三上智恵の作品一覧
「三上智恵」の「戦雲 要塞化する沖縄、島々の記録」「証言 沖縄スパイ戦史」ほか、ユーザーレビューをお届けします!
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「三上智恵」の「戦雲 要塞化する沖縄、島々の記録」「証言 沖縄スパイ戦史」ほか、ユーザーレビューをお届けします!
Posted by ブクログ
護郷隊という組織を初めて知った。
護郷隊の個人経験のインタビューから、護郷隊隊長の調査、そして国土防衛隊、スパイ虐殺、虐殺者たち、戦争マニュアルと、少年の子供から、大人、社会へと包括的に沖縄戦についてヴェールを剥ぎ取っていく。
個々人の思い、考えは当時から戦後を経ても多様であり、加害者被害者が同じ地域に生きているから、戦後70年経っても言えないこともある…。隊長、日本軍も戦後も沖縄に来て慰霊などしてた人と、存在すらしてないかのように消えようとする指導者。
今の価値観を当時、当時を経験した人に適用するわけではなく、先島諸島はじめ、沖縄に増強し戦争の準備を目に見える形で進めていく今に、当時の
Posted by ブクログ
37章すべてに動画がついており読むだけでは分からない沖縄の離島のとんでもない変貌や住民の憤懣やる方ない思いに触れることができた。
南西シフトと呼ばれる自衛隊の展開は沖縄の人々を守るのでなくアメリカの戦略の一翼を担うためのものであることは明々白々。戦争になると殺されるのは沖縄の人々にとどまらず多くの軍事基地を有する本土の我々も間違いなく殺される。アメリカの肩代わりをするばっかりに。
「島嶼部」を検索すると陸上自衛隊の広報動画に行き着くが、三上智恵さんが本書で指摘する通りのことが誇らしげにPRされている。災害時にとても活躍してくれる自衛隊の真の姿はとんでもなく怖いものだ
Posted by ブクログ
750ページ。新書らしからぬ分厚さは、手軽に読めるという感覚ではない。手軽でなくても手をつけた。思ったより速く読めた。2018年に公開された映画の原作というものではなく、その後に加筆されたもので追加の取材も入っている。戦争が行われるその場所で起き得ること。住民は軍事物資の一部となり、また信じられない対象となる。軍隊による住民の殺害、住民同士の殺害。守る対象であるそのものを犠牲にする戦争に大儀はあるのか。尖閣・竹島・北方領土・拉致・ミサイル。現代にも存在する紛争の種。力による力への対抗が何を招くか。大事なのは我々国民の感情。短絡的にならず、冷静に対処を見極るようにしたい。
Posted by ブクログ
2016年以後、奄美から先島に至る南西諸島の軍事化が日々刻々と進められていく過程と、そこで誇りと尊厳を失わず戦い続けた人々を追いかけた貴重な記録。各エピソードのトビラに掲げられたQRコードで直接取材された人々の姿と声を実見できるという試みも。実際にいくつか映像を見てみたが、確かに文字だけより痛切に、生々しく内容が伝わってきた。
宮古・石垣・与那国で急速に進む軍事基地化を見ていくと、岸田政権の「安保三文書」改定が何を意味しているのかが具体的に理解出来る。離島・島嶼防衛の主体は日本自衛隊であり、米軍はそれに少し手を貸す、という構図。しかも、戦場は沖縄の更に南に局限させるという意図さえ透けて見え
Posted by ブクログ
●は引用、その他は感想
●「今日只今の事に死力を尽くせ」これが隊員らが今日まで、すべて暗記するほどに徹底された村上隊長の訓示だった。死ぬ気でやれ、と言ってはいるが村上隊長は少年兵に繰り返し「絶対死ぬな」とも言っている。(中略)兵士の命など鴻毛より軽いと叩き込まれた当時の軍隊教育と、中野式の教育はこの点でかなり異なっていた。スパイも、生きて帰らなければ任務は達成できない。捕虜になっても敵情を視察して戻って来いというのが大前提であり、決して「死んで来い」という部隊ではなかった。しかし場面によっては戦車爆破隊など自爆も辞さないテロ作戦もあったのは事実である。
●辺野古問題。敵は陣地にしか撃たないか