小説・文芸の高評価レビュー
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Posted by ブクログ
よかった…まずタイトルがいい。砂嵐は放送が終わったTVである。その向こうに微かに見えるまたたきである。
こんなに言葉を的確に、揺れ動き正体の掴みづらい心を表すことができるのか、と驚きの連続だった。
例えば、「Bコースの答え」。本音と建前、と言うところである。Bコースは本筋から逸れてはいるが、まったくの嘘ではない。いわば、右に行くか左に行くかの違いである。
そういった、言葉で説明するのは野暮になりかねない微妙なところを美しく表現するのだ。
一穂ミチさん初読みでしたが、とっても好きな作家さんになりました。繰り返し読みたい本のため⭐︎5です。 -
Posted by ブクログ
この作品には、なんとか社会に適応しようとして、無理をすればぎりぎりそれができてしまう人間の苦しみが書かれていると思った。
無理をしての成功と平和だから、それを続けるも地獄、ドロップアウトするも地獄。ドロップアウトした自分には価値がないと恐れていた。
本人からすると綱渡りだが、傍から見ると、大丈夫な人にしか見られない。無理して得ている成果も当たり前のこととされ軽くなっていく。
絶望名人のカフカは、出世に興味がなかったけど、勤めに出ればわりと仕事はできて、出世コースだったと知って、やっぱりという気がした。
家族に焦点が当たる終わり方が残酷ですごくいい。
小間使いのお婆さんは理解者だったのかな。 -
Posted by ブクログ
舞台は私立女子高、卒業式直前に行われるバトルロワイヤル。めっちゃ面白い。
【特別授業】と呼ばれるデスゲームは担任によって突然告げられる。
ルールはタイトル通り「二人一組に」なること。制限時間は60分。
誰とも組むことができなかった者は、失格。失格者が確定したら、次の回へと続く。
一度組んだ相手と、再び組むことはできない。
残り人数が偶数になった場合は、一人が待機となり、話し合いで決めないといけない。
【特定の生徒】が余った場合は、特定の生徒以外全員が失格になる。
最後まで残った二人、及び一人の者が、卒業式に出席できる。
半信半疑の27人だが、左胸のコサージュの仕掛けにより無惨な死を遂げるク -
Posted by ブクログ
どの話も、素晴らしい。
作者さんや解説者さんのような、感受性が豊かなタイプではない上に、
短編集だしと侮っていたのに、久しぶりに泣かされた本でした。
どの話にも、グッとなる。
主題となっている「約束」はとても丁寧で繊細で、一番物語の中心人物と感覚が重なり、苦しくなりました、が。
ラストには想像以上の救いでした。
こういう優しい話を書く心を持つ人が居る。
それだけでも、この世界は捨てたものでもない。
本とは微妙にズレてしまうかもしれませんが
人間って弱くて脆くて、だけど実は同じくらいの強さも持ってる。
この本が素晴らしいのは、その美しさを
見られるから、なのかも。 -
Posted by ブクログ
一巻を年始から読み始め、約一ヶ月半かけてようやく最後まで読み切りました。
この巻に収められた第四部の中盤以降からが一番おもしろい。
そこにたどり着くまでの長い長い旅路で挫折しなくてよかった…!
一言で言うなら……いや、言えないな。
父殺しができごとの中核にあるにせよ、そこに秘められた思想はあまりにも多様で今の自分には整理できない。
ただ漠然と感じたことは、矛盾や逆説こそが人間であり愛なのだということ。
法的に罰されることよりも、むしろ法から赦されること、逃れることこそが真の罰である。
そして人間は真の罰を求める。少なくともドミートリイは。
自分を罰するために、憎き恋敵に赦しを乞うたカ
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