小説・文芸の高評価レビュー
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直木賞受賞、朝倉かすみさんの本。受賞作ではなく、少し前の本を読んでみた。朝倉さんの本では「田村はまだか」という、こちらもやはり高校の同級生の交流を描いた本が面白かったが、今回も同様にとても良かった。昔好きだった人との再会を経て良い仲になるのはよくある話だが、この本では二人は離婚歴があり家庭を崩壊させた経験がある。両親の不倫や離婚、親の介護、自分自身の病気とも向き合いながら、なんとかその日を生きている。高校時代のキラキラした、瑞々しい時代がまるで幻のよう。そんな50代の心のひだの奥まで、もっというと、そのひだに溜まった垢のようなパサパサしたつまらない感情みたいなものがこれでもかと描かれている。そ
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ネタバレ上下巻どちらも引き込まれて、冗長と感じる要素が無い数少ない傑作。映画は観なくとも、映像美が脳裏に映し出されるのは、仔細な表現だからこそ。歌舞伎や歴史に疎い自分にも分かりやすく、ストーリーと演目が重なる仕立てであるが故、感情移入もし易く、より深く知りたい、観たいとさせる。単なる血筋を呪うような安い話しではなく、人が業を極めるとは如何な事か、そしてそれを一観客として求めると言う事の残酷さと儚さ。役者が何故突然死してしまうのか、ブラウン管を通して観ていた私としては勿体無い、何故?という感情しかなかったが、この作品を読み、完璧では無いが、自分で幕引きをするタイミングが決まったのかということを少しだけ理
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秋はそう、「四季」の深まり
四季シリーズも3作品目となり、いよいよ少しずつ出されてきた伏線や繋がりが一気に回収されていき秋らしく実りのある、深まりのある一冊になっていた。
犀川先生と西之園さんの関係性もS &Mシリーズから少しずつ前に進んできたものが一層深まりを見せ、将来に向かってのカタチを探し始めていた。その中で二人にある「四季」の影が、西之園さんの心と行動に揺さぶりをかけていく中で、犀川先生との関わり、そして紅子さんとの関わりにより、「自分らしさ」を見つめ直していく過程、「自分らしさ」を受け入れていく過程がとてもよかった。
四季さんの一面にもまた違った見え方が、「春」のような -
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シンガポールの地で、夏川草介氏の『スピノザの診察室』を読み終えた。
物語の舞台となる「京都の街の小さな病院」で繰り広げられる日常は、とても静かで、そしてどこか温かい。哲学者スピノザになぞらえられた主人公の医師・雄町(おまち)の姿を通して、この本は「生きること」、そして「命を看取ること」の意味を優しく手解きしてくれた。
かつて大学病院で将来を嘱望される優秀な内視鏡医だった雄町は、妹の死をきっかけに幼い甥を引き取り、大学を辞めて地域医療の現場へと身を投じる。なぜ彼は、第一線のキャリアを捨ててまでこの場所へ来たのか。それは、単に病気という「器官の異常」を治すこと以上に、「患者という一人の人間の人
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