ブックライブの高評価レビュー

小説・文芸の高評価レビュー

  • PRIZEープライズー

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    主人公である作家が自分の作品や小説という存在に対して持つ一貫した愛情が本当に清々しかった。癖はあるけれど憎めない人とは、こういう人のことを言うのだろう。
    編集者として登場した千紘の気持ちは嫌というほどわかる。自分が尊敬する、人として崇拝に近い存在の「特別な存在」になること。それがどんなに気持ち良いか。そして、その特別な存在に認められていれば他は何でも良いと思ってしまうことが、いかに危ういか。
    居る世界や自分の役割を狭めれば、多くのことを見ないままでいられる。しかしその閉じた世界は、いつか自分自身を不健康にしてしまう。そんなことを考えさせられる作品だった。

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    2026年07月16日
  • 三千円の使いかた

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    お金を中心に、生きていたら多くの人が直面する問題をポップに扱った、6編からなる連作短編集。それでいて説教くささが全くなく、人間ドラマが面白いのでページをめくる手が止まらない。

    とにかくリアリティを突き詰めていて、登場人物の誰もが本当に近くにいそう。「同じような悩みを抱えている人も身近にいるんだな、その時自分ならなんて声をかけるだろう」と考えながら読んだ。面白い上にタメになり、誰かに勧めたくなる一冊。

    「節約」「貯金」「投資」。年齢を重ねると耳にする機会が増え、苦手意識を持つ人も多いと思う。でも「苦手」と言ってはいられない未来は確実にやってくる。とはいえ、お堅いビジネス書には手が伸びない……

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    2026年07月16日
  • キュレーターの殺人

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    三件の連続殺人。三人の犠牲者の側に残された“#BSC6”という文字列。今回はこの謎めいたメッセージの解読から物語が展開します。そして、捜査の進展により、ポーとブラッドショーは事件の裏側に潜む「キュレーター」なる巨悪の存在を認知することになり…

    刑事ワシントン・ポーシリーズ第三弾。もうね、このシリーズ、どハマりです。
    今回も終盤のどんでん返しが凄い。いくつものベールに包まれた真相がついに明らかになったとき、なんとも悲しい結末を迎えることに。なんだか今回はフリンが不憫すぎてならないぞ。。

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    2026年07月16日
  • 水車小屋のネネ【毎日文庫】

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    身勝手で理不尽な母親と母親の男から、逃げるように家を出る決心をする理沙。
    妹の律に「一緒に来る?」と声をかけ、
    18歳の理沙と8歳の律は家を出て ふたりで暮らし始める。
    見つけた仕事はお蕎麦屋さん。そこにはネネという名の大きな鳥がいて
    その世話もすることになった。
    お蕎麦屋さんでのふたりの暮らしがはじまり、
    心優しいお蕎麦屋さんの店主夫妻、律の学校の先生、
    律の友達、保護者さん、あとからやってくる元音大生、
    ひょんな事から知り合う中学生、
    理沙と律をとりまく人間たちがとても温かく寄り添ってくれている。
    ネネがみんなをつなげるキーパーソンになっているよう…。
    10年ごとに章が区切られているから、

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    2026年07月16日
  • 正妻 慶喜と美賀子(下)

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    幕末が舞台の読みものは色々とあるが、これは歴史書でもなく、やっぱり小説で….。
    とにかく期待通りでした!
    次の大河ドラマにして欲しいぐらい。

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    2026年07月16日
  • 井上ひさしの 子どもにつたえる日本国憲法

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    知之介さんのレビューで知った本。
    子どものためではなく、自分のために読みました。
    法学部出身なので学生時代に学んだ憲法ですが、憲法について考える私も、そして日本も当時と比べるとかなり変化しました。

    どなたか国会議員の方にこの本を国会で音読してほしい。
    政治家のみならず、全国民にそれを聞いてほしい。
    政治的な発信はほとんどしない私ですが、頭の中で常に考えてはいます。他人事としてぼんやりしていると取り返しのつかないことになってしまうと恐れています。

    日本国憲法は民定憲法であることに触れ、「民定憲法は、国民から政府への命令書ですから、国や政府の好き勝手は許されません」とありました。
    なのになぜ、

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    2026年07月16日
  • こころ
    小説・文芸
    4.3
    (32)

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    さすがとしか言いようがない。
    読みやすく、心理描写が深く、惹きつけられる。
    特に「先生と遺書」のK登場からの後半は、ぐいぐい引っ張られ、先が気になってしかたなかった。

    何十年も前に一度読んだことがあったから、読み進めていくうちに結末を思い出しはしたけど、その時よりもさらに素晴らしさが理解できた。

    これは再読の価値ありです。

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    2026年07月16日
  • サーカスの夜に(新潮文庫)

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    小川糸さんの「サーカスの夜に」を読み終えました。

    「少年」は全力で自分の力で自分の生きる場所を本当に生きる道を見つけることができた。
    それは道なき道を切り拓く「少年」の力強さとその粘り強さがあってこそだが、レインボーサーカスで共に生きる団員たちの厳しくも温かな愛情が「少年」の心を育み続けてくれたのではないかと思う。

    「少年」も含めてレインボーサーカスの人々は
    本当にレインボーサーカスを心から愛している。

    その気持ちがとてもキラキラとしていて
    本を読み終えてた今も
    「レインボーサーカスから離れたくない。
    もう少し見守っていたい」という気持ちで
    いっぱいになりました。

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    2026年07月16日
  • ブティック

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    2年ぶりの最新長編。四季に合わせて新刊4作を連続刊行する「池井戸潤プロジェクト2026」の第一弾。

    タイトルを見て、

    「池井戸さん、今度は洋服屋の話か〜」

    と思ったのだが、舞台はアパレル業界ではなかった。

    ブティックはブティックでも、M&Aブティックのこと。

    M&Aブティックとは、少人数の専門家がM&Aアドバイザリー業務に特化し、売り手または買い手のいずれか一方の立場で、企業価値評価や相手先の探索、条件交渉、契約締結までを伴走支援するプロフェッショナルファームのことだそうだ。

    池井戸さん自身も「多分、みんな間違えるだろう」と考え、あえて仮タイトルのまま『ブテ

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    2026年07月16日
  • 探偵小石は恋しない

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    ネタバレ

    積読がたくさんあったので、途中までは「あー、はやく次の本読みたい、はやくこれ読み終わりたい」って思いながら読んでたけど、終盤も終盤で4回ほど目をひん剥いた。終いには読み終えてから布団の上で大暴れをした。これはもう、どんでん返しの神様。本当に本当に、ほんとーーーーうに、おもしろすぎる……。全てが繋がった時の、え、ちょ、待てよ、が楽しすぎて記憶を消す方法を調べた。そんなものはなかったので、まだ読んでない人が羨ましいと悔しさでまた布団を叩いた。どんでん返しがあることすら伏せた方がより味わえると思うのでネタバレ設定しておきます。

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    2026年07月16日
  • あの冬の流星

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    余命半年の10歳の子どもを取り巻くお話。当然家族の数だけお見送りの仕方はあるだろうからコレが正解という話ではないんでしょうが、僕が生きてきた意味はあるの?という問いに対して、模索し苦しみながらも答えを導き出して、子どもも納得して・・・
    家族がぶつかりながらも、様々なアドバイスから必死に答えを見つけ出そうという奮闘ぶりは感涙もの。通勤時に読まないほうがいいかもです。

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    2026年07月16日
  • ハウスメイド

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    ネタバレ

    ​まるでテンポの良い海外ドラマを観ているかのような映像喚起力と、翻訳物でありながら驚くほどスラスラと頭に入ってくる圧倒的な読みやすさです。序盤から意味深な謎が次々と提示されるため、ページをめくる手が止まらなくなる高い没入感があります。
    歯を抜いて死亡するという特異な現場状況が、都合よく「事故」として処理されてしまう警察の甘い対応(関係者の父親が担当しているとはいえ)には、ミステリとしての緻密さよりも勢いを優先したご都合主義的な印象を受けます。
    ​しかし、そうした展開の粗さを補って余りあるほどのエンターテインメント性が本作にはあります。理屈やリアリティを追求するよりも、ジェットコースターのような

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    2026年07月16日
  • 勿忘草の咲く町で 安曇野診療記

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    医療は進歩してる。そのおかげで長く生きられるようになった。助かる命も増えた。でも地方では病院が限られ、人も、施す医療も不足している問題がある。その限られ病院にたくさんの高齢者が入院する。高齢化が進み、助けるではなくどう看取るか、限られた医療を全員に施すことができない中どう割り振るか。「人が生きるというのはどういうことなのか。歩けることが大事なのか、寝たきりでも会話さえできれば満足なのか、会話もできなくても心臓さえ動いていれば良いのか。こういった問いに、正解があるわけではない。」高齢化社会で直面している問題。実際に現実に起きているであろう問題。小説だけれど考えさせられることがたくさんあった。テー

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    2026年07月16日
  • 蒲公英草紙 常野物語

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    「光の帝国」の続編である常野物語
    今回は20世紀初め、東北の農村でのお話
    旧家、槙村家でのお話。
    末娘と、その話し相手の峯子、
    物語は峯子の日記として進む。

    代々槙村家には言い伝えがある。
    「常野」の人が来たならおもてなしをしなければいけないと。
    その夏やってきた親子は「常野」の人
    他にも槙村家にはさまざまな人々が滞在していた。そしてその夏は、忘れられない夏だった。

    穏やかな日々を暮らす峯子たちに、押し寄せる
    何か。そしてみんな成長していく。
    成長、青春、感動の物語。
    早く続きを読まなくてはならない!



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    2026年07月16日
  • 星を編む

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    文庫化まで我慢してやっと読めた!
    嬉しい!!

    そしてやっぱり大好きな話。
    北原先生と明日見さんの過去は驚き
    北原先生は優しい、菩薩。だけど子供時代を考えると優しくすることしかできないというか、それで自分を守っているというか、、
    暁美のことは本当に愛しているよね

    常識とか正しさに囚われがちだけど、全てが正しさだけじゃないし、過去のこともすべてひっくるめて受け止められるようになりたいと思える本だったな
    他人の目はクソ喰らえです
    自分の人生の責任は自分しか取れない!心に瞳子さんを!

    最高‼️

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    2026年07月16日
  • 女王さまの休日 マカン・マラン ボヤージュ

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    マカン・マランこの世界にまた浸る機会があるとは。夢のような素敵な時間でした。まだ行ったことはないけどとても気になっていた台湾の魅力がぎっしりと詰まって、台湾珈琲も是非のんでみたいなぉと。ひしひし。
    ジャダさんや、さくらさん、今回ゲストのアンジーなどなど登場人物が生き生きとして10年越しの作品を追いかけてきた醍醐味を味わった。柳田先生もわすれちゃいけないね(笑)

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    2026年07月16日
  • 噛みあわない会話と、ある過去について

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    ゾクゾクしました。面白かった。
    物事は主観であり、過去の記憶はかなり曲解されているんだなぁ、、、きをつけよう、、と思った。
    ページをめくる手が止まらなかった!

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    2026年07月16日
  • 光の帝国 常野物語

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    「常野」の人々の連作短編集
    不思議な力がある一族は、穏やかで知的で
    権力の志向を持たず、普通の人々の中に
    埋もれて生きている。
    春田家の人々は膨大な書物を暗記する。
    美弥子には未来が見える
    拝島家は何かを裏返す
    川添律は音楽に秀でている
    ツル先生は長生きで足が速い
    かつての教え子たちの悲しみを乗り越えて
    ここまで生きてきたツル先生はまた何かを思う

    不思議な不思議な物語
    実は近くにも常野の人がいるのかもしれない
    密かに生きながらこの世を憂いているかもしれない。

    常野物語はまだ続く


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    2026年07月16日
  • 最後の一色 下

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    ううぅ~。なんか悲しいな。和解寸前のところで、時は戦国、そう言う仕儀となるか・・・。

    ちょうど、今の大河ドラマ『豊臣兄弟!』でも、この付近の時代(本能寺の変の辺り)を描いていて、タイミングドンピシャです。狙ったわけじゃ無いんですけどね。でも、都の外では、こんなことが起きていたのかとは思いますよ。

    ってかさ、長岡(細川)藤孝の姿・声がさ、眞島秀和で頭の中で再生されて仕方ないのよね。6年も前の『麒麟がくる』なんだけどね。

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    2026年07月16日
  • 塩狩峠
    小説・文芸
    4.3
    (32)

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    キリスト教がどうというよりかは、
    宗教を信仰することの認識をした気がする。
    人がどのように拠り所を見つけて生き方を模索するのか、というか。そんなことを感じた。

    小難しい宗教混じりのお話と思っていたが、読むと登場人物は少年少女、成長した若者あたりで、宗教観を通じて世の中の白黒つかないものに対して思考をする進行だった。言葉にできない蟠りやモヤモヤしたものをそのまま感情として言葉にされていたり、聖書や周囲の人間を喩えに考えを形成する感覚に、どこか懐かしさを感じた。

    私は特段キリスト教に思い入れがあるわけではないが、幼稚園での教育がキリスト教だった。言葉や人はわかりやすい表面的な要素で、本質は主に

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    2026年07月16日