小説・文芸の高評価レビュー
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9/23の東京ドームLIVEを前にアーティストの予習勉強を兼ねて買った一冊。ドキュメンタリー映画「現在地」も見た後で、大まかなSUPER BEAVERの変遷は知っていたが、渋谷さんの一貫した『人を大切にする』『あなたたちでなくあなた』精神とその言動が詰まっていて、渋谷さんならではの言い回しや面白さボケもありながら読みやすく、決して俺らに陶酔することないあくまで地道をやってきて今も変わらないし俺たちでなく貴方のためにを主としている考えが滲み出た一冊だった。
その後のライブは車の話に共感して笑ったりしながら、ただただ胸打たれて背中押されるLIVEだった。 -
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「犯罪者」に続く、相馬・修司・鑓水のトリオが活躍するシリーズの2作品目。
「子供がいなくなったんです」
興信所の所長となった鑓水の元に舞い込んだ依頼は、23年前に行方不明となった息子を見つけてほしい、というものだった。
鑓水は調査員として雇う修司と共に、事件の調査を始める。
一方刑事の相馬は、行方不明の少女に関する捜査にあたっていた。
少女が姿を消した現場を訪れると、そこで「ある印」を見つける。
見覚えのあるその印は23年前の夏、短い時間を一緒に過ごした友人、尚が姿を消した場所に残されたものと同じであることに気づく。
冒頭からなぜ?と、一気に物語への興味を惹かれる導入だ。
そして、少しずつ事件について明らかになりながらも新たな驚きや謎が生まれて、さらに深く、スピードを増して話に引き込まれていく。
前作は上下2冊に分かれているが、本作は1冊にまとまっていて、テンポもより速く感じられた。
そういったエンターテイメント性を保った上で、物語の一番の核は「司法」 に対する問題提起であるというところが、前作同様にとても魅力的だ。
どんな展開になるのだろうとぐいぐい引きこまれると同時に、この事件の中心となる登場人物たちに対して胸の苦しさも増していく、複雑な読書体験であった。
2作品を読んで、このシリーズは「組織」という巨大なものに対して様々なやり方で抗おうとする者たちの闘いの物語なんだと感じられた。
だからこそ、こんなにも胸に迫る作品なのかもしれない。
シリーズ3作品目も、心して臨みたい。 -
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就活生の話なので身近な読みやすい物語。
タイトルが表す通りなんだか裏がありそうな登場人物たちなのだけれど、一見すると普通の優秀な人たちって感じ。会話も情景も自然でリアリティがある。にもかかわらず次々と驚きの展開があり終始ワクワクしつつもそこまで不自然な演出はなく、引き込まれる物語でした。前半の160ページで物語が完結してもおかしくないくらいミステリーとして完成度が高くて、叙述トリック本で読者をミスリードする構成ではあるのですが、読者も登場人物と一緒にミスリードされるので、置いてきぼり感がないため決して嫌な感じはせず、むしろ楽しめました。
中だるみさせるような冗長部分は皆無で常に緊張と驚きに支配される。徐々に犯人が絞られていく、でも実は違う。その繰り返し。真相が知りたくてページをめくる手が止まらない。
人の印象はまさに文中に語られる月の表裏の話のようです。いつも僕らが見ている美しく照らされた表面、ボコボコして不細工な普段誰も見ることのない裏面。どこか一部分だけをとって全体を評価することはできないのは人間も同じで、良い面もあれば悪い面もある。それなのに、一部が明かされればこの人はこういう人と決めつける。
SNSの一部分だけ見て人を判断する。一度の失敗でその人全体を評価する。一つの噂で人格を決めつける。僕たちはそんなことを無意識にやっています。その方が楽だから。
でもそんな風にして評価して、その人の奥に潜む大事な善意を見逃したり、逆に悪意に気づかずにハメられたり。そういうリスクがあるということを体験させられました。良い意味で騙されつつ、最後は少しホロリとさせられる作品でした。 -
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面白かった!けど胃がキリキリした!
特に「Position Talk」!結婚が近い恋人にあんな詰められ方したらそりゃあね…って感じ。すごい不快だったけど、不快になったこととこの小説の価値は別のものなので問題無し。
「Thank you〜」ではやっぱり同性カップルの心の声もそうだけど、周りの人の声がすごくリアルだった。完全に主人公と気持ちが同化していた。お母さんにぶった斬られて、「は?」ってなるけど、そのあとこんこんと聞かされるお話に「確かに…すみません…」みたいな気分にさせられた。ここら辺は作者の元々の領域だからなのか、解像度が高いよなあって感じた。
「小鳥たち」が唯一安心して読めました。ああいう本屋いいですよね。 -
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これはたぶん、生まれ変わりの物語。ただし直線上で続いていく世界の。
心内文がとにかく分厚い、1部がもう壮絶、鬱屈な逡巡です。比較的短いはずなのにページを容易に進めることができないほど、悩み抜かれた言葉たちが全力で迎えてきた。けど良い。
じゃあ2部は?というと、1部ほどの重量感を感じないのにやっぱり進まない。簡単に進んじゃいけない感じ伝わってきた。ノスタルジーもあるし、やっぱり良いです。
読む体力がない時には絶対に読めない、けど読んでどう感じたかを聞かせてほしい。って感じる作品でした。
新作の広告や誰かの解説も入っておらず、ただ純粋な物語で全652ページの大作です。
初めて線を引きたい衝動に駆られました。
楽しかったです。 -
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ネタバレ言葉にならない今年ベストかもしれない。
関係性ものが好みな人間なので、『空と窒息』が死ぬほど癖に刺さってやばかった……。他のも全部いいけど『生き残り』もヤバすぎます。ヤバいしか言ってない!言語化!!!
市井ちゃんが篠くんに最後に殴られたのいつって訊いてみてというところがすごく印象的でそこからの二人の会話と二人がこのまま一緒にいることはないことがつらかった。篠くんが市井ちゃんとのことを完全に思い出にできたとき篠くんは幸せになれるし市井ちゃんはたぶんきっと一生篠くんを忘れられない。この!男女の!相思相愛が人生かけても交わらないこの先の未来を思うと脳が沸騰しそうになります。ありきたり?な展開と設定かもしれないけどこういうのが大好きなんだよ!!!!!!!!二人がどこかでいっしょに幸せになってほしーーー涙涙涙 それぞれの家庭環境に思うところはあるんだけど、篠くんに何がなんでも安心して眠れる環境がありますようにと願ってしまう。
『空と窒息』のクソデカ感情が生まれる前の関係性には少し首絞めは重すぎるけど、重いが故に徐々に二人の間の湿度が高くなっていくのが良い。じりじりと汗が滲みながらどこか共犯めいてくるの読んでてぞくぞくした。可宮と香野ってこれからどうにかなるかもしれないし、全くならないかもしれないのがとてもよくひと夏の思い出にするにはあまりに罪深いものを背負って背負わせた関係性、一生味する。普通に付き合って欲しい。(おーい)
『宵闇の山』ももう解放してあげたい気持ちとまだ受け入れられない気持ちがお互いを縛ってるし、男男も女女も男女も全て良い!!!!!!深沢仁先生の本をもっと読みたい!!! -
Posted by ブクログ
ネタバレ発売前の評判から期待していましたが、それを凌駕する凄まじい作品でした。発売日の金曜日、閉店間際の本屋に駆け込んでゲットし、土日の2日間、夢中で一気読みしてしまいました。
本作は単なるミステリの枠には全くとどまりません。無責任で軽薄な噂により、誰もが無自覚な加害者になり得るという恐怖――これはフィクションでありながら、まさに今私たちの現実世界で起きていることであり、決して他人事とは思えない切実さを感じます。
読中、頭をよぎったのは2019年に山梨県で起きた女児行方不明事件です。我が子を失うという想像を絶する悲しみの中にあるご家族に対し、SNS上では「家族が怪しい」「お金目的では」といった無責任な誹謗中傷や、捜索ボランティアとの摩擦など、耐え難い心労がさらに追い打ちをかけ、のちに訴訟問題にまで発展しました。本作の執筆時期と重なるように、現実でこのようなことが起きているという事実があり、本当に恐ろしくて鳥肌が止まりませんでした。
読み進めるうちに、作家という「言葉を扱う職業」としての責任の重さを、著者自身から静かに、しかし強く問いかけられているような感覚になります。SNS全盛期の現代において、私たちが発する一言の重さを改めて考えさせられる、全人類が読むべき傑作だと思います。
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