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Posted by ブクログ
作者の作品に共通して言えることですが、難しい単語や見慣れない言葉が多い。それら全てを理解しようとすると大変なのでわからないものはわからない、と飛ばしながらエンタメ要素を楽しむ形で読みました。側から見たら浅い読書になっているかもしれませんが、ちゃんとおもしろかったと思えているので自分としては満足。
『Tne Indifference Engine』
戦争が終わった五秒後に友達を目の前で亡くした主人公。彼の中で続く戦争を終わらせるために施された「心の注射」が、皮肉にも新たな惨劇を生む。
戦争に振り回される主人公が戦時中との変化やギャップを目の当たりにする度に胸の辺りがぎゅっとした。作中わかることだが主人公はかつて医者を目指していたらしく、それが敵をあんなにも憎んで、スティックが無いAKが無いと思考する少年兵になるだなんて戦争はなんて残酷なんだろうと思った。私がこう思うことでさえ、彼にとっては煩わしいことなのかもしれないが。終わり方が特に好きでした。
Posted by ブクログ
やっぱ伊藤計劃ですわ!とニコニコせずにはいられない素敵な短編集だった。現実世界に対する皮肉が込められた視点、それでいて悲観的ではないユーモアに富んだ描写、世界観に説得力を持たせるSF的なディテールといった具合に、伊藤計劃らしさを余さず感じられる作品だと感じた。
「The Indifference Engine」
上記の3要素が最も色濃く感じられたのがこの短編。虐殺器官とハーモニーを読んでからしばらく時間が空いていたが、一気に伊藤計劃ワールドに引き戻される感覚だった。俺は今伊藤計劃を読んでいるんだ〜!みたいな。極々身近なものとして暴力を振るい振るわれる主人公は、エリスンの少年と犬を彷彿とさせる。
「セカイ、蛮族、僕。」
初めの一文の唐突さと勢いに3度見してしまった。また委員長のベタベタなツンデレ長台詞の後速攻で犯してるのも大笑いした。こういうSF(?)もいいよね、めっちゃ楽しい。
「From the Nothing, With Love」
書き出しの意味が終盤に理解できるところや意識というテーマがハーモニーに共通していた。人間のようなAIについて扱う作品は多々あるが、AI(というのも正確ではないが)のような人間という側面から物語を描くのはさすが。手紙の下りでタイトルの意味が分かった時にはオシャレ〜!これ書くのかっけえ〜!と天井を仰いでしまった
Posted by ブクログ
虐殺器官・ハーモニーのエッセンスを感じる短編集だった。
ゲーム作品の二次創作や、世界史など、背景知識分からないものも多く、おそらく100パーセントで楽しめたわけでは無かったとは思うけど、それでも内容に思わず引き込まれる、さすが伊藤計劃としか言いようのない魅力ある短編ばかり。夢物語ではない問題提起的なSFというのが本当に好みです。
伊藤計劃の話って、どれも戦争や死生観に対するメッセージ性が強いなと思うけど、著者が本当に言いたいこと、考えてることは明記されてなくて、非常に考えさせられるもの。
特に、ハーモニーでもテーマになっていた人間の意識を扱う短編(From the Nothing, With Love.)が好み。切り口がすごく良いよなあ。
今このAIがどんどん進化する中で、まさに大事になるテーマだと思う(まさに未来を見ていたとしか!)。
AIと人間を隔てるものは意識・感情の有無だと思う。
効率・正確性を今のまま重視するなら、意識は最も不要なものに。
人間として生きることの定義ってなんなんだろうって改めて考えさせられた。
あと、屍者の帝国が、入りからすごく引き込まれ!
世界観が好みだった。
あ〜!この作品を著者自身で書ききった完成作を読みたかった!本当に日本が誇る偉大な作家だと思います。あまりに短い作家人生。惜しいなぁ。もっとたくさん読みたかった。
どの作品も本当に素晴らしく、考えさせられるものばかりなので、時間を空けて何度も読み返したいと思います。
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