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2009年に満34歳でこの世を去った伊藤計劃先生。普段SFを読まないため、縁遠かったのですが、シンプルかつ恐ろしい表紙とタイトルに惹かれ…。
何をするにも本人認証が必要となり、いつ、どこで、何をしたかが全て記録・管理されるようになった近未来。それにより全世界が平和になるのでは決してなく、「ジェノサイドが頻発する後進諸国」と、「テロを一掃した先進諸国」に二分されている。
いずれ、そんな世界になっても不思議でないと思ってしまう自分がいます。 ひょっとすると、いま私たちがお茶を飲みながらぼんやりと享受している「平和」も、「誰かに仕向けられた何か」によって作られた錯覚なのかもしれません。それが良いのか悪いのか、読み終わってからも考えてしまいます。
『ハーモニー』『屍者の帝国』に続き、劇場アニメ化も決定しました。(書店員・ラーダニーバ)
Posted by ブクログ
思想強めの濃厚な小説で、ハマるかどうかは人を選びそうな作品ではあるが、自分にはとてもハマった。
主人公はアメリカの特殊部隊の一員で、潜伏する各地で内戦と虐殺を引き起こす謎の人物を追うという形でストーリーは進んでいく。
タイトルからグロテスクな戦闘描写が想起されるが、そのような描写はあまりなく、語り口は淡々としていて、哲学的な問いが全編にわたって続く。
ジョージオーウェルの「1984年」にも通じる監視社会への皮肉、安全と自由のトレードオフ、言葉がもたらす暴力、そして「人間性とは何か」という根源的な問いがストーリーを通じて問いかけられ、それらについて考えさせられる。
善悪の大転換
善悪の大転換が起こる作品です。
主人公に共感出来た人は、読了後心地よい納得感を得られるのではないかと思います。
テロ、虐殺、暗殺、事故死、尊厳死、等々「まだ生きられる命を絶つこと」について、さまざまな視点から主人公が思索していきます。
ですのでものすごく暗い内容ですが、上に挙げた様な命に関わる問題について普段からもやもやしたものを感じている人には、この著者が提案する答えを知るという意味で読む価値があると思います。
あと、私がこの本を買った理由になった本の紹介がありまして、それは
『「人間には虐殺をつかさどる器官がある。呼吸をつかさどる肺や、消化をつかさどる胃という器官があるように。」 というのが著者の主張のようだ』という感じでした。(思い出し書きです。)
この主張に同意出来ると思い、ストーリーとしてどのようにそれを主張するのか期待して買った結果、満足出来ました。
同様に上記の主張に同意出来る方は読む価値有りだと思います。
この著者の他の本も読んでみようと思います。
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