小説・文芸の高評価レビュー
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Posted by ブクログ
確か実家にこのハードカバー版があって子どもの頃目にしたことはあったけど、はてしないという題名に途方もなさそうな感じを受けてページを開くこともなく敬遠してしまっていた。
大人になった今、文庫本を購入して読んでみたら、これは大人向けの児童書というか、私にとっては大人になった今だからこそ出逢えて良かったと思う内容だった。
下巻では、バスチアンの感情や望みが映し出された世界が美しくもあり、恐ろしくもあった。
バスチアンが万能感に酔いしれて段々記憶だけでなく大事なものを失っていく姿には、アトレーユやフッフールと一緒にヒヤヒヤしたり落胆したりしながら読み進めた。
バスチアンがずっと欲しかったもの、押し殺してきた感情、それらを見失ったまま冒険を続け、ファンタージェンで創造主になって賞賛を得ても満出されるなく、代わりを求めて彷徨い続けた。
そんなバスチアンの心の穴が、アイゥオーラおばさんの家で過ごすうちに満たされていき、真に欲しかったものが浮き彫りになっていく場面は胸にくるものがあった。
物語の至るところにエンデからのメッセージを感じた。
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Posted by ブクログ
読み始めたら、先が気になってページをめくる手が止まりませんでした。
閉ざされた空間の中で、少しずつ明らかになっていく真実。誰を信じればいいのか分からないまま、ずっと緊張感が続いて、終始ハラハラしながら読み進めました。
そして、最後のエピローグ。
「え、うそ……」と思った次の瞬間には、「うわぁぁぁ……」と声が出そうになるほどの衝撃。最後の最後でひっくり返される、この感覚がたまらなかったです。
今まで読んだミステリーの中で、一番夢中になった作品。
読み終わった後もしばらく余韻が残る、忘れられない一冊になりました。
ただ、殺人方法はなかなかにグロテスクで、想像するとぞっとする場面も……。
それでも、それさえも物語の緊張感を引き立てていて、最後まで目が離せませんでした。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ「なでし子物語」の4冊目にして、完結編。
前巻からまた10年経っていて、2008年の春から始まる物語。
あれからも燿子は懸命に働き会社を大きくしたものの、地域住民との摩擦も増え、一方、龍治は異国に去り、瀬理や立海とは距離が開く。
青井先生の死や配送センターの火災に追い打ちをかけられ、深い孤独、場違いなところにいるような寂しさの中で生きている燿子の姿が強調される前半は辛く、胸が詰まる思いで読み進む。
それでも、物語の中盤、大祭で星の天女の大役を果たす瀬理に燿子がかける言葉*には、彼女の生き方の芯がずっと変わらずにいることが知れて、やはりこの話はいいなあと胸が熱くなる。
*フレーズに登録 P.186
今回は、かつての常夏荘の女主人・照子の存在感も大きい。
峰生を出ることが少なかった彼女が東京へ行き、かつての伝手を頼って燿子が再び立ち上がる後押しをする。
「母」という言葉に縁が薄かった照子が燿子に「おかあさま」と呼ばれて微笑んでいる姿には、これまで彼女が抱えてきた屈託や悔恨を読んできただけに、また泣ける。
その後押しによって心が晴れた燿子の「やらまいか!」に応えるなでしこ屋のスタッフの「やらまい、やらまい」の声にもグッとくる。
そこから後半は、常夏荘を開放しての「峰生の秋まつり」に向けて、どんどんと大きくなる話に台風の大雨によるトラブルも挟んで矢継ぎ早の展開。
照子の古くからの友人、伝説の歌手・寧子が語る言葉*も、青井先生の言葉と性質は異なるが、これもまたこの物語の芯を作るようなものに感じる。
*フレーズに登録 P.248,250
そして迎えた終幕。かくも長かった紆余曲折。
ずっと「どうして」ではなく「どうしたら」と考えて生きてきた燿子が、初めて「どうしたい」と考えて手に入れた“ずっとほしかったもの”。
燿子と立海が、二人が一緒になることになって本当に良かった。
こうして感想を書いている今でも、何だか泣きそう。
このシリーズ、とても良かったです。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ世界で初めて胃カメラを開発したオリンパスの技術者たちと東大の医師の実話に基づく物語.
光ファイバーがない時代なので,樹脂チューブの先端にフラッシュがわりの電球,フィルムカートリッジ,特殊レンズを据え付けた胃カメラの開発に成功する.遠隔操作のためには三味線の弦を用い,レンズと胃壁の距離の確保のためにはコンドームを使う,等々の試行錯誤を繰り返し,ついに1950年,胃カメラが完成する.
オリンパスは今では一般的なカメラを作るのをやめてしまったが,内視鏡の分野では世界の売り上げの70%を占める超ガリバー企業である.
ところで気になったのは,東大の「犬」である.フラスコで実験を繰り返したのち,人に使う前には「茶色い毛をした大きな犬」で動物実験が繰り返された.
この犬で実験を行なう様子が何度も描かれるのであるが,この犬は全人類の大恩人(犬)であるにもかかわらず,名前がなく,ずっっと「犬」と書かれている.
「意識がわずかに戻ったのか,犬は薄く目を開けてしばたたいていた.」
「犬は,ふらつく足取りで,作業員にひかれて廊下に出ていった.」
「その瞬間,犬の腹部が円形に光り,消えた」
ああ,名前のない犬よ!!本当にありがとう!!
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