小説・文芸の高評価レビュー
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主人公である作家が自分の作品や小説という存在に対して持つ一貫した愛情が本当に清々しかった。癖はあるけれど憎めない人とは、こういう人のことを言うのだろう。
編集者として登場した千紘の気持ちは嫌というほどわかる。自分が尊敬する、人として崇拝に近い存在の「特別な存在」になること。それがどんなに気持ち良いか。そして、その特別な存在に認められていれば他は何でも良いと思ってしまうことが、いかに危ういか。
居る世界や自分の役割を狭めれば、多くのことを見ないままでいられる。しかしその閉じた世界は、いつか自分自身を不健康にしてしまう。そんなことを考えさせられる作品だった。 -
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お金を中心に、生きていたら多くの人が直面する問題をポップに扱った、6編からなる連作短編集。それでいて説教くささが全くなく、人間ドラマが面白いのでページをめくる手が止まらない。
とにかくリアリティを突き詰めていて、登場人物の誰もが本当に近くにいそう。「同じような悩みを抱えている人も身近にいるんだな、その時自分ならなんて声をかけるだろう」と考えながら読んだ。面白い上にタメになり、誰かに勧めたくなる一冊。
「節約」「貯金」「投資」。年齢を重ねると耳にする機会が増え、苦手意識を持つ人も多いと思う。でも「苦手」と言ってはいられない未来は確実にやってくる。とはいえ、お堅いビジネス書には手が伸びない…… -
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身勝手で理不尽な母親と母親の男から、逃げるように家を出る決心をする理沙。
妹の律に「一緒に来る?」と声をかけ、
18歳の理沙と8歳の律は家を出て ふたりで暮らし始める。
見つけた仕事はお蕎麦屋さん。そこにはネネという名の大きな鳥がいて
その世話もすることになった。
お蕎麦屋さんでのふたりの暮らしがはじまり、
心優しいお蕎麦屋さんの店主夫妻、律の学校の先生、
律の友達、保護者さん、あとからやってくる元音大生、
ひょんな事から知り合う中学生、
理沙と律をとりまく人間たちがとても温かく寄り添ってくれている。
ネネがみんなをつなげるキーパーソンになっているよう…。
10年ごとに章が区切られているから、 -
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知之介さんのレビューで知った本。
子どものためではなく、自分のために読みました。
法学部出身なので学生時代に学んだ憲法ですが、憲法について考える私も、そして日本も当時と比べるとかなり変化しました。
どなたか国会議員の方にこの本を国会で音読してほしい。
政治家のみならず、全国民にそれを聞いてほしい。
政治的な発信はほとんどしない私ですが、頭の中で常に考えてはいます。他人事としてぼんやりしていると取り返しのつかないことになってしまうと恐れています。
日本国憲法は民定憲法であることに触れ、「民定憲法は、国民から政府への命令書ですから、国や政府の好き勝手は許されません」とありました。
なのになぜ、 -
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小川糸さんの「サーカスの夜に」を読み終えました。
「少年」は全力で自分の力で自分の生きる場所を本当に生きる道を見つけることができた。
それは道なき道を切り拓く「少年」の力強さとその粘り強さがあってこそだが、レインボーサーカスで共に生きる団員たちの厳しくも温かな愛情が「少年」の心を育み続けてくれたのではないかと思う。
「少年」も含めてレインボーサーカスの人々は
本当にレインボーサーカスを心から愛している。
その気持ちがとてもキラキラとしていて
本を読み終えてた今も
「レインボーサーカスから離れたくない。
もう少し見守っていたい」という気持ちで
いっぱいになりました。 -
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2年ぶりの最新長編。四季に合わせて新刊4作を連続刊行する「池井戸潤プロジェクト2026」の第一弾。
タイトルを見て、
「池井戸さん、今度は洋服屋の話か〜」
と思ったのだが、舞台はアパレル業界ではなかった。
ブティックはブティックでも、M&Aブティックのこと。
M&Aブティックとは、少人数の専門家がM&Aアドバイザリー業務に特化し、売り手または買い手のいずれか一方の立場で、企業価値評価や相手先の探索、条件交渉、契約締結までを伴走支援するプロフェッショナルファームのことだそうだ。
池井戸さん自身も「多分、みんな間違えるだろう」と考え、あえて仮タイトルのまま『ブテ -
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ネタバレまるでテンポの良い海外ドラマを観ているかのような映像喚起力と、翻訳物でありながら驚くほどスラスラと頭に入ってくる圧倒的な読みやすさです。序盤から意味深な謎が次々と提示されるため、ページをめくる手が止まらなくなる高い没入感があります。
歯を抜いて死亡するという特異な現場状況が、都合よく「事故」として処理されてしまう警察の甘い対応(関係者の父親が担当しているとはいえ)には、ミステリとしての緻密さよりも勢いを優先したご都合主義的な印象を受けます。
しかし、そうした展開の粗さを補って余りあるほどのエンターテインメント性が本作にはあります。理屈やリアリティを追求するよりも、ジェットコースターのような -
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医療は進歩してる。そのおかげで長く生きられるようになった。助かる命も増えた。でも地方では病院が限られ、人も、施す医療も不足している問題がある。その限られ病院にたくさんの高齢者が入院する。高齢化が進み、助けるではなくどう看取るか、限られた医療を全員に施すことができない中どう割り振るか。「人が生きるというのはどういうことなのか。歩けることが大事なのか、寝たきりでも会話さえできれば満足なのか、会話もできなくても心臓さえ動いていれば良いのか。こういった問いに、正解があるわけではない。」高齢化社会で直面している問題。実際に現実に起きているであろう問題。小説だけれど考えさせられることがたくさんあった。テー
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キリスト教がどうというよりかは、
宗教を信仰することの認識をした気がする。
人がどのように拠り所を見つけて生き方を模索するのか、というか。そんなことを感じた。
小難しい宗教混じりのお話と思っていたが、読むと登場人物は少年少女、成長した若者あたりで、宗教観を通じて世の中の白黒つかないものに対して思考をする進行だった。言葉にできない蟠りやモヤモヤしたものをそのまま感情として言葉にされていたり、聖書や周囲の人間を喩えに考えを形成する感覚に、どこか懐かしさを感じた。
私は特段キリスト教に思い入れがあるわけではないが、幼稚園での教育がキリスト教だった。言葉や人はわかりやすい表面的な要素で、本質は主に