【感想・ネタバレ】The Indifference Engineのレビュー

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引き寄せられるような疾走感と、たっぷりの皮肉と、途方もない退廃と、途轍もない喪失感。
そういったものたちが、残されていった。
その先がないことが、とても、寂しい。

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2017年11月29日

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ボンドとスナッチャーと
グレイフォックスと蛮族とワトソンと。

コジプロ作品に関係する2つはどちらも興味深く、特にスナッチャーは面白かった。先に虐殺器官を読んだので、読み比べる楽しさもあった。

蛮族の短編は文章を怒りと憎しみを感じる程にまたそれが面白いなと感じた。

ボンドの話としては伊藤計劃らしさというものがチラチラと垣間見れ、個人的には凄く好きだ。

屍者の帝国は、すべて読んでから感想を書こう。
楽しみだ。

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2014年12月06日

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やっぱ伊藤計劃には生きてて欲しかったな―

彼の描くディストピアが好きです。
今の世から考えたらどうにもおかしいのに、そこでは当然とされるディストピア。

概念を一ついじるだけでこうもおかしな世界になる。
それを描けるのが一番の魅力です。


ディストピアと自我の関係を描いた作品もっと読みたいです。

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2014年02月26日

ネタバレ 購入済み

これが本当にラストか

これが伊藤計劃のラスト短編集ということで、心して読みました。
まあ、先に『屍者の帝国』を読んでいたんですが。

全体に絶筆らしいというか、未完成、あるいは習作的なもの寄せ集めという印象ではありますが、遺されたテクストに触れるのは感慨深いものがあります。
なかでも短編としてダントツの完成度を感じさせてくれる表題作には驚かされました。対立する部族に生まれて、殺し合いを強いられる子供達の救いのなさと、欺瞞に満ちたかりそめの平和維持。伊藤さんってこんなに暴力的でワイルドな作品を書くんだ、と思ったりして。

あ、『メタルギアソリッド』は読んでいないのでそっちがどういう作品なのかは知りません。
というわけで、その『メタルギア』のスピンオフである『フォックスの葬送』は、あまり馴染めませんでした。

噂の『屍者の帝国』の未完の冒頭部分もやっと読めました。このまま伊藤さんが完成させていたらどんな作品になったんでしょうね?

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2014年01月31日

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単語やら難しい表現が飛び交うが特に気にせずわかった気持ちになって読めばおもしろい。
その分野に明るい読者であれば何倍もその魅力は増すと思う。

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2023年07月14日

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虐殺器官やハーモニーに対する補完作品や、メタルギアソリッドやある有名映画のオマージュ作品かな?
From the nothing, with love.が、伊藤計劃の他の作品とも違ったまた独特の世界観のある作品で、なかなかな着眼点に基づくSF作品で特に良かったです。

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2022年11月18日

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伊藤計劃の世界観が詰まった短編集。人間とはというテーマでリアルかつ残酷に物語を描いている。おそらく、もっと深く詳細なテーマがあり、今の自分では読み取れ切れないのが残念。虐殺器官、ハーモニーを再読したくなった。

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2021年03月12日

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虐殺器官との繋がりもあり、面白かった。
自分は、この中では『the indifference engine 』が一番面白かった。虐殺器官と比べてみることができ、また、「戦争が終わっても、本当の意味での戦争は終わっていない」というのがとても印象的だったからだ。
その他の作品で、読みづらいものや難しいものもあったが全体的にとても面白かったと思う。
衝撃的だった作品は、『セカイ、蛮族、ぼく』だ。冒頭から凄かった。曲がり角でぶつかる、漫画、ゲームで定番のシチュエーションで、伊藤計劃さんらしくないと思ったが、その後で納得(というか圧倒された)した。長さは短いが、内容が深かった。
『屍者の帝国』の冒頭も収録されていた。面白かったので、今度本編を読んでみようと思った。

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2021年07月18日

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ネタバレ

「虐殺器官」などの長編を思わせるキーワードがちらほら。書いた時期とか、元の作品とかを知らないので、むむむ…となるところも多いのですが…

この方の、ひらがなの使い方が好き。
書いてある内容は殺伐としているのに、なんとなくやわらかく感じてしまうし、心地いい。

読んでいるうちに、「身体」というのはただの「うつわ」なのだと思わされる…ような気がする。

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2020年11月19日

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伊藤計劃の短編やコミックの原作を務めた作品を集めた作品集。『虐殺器官』で描かれた戦争や悲劇に対する考察や、『ハーモニー』で描かれた意識、自由意志などそれぞれの作品に補完の関係があり、呼応している。「007」シリーズや「メタルギア」シリーズに対するオマージュの作品もあり、伊藤計劃の作品は自身の作品群の枠を拡張し、メディアの形式を超えて遺伝子が引き継がれているのだと感じた。

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2020年03月10日

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"短編集、The Indefference Engineという表題の作品が強烈な印象を残す。
ホテルルワンダの世界そのまま。
007への愛情あふれる作品もいくつかある。
最後に収録されている「屍者の帝国」は最近別の作家の手を経て発売された。"

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2018年10月28日

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 書籍というきちんとした形でまとめられていなかった作品を集めた作品集。
 6つの短編に、2つの劇画、1つの他の作品の解説、という構成になっている。
 やはり6編の短編はどれも極上。
「セカイ、蛮族、ぼく。」という短編だけは少し毛色が違っているが、残りはどれも伊藤計劃らしさが漂ってくる作品となっている。
 きっちりと論理立てされており、だからといって息苦しさを感じさせることもなく、読むものを良質のエンターテインメントへと誘ってくれる。
 最後の「屍者の帝国」のみ未完(遺稿でもある)。 
 のちに円城塔が後を引き継いで完成させているが、購入してはいるがまだ未読(評判はあまり芳しくないようだが……)。
 どの作品も面白いのだが、やはり一番強く心に残ったのは「本当に惜しい才能を失ってしまった。もっと彼の作品を読んでみたかった」という残念な気持ち。
 特に未完に終わっている「屍者の帝国」の「これから先、どんな展開が待っているんだろう」と期待に胸を躍らさせてくれる内容を読んでしまうと、本当に残念でならない。

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2018年01月04日

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夭折の天才、伊藤計劃の遺稿を含む短編集。同人誌に掲載した試作や未完の作品が多く、「お試し」感の強いラインナップで、一読しての印象は「なんか中途半端だなー」というのが正直なところ。
ただし、完結している作品ももちろん収録されてまして、この完成度が恐ろしく高いです。「虐殺器官」と同じ世界線にある表題作はもちろんのこと、鴨的には「From the Nothing, with Love」が衝撃的な出来。ぱっと見はあの世界的に有名なスパイ・アクション映画のパスティーシュで、なんでこの映画が題材なんだよ!と心の中で突っ込みながら読み進めたわけですが、これがちゃんとSFしていて、しかもいかにも伊藤計劃らしい深堀りした思索が静かに展開されていて、短編にも関わらずお腹いっぱいな読み応え。

うーん、鴨の全く個人的な感触ですが、伊藤計劃は短編向きの作家だったんじゃないのかな、という気がします。
長編は一通り読みました。スゴく面白かったんだけど、正直かなりリダンダントな印象を受けて、読後感は今ひとつでした。今にして思うと、鴨は伊藤計劃作品に「フツーのSF」を求め過ぎていたのかもしれません。先日師匠が初めて伊藤計劃作品を読んで、「村上春樹っぽいね」と評しておりました。正にその通りで、SFとして読む前に、この人の作品は「物語」なんでしょうね。歳を重ねて円熟した伊藤計劃がもし作品を世に出したら、どれほどの傑作になったんだろう、と今更ながらに思います。惜しい才能を無くしたなー。

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2017年08月03日

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羊水の中で溺れてるみたいな気持ち悪さがありながらも、「かぁぁぁぁっこいい!!!」と唸りたくなる、劇場感。死がすぐ側まで、いやそれどころか内側まで、入り込んできているのに、まるで生まれ変わりの準備をしているみたいな安心感を感じるというか。中毒性高い。もっと生きてもっと多くの作品を残してもらいたかった…。表題作のThe Indifference Engineが一番好き。争うために歴史がいる。人を殺して死ねと教えたお前らが助け合えとのたまう。じょおおおおおだんじゃない!という不条理はそこらじゅうに転がっている。

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2016年09月27日

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表題作と007の話が面白かった。
表題作は今のシリアと照らし合わせて。
007はメタを作品構造として取り込んだ質の良いオマージュ。
他の作品はオリジナルの影響から抜け出しきれてない感じ。執筆順がどうなっているか分からないけど、作風のオリジナリティ獲得の軌跡として読むと面白い?
この先にハーモニーや虐殺器官があるわけで、その2点をつないだ延長線上に必ずあるはずだった傑作を読めないのが本当に惜しい。

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2016年02月27日

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『The Indifference Engine』
圧倒的に生々しくグロテスク。読んでいてつらいけれど引き込まれる。部族対立による戦争が終わり、平和のために部族間の差異を認識できなくなる脳処置を受ける少年兵。そんな方法で憎悪は、戦争は止められるのか。

『セカイ、蛮族、ぼく。』
コミカルで妙にインパクトがある短編。冒頭から笑う。

『From the Nothing, With Love.』
これも凄みがある。英国の凄腕スパイの人格が死後も他人の脳に移植され引き継がれ代々活躍している。悍ましい技術によりコピーされる『私』は、任務の中で自身の意識への疑いを深めていく。コピーの繰り返しにより、スパイとしての行動様式と振る舞いこそ主になり自身の意識が不要になっていくというのは面白い。

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2015年08月16日

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短編の色んなところに長編の要素。

from the nothing, with loveで出てくる博士がアクロイド博士、会話で出てくるアガサクリスティーににやり。

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2015年03月07日

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『女王陛下の所有物』で007の解釈にヤラレタ!!という感じになります。
難解なものもありますが、どれもこの世代の感覚が研ぎ澄まされた結晶とも言うべき短編集です。
つくづく早世されたのが惜しい方だと思います。

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2015年03月07日

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ネタバレ

「女王陛下の所有物」★★★
「The Indifference Engine」★★★★
「Heavenscape」
「フォックスの葬送」
「セカイ、蛮族、ぼく。」★★★★★
「Automatic Death ■episode 0」★★★
「From the Nothing with Love」★★★★★
「屍者の帝国」

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2019年04月29日

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「The Indifferent Engine」「From Nothing, with Love」「屍者の帝国」が良かった

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2014年07月17日

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伊藤計劃の原石というか原点というかそういう感じの短編がおさまった作品集。あれはこれを研ぎなおした作品なのか。と、ニヤニヤしながら読んだ話はさておき。

個人的なお気に入りは007をモチーフにしたFrom The Nothing...。007はそういうコンテンツとしてあってもいいんじゃないかと錯覚してしまった。もうこれはぜひともダニボンで映像化してほしい。のも、さておき。


そこはかとなく漂う「死」のにおい。死ぬために生きている、生かされている人たちの物語。な、印象。

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2014年06月20日

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伊藤計劃の短編集。『屍者の帝国(冒頭部分)』目当てで買ったのだけど、他の短編もよかった。伊藤計劃の漫画が読めたのは予想外。漫画もよかった。

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2014年02月10日

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デビューから長編二作、『屍者の帝国』へと続く流れを俯瞰できる短編集。作品によって完成度はまちまちだが、どれも筆者が描きたいものがしっかり伝わってくる、濃い作品ばかりだった。収録作のいくつかは既読だったけど、前後を考えつつ興味深く再読できた。特に『From the Nothing, With Love』は長編二作を繋ぐ非常に重要な作品で、単体としても十分の完成度があった。本当に「これから」が期待される作家だったのだなと感じた。『ディファレンス〜』から生まれた二人の作家がどういう作品を生み出すのか、期待大。

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2016年01月17日

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著者の恥部を覗き見ているような感覚。

虐殺器官や、ハーモニーの前身。学生時代に書いた漫画など。所々チープな場面はあれど、天才の片鱗は十二分に感じられる。
ただ、メタルギアソリッドを知らないと物語に入り込めない短編もあり、読むのに骨が折れた。さすがにこの為だけにゲームはできない。

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2022年07月30日

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プロパティ所有物 デフォルト初期状態 コンフィグレーション設定値 小銃弾の硝煙 薪のような人間の腕も、裸に剥かれた死体もないことだ。 戦争は終わっていない。僕自身が戦争なのだ。 その屍体の数はアメリカ合衆国の責任のもと正当化されるのだ あまりに抹香臭くて 鼻梁の中央めがけ 人類の弔鐘となった最後のキノコ雲を見つめる 細雨さいう 深奥しんおう 古強者ふるつわもの 天国の周縁 民間の艦船 勝鬨をあげろ 僕の野蛮は発動させるべき閾値に既に達しつつあるというのに 矛盾の針先 眼窩の空洞 冷笑家シニシスト テムズの川面 じょうさい城砦 神の子の顕現 隔壁のコンクリート はいえつ拝謁を賜った あらわれる顕れる 八十万人ものツチ族が、同じ言葉を話すフツ族によって虐殺された。 映画『ホテル・ルワンダ』 ただし但し書き いはつ衣鉢を継ぐと目される創り手達が

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2020年04月16日

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伊藤計劃さんの『虐殺器官』を読んだ時の興奮を今も憶えている。
続く、『ハーモニー』の緊迫感も忘れない。
本書は、その伊藤計劃さんの短・中編集で、『虐殺器官』の世界観を現す作品も含まれる。もちろん既視感がつきまといはするが、この既視感が無いと本書は楽しめないと思う。

最近、書店に行けば必ず伊藤計劃さんのコーナーが確保されており、嬉しく思うが、ご本人が亡くなっているので、伊藤計劃作品をめぐる評論合戦になってしまうのが少し寂しい。

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2016年02月14日

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一見して「ありえない」世界を作り出し、それを「ありえる(かもしれない)」と思わせることができるもの。SFというジャンルを仮にこのように定義するならば、伊藤計劃は、SFがもつ威力を思い知るのにもっとも適した作家のひとりだと思う。

「嘘ではない。だがな、お前が教えられてきたのは、戦争が始まってからSDAがまとめた歴史ではあるんだ。戦うには歴史が必要だ。俺たちが戦う拠り所となり、奴らと俺らとを隔てるのに必要な歴史がな」
「戦争のために、嘘の歴史を作ったんだろ」

たとえばこれは、表題作の中のやりとり。
小説で描かれるものを何でもかんでも現実世界と結びつけようとするのは野暮な読み方かもしれないけれど、この台詞に、いまの自分たちはまったく思い当たりがないとは言えない。この小説の「ありえない」世界と、いまの自分たちが生きる現実世界は、まったく関係がないとはもちろん言えない。
この小説にはいちいち微細に描写した残酷表現が無数にある。倫理的に、どうしたって目を背けたくなるような表現がある。まさに「ありえない」と言いたくなるような。でも、残念ながら、この小説で描かれる世界は現実に「ありえる」のだろう。それも意外とすぐ近くにあるのかもしれない。

…とかなんとか、いろいろ考えることのできるSFらしいSF。

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2015年05月31日

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表題作The Indifference Engine と From the Nothing,With Love は面白かった。しかし虐殺器官とハーモニーに比べると、全体的に文章表現が劣っていると感じた。ちょっとテーマや構成に凝りすぎているのと、ここまで難解だとだいぶ読者が絞られるだろうなあという印象

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2015年02月07日

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フィクショナルからリアルヘ。

伊藤計劃の名を目にすると、胸が辛くなる。
若くして死した伝説。
遺したリアル。
伊藤は戦場を多く描いた。
今の世界は戦争にあふれている。
それを語り部のように。
SFの戦いというフィクショナルから、さらにリアルへ。
その戦いは世界を撃った。
そして、戦った男は若くして逝った。
文体は乾いている。
情感は捨てられる。
そこにリアルだからこその、滲み出る思いがある。
バーチャルを日常としながら、今そこにある明日を描き、
伊藤は諦念の上澄みとしての命を語った。
突きつけられる問い。
お前は生きているか。

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2014年04月28日

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短編集。ハーモニーの映画化がちょうど発表になったけど、ハーモニー上映前に「セカイ 蛮族 ぼく」を短編として上映してほしいなあ、なんて思った。一本目が一番好きだな。

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2014年03月23日

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「あなたがたが崇める、商品を売り買いできる自由ではない。まして、階級からの自由とか労働者の自由とかそういうものでもない。あなたがたには皮肉に聞こえるだろうが、私の言う自由は、羊皮紙に独立宣言を書き刻んだ建国の父たちが言ったような意味での自由、あるいはバクーニンがすべての権力を否定した意味での自由だ。もっと根源的なところから叫び、求められる意味での。」

バクーニンと言えば『社会主義なき自由は、特権であり、不正であるが、他方、自由なき社会主義は、隷従であり、野獣性である。』という言葉があるけど、ちゃんと読んだことないな。久しぶりに読むかなぁ〜。

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2014年01月26日

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