あらすじ
静かな海辺の街で暮らす和佐泉は、日課の海岸散歩中に出会った男の風貌に思わず息を飲む。海難事故に遭い、2年間目を覚まさない弟の靖野にそっくりだったからだ。長期休暇でしばらく滞在していると言うその男、宗清の人懐っこさや率直な好意に反発しながらも惹かれていく泉。しかし、泉には宗清の想いを受け入れられないある理由があった……。心が浄化される感動系BL。書き下ろし「Dear my her」を含む短篇3本も収録。
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Posted by ブクログ
よい…!!!!
どピンク!よりも透明感のあるBL(長野まゆみ、三浦しをんあたり)を読みたくて調べていたところ一穂ミチさんのこの作品をオススメしてる方を見かけて購入。
一穂ミチさんってあの…!?BL書いてたの!?となりましたが?BL出身作家って結構いるもんだなぁ。
それぞれのキャラクターの背景が細い絹糸のように絡み合っていて辿って結末に行くのがエモい。
登場人物がまたいい人ばかりで、そこのストレスもなく、つらすぎる話で感動を誘う感じでもなく静かな気持ちで(でも時々うわぁぁあ!!とジタバタしつつ)読めた。
以下ネタバレ
惹かれ合った女たちの息子らがそうと知らずに無意識に互いに惹かれ合っているの、いい…。遺伝なのかな。弟が兄に惹かれたのもそうだもんな。
叶くんが弟寝てる間に横取りした感(新しいタイプの寝取られ笑)あって少し複雑だったけど、弟の告白を2年かけたことで『なかったこと』にできたことを考えると弟としてもデメリットばかりじゃなかったのかなと。いや…でもやっぱり悔しいだろーなー弟だけど弟じゃないし、男でもいいのかよとなると。
もう3人で幸せになってくれてもいいんだよ?笑
プールのシーンがとんでもなく耽美…というかなに、えろ…いや、素敵だった。
同性愛ものでありきたりなキュンキュンシーンじゃないシーンやセリフが多くてすごい作家さんだなぁと。
しかし叶くん…たまらないな…
可愛すぎる…惚れちゃうだろ…
他の一穂ミチBL作品も読んでみたい。
あとこういう一般表紙、一般書籍のBLでオススメがあったら教えていただきたい(ここで書いたところでだが)
Posted by ブクログ
全体的に「青」を感じるものが散りばめられていて綺麗だった。それは青空だったり、青い海だったり、名前に青という文字が入っていたり、ひと夏の青春のような時間だったり。青に対するこだわりを感じた。
内容自体は少し重めで、植物状態の方がいる家族やLGBTQに関わること。
それでも、宗清と泉のふたりが触れ合うシーンでは少女漫画のようなトキメキを感じ、前半で集めた点が後半で線になって繋がった時にはびっくりした。私の中ではとても満足度の高い1冊だった。
Posted by ブクログ
同性愛がテーマのお話。
寛容になった時代…といえばそうなのかなぁ
でもみんながそれを受け入れてくれる訳じゃないし…
そのまま異性と結婚する人も多そう
本の感想とは違うけれどネッ友さんが恋愛の事で凄く悩んでいたのを思い出すなぁ
ネッ友さんは自分の性別ははっきりとは決められないけれど男性が好き。恋人の男性はネッ友さんの女性らしい容姿が好きみたいで当人は凄く葛藤していた。
ちょうど話をしている時、乾燥剤を食べて自死しようとしていたらしく話を聞いたら恋人に浮気をされていたみたいで…
それでも別れることはできないようだった。「僕を理解してくれるのは彼氏だけなんだ。僕を好きでいてくれるのは彼だけだ」って言って。
私は女性だと自認しているからネッ友さんの気持ちに完全に寄り添うことはできないけれど悲しみ苦しみを友達として受け止めたいと思った。
私の場合は同性を好きになった時がつらかったなぁ
友達の多い人だったから余計に…笑
でも「好き」なんて言葉はどう思われるか怖くて言えなかったし場違いな感じもした。
田舎で身近に同性と恋愛している人はいないし…本当に難しいよね同性との恋って。
Posted by ブクログ
人が恋に落ちる瞬間、あるいは自分の半分を割って明け渡す瞬間にうまれる感情の発露が美しい。帯にBLとあるし、異性愛と同性愛に言及する部分もあるけれど、そういうことはこのお話においてそう重要なことではないと思う。いとしいとしという心、と書いて戀いとよむ。といわれるように、愛しいという想いが双方に芽生え、それらが互いを見つめ合った時に、泣きたくなるような気持ちをおぼえた。宗清のまっすぐな愛と、泉の愛に溢れた人だからこそ慎重になる愛が、手と手を取り合ってくれてうれしい。ふたりだけでなく、この物語にはたくさんの種類の愛がふくまれている。向き合うことで進化する愛や、片道であり続けることで意味をなす愛。読んでいるうちにじんわりと心がゆるんでいくようなやさしいやさしいお話でした。
Posted by ブクログ
全く粗筋も知らずに購入。BLだ。初めての世界。生々しい表現が少しの抵抗感を覚えたが受け入れられた。もっと自分の歳に近い設定ならもっと入り込めたかも。と自覚する。
でも単純な恋愛物でもなかった。家族の、命のストーリー。そんなつながりはあるのか無理じゃないかと思えたがそんなことなかった。
絶対にないと思っていた展開になり、陳腐になるかなと思ったけどそんなことない。その後のアフターストーリーに繋がるとやはり良かったよ。
倍罪深くて、百倍幸せ
生物的な意味で繋がっていたものを止めてしまう。それでもそれ以上に幸せを感じれる。いい生き方なんだろうな。誰にも否定出来ないよ。
Posted by ブクログ
みんみんさんがおすすめくださり、即ポチした作品。
一穂ミチさんなんですよ。
耳馴染みありますよね。
一穂ミチさん、BLをお書きになるとは!
みんみんさん、おびのりさん、yukimisakeさんに感化され、最近だいぶ普通にBLを読める自分がいます( ̄▽ ̄)
耐性ついてきたのか!?
この物語は、
海辺の街で暮らしていた泉が、海岸を散歩(ゴミ拾い)している時に宗清に出会うところから始まる。
宗清は、泉の弟、靖野に似ていた。
泉の弟の靖野は、海の事故で2年間意識のない状態が続いていた。泉は弟の介護をする為に、在宅勤務という形で弟に寄り添っていた。
靖野に似ている男、宗清は長期休暇を取得して暫くこちらへ滞在していた。
人当たりがよく、話しやすい宗清に時間をかけて惹かれていく泉。。。
似ている?
何かあるよね?
あるよねーーー???
って読み進めてみましたが、まぁ私の想像を超えてきましたよ。
びっくりしました!
え!そういう!?
そっちがそっち!?
前半戦、あんまり宗清に私自身が惹かれず、キュンキュン全然出来なかったのですが、後半戦ですよね。
後半戦からじわじわきますよ!
うっそーーーん!?
えぇーーーー!?
そっちーーー!?
そして靖野と泉の秘密、それから、宗清の秘密、秘密がダダ漏れになってきたあたりからが全力疾走です!
秘密だらけやんっ!
あんまり好きでなかった宗清も、後半戦はちょっと好きになってきました(๑˃̵ᴗ˂̵)
相変わらず私はどうもエロ描写が苦手すぎて、どうでしょうか?10ページくらいありましたか?
申し訳ないのですが、飛ばさせて頂きましたm(_ _)m
この作品、ずっとプラトニックでいきそうだったんです。
ずっとプラトニックだったんです!
でもきっと、サービス描写が必要なんでしょうね?誰にとってのサービスか知りませんが、私には不必要でした(笑)
もっと心の中をぐいぐい書いて欲しいです!
いや、しかし、さすが一穂さんですね!
これも映像で見たいなぁと思ってしまいました。いいドラマになりそう!(*´∇`*)
Posted by ブクログ
一穂ミチさんの恋愛小説です。
主人公の泉は、2年間意識が回復しない弟の付き添いのため、仕事やプライベートを犠牲にし、狭い世界の中に引きこもっていました。そんな中、弟に似た宗清という男性と知り合い、関係性を深めていくことで泉が色々な事と向き合うようになります。泉は異性愛者でしたが、宗清の人あたりの良い気軽さや時折見せる誠実さに惹かれていきます。性別関係なく、人に惹かれるということはこういうことだよなぁと感じさせる表現が絶妙でした。弟はなぜ海に飛び込んだのか?宗清の正体は?とミステリー要素も含まれており、とても面白かったです。『恋とか愛とか〜』もそうでしたが、一穂さんの文章が良過ぎ!もう好きしか思い浮かばない、そんな作品でした。
Posted by ブクログ
血の繋がりはなくても深い絆で結ばれてる人達の話だなぁって思いました。普段BLは読まないけどめちゃくちゃよかったしときめいた…切ないシーンもたくさんあるけど読後感よかった!!
Posted by ブクログ
海難事故に遭い2年間目を覚さない靖野(しずの)。
弟・靖野の事故を機に実家に戻り在宅勤務しつつ弟の目覚めを待つ泉。
泉、靖野兄弟の住む街に現れた靖野にそっくりな宗清。
靖野の抱えていたものと、泉の後悔と、宗清のとある事情と、ある人の秘密。
書誌情報には《感動系のBL》ってあって確かに男性同士の恋愛小説だけど、繊細な心理描写とか色々素晴らしいので恋愛小説として楽しめました。BL好きの方も、恋愛小説好きな方も、一穂ミチさん好きな方も楽しめると思います。
Posted by ブクログ
すごく良かった。雑に一言で説明するなら「BLの話」ということになるんだろうけど、BLとかLGBTQといった概念、枠組を超越して、「人が人を想うことの神秘」みたいなものを感じさせられる感動作だった。結局のところ、誰かが誰かを大切に想う時、その一番の理由は、性別や血の繋がりではなく「その人がその人だから」ということなんだろうなー。自分が経てきた人生や経験により自分にとっての心地よさというものが各々にあり、それがピタッとハマる相手に出会えて、かつその相手も自分をそのように思ってくれているなら、それそのこと自体が尊い、みたいな。一穂ミチさんの作品は何冊か読んでいて結構好きなので、これもと思って手に取りつつ、LGBTQがらみの作品ってそんなに好きじゃないからなーと思いつつ読んでいたのだけど、とんだ誤解であった。
文庫本化に伴って書き下ろされた同録短編も非常によくて、良い読書になりました。
Posted by ブクログ
「ツミデミック」で一穂さんが直木賞を受賞
あまり表に出てこなかった一穂さんが
サイン会開いたり、サイン本作ったり
こちらまで嬉しくなります
2015年フルール文庫刊行
2023年角川再文庫化 +ショートストーリー3編
「ツミデミック」はもちろん素敵な作品なんですけど 私は一穂さんの一般文芸系より
こちら系の方がより上手い、ストーリーの幅が広いと思うんですよ
選者さん達の中にも もしかしたらそう思う人もいたかもしれない……
静かな海辺の街で暮らす泉は、海岸散歩が日課
ある朝、出会った男の風貌に思わず息を飲む。
2年前、海難事故に遭ってから、目覚めない弟にそっくりだった
BLでなくても感動的に練られたストーリーなのに
そこに純な恋愛を入れてきてずるい
なぜ、弟とそっくりなのかというミステリと
なぜ、弟が着衣のまま溺れたかというミステリ
これは、角川さんですから、シマシマしてないし
内容もそれほどシマシマしてないので、
読みやすいし借りやすいし買いやすいと思います
Posted by ブクログ
母から子へ紡がれる縁
偶然か必然か
出会うべくして出会い
惹かれ合った泉と宗清
荒々しい愛の形、
徐々に自分の気持ちを素直に認めて相手に応えていく愛の形、
色んな愛の形があるんだと思い知らされる。
Posted by ブクログ
ちゃんど恋愛対象が同性であることをゲイと言ってくれるのは安心する。人間の機微というか矛盾してしまうことやままならなさを書くのがうまい
BL文芸出身でついに直木賞作家となった一穂さんにはレズビアンの恋愛小説も書いてほしい
Posted by ブクログ
海岸を歩きながらゴミを拾っていた泉は二年間目をさまさない弟に似た宗清に出会う。母を亡くして仕事を休み一人海辺のアパートを借りる宗清。二人は惹かれ合いながらも泉は自分の気持ちをうまくコントロールできないでいる。最後に絡み合った糸が解かれていく。
Posted by ブクログ
感動系BL。正にそれ。
恋愛感情の描写が深くて表紙の如く青のイメージ。
血よりも濃いもの。
不思議な血の濃さ。
どちらもわかるよ。
こうだったらいいな、という展開で良かった。何と言うか、憧れる。
Posted by ブクログ
一穂ミチさんの作品をはじめて読みました。
読み始めから読み終わりまで天才だなと感じたし、おそらく誰も描けないし、本気ですごいって思いました。
本当に深い話だったし、決して明るくはないけど夏のプールほどには透き通る温かい話だった。
夏に読んで欲しいですね、すっきりすると思います。
この小説は考えるより感じてほしい。
Posted by ブクログ
初読みの作家さん。もともとフルール文庫で出版していたものを角川文庫で再文庫化したものらしく、中身はがっつりBLなのでそれを踏まえたうえで読むことをおすすめする。ただ、繊細な情景描写、心理描写にうっとりしてしまうほどきれいな文章でなんら抵抗感なく読み進められる。
主人公の泉は海岸散歩中に、二年前から海難事故で目を覚まさない弟にそっくりの男、宗清に出会う。その出会いから宗清は泉に好意を抱きアプローチをかけるが、惹かれながらも泉にはある理由からどうしても彼を受け入れることができないという葛藤があった。二人の押し引きにもどかしさを感じつつ、そのもどかしさすらも楽しめる内容となっている。設定として都合よすぎだろ、と思う要素もあるが、あくまでフィクションであることを踏まえながら読むと気にせず物語を楽しめると思う。
また、再文庫にあたって作者による物語の後日談が何篇か読めるのが個人的に嬉しかった。
Posted by ブクログ
角川版は濡れ場が大きくカットされているらしいけど、それでもそんな場面はあって、エロ小説のような描写では無くとてもリアリティがあって、自分はヘテロだけど受け入れてしまうほどの筆力。でも男同士の恋愛は有りだと思うけど、現実的には自分が当事者になることは想像できない。だから貴重な擬似体験をさせてもらったと思う。
Posted by ブクログ
和佐泉(わさいずみ)には事故で植物人間になっている弟、靖野(しずの)がいる。泉が日課の海辺のごみ拾いをしていたら、靖野そっくりの叶宗清(かのうむねきよ)と出会った。似すぎていて声をかけたのがきっかけで二人は親しくなっていく。また、弟の事故以来心を閉ざしていた泉の心がひらかれていく。
フルール文庫(角川)から2015年に出版されていたものを加筆修正しブログ等に掲載していた短編や書下ろしなど、表題の本編に加え短編4つの構成。話の筋は結構おもしろかったけど、いかんせんBLなので(初読)なかなかドキドキしました。エロいシーンも萌えない。冷静にこうやってやるのか!と感心したりした。
かなりハードな描写もあるので高校以上かな。
Posted by ブクログ
ああ、好きだなぁ、て思った。
一穂さんの描くひとたちの繊細で迷いブレる部分がありながらもわがままで芯がある姿が、そしてそれを丸っとそのまま包み込むような物語がとても好き。
とても素敵な表現に、うあー好き!てなったくらい、文章も好きだな。ずっと、タイトルや舞台の通りに海の、青の中を漂っているような、そんな感覚だった。
Posted by ブクログ
多少ご都合主義、というか現実にはまぁないだろう、っていう設定が気にはなるが、メイン2人の感情の移ろい、やり取りには息苦しくなるほどの切実さを感じた。
人間やっぱ感情と頭で理解してることが相反したり、昨日はこう思ってたけど一晩経つと、とか、そういう移ろいの中で突飛な行動取るとか、ままあると思っており、そういった感情や行動の波、が描かれていて、私はそれを好ましいと思いました。
自分の中で、宗清が、好きな漫画でもある「スモークブルーの雨のち晴」という漫画のキャラになぜか脳内変換されたのだけど、それが漫画の雰囲気とこの作品の持つ雰囲気が自分の中でシンクロしたのも好ましく思った要因な気がしてます。
奇しくも両方、青、だ。
2023.11.24
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Posted by ブクログ
本屋で題名見てすぐ手に取った、某青推しです。
そして作者が一穂ミチさん。あぁ「スモールワールド」とか、「光のところにいてね」とかの,あの人ね。
じゃ、もう、題名これだし買おう!ってレジにいきながら後ろのあらすじ?読んだら
え?BL?!
そういえばサブスクで見た「YESかNOか半分か」もだったなー。そうかそうか、ま、読んでみよー
と読み始めたら、主人公が「泉」で、相手が「叶(かのう)」でびっくりした。
私の青推しも、泉さんで,相手が神生(かのう)さんだったから!(こちらは公式ではBLではありません!完全に2次創作です!私らの妄想です!)
それは置いといて・・・
海辺の街の話。
東京で働いていた和佐泉はUターンで地元に戻り、リモートで仕事をしている。
それは2年前に弟が水難事故で植物状態になったから。
日課の散歩兼浜辺のゴミ拾いしてると、弟にそっくりな男が立っていた。声も似てる。
それが、叶宗清。母が亡くなって1年経ってリフレッシュするため長期で休んで,この街に来たらしい。
夜,行きつけの飲み屋にもいた。どうやら女友達が彼に宿を貸してるらしい。
しばらくして、
叶宗清はゲイで、泉を口説くが、泉はノンケだし例え相手が女の子だったとしても、
今は弟の事で精一杯。恋愛をしてる気持ちにはなれない。
でも、宗清の明るくて人懐っこいところに癒される。
ってな話。
核心は流石にかけないけど、
おー?!えー?!へー?!
な事が多々あって、この文庫本にある短編の最後に、ちょっと泣けた。
本文にもさらっとその点については書かれてるけど、改めてその目線で語られてからの、その一言は涙を誘いますね。
飛び込み台の上で冗談で言った「抱き合って落ちよう」がなんかよかった。
良き小説でした
Posted by ブクログ
靖野が兄への告白をなかったことにしたところと、
宗清が自分に弟がいることに、走り続けたいほど嬉しがるところがよかった。
様々な人の、周りに対しての不器用な優しさの表現が好き。
Posted by ブクログ
一穂ミチさんのファンになったのは「イエスかノーか半分か」を読んでからだった。この作家さんの選ぶ言葉や表現が本当に好きで、以来たくさんの一穂作品に触れて来た。「青を抱く」は久々に読んだBLだったけれど、圧巻の表現力。ストーリーは正直、ご都合の展開だと思ったけど「青」をこんなに美しく描けるのがさすがだと思ったし、好きだと思った。
Posted by ブクログ
ノンケ・ストレートを口説き落として受け堕ちさせた挙句に相思相愛という腐女子垂涎のBLストーリー。
一穂ミチ好きが高じてとうとう BL にまで手を出してしまった…というわけではなく、角川文庫に入っていたので一般小説かと思って読んだというのが本当のところ。こういうのはルビー文庫に入れておけよ、と思ったら、初版はフルール文庫ブルーラインというBLレーベルで、長らく絶版だったものを昨今の一穂ミチの活躍を見て角川文庫で復刊させたものらしい。普通に同一レーベルで復刊すればいいのに。
まあ、出生をめぐってあっと驚く展開もあり、濡れ場もたっぷりあり(まったく興奮せんけど…)、舞台となる海辺の町の雰囲気も良く、面白いは面白かった。
Posted by ブクログ
BL⋯BLだよな、作品のジャンルとしては。海に落ちたまま意識が戻らなくなった弟・靖野を介護し続ける泉と、その泉の前に現れた、靖野によく似た宗清の、淡々と、でも深淵を覗き込むような危うさがたまらなかった。
Posted by ブクログ
BLだとわかってて読み始めたが、ほんとうに、ちゃんと、BLだった。始めてBL作品を読んだ。
ごめんなさい、行為のところは読み飛ばしてしまいました。アナルだけは、、、、
Posted by ブクログ
こういうお話を素直に楽しめなくなったのは、年のせいなのか感性が古くなったからなのか。
BL小説とはこういうもの、と言われてしまうと身も蓋もないんだけど、ここまで恋愛要素の強い作品は正直苦手。特にラブシーンは読むのがしんどかった。
表題作のラストシーンについても、結局そうなっちゃうのか、とあまりに予想通りの展開すぎてやや残念。
描き下ろしの短編は可もなく不可もなくといった印象だけど、ラストの「Dear my her」は表題作に含めちゃったほうが良かったんじゃないかなあ。
と、色々思うところはあるんだけど、なんだかんだそれなりにインパクトはあるし、タイトルも表紙も完璧。心理描写の丁寧さ・美しさは一般向けにシフトした近年の作品群と引けを取らないように思う。
Posted by ブクログ
「青を抱く」
「青が降る」
「be with you」
「ウェルメイドブルー」
「Dear my her」
5話収録のBL小説。
海辺の街で暮らす泉が、海岸のごみ拾いをしていた時に出逢ったのは、水難事故に遭って2年間目を覚まさない弟そっくりの男・宗清。
この偶然はきっと必然で、二人は惹かれ合っていく事になるんだろうなと予想通りの展開だが、家族に隠された秘密や水難事故の真相など、少しミステリ要素も盛り込まれている。
登場人物の繊細な心の動きが柔らかな言葉で紡がれ美しい表現に感嘆する。
愛にも色々な形がある事を改めて思い知る。