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1996年、横浜市内で塾経営者が殺害された。 事件発生から2年、被疑者である元教え子の足取りは今もつかめていない――。 殺人犯を匿う女、窓際に追いやられながら捜査を続ける刑事、そして、父親から虐待を受けている少年。 それぞれの守りたいものが絡み合い、事態は思いもよらぬ展開を迎える。 日本推理作家協会賞受賞作。(解説)山田詠美
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「夜の道標 -ある容疑者を巡る記録-」
2025年9月14日~ WOWOWプライム 出演:吉岡秀隆、野田洋次郎、瀧内公美
※アプリの閲覧環境は最新バージョンのものです。
Posted by ブクログ
登場人物の視点がころころ変わる。 この人たちはどう繋がっていくのか、気になるところから始まり、徐々に「阿久津」の殺害動機は何なのか?好奇心でついつい読み進めたくなってしまった。個人的にはとても面白かった。 罪人は全てが悪なのか?解説にもあった通り、善悪ではなんとも言い難い背景があることに気付かされ...続きを読むた。 すごく読みやすくて、考えさせられる内容だった。自分が阿久津だったら。桜介だったら。波留だったら。豊子だったら。 多分、同じことをするかもしれない。
『夜の道標』は、間違いなく傑作だった。 特筆すべきは、登場人物それぞれの緻密な心の動きだ。あまりに感情移入してしまい、気がつけば「犯人がこのまま逃げおおせてほしい」と願っている自分がいた。 彼女の文体には独特の癖がある。読み進めるうちは「何のことだ?」と戸惑う描写も多いが、後から周到な説明が...続きを読む入ることで、霧が晴れるようにすべてが繋がっていく。その構成の妙こそが、彼女の真骨頂と言えるだろう。 以前読んだ『悪いものが、来ませんように』は、正直言って読んでいて気持ちの良いものではなかったが、今作は素晴らしい。闇を描きながらも、読後に残る静かな震えは別格だ。
面白かった!遅ればせながら初めてこの著者の本を読んだ。丁寧な人物や心情の描写と流れるような物語の動きがすーっと入ってきて、深いところにいったい何があるのか気になって2日でイッキ読み。人の生殖を管理すること、罪人と悪人、親の愛、、登場人物たちそれぞれの揺れる想いや上辺からはなかなか見えない深層を丁寧に...続きを読む掬い取り、深く考えさせられる重いテーマの秀逸なミステリー。山田詠美さんの解説もさすが。他の作品も読んでみよう。
桜介お前って奴は! 「みんなやってる」をキーワードに 殺人事件、当たり屋など 何故そこに行き着いたのか? 犯人、女、父、母?そして僕ら!一見繋がない話が 少年の想いを紡ぐ様に… 「嘘と隣人」に繋がる平良正太郎の刑事時代のストーリー
普段古い本ばっか読んでいてミステリもそんなに読まないので、1年以内に文庫化された本を読むのは新鮮。どうかなと思っていたが、惹き込まれた。 ドタバタぐにゃっとしたオチが苦手なのだが、そうした印象は受けず、その後どうなるのか想像の余地を残す最後も良かった。
芦沢央さん『夜の道標』 ------------ 1. 背景、テーマ:1996年、「正しさ」が変容する過渡期の闇 物語の舞台は1996年から1998年。 それは現代のような「発達障害」という概念が定着する前夜です。「精薄(精神薄弱)」という言葉がまだ公然と使われ、旧優生保護法の影が色濃く残る時代...続きを読むです。 法律や社会が掲げる「支援」や「善意」が、実は当事者を深く傷つけ、否定するものであったとしたら? 本作は、「良かれと思ってなされたことが、人を死に追いやる」という救いのない逆説をテーマに、時代が生んだ悲劇を浮き彫りにします。 ------------ 2. 物語の中心人物:交錯する「持たざる者」たち • 阿久津 弦(あくつ げん): 恩師である塾講師を殺害したとされる容疑者。軽度の知的障害があり、言葉を字面通りにしか受け取れない危うさを持つ。 • 橋本 波留(はしもと はる): 父親から虐待を受け、公道を走る車にぶつかる「当たり屋」を強要されている小学生。 • 戸川 勝弘: 被害者の塾講師。障害児教育に熱心で「聖人」と慕われていた男。彼こそが阿久津にとっての唯一の道標でした。 ------------ 3. 動きだすシナリオ:半地下の窓が開くとき 戸川が殺害されてから2年が経過します。 阿久津は同級生の豊子の家に潜伏し、息を潜めて生きていました。 一方、飢えと暴力に晒される波留は、偶然見つけた阿久津の潜伏先の小窓から、彼と接触します。 「殺人犯」と「虐待される子供」。 社会から存在を否定され、公助からも見捨てられた二人が、暗闇の中で手を取り合う皮肉な救済の物語です。 阿久津が波留の願いを叶えるために外の世界へ踏み出そうと決意したとき、止まっていた2年前の事件の真相と、警察の捜査が激しく動き出します。 ------------ 4. 読み終えて:真の「道標」を誰が示せるのか 読み終えて突きつけられるのは、「子供に罪はない」という言葉の重みと、それを守れなかった社会の罪です。 戸川先生が生徒の阿久津に与えていたのは「教育」ではなかったのです。 では、何を与えたのか? ここが、物語の核心となります。 私たちは、誰かを救おうとする自分の「正しさ」が、相手を追い詰めているかもしれません。 この小説は、下記の問いかけを投げ込んできます。 私たちは、世界を歩く誰かのために、壊れない道標を立てられているのか?? 本作は、その問いを一生消えない火傷のように、ジリジリと心に残す作品でした。
最初はよくある小説、ちょっと前の物、自分の学生時代の話だなーとしか思わなかったぎ読み進めるうちに少し前に新聞で見た時事ネタを扱ったものだと気づき、改めて法に翻弄された人たちがいたこと、自分には遠い話と思っていた話が現実に感じられた 普段体験できないことが感じられるのがこういう小説の良いところだと改め...続きを読むて本を読むことの大切さに気付かされた
少年のモノローグから始まるんで、てっきり青春の闇系かと思ったら壮大な闇だったなぁ。 少年の友情と毒親貧困問題、塾長殺人事件と指名手配犯、それを追う2人の刑事が入り乱れる。 今でこそ指名手配男の言動の不自然さに気づくけど、物語の時代設定上では理解されにくかったかもしれない。 時代のせいだと片付けるに...続きを読むは、あまりにも苦しい話しだった。 さて、ではどうすれば良かったのか。 彼らの問題は誰にも解決できない、21世紀の現在でも答えは見いだせていない。 頭で理解していても解決に至らない。 少年達がどうなったのか、犯人は捕らえられたが、その後の審判や刑事のその後は一切語られない。 語りようもないのだ。バッドエンドにしても、ハッピーエンドにしても、この物語には大して意味はない。 著者は登場人物同様に、読者に問題を突きつける。 「だって皆さんやってらっしゃるから」と語る手配犯の母の言葉が苦しい。 多勢がやる事が是となる危うさは世界中に蔓延している。個人の判断が、時に「ワガママ」だと切り捨てられる事さえある。 どうすりゃいいのさ、まったく。 考え続ける、それしかない。
この作者さんの作品で初めて良いと思った作品。重いテーマを題材にしつつも、軽く読み進めさせてくれる筆力に驚かされた。苦しい苦しい話だが、最後へ向かって救いのあるストーリー展開にホッとさせられた。 何だか少し東野圭吾っぽさがあったな。
第76回日本推理作家協会賞受賞作とのこと 塾経営者が殺され犯人は逃走し二年たっても行方不明 各章4人の視点で描かれながら物語はすすむ 序盤はなんの接点もない4人なのでそれぞれの物語が それぞれに展開していきちょっと退屈感も ありましたがでもやはり交わりだすのでした 実際に今回のような人っているわけで...続きを読む接し方は 難しそうな感じもしましたし 当時のやりかたはどうなのかと、もちろん理解できる 部分もあるんですが・・・ 物語としては楽しめましたです
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芦沢央
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