小説・文芸の高評価レビュー
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Posted by ブクログ
人は誰かにとっての誰か。ひとつひとつの話がビリアードボールだった。はじき、ぶつかり、そんなところに作用していくのかと。だいぶ読み応えがあったけど、読む手が止まらなかった。
ガツンと社会派小説というのは普段あまり読まないのだけれど、タイトルと装丁のインパクトで手に取った。
読み始めたらもう…!
ブレイクショットを取り巻く8人の人生がブレイクショットして見事ポケットに落ちたよ?(混乱)
脳内に散らかった点と点が、きれいにつながっていく疾走感に手が止まらず、文字を追っているのに映像が流れ込んでくる。
わたしが覗くことのできる人生はここまでだけと
これからどう生きていくのか。
その先まで見届け -
Posted by ブクログ
「言葉」に対して問いを"見舞い"ながらその言葉の存在を深掘りしていく第一部。
横文字言葉、あーね、普通に、〇〇テロなど…何気なく自然と、軽々しく、雰囲気で使えてしまう言葉ではあるが、これらをちゃんと意味を理解しようとすると簡単には紐解けない背景があるようにも思えてくる。日本語の不可思議に触れる。
永井さんが提示するそれらの問いと切り口にはハッとさせられた。いままで考えたり言語化したことはないけど、なんとなーく感じている違和感とかモヤモヤを明らかにしてくれるような、めっちゃわかると共感しまくったり。ああ、日本語って奥ゆかしい〜。
日頃感覚で使えてしまっている言葉をちゃんと理解 -
Posted by ブクログ
真剣に生きる1人の障碍者の生き様 筋ジストロフィー患者の鹿野靖明は6歳で発症し、20歳まで生きられないと言われた。
筋肉の力がだんだん弱まっていく病気のため、寝返りもうてない。体位を交換するためには介助が必要で、その介助にはボランティアがあたる。
医大生の田中とその彼女、美咲は鹿野のボランティアを通して自分の生き方や様々な困難を乗り越えていく。
本書はノンフィクションと原作を基にした映画の脚本のため様々な脚色がなされている。
しかし、病院でただ世話されるだけの人生を否定し、自宅で自分の思うがままの人生を送りたいと願い、実際にそのように振る舞う鹿野の言動はいつも真剣で、自分の生に正直過ぎ -
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心の持ち方、周りの人への感謝の大切さ 著者の石黒由美子さんは、小学校2年生のときに不運な交通事故で顔面粉砕骨折、網膜剥離、手脚の骨折等の怪我を負う。
入院中に見たドラマからシンクロナイズドスイミングに憧れ、オリンピック出場を夢見るが、視力は99.9%回復しないと言われ、三半規管がやられて真っ直ぐ歩けない、左目も常に閉じない状況である。
しかし、そこから母の支えや自分の夢を記す夢ノート、さまざまな周りの人の支援により見事、2008年の北京五輪シンクロナイズドスイミング日本代表に選ばれる。
不可能と思われた状況からの奇跡的な回復。そして、一つ一つの夢を叶えていく夢ノートと夢を叶えるための本人 -
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生き様が死に様 もうすぐ死を迎える人を迎える瀬戸内のホスピス、ライオンの家。
主人公の雫はなぜ1人でそこへ来たのか、初めはわからないが様々な登場人物との出会いや自分の人生を振り返る中でここに至るまでの雫の人生、そして心の動きが見事に描写されている。
作者の小川糸さんの作品は初めて読んだが、ここまで詩的で心理描写の見事な作品は読んだことがないと思うほどの表現力。
ストーリー展開もだが、小川糸さんの心が粋なんだろうなと感じる。もちろんそれを表現するだけの文章力が必要だが、読み終わった後の爽快感、これほど気持ちの良い最期を読めたのは幸福だった。
人類にとって普遍的に大切な価値観を見つけられる一 -
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いよいよ、箱根駅伝本番。
記録が残らない学生連合の10人が走る。
本作品は放送するテレビ局のスタッフ達を描いたもう一つの俺たちの箱根駅伝ドラマが印象深い。
チーフディレクターを務める宮本菜月の思い切りの良さと鋭く状況を見極める判断力が臨場感ある。箱根駅伝をわかってない感の編集局長黒石がいい感じに悪役。
箱根駅伝は、首位争いだけでなく、シード権争い、予選会、復路の20分の壁(首位選手が走り出して20分たつとタスキはつげない)などさまざまなドラマがあるのだかそれを余すことなく描かれていて大満足。
もともとアナウンサー達には注目してたが、学生連合はオマケ的な見方をしていたけど彼らにもドラマがあると思