作品一覧

  • 証言 沖縄スパイ戦史

    証言 沖縄スパイ戦史

    小説・文芸

    4.4
    1巻1,683円 (税込)
    【第7回城山三郎賞受賞(角川文化振興財団)・第63回JCJ賞受賞(日本ジャーナリスト会議)・第20回石橋湛山記念 早稲田ジャーナリズム大賞草の根民主主義部門大賞受賞(早稲田大学)】 ◆推薦◆ 「被害者だけでなく加害側、虐殺を命じた側の視点からも語り直していくことによって、そこで起きたことが立体的に見えてくる」 ――荻上チキ氏(評論家) 「映画『沖縄スパイ戦史』を見終わった時の感慨を遥かに上回る、切迫感をともなうファクトの重みを喉元に突きつけられた。」 ――金平茂紀氏(TBS「報道特集」キャスター) 陸軍中野学校「秘密戦」の真相。証言と追跡取材で迫る、青年将校の苦悩と少年兵が戦った沖縄戦、最暗部の記録。軍隊が来れば必ず情報機関が入り込み、住民を巻き込んだ「秘密戦」 が始まる――。第二次大戦末期、民間人を含む二〇万人余が犠牲になった沖縄戦。第三二軍牛島満司令官が自決し、一九四五年六月二三日に終わった表の戦争の裏で、北部では住民を巻き込んだ秘密戦が続いていた。山中でゲリラ戦を展開したのは「護郷隊」という少年兵達。彼らに秘密戦の技術を教えたのは陸軍中野学校出身の青年将校達だった。住民虐殺、スパイリスト、陰惨な裏の戦争は、なぜ起きたのか? 二〇一八年公開後、文化庁映画賞他数々の賞に輝いた映画「沖縄スパイ戦史」には収まらなかった、三〇名余の証言と追跡取材で、沖縄にとどまらない国土防衛戦の本質に迫る。
  • 戦雲 要塞化する沖縄、島々の記録

    戦雲 要塞化する沖縄、島々の記録

    小説・文芸

    4.0
    1巻1,320円 (税込)
    戦力配備が進む南西諸島の実態に迫った8年の記録 「圧殺されたのは沖縄の声だけではない。 いつか助けを求める、あなたの声だ」 ◆内容◆ アメリカと日本政府が主導する、近隣諸国を仮想敵とした防衛計画のもと、戦力配備が続く沖縄、南西諸島は予断を許さない状況が続いている。基地の地下化、シェルター設置、弾薬庫大増設、離島を含む空港と港湾の軍事化が、民意をよそに急ピッチで進んでいるのだ。著者は2015年以来、沖縄島のみならず与那国島、宮古島、石垣島、奄美大島など島々を歩き、実態を取材してきた。 2022年末の安保三文書では「南西諸島にミサイルを並べ、最悪の場合報復攻撃の戦場になるもやむなし」という現地の犠牲を覚悟したものであることも暴露された。本土メディアがこの問題をほとんど報じない中、沖縄から日本全土に広がる戦雲の予兆に警鐘を鳴らす。
  • 標的の島

    標的の島

    小説・文芸

    -
    1巻1,100円 (税込)
    今、島の自治を求めて島人が起つ! 沖縄を再び捨て石にするのか? 最南端の島々で抗う住民たちによるドキュメント!

ユーザーレビュー

  • 証言 沖縄スパイ戦史

    Posted by ブクログ

    護郷隊という組織を初めて知った。

    護郷隊の個人経験のインタビューから、護郷隊隊長の調査、そして国土防衛隊、スパイ虐殺、虐殺者たち、戦争マニュアルと、少年の子供から、大人、社会へと包括的に沖縄戦についてヴェールを剥ぎ取っていく。

    個々人の思い、考えは当時から戦後を経ても多様であり、加害者被害者が同じ地域に生きているから、戦後70年経っても言えないこともある…。隊長、日本軍も戦後も沖縄に来て慰霊などしてた人と、存在すらしてないかのように消えようとする指導者。

    今の価値観を当時、当時を経験した人に適用するわけではなく、先島諸島はじめ、沖縄に増強し戦争の準備を目に見える形で進めていく今に、当時のことを顧みて反省し、そうならないよう努めなければならない。無関心が暴走を生み、助長させる。

    和を持って尊しとなす
    目には目を歯には歯を
    因果応報

    今を見ると、色んな言葉が浮かんでくる。

    0
    2025年09月13日
  • 戦雲 要塞化する沖縄、島々の記録

    Posted by ブクログ

    37章すべてに動画がついており読むだけでは分からない沖縄の離島のとんでもない変貌や住民の憤懣やる方ない思いに触れることができた。
    南西シフトと呼ばれる自衛隊の展開は沖縄の人々を守るのでなくアメリカの戦略の一翼を担うためのものであることは明々白々。戦争になると殺されるのは沖縄の人々にとどまらず多くの軍事基地を有する本土の我々も間違いなく殺される。アメリカの肩代わりをするばっかりに。
    「島嶼部」を検索すると陸上自衛隊の広報動画に行き着くが、三上智恵さんが本書で指摘する通りのことが誇らしげにPRされている。災害時にとても活躍してくれる自衛隊の真の姿はとんでもなく怖いものだ

    0
    2024年03月01日
  • 証言 沖縄スパイ戦史

    Posted by ブクログ

    750ページ。新書らしからぬ分厚さは、手軽に読めるという感覚ではない。手軽でなくても手をつけた。思ったより速く読めた。2018年に公開された映画の原作というものではなく、その後に加筆されたもので追加の取材も入っている。戦争が行われるその場所で起き得ること。住民は軍事物資の一部となり、また信じられない対象となる。軍隊による住民の殺害、住民同士の殺害。守る対象であるそのものを犠牲にする戦争に大儀はあるのか。尖閣・竹島・北方領土・拉致・ミサイル。現代にも存在する紛争の種。力による力への対抗が何を招くか。大事なのは我々国民の感情。短絡的にならず、冷静に対処を見極るようにしたい。

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    2020年08月17日
  • 戦雲 要塞化する沖縄、島々の記録

    Posted by ブクログ

     2016年以後、奄美から先島に至る南西諸島の軍事化が日々刻々と進められていく過程と、そこで誇りと尊厳を失わず戦い続けた人々を追いかけた貴重な記録。各エピソードのトビラに掲げられたQRコードで直接取材された人々の姿と声を実見できるという試みも。実際にいくつか映像を見てみたが、確かに文字だけより痛切に、生々しく内容が伝わってきた。
     宮古・石垣・与那国で急速に進む軍事基地化を見ていくと、岸田政権の「安保三文書」改定が何を意味しているのかが具体的に理解出来る。離島・島嶼防衛の主体は日本自衛隊であり、米軍はそれに少し手を貸す、という構図。しかも、戦場は沖縄の更に南に局限させるという意図さえ透けて見える。
     
     問題は、沖縄で「平和」を求める声が、結局「沖縄だけの平和」を求めることにつながっていないか、ということだろう。だからこそ、「反戦」を訴える側がどんな世界のビジョンを提示できるか、どんなナラティヴを構想できるかが喫緊の課題ではないか、という気がする。

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    2024年05月28日
  • 証言 沖縄スパイ戦史

    Posted by ブクログ

    ●は引用、その他は感想

    ●「今日只今の事に死力を尽くせ」これが隊員らが今日まで、すべて暗記するほどに徹底された村上隊長の訓示だった。死ぬ気でやれ、と言ってはいるが村上隊長は少年兵に繰り返し「絶対死ぬな」とも言っている。(中略)兵士の命など鴻毛より軽いと叩き込まれた当時の軍隊教育と、中野式の教育はこの点でかなり異なっていた。スパイも、生きて帰らなければ任務は達成できない。捕虜になっても敵情を視察して戻って来いというのが大前提であり、決して「死んで来い」という部隊ではなかった。しかし場面によっては戦車爆破隊など自爆も辞さないテロ作戦もあったのは事実である。
    ●辺野古問題。敵は陣地にしか撃たないから、僕は恩納岳にいたが、基地があるからアメリカがあっちこっちから攻撃した。その辺が一番頭にあるね。だから基地というものは作らせてはいけないなと。今でも(日本にある米軍施設の面積の)74%の基地が(沖縄に)あることわかってるわけだから。基地がある所のしか弾は来ないから。
    ●民間人が住む地域では住民を使っての遊撃戦をせよ、と中野学校のマニュアルは簡単にいうものの、作戦途上にある軍隊にとって敗残兵と住民は足かせでしかない。(中略)上陸地点にいる住民というのはこれを利用しなければ戦えないし、同時に邪魔されないように「始末のつく」状態にしなければならないという、全く矛盾した存在になってしまうことが理屈抜きで理解できるようになる。軍隊は住民を守らなかったという残酷な事実が沖縄戦最大の教訓であるが、住民を守るための作戦と、軍隊が勝つための作戦は全く一致しない。まずは勝たないことには住民を守れない、という大前提のもとに軍隊は動くものであるが、すでに戦場になった地域にいる住民は、これを守ることはほぼ不可能であり、作戦上にある兵士にそれを求めても殺生だ、ということでしかない。(中略)住民のいる地域で戦争をしたら住民は当然守れない。だから戦争をしていい場所は、少なくとも人が生活している土地のどこにもないということだ。→ロシア軍のウクライナ侵攻作戦
    ●もし半年でも終戦が遅れてこの教令のもとに「本土決戦」が始まっていたら、敵の攻撃による被害とは別に地域社会の中に不逞分子の処置が横行し、しかも軍人すら介入しない処刑も起きうる状況にあった。沖縄戦以上の悲劇が各地で起きていたことは明らかである。
    ●戦争になれば、兵隊と兵器をどう動かして勝つのかが優先であって、住民も労働力や兵器にしか見えたこないのが軍人だということ。玉砕する場所で住民を救うという発想は出てこないこと。戦争に勝つという大義の中で、個々の戦場に残された住民などは始末の対象でしかないこと。つまり、軍中枢部がその方針なのに、現場で「私たちを守ってくれないのですか?」と問われても現地部隊に何もできなかったのも道理だ。「国を守る」ことと「そこに住む人を守る」ことは決して同義語ではないということを私たちは肝に銘じておかなくてはならない。この軍隊の発想を私たちの側が理解しない限り、軍隊は私たちを守ってくれるという都合のいい解釈で軍事費増大を許し、軍事政権に力を吹き込んで、自らの手で悲劇を引き寄せていく愚かな民に逆戻りしてしまうからだ。
    ●つまり専守防衛の自衛隊はそもそも国土戦を想定せざるを得ず、その場合敵を内陸に引き込んで戦うわけだから国民の自発的な協力は不可欠であると捉えていて、沖縄戦のような状況が再び実現する纐纈さんは言っているのだ。自衛隊が国土戦に備えるなら、当然過去に国内で実践された遊撃戦とそんも時の住民の動向が最大の参考事例になる。ということであれば、なおさら私たちはこの本でつぶさに見てきたような沖縄戦の中のゲリラ戦と、その時に住民の置かれた状況をよく理解しておく必要がある。自衛隊が国民に自発的に協力してもらうためには、平時から構造的にも国民を統制しやすい体制を作っておくことが肝要である。そして軍事作戦に協力させる一方で、軍事機密を漏らされては困るので軍の機密を守る法整備を完了させておく必要がある。これは、まさに今、日本で進行中のことではないか。国民を「始末のつく」状態にしておくことこそ、戦争に勝てる国の必須条件だという考えが戦前から一貫して変わっていないことは、歴史的証拠を積み上げて論理的に理解しておくべきだろう。なんとなく戦前のような空気になってきた、という言葉をよく聞くようになったが、国の管理が進み、表現が不自由になり、軍機保護法の再来である特定秘密保護法が報道や市民活動を規制し、共謀罪(テロ等準備罪)が監視社会を作る。私たちは始末の悪い国民から、今まさに始末のつく状態に変えられつつある。もはや戦争をするまであと一歩なのだ

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    2023年01月21日

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