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これが本当にラストか
これが伊藤計劃のラスト短編集ということで、心して読みました。
まあ、先に『屍者の帝国』を読んでいたんですが。
全体に絶筆らしいというか、未完成、あるいは習作的なもの寄せ集めという印象ではありますが、遺されたテクストに触れるのは感慨深いものがあります。
なかでも短編としてダントツの完成度を感じさせてくれる表題作には驚かされました。対立する部族に生まれて、殺し合いを強いられる子供達の救いのなさと、欺瞞に満ちたかりそめの平和維持。伊藤さんってこんなに暴力的でワイルドな作品を書くんだ、と思ったりして。
あ、『メタルギアソリッド』は読んでいないのでそっちがどういう作品なのかは知りません。
というわけで、その『メタルギア』のスピンオフである『フォックスの葬送』は、あまり馴染めませんでした。
噂の『屍者の帝国』の未完の冒頭部分もやっと読めました。このまま伊藤さんが完成させていたらどんな作品になったんでしょうね?
Posted by ブクログ
「虐殺器官」などの長編を思わせるキーワードがちらほら。書いた時期とか、元の作品とかを知らないので、むむむ…となるところも多いのですが…
この方の、ひらがなの使い方が好き。
書いてある内容は殺伐としているのに、なんとなくやわらかく感じてしまうし、心地いい。
読んでいるうちに、「身体」というのはただの「うつわ」なのだと思わされる…ような気がする。