンガポール上陸戦の戦跡 第3章 激戦地ブキ・ティマに残る兵どもの夢の跡 【著者】 小西誠 軍事ジャーナリスト。「自衛官人権ホットライン」事務局長。 著書に『反戦自衛官』『現代革命と軍隊』『自衛隊そのトランスフォーメーション』『自衛隊この国営ブラック企業』『オキナワ島嶼戦争』『自衛隊の南西シフト』『ミサイル攻撃基地化する琉球列島』(以上、社会批評社)などの軍事関係書多数。 また、『サイパン&テニアン戦跡完全ガイド』『グアム戦跡完全ガイド』『本土決戦 戦跡ガイド(part1)』『シンガポール戦跡ガイド』『フィリピン戦跡ガイド』(以上、社会批評社)の戦跡シリーズ他。
  • 真空地帯
    5.0
    1巻825円 (税込)
    木谷上等兵は二年の刑を終え原隊に戻ってきた。なぜ自分が無実の罪に問われたか、誰が自分を陸軍刑務所に突き落したのか? 秘密のカギを握る者は誰だ、そして真の“犯人”は! 巧みな構成の展開にしたがい“秘密”の核心は軍法会議、すなわち天皇制絶対主義のからくりに集約される。戦後はじめて、軍隊機構の末端である兵営の緻密な描写を通して、日本軍国主義を批判した問題作。
  • 新書 太閤記 一
    -
    日本人の多くが親しみを持つ豊臣秀吉。戦乱の世を生きながら、やがて天下統一を果たすまでの秀吉の生涯を描いた物語。 天文5年、尾張で一人の赤ん坊が生まれる。日吉と名付けられた赤ん坊は、やがて母や姉を想い、楽をさせてやりたいと強く考えるようになる。何をしても芽が出ず、何も持たない日吉は村で厄介者扱いを受けながらも、自分の仕事に対しては一生懸命に忠実であり続ける。 人間・秀吉を真正面から描いた吉川英治の意欲作。 <著者情報> 吉川英治 1892年8月、神奈川県生まれ。小説家。様々な職を経て作家となる。『鳴門秘帖』などで人気を博し、1935年より新聞連載が始まった『宮本武蔵』は読者を魅了、大衆小説の代表的作品となる。『三国志』、『新・平家物語』、『私本太平記』『新・水滸伝』など後世に残る大作を執筆。 目   次 日 輪 ・ 月 輪 野 の 子 ど も こ の 一 軒 香  炉  変 大     鵬 群     盗 猫  の  飯 塩 卍 の 一 族 成     敗 矢  矧  川 蛍 天  高  し 稲 葉 山 城 十 兵 衛 光 秀 火の粉・風の子 松 下 屋 敷 今 川 往 来 信     長 狂  児  像 出     仕 じ ゃ じ ゃ 馬 孤 君 と 老 臣 茨 を 拓 い て 奉 公 一 心 米  饅  頭
  • 新宿駅の怪
    -
    1巻770円 (税込)
    「上野駅の怪」シリーズ第2弾、パニックホラーミステリー! 70年代の新宿駅地下に突如現れた旧日本兵、一体何が起きているのか !?
  • 真珠湾攻撃・全記録 日本海軍・勝利の限界点
    -
    今我々が真珠湾攻撃から学ぶべきことは—— 本書は日米双方から集められた貴重な写真や図版等の資料をもとに、真珠湾攻撃に至るまでの国際情勢、その実行部隊だった日本海軍航空艦隊の発展、ハワイ作戦立案などの話しを始めとし、真珠湾攻撃で大きな被害を受けた、アメリカ太平洋艦隊の状況を記述することをメインテーマとしている。今我々が、真珠湾攻撃から学ぶべきことは、その作戦や戦術的優劣ではなく、戦争へと歩んだその不幸な道をしっかりと記憶することである。 【目次】 プロローグー海軍航空隊の誕生 1:世界初の空母機動部隊 2:真珠湾への道 3:空母艦載機とその兵装 4:ハワイ作戦の発動 5:アメリカ太平洋艦隊 6:真珠湾口の特殊潜航艇 7:パールハーバーのライジングサン 8:炎上する戦艦泊地 9:地上で破壊されるアメリカ軍機 10:海軍工廠ドック 11:南雲機動部隊の戦線離脱 12:真珠湾攻撃の後に エピローグー第一航空艦隊の最期 【著者】 秋元健治 1959(昭和34)年生まれ。青森県弘前市出身。早稲田大学社会科学部卒業、東北学院大学大学院経済学研究科(経済学修士)、岩手大学大学院連合農学研究科(農学博士)。現在、日本女子大学家政学部家政経済学科准教授。 著書:『戦艦大和・武蔵—そのメカニズムと戦闘記録』(2008年 現代書館)、『玉と砕けずー大場大尉・サイパンの戦い』(2011年 現代書館)。
  • 真珠湾、遙かなり 零戦隊血風録
    -
    昭和十六年十二月八日。若き飛行兵たちを通して描く、長く短い真珠湾攻撃の一日。海軍鹿児島基地での猛特訓。ハワイ空襲部隊旗艦『赤城』より出撃する九七式艦上攻撃機他。目を眩むような昂ぶりとたとえようのない恐怖……。渾身の長篇大作!
  • 新 戦国志 1
    3.0
    本能寺の変で明智光秀を返り討ちにした織田信長は、朝鮮遠征軍を編成した。そこへ、日本国内で家康が謀反を起こしたとの報が入り、信長はすぐに兵を返した。ここに史上空前の、信長と家康の生死を賭した天下争奪戦の幕が切って落とされた!!

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  • 新太平記(1) 笠置山の巻
    4.0
    天皇親政を願い、ひそかに鎌倉幕府覆滅を策した後醍醐は、こと露顕し笠置山に逃れた。天皇の檄に応じた楠木正成は金剛山の小城赤坂に兵を挙げた。自軍に百倍する幕府軍を思うがままに翻弄する正成の軍略。しかし笠置が陥落、後醍醐天皇は捕われ、隠岐に流された。地下に潜り、再起をはかる正成……。
  • 進駐軍がいた少年時代
    -
    中学を卒業した後、おじさんの経営する米軍キャバレーで働ぎ出した武士のところに、幼馴染みの寧々子が同じ店で働きたいとやってきた。ずっと寧々子に恋心を抱いていた武士は少し複雑な心境。さらに、武士は寧々子に想いを告げられない過去を背負っていた。そんななか、常連客のアメリカ兵の一人が、ある時期から寧々子に近づくようになり始めていたが……。戦後の日本の片隅でを元気に生き抜く少年と女性たちの物語。
  • 死んでも負けない
    4.0
    祖父はビルマ戦の帰還兵で、戦争中の武勇伝を得意満面に語る。何百回と繰り返される話だが、聞かないと鉄槌が下るのだ。その祖父が入院した。そこで僕は信じられない光景を目の当たりにする…。戦争帰りの偏屈な老人に翻弄される一家をコミカルに描いた家族小説。著者の知られざるユーモアセンスが冴え渡る会心作!
  • 親日を巡る旅 ~世界で見つけた「日本よ、ありがとう」~
    3.5
    世界は「親日」で溢れていた! 世界各地を訪れ、現地の人々と交流した筆者が見たのは、日本人が想像もしない各国の親日ぶりだった。 一部の国の「反日」ばかりがクローズアップされるなか、その他の多くの国々では、日本の過去の貢献や功績をいまも語り継いでいたのだ。 親日の背景には、そうした先人たちが流した汗、払った犠牲があった。日本人が忘れてしまった歴史の真実に光をあてる。 ◎ミャンマーが忘れない独立支援の恩 ◎カンボジアの紙幣に描かれた日の丸 ◎ガダルカナルで日本兵を弔う人々 ◎ポーランドで語り継がれる孤児救出 ◎フィンランドが熱狂した日露戦争勝利 など、12か国の親日とその背景に迫る。 現地の人々の貴重な証言と、各地で撮影した戦跡や歴史的遺物の写真も多数収録。 ※この作品はカラーを含みます。
  • 新版 きけ わだつみのこえ 日本戦没学生の手記
    4.5
    酷薄な状況の中で、最後まで鋭敏な魂と明晰な知性を失うまいと努め、祖国と愛する者の未来を憂いながら死んでいった学徒兵たち。一九四九年の刊行以来、無数の読者の心をとらえ続けてきた戦没学生たちの手記を、戦後五○年を機にあらためて原点に立ちかえって見直し、新しい世代に読みつがれていく決定版として刊行する。

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  • 晋遊舎ムック 戦艦大和大全
    -
    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 内部構造から主砲発射のメカニズムまで 世界最大の戦艦「大和」のすべてを完全網羅! 大和が沈んで70年。今だにその主砲は世界最大の艦載砲であり続ける。 巨大戦艦大和は、どのようにして生まれ、戦ったのか。 誕生秘話から、CGによる内部構造図解、艦内生活の様子、建造された造船所の全貌、装備の解説など、大和のすべてがわかる最強の1冊。 度重なる改修工事によって変化する兵装の変遷も図解。 さらに、大和も旗艦となった日本海軍「連合艦隊」の10大激戦を海戦マップ付きで解説。 特別付録として、大和の内部構造が見えるスケルトン3Dピンナップもついている。
  • C★NOVELS Mini 巨艦を継ぐもの 南海蒼空戦記番外篇
    -
    戦艦に憧れ、自分の手で強力な戦艦を作りたくて海軍の造船士官となった男・山内誠は、最強の戦艦となる一号艦(大和)の担当を命じられたときには、天にも昇る心地だった。だが昭和一三年二月、広島県南部を襲った震度六の大地震が山内の運命を大きく変えてしまう。船台上から落下した一号艦は廃艦となり、呉海軍工廠は一年に亘って使用不能に追い込まれたのだ――。日本が大艦巨砲主義を放棄し航空主兵に転じるプロセスを、一造船士官の視点を通じて描く、「南海蒼空戦記」待望のスピンオフ! (「読売プレミアム」連載 2015.6.1~8.31)
  • THE ARK 失われたノアの方舟 上
    4.5
    考古学者ディララ・ケナーは、旧友のサムから連絡を受け、彼女の行方不明の父親に関する重大な情報を得たと告げられる。発掘現場を早々に引き上げた彼女は、サムと会うべくロサンゼルスに舞い戻った。しかし、ロスの空港で彼が口にしたのは、父自身のことではなく、父がライフワークとして長年探し求めてきた〈ノアの方舟〉と、それによって莫大な数の人間が死ぬ可能性があるという衝撃の事実だった。そして、タイラー・ロックを捜せと言い残して息絶えてしまう。ディララは、元陸軍兵だったタイラーの居場所を突き止め、協力を求める。〈ノアの方舟〉の謎とは? そして、人類の文明を壊滅させようと企む、カルト集団の計画とは? 真相に近づきはじめた2人に残された時間は、たったの7日だった……。 旧約聖書の偉大なミステリー〈ノアの方舟〉伝説に隠された謎を、大胆かつ戦慄する解釈でスピーディーに描き切ったミステリー・アクション・スリラーの傑作!
  • THE ARK 失われたノアの方舟【上下合本版】
    4.5
    考古学者ディララ・ケナーは、旧友のサムから連絡を受け、彼女の行方不明の父親に関する重大な情報を得たと告げられる。発掘現場を早々に引き上げた彼女は、サムと会うべくロサンゼルスに舞い戻った。しかし、ロスの空港で彼が口にしたのは、父自身のことではなく、父がライフワークとして長年探し求めてきた〈ノアの方舟〉と、それによって莫大な数の人間が死ぬ可能性があるという衝撃の事実だった。そして、タイラー・ロックを捜せと言い残して息絶えてしまう。ディララは、元陸軍兵だったタイラーの居場所を突き止め、協力を求める。〈ノアの方舟〉の謎とは? そして、人類の文明を壊滅させようと企む、カルト集団の計画とは? 真相に近づきはじめた2人に残された時間は、たったの7日だった……。 旧約聖書の偉大なミステリー〈ノアの方舟〉伝説に隠された謎を、大胆かつ戦慄する解釈でスピーディーに描き切ったミステリー・アクション・スリラーの傑作! ※本電子書籍は「THE ARK 失われたノアの方舟 上」「THE ARK 失われたノアの方舟 下」を1冊にまとめた合本版です。
  • 自衛隊海外派遣 隠された「戦地」の現実
    4.0
    自衛隊の海外派遣について定めた国際平和協力法(PKO法)が1992年に制定・施行されてから、2022年でちょうど30年が経つ。 この間、日本は40を超える海外任務に合計6万人以上の自衛隊員たちを派遣してきた。 しかしその活動の実態や危険さに関しては、十分な情報が公開されてきたとは言いがたい。 むしろ、政府は意図的な嘘や隠蔽を繰り返してきたのである。 本書は徹底した調査により今までの自衛隊海外派遣の「リアル」を総検証し、これまでの問題点を整理する。 そして今後の海外派遣のあり方をも提案した、渾身の一冊である。 内部文書や自衛官たちの証言から浮かび上がってきたのは、自衛隊は何度も銃弾が飛び交う「戦場」へと送り込まれ、死を覚悟してきたという衝撃の事実だった。 この国が隠してきた“不都合な真実”を暴き出した、驚きの告発! 《推薦》 国家にとって不都合な情報は隠され、国民には知らされない。 ウクライナの戦場で初めて真実を知った若いロシア兵の「悲劇」は、決して対岸の火事ではない。 ――望月衣塑子氏(新聞記者) 憲法9条を、命を賭けて守ってきたのは、“戦場”に送られた自衛官である。 ――伊勢崎賢治氏(東京外国語大学教授)
  • 地獄の日本兵―ニューギニア戦線の真相―
    4.1
    敵と撃ち合って死ぬ兵士より、飢え死にした兵士の方が遥かに多かった――。昭和十七年十一月、日本軍が駐留するニューギニア島に連合軍の侵攻が開始される。西へ退却する兵士たちを待っていたのは、魔境と呼ばれる熱帯雨林だった。幾度となく発症するマラリア、友軍の死体が折り重なる山道、クモまで口にする飢餓、先住民の恨みと襲撃、そしてさらなる転進命令……。「見捨てられた戦線」の真実をいま描き出す。

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  • 次世代に語りつぐ生体解剖の記憶 : 元軍医湯浅謙さんの戦後
    -
    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 日中戦争下の中国で、日本軍は、生体解剖を軍命により実施していた。それは日常の業務であり、軍医、看護婦、衛生兵など数千人が関わっていたことが推定される。 湯浅謙さんが、生体解剖が犯罪であると認識したのは、戦犯として、収監されてからだった。特別軍事法廷で起訴免除され、日本に帰国後、湯浅さんは、自分の体験を、次世代につたえるため600回に及ぶ講演や、100回以上のテレビ出演をつづけている。 著者は、湯浅さんたちを変えた中国共産党の捕虜政策とは何だったかを追う。
  • 邪神たちの2・26
    -
    大日本帝国陸軍将校、海江田清一は、九頭竜川上流の故郷で父の遺品を発見する。 そこには船乗りだった父の、インスマスの町で体験した怪異が綴られた遺書と、 ハワードという友人からの手紙が隠されていた。 そして、1936年2月26日、陸軍の青年将校らは1483名の兵を率い、「昭和維新断行・尊皇討奸」を掲げて決起する。 しかしその真の目的は、邪神の魔の手から日本を救うことであった。

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  • 銃士伝
    -
    戦わざるをえなかった“銃と日本人”の物語! 日本史上初めて鉄砲が有効に使われた戦といわれる長篠の合戦、関ヶ原の戦いでの島津勢の決死の退却、坂本龍馬の命を護ったスミス・アンド・ウエッソン、新政府軍と戦った二本松少年隊の悲劇、南太平洋の孤島で繰り広げられた名もなき日本人狙撃兵の孤独な戦い……。“銃器と日本人”を描いた傑作短篇集! (講談社文庫)
  • 銃弾の庭(上)
    -
    巨匠ハンター、スワガー・サーガ最新作。 激戦地ノルマンディーの沃野に 軍神アール・スワガー降臨す! 第二次世界大戦末期。連合軍はノルマンディー上陸作戦を決行したものの、「銃弾の庭」と呼ばれる緑なす地で停滞を余儀なくされていた。 そこにはドイツ軍の狙撃兵が配され、アメリカ兵たちを夜陰に乗じて次々と撃ち倒していたのだ。 見かねた米軍部はドイツ狙撃部隊に対抗するため、ひとりの伝説的な戦士を本国の海兵隊から召喚する。 一等軍曹アール・スワガー。太平洋戦争の英雄。天才的な狙撃の名手。 戦況を一変させる重大な任務を身に帯びて、スワガーはロンドン経由で現地へと向かう――。
  • 十四歳漂流
    -
    少年は工場のほうへ歩いていった。もうあたりは真っ暗になって、ところどころに立っている水銀灯の明かりが、工場と空き地を照らしている。闇のなかに、キリンの巨大なシルエットが見えた。少年は立ち止まった。キリンが気がついて近寄ってきた。ゆらゆらと、大きなシルエットが揺れながら近づいてくる。だめだ。近寄って来ちゃいけない。犬だって猫の子だって、見かけたらすぐに、そこを離れなきゃいけないんだ。近寄ったり触ったりすれば、絶対に離れられなくなる。(「飼育する少年」より)  思春期の少年たちを待ち受ける深い淵、邪悪な穴、試練の丘とは。独特の世界観に彩られた短篇小説集。 *飼育する少年 *夜の遮断機 *首市場 *地下室の声 *メメリン広場 *僕の細道 *月夜の少年兵 *飛ぶ棒 *初恋監視センター *漂流譚 *路爺退治 *旅風船 ●薄井ゆうじ(うすい・ゆうじ) 1949年茨城県生まれ。イラストレーター、デザイン編集会社経営を経て作家へ。1988年『残像少年』で第51回小説現代新人賞を受賞。1991年に初の長篇『天使猫のいる部屋』を発表。1994年『樹の上の草魚』で第15回吉川栄治文学新人賞を受賞。映画化・舞台化・ドラマ化された作品も多い。
  • ジュリエットが危ない~湘南探偵物語~
    -
    万里村桂――横須賀基地のアメリカ兵と日本人とのトラブル解決人(シューター)。軍の中佐、アンダースンは、19歳になるひとり娘リサのデートが、毎回夜の11時過ぎから3時ごろまでになるという。桂はふたりを尾行するが、そこには別の尾行者の姿があった。なぜか人目を忍ぶふたりの関係はある陰謀にも利用されて、思わぬ展開に……。逆風にむかう恋の行方は?
  • 殉国 陸軍二等兵比嘉真一
    4.6
    14歳の少年は、何を見たのか。 少年の体験を通して、すさまじい沖縄戦の実相をつぶさに描いた長篇小説。 「郷土を渡すな。全員死ぬのだ」 太平洋戦争末期、沖縄戦の直前、中学生にガリ版ずりの招集令状が出された。小柄な14歳の比嘉真一は、だぶだぶの軍服の袖口を折って、ズボンの裾にゲートルを巻き付け、陸軍二等兵として絶望的な祖国の防衛線に参加する。 実在の人物の体験を、ことこまかに聞きとり、特異な事実をそっくりそのまま写し取った外面的リアリズムが、読む者の胸を強く打つ。 1991年に刊行された文庫本の新装版。元本は、累計102000部のロングセラー。 解説・森史朗 ※この電子書籍は、1911年11月に文春文庫より刊行された文庫の新装版を底本としています。単行本は1982年6月に筑摩書房より「陸軍二等兵 比嘉真一」として刊行されました。
  • 城壁/星 小島信夫戦争小説集
    5.0
    イデオロギー的偏向やうすっぺらな善悪を超え、戦場の奇妙な人間模様を描くことで、不気味なユーモア、シュールな世界として、〈戦争〉を読者に刻みこむ。兵士たちに蔓延する「迷子病」が県城自体の引っ越しを誘発する「城壁」ほか、寓話的ともいえる作品のなかにも暗号兵としての体験が息づく。戦争文学のもつ既成像を粉砕し、小島信夫の世界観の核を示す九作品。
  • 女性兵士
    3.7
    話題作『戦場のハローワーク』の著者が贈る、「戦いに魅せられた女」たちとの濃密で壮絶な日々の記録――16歳のニカラグア女性高射砲部隊リーダー、元ミス・クロアチア、セルビアの狙撃兵姉妹……彼女たちはなぜ兵士になったのか? 軍事好きが高じて戦場ジャーナリストとなり、紛争地域を渡り歩いてきた著者が、戦いに魅せられた女たちとの日々をつづる。濃密な戦場描写と冷静な観察眼が光るルポ。 <本書に登場する女性兵士たち> ●元ミス・クロアチアで愛国心にあふれるドブラフカ(クロアチア) ●女性高射砲部隊のリーダーで16歳のエスメラルダ軍曹(ニカラグア) ●ロシア包囲下で決死の戦いに身を投じた3人の美女(チェチェン) ●抜群のチームワークを誇る狙撃兵姉妹(セルビア) ほか
  • 人面瘡探偵
    3.8
    名探偵は肩にいる!? 不可解連続殺人の謎。 三津木六兵には秘密がある。子供の頃に負った右肩の怪我、その傷痕がある日突然しゃべりだしたのだ。人面瘡という怪異であるそれを三津木は「ジンさん」と呼び、いつしか頼れる友人となっていった。 そして現在、相続鑑定人となった三津木に調査依頼が入る。信州随一の山林王である本城家の当主・蔵之助の死に際し遺産分割協議を行うという。相続人は尊大な態度の長男・武一郎、享楽主義者の次男・孝次、本城家の良心と目される三男・悦三、知的障害のある息子と出戻ってきた長女・沙夜子の四人。さらに家政婦の久瑠実、料理人の沢崎、顧問弁護士の柊など一癖ある人々が待ち構える。 家父長制度が色濃く残る本城家で分割協議がすんなり進むはずがない。財産の多くを占める山林に希少な鉱物資源が眠ることが判明した夜、蔵が火事に遭う。翌日、焼け跡から武一郎夫婦の焼死体が発見された。さらに孝次は水車小屋で不可解な死を遂げ……。一連の経緯を追う三津木。そんな宿主にジンさんは言う。 「俺の趣味にぴったりだ。好きなんだよ、こういう横溝的展開」 さまざまな感情渦巻く本城家で起きる事件の真相とは……!? 解説は金田一俳優でもある片岡鶴太郎氏。 ※この作品は単行本版として配信されていた『人面瘡探偵』の文庫本版です。
  • 人面島
    3.3
    1巻1,584円 (税込)
    隠れキリシタンの島で起きた、密室殺人の謎。 相続鑑定士の三津木六兵の肩には人面瘡が寄生している。毒舌ながら頭脳明晰なその怪異を、六兵は「ジンさん」と呼び、頼れる友人としてきた。 ある日、六兵が派遣されたのは長崎にある島、通称「人面島」。村長の鴇川行平が死亡したため財産の鑑定を行う。島の歴史を聞いた六兵は驚く。ここには今も隠れキリシタンが住み、さらに平戸藩が溜め込んだ財宝が埋蔵されている伝説があるという。 一方、鴇川家にも複雑な事情があった。行平には前妻との間に長男・匠太郎と後妻との間に次男・範次郎がいる。だが二人には過去に女性をめぐる事件があり、今もいがみ合う仲。さらに前妻の父は島民が帰依する神社の宮司、後妻の父は主要産業を統べる漁業組合長である。 そんななか、宮司は孫の匠太郎に職を継ぐべく儀式を行う。深夜まで祝詞を上げる声が途切れたと思いきや、密室となった祈祷所で死んでいる匠太郎が発見された。ジンさんは言う。「家族間の争いは醜ければ醜いほど、派手なら派手なほど面白い。ああ、わくわくするなあ」戸惑いながらも六兵は調査を進めるが、第二の殺人事件が起きて――。 毒舌人面瘡のジンさん&ポンコツ相続鑑定士ヒョーロク、今度は孤島の密室殺人に挑む!
  • 崇高について 【小田実全集】
    -
    死者に対して崇敬の念厚かったソポクレスは「コロノスのオイディプス」で崇高なる安らかな死を描いた。国家至上主義の古代にあって国家から追放されたオイディプスをひとりの人間として助けたテセウスの「道理」は、「人間の道理」を基にしたベ平連の脱走兵援助の思想と重なる。文学を志した十代後半から終生、力強く小田を支えた文学のよりどころは何か。戦争、震災を生きのびた作家が人間の弱さを理解することで得た、崇高なる魂の「私的文学論」と、「西洋最古で最初」の文学論。
  • スナイパーの誇り(上)
    3.9
    ボブ・リー・スワガーは親友の記者キャシー・ライリーがモスクワから発したメールを読み、いたく興味を掻き立てられた。第二次大戦末期の独ソ戦で輝かしい狙撃歴を残したソ連邦赤軍に女性狙撃手がいたという。名前はミリことリュドミラ・ペトロワ。射殺した敵兵数は百を超え独軍からは“白い魔女”と呼ばれ恐れられていた。だが1944年の半ば以降ミリの名前は記録からふっつりと消える。いったい彼女になにがあったのか。ボブはただちにモスクワに飛び当地でキャシーと再会しミリに関する調査を開始した!
  • 素晴らしかった日本の先生とその教育 - 世界が憧れる厳しくも崇高な死の美学を身に付けた侍たち、吾が子のように慈しみ愛してくれた先生、その日本人は今はもういない
    3.0
    「日本人はとても素敵だった」の著者・楊素秋氏の実兄・楊應吟氏が見た「尊敬に値する日本人たち」。 台湾で日本教育を受け、学徒出陣し、戦後は鍼灸治療を介して台湾と日本の民間交流にも活躍した楊應吟氏。日本を憂い叱咤する氏の心の裏には、日本への期待が察せられる。 日本人よ、もう一度、素敵に花を咲かせて下さい! <学徒兵として出陣する朝のこと> そして人員が揃い、校長先生から訓話を頂きました。 「戦局は非常に厳しい状態になり、軍は諸君の意気と若さに期待するところ甚だ大である…」 続いて、「しかし、学業半ばの諸君を戦闘に送り出すのは…不本意だけれども…」と言葉を続けられましたが、その声は次第に嗚咽に変わり、先生はそれを抑えながら、「…国の為、頑張ってください。…そして、風邪を引かないように…、…身体を大事にしてください…!」と、まるで慈父が我が子を送り出すかのように我々の身を案じ話してくださいました。 私は今でもこの時のことを思い出すと、気持ちの昂りを抑えることが出来なくなります。 <著者> 楊應吟 (よう おうぎん) 大正15(1926)年、台湾台南市生まれ。父・楊阿才氏の教育方針により日本教育を受け、台南末広公学校卒業後、高雄工業学校入学、3年在学時に学徒出陣、終戦を迎える。戦後、中国教育の下、台南私立長栄中学校高級部を経て、省立工学院(現国立成功大学)建築工程学系を卒業。経済部聯合工業研究所にて数々の研究成果を上げ、台湾の建設に貢献。その後鍼灸の道に進み、針を刺さない“無針バリ療法”を考案、台北にて弘明堂鍼灸院を開業、この道30年の治療実績を持つ。全日本鍼灸学会正会員。治療を介して台湾と日本の民間交流にも活躍。2019年6月、多くの人々に惜しまれながら94年の生涯を閉じる。

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  • 青雲の果て 武人黒田清隆の戦い【HOPPAライブラリー】
    -
    稀代の軍略家 黒田清隆の熱い戦いの日々を描く!!開拓長官 黒田の知られざるもう一つの顔  生麦事件・薩英戦争・薩長連合・長岡城攻防・箱館戦争・江華条約・屯田兵創設・西南戦争での活躍…。そしてライバル山県有朋との確執・榎本武揚との真の友情・家庭の崩壊・大久保利通惨殺事件・清隆の死…。

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  • 聖刻群龍伝 龍睛の刻1
    4.0
    皇帝戴冠一〇周年が近づくにつれ《正統ロタール=エリダーヌ帝国》の皇都ヘロースは賑わいを深めていく。 レクミラーは記念式典最大の催しである《操兵闘技大会》に、臣下たちが誰も予想し得ない「ありえない国」の参加を密かに企図していた! 『群狼伝』から始まった、西方大陸の歴史についに終幕が訪れる。 最終章、龍睛の刻、始動――

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  • 聖刻群狼伝1 西方大陸篇
    -
    ロタール帝国の衰退の兆しに、列国は着々と牙を研ぎ出した。操兵と呼ばれる鋼の巨人を繰り時代の覇者を目指す者たちの野心が大陸全土を駆け巡る。若き公子ディアの挑戦が始まった!

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  • 西部戦線異状なし
    -
    第一次世界大戦の西部戦線に投入されたドイツ軍志願兵たちが経験させられた「戦争」。相次ぐ激しい戦闘、戦友の無残な死、帰郷、負傷などのエピソードが次々に語られ、ドイツの若者が負った苦しみの深さが胸をうつ。だが軍司令部からの報告は「西部戦線異状なし」(Im Westen nichts Neues)だった! 1929年に発表されると15カ国語に翻訳されて、世界中で350万部を超える大ベストセラーとなった。
  • 世界時計と針の夢 上
    4.3
    突然人間が昆虫になり、奇怪なマスク姿の町兵が溢れる街ベクス。元一級時計士の青年シリルは、危機から助け出した兵士アンスルに、「あなたなら世界を直せるかもしれない」と告げられ……。

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  • 世界の路地裏を歩いて見つけた「憧れのニッポン」
    4.0
    「僕は日本に生まれたかった」紛争、貧困、小さな幸せ……。そんな日常のなかで、「日本が好き」と語る人々が教えてくれたこと――。 《「車が故障したから直してくれないか」「パソコンの調子が悪いから見てほしい」といった注文が何度も寄せられた。私は車やパソコンの修理などまるでできないので、これらの依頼を鄭重に断ると、「君は本当に日本人か? 中国人じゃないのか?」と言われる始末であった》 《「日本人はヒグチのことをあまり知らないのですか? それは本当ですか? 日本人は学校で何を習っているのですか?」クララさんの言葉が、戦後日本の核心を一気に突いた》 《「日本か。素晴らしい国なんだろうな。まるで夢の国みたいだ。行ってみたいけど、僕には一生、絶対に無理だな。世界は不公平だね」》(本文より)世界中を自分の足で歩き回り、路地裏の人々とふれあった著者。各国の人々の目に映る「憧れのニッポン」像から、日本人が知らない「世界と日本」が溢れ出す……。心が温まり、そして深く考えさせられる、感動の紀行エッセイ。 【目次】より ●第1章 満洲──日本人が掲げた理念の風 ●第2章 モンゴル──世界史の中の不思議な繋がり ●第3章 ルーマニア──「僕は日本に生まれたかった」 ●第4章 チェコ・ポーランド──救われた生命、奪われた生命 ●第5章 バルト三国──一枚の色褪せた「日の丸」 ●第6章 旧ユーゴスラビア──コソボの「ワールドカップ」 ●第7章 トルコ・シリア──時を越えた恩返しとトウモロコシ ●第8章 イラク──一国平和主義は卑怯で、みっともない ●第9章 イスラエル──ゴールデンブックに刻み込まれた感謝 ●第10章 サイパン・パラオ──日本流委任統治の光芒 ●第11章 フィリピン──天使たちの町に残る特攻兵の面影 ●第12章 台湾──なぜ、この地は「美しい島」なのか
  • Self-Reference ENGINE
    3.9
    彼女のこめかみに埋まった弾丸。鯰文書の謎を解き明かす老教授の最終講義。床下の大量のフロイト。異形の巨大石像と白く可憐な靴下。岩場を進む少年兵の額に灯るレーザーポインタ。反乱を起こした時間。そして、あてのない僕らの冒険──これはSF? 文学? あるいはまったく別の何か? 驚異のデビュー作。
  • 戦艦武蔵
    -
    著者は戦艦武蔵に一兵曹として乗り組み、奇蹟的に生還した。「秘密のうちに生まれ、秘密のうちにシブヤン海に沈んだこの巨大戦艦は、500機の敵機来襲に、魚雷26発、直撃弾15発、至近弾20発以上を受け(これらは大和をはるかに凌駕する)、満身創痍となりながら、なお沈むまで数時間を生き延びた。その死闘を、そしてそれを戦った《兵の心》を知ってもらいたかった」…この著者の言葉がすべてを語る迫真の戦史!

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  • 戦国軍師伝1 秀吉、織田軍を離反す!
    4.0
    時は天正六年、播磨・上月城の攻防戦に窮し、兵を助けるため織田家を裏切り毛利に奔った羽柴秀吉と竹中半兵衛。一方、そのまま織田に残ることを選んだ黒田官兵衛。袂を分かち、敵味方に別れた両軍師の対決は如何に!

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  • 戦国の古戦場を歩く
    4.0
    兵(つわもの)たちの息づかいが聞こえてくる! 織田、羽柴、徳川、伊達、武田、上杉、 北条、毛利、島津、尼子、大友、大内……雌雄を決した30の激戦地!日本列島は、古戦場の宝庫だ。特に各地の戦国大名が隣国を切り取り、版図(はんと)の拡大に血道をあげた戦国時代──、渓谷、川筋、平野のそこかしこで軍団の生死を懸けた戦いが繰り広げられた。今は地形だけが残るそんな古戦場を訪れると、兵たちの息づかい、戦場の喧騒、硝煙の臭いが伝わって来、動乱の歴史を実感することになるだろう。本書は、全国の古戦場をくまなく歩き、現地で取材を重ねてきた作家の井沢元彦氏が、30の古戦場を選んで紹介。古戦場をめぐれば歴史はより身近なものとなり、過去が生き生きと甦る。
  • 戦後の苦難
    -
    敗戦後の混乱の時代、極寒や食糧難の中で労働を強いられた「抑留」、ソ連軍進駐により、満州、朝鮮半島から命がけの「引き揚げ」、青酸カリを抱きしめ敵国だった中国兵の看護など15人が証言。 あれから70年-。「国家」や「公」が強調され、戦前・戦中と通底する空気が漂っているようにも映るいま、現在と過去とを切り離すのではなく、過去の証言と向き合うことが求められているのではないか。 二度と同じ過ちを犯さないために、先人の声に耳を傾け、「自分事」として、今を見つめるためにも-。 証言を補完するため、佐賀新聞の報道から当時の生活ぶりを検証するミニ企画「新聞は何を伝えたか」を佐賀大学の監修も通して掲載。「15人の証言」が、きな臭さが漂う現代に警鐘を鳴らす、今こそ必読の書。 本書は2014年10月から1年半にわたる佐賀新聞の連載企画「刻む 佐賀・戦時下の記憶」の一部を再編集したものです。
  • 戦場のコックたち
    4.0
    1944年6月、ノルマンディー降下作戦が僕らの初陣だった。特技兵(コック)でも銃は持つが、主な武器はナイフとフライパンだ。新兵ティムは、冷静沈着なリーダーのエドら同年代の兵士たちとともに過酷なヨーロッパ戦線を戦い抜く中、たびたび戦場や基地で奇妙な事件に遭遇する。忽然と消え失せた600箱の粉末卵の謎、オランダの民家で起きた夫婦怪死事件、塹壕戦の最中に聞こえる謎の怪音――常に死と隣あわせの状況で、若き兵士たちは気晴らしのため謎解きに興じるが。戦場の「日常の謎」を連作形式で描き、読書人の絶賛を浴びた著者初の長編ミステリ。【目次】プロローグ/第一章 ノルマンディー降下作戦/第二章 軍隊は胃袋で行進する/第三章 ミソサザイと鷲/第四章 幽霊たち/第五章 戦いの終わり/エピローグ/主要参考文献ほか/解説=杉江松恋
  • 戦争と世界
    4.0
    《ああ、とじて、とじて、新聞の目を》1914年7月、世界大戦の始まりを21歳の青年詩人は興奮して受け入れる。俄然立ちはだかる戦争の恐怖に対し、この目で確かめるべく義勇兵に志願するも、思想穏健を欠くという理由で不採用。やがて銃後のけがらわしさと殺戮の報道にうんざりした詩人は『戦争と世界』を書き上げる。戦中の1915年に書き始め、翌1916年に完成しながらも、当局の検閲で、革命による帝政ロシア崩壊まで世に出ることのなかったマヤコフスキーの第三長詩。

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