小説・文芸の高評価レビュー
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Posted by ブクログ
第1回日本ファンタジーノベル大賞受賞作
書き出しが
腹上死であった、と記載されている
と超弩級の始まり方
この賞を作った人達はきっとハリー・ポッターのような小説を望んでいたのではないだろうか
しかしこの物語は
(シンデレラ+三国志)÷半沢直樹といった所か
正妃になる為14歳の主人公の銀河が儒学に囚われず自由な発想で周りを巻き込みながら成長していく
デビュー作にして圧倒的に読みやすい文章
(テーマが後宮なだけに)
冒頭から後半の盛り上がりの為の伏線を仕込まれており起伏がとても心地好い
明るい主人公に頑張れと応援していたらやってくる三国志パートに山場も抜かりなし
こんなものが送られてきたら受賞に -
Posted by ブクログ
火村とアリスが毎回違う切り口で事件に挑む。
ぶっ飛んだシュールなトリックもあれば、軽くてユーモアがあるものまで、作品ごとに味わいが変わるので全く飽きずに最後まで楽しかった。
『ブラジル蝶の謎』
大手サラ金社長の相続をめぐり、離島で暮らしていた弟が呼ばれ、会社役員たちと対立する。その構図だけで物語に引き込まれる。
博物館の蝶々オタク学芸員の話も興味深くて、思わず蝶々について調べてしまった。
火村の最後の一言が気になる。
『彼女か彼か』
「あらら〜ン、またいらしたの♡刑事さ〜ん」と、“Mr.マリリン”というバーの蘭ちゃんの語りで進んでいく構成が面白い。
Audibleのナレーターは、インパクト -
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Posted by ブクログ
胸がギュッとなる瞬間がたくさんあった一冊でした。
高永家の四兄妹の連作短編集。
学生時代って、毎日が本当にしんどいよなぁとつくづく思う。
自分をしっかり持っていることはとても大事なことだけれど、それが周りから受け入れられないこともある。自分が思っている自分と、周りから見えている自分が全然違うこともある。
大人でもしんどいのに、10代の頃にはもうこの世の終わりのように感じるだろうと思います。
四兄妹のそれぞれの辛い思いで、読んでいるこちらも胸が締め付けられて、外出先で読んでいたのに涙がこぼれそうでとても困りました。
でも、この兄妹は理解し合えていたのでそれが救いでした。理解してくれる人がいるかい -
Posted by ブクログ
著者作品は初めて読みました。
それぞれの短編が後半に向けて緩やかに繋がっていき、それぞれの主人公がささやかな希望を胸に立ち上がっていく様に涙腺が緩みます
過剰にエモーショナルな表現を避け、無駄のない構成により感情移入しやすくなっております
傑作です!
他の作品も読みます
人類滅亡の危機がやってくるーーただし百年後に。世界を駆け巡った衝撃ニュースだったが、「終末」を意識させるには、小惑星衝突までの猶予が長かった。人々のささやかな勇気が少しずつ重なり合い世界に希望をともしてい)く奇跡の連作短編集
ーーこれを機に、人類は捨てたりしないのかな。
ーーなにを?
ー一種の存続っていう根源的な本能 -
Posted by ブクログ
ある著名人が言っていた作品で、興味はあったが今ではないと思っていた。しかし本屋に行ったら、光を差しており思わず買ってしまった。余談でした。
本作は砂の女というタイトルの通り、砂の女と男の物語であり、比喩表現や物語の構成などさすがであった。また、どっぷり浸かってしまい、口の中や喉の表現があれば無意識に、自分の口を探ってしまう。ジャリジャリとした食感も伝わってくるそんな作品でした。
正直なところ、未熟なのでこの本が伝えるメッセージはあまり掴めなかったです。
2025/12/10追記
心理学でいう学習性無気力(ストレス)の状況に似ていると思った -
Posted by ブクログ
クリスマスミステリー 今作はフルダ三部作の完結編と、あとがきを読んで知った。逆年代記のため、このまま逆順に読んでみようと思う。
冒頭で落ち込む刑事のフルダに複数の死体が発見された事件の話が舞い込む。そして時間は2ヶ月前のクリスマスへ。その頃のフルダは仕事上で疾走した女性の捜索をし、家では娘の抑うつ状態に悩んでいた。並行して描かれる農夫のエルラ視点の話。クリスマスに猛吹雪の中訪ねてきた男性への疑念と、雪により閉じ込めれられてしまった恐怖感。そしてフルダの娘も不穏な方向へと進んでいく。
ハラハラさせられながら一気に読み終わった二章と解決編の三章では前章での視点がぐるりと入れ替わる気持ちのいい展開だ