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1973年、大阪の廃墟ビルで一人の質屋が殺された。容疑者は次々と浮かぶが、事件は迷宮入りする。被害者の息子・桐原亮司と「容疑者」の娘・西本雪穂――暗い目をした少年と、並外れて美しい少女は、その後、全く別の道を歩んでいく。二人の周囲に見え隠れする、いくつもの恐るべき犯罪。だが、証拠は何もない。そして19年……。伏線が幾重にも張り巡らされた緻密なストーリー。壮大なスケールで描かれた、ミステリー史に燦然と輝く大人気作家の記念碑的傑作。
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Posted by ブクログ
長い、とにかく長い。 本を手にした時の感想は、これに尽きる。 但し面白い。 三人称視点として間借りしている登場人物の心情・思考は語られるが、亮司と雪穂の内情は一切語られないことがまず良い。最初から謎めいた人物として描かれているのだから、謎のままでいて欲しいという私の願望もあったのかもしれない。ただ内...続きを読む情を語らないからこそ、『白夜行』には読者に考えさせる力を有するのだと思う。 それから、広げた風呂敷を最後にはきちんと畳んでいるところも良いところだと思う。伏線が結末に向かうにつれて回収されていく様は、なんとも気持ちがいい。あれだけ登場人物を出せば途中で結末が迷子になってしまいそうだが、足並みを揃えてきちんと結末に向かわせることができるのは、東野圭吾の文章力が優れているからだと思う。
850ページという長いページ数の中で幾つも散りばめられた伏線を最後に一気に回収していくのが圧巻。 主人公の目線で描かれていないのも良い。 何度も読み返したくなる一冊。
事件について色んな人の目線から語られるけど、主要な2人からの目線からは描かれないのが新しくて面白かったです。東野圭吾さん特有の文章の上手さや人間関係、恋愛感情が歪んでいく感じがたまらなく好きでした!!!
傑作!!
東野圭吾の傑作!!登場人物の感情を描かないからより物語に吸い込まれ想像力を掻き立てられる。クリスマスのラストシーンも素晴らしい!!!
#切ない
堀北真希の実写で観たことあり。30年程前に読んだことがあったが、久しぶりに読んでみました。年齢を重ねてもなお、素晴らしい作品だと思いました。切なく苦しくしたたかな感情の揺れ動きと事件。とても面白く読みました。
高校生の時に読んだことがあったのですが、その時には刺激が強くて物語の面白さにもあまり気づけず、読むには早かったみたいです。大人になってから改めて読むと、東野圭吾さん天才ですか…!ってなりました。笑 まず登場人物が多いはずなのに、ちゃんと誰だったか思い出せるし、区別がつく文章力。そしてあんなに長編な...続きを読むのに、長いなと思わせない物語の面白さ。あっという間に読んでしまった。 雪穂と亮司の2人のことを、本人たちの心理描写はあまり描かれていないのに、周りの人たちからの証言でどんな人物像か徐々に明らかになっていくところもすごいとなりました。最初は、得体の知れない2人だと思ってたのに、あんな過去があったなんて…結末を知って、ずーんと暗い気持ちになったし、考えさせられました。 それまでは、雪穂怪しすぎんか。あんな女の人嫌だわ、男性達もなんで騙されるんだ!ってなってたのに…最後で、そういう人生を歩むしかなかったのかーと悲しくなりました。やってることは駄目なんだけどね。 亮司も環境さえ違ったら、全然違う人生が歩めただろうに。全部周りの大人たちが、悪かった。 最後の笹垣刑事と他の人たちとの会話で、真実がどんどん明らかになっていくところは、驚きの連続でした。そして悲しい物語でした。読んでてこんなに印象が変わる小説も、なかなかないなと思いました。
亮司と雪穂は、決して交わらない影と光のような存在だと思う。 その関係が、愛とも依存とも言えない独特の空気を作っていて、読んでいて異様な静けさを感じた。 読後は心がずしっと重くなるが、この関係性が切なくもあり、怖くもあり、妙に美しいと思う。
長かったけど、話し手が変わるごとに何が語られるのか読むのが楽しかった。 現実世界にしたら西本雪穂ほどの美人はだれにあたるんだろう笑 桐原亮司の射精障害は事件のせい?? 不倫関係になっていく誠と千都留の心情を読んでいる時、なんかしんどかった、、笑 長かったけどいろんな登場人物の視点からR&Y...続きを読むの姿が表されるのが面白かった。伏線回収もされていた、頭良すぎる。 結局西本雪穂の好きな人、目的は??
過去に子供が犯した犯罪を暴く、という話ですが、それだけではない深くて多様な人間模様が描かれていると思います。古い言い回しかもしれませんが。 話の展開に合わせてこちらの気持ちもどんどん変化していくのが感じられ、楽しいやら切ないやら自分でもよく分からない感覚でした。既に複数回リピート読みしてますが、これ...続きを読むからも時々読み返すと思います。
ひとつの殺人事件から時代背景と共に20年近くに渡り事件の真相を追うストーリ。長編ですが読む手が止まりませんでした。 子供時代から、年代を変えて取り巻く人々が変わり、暮らしも変化する。そこに絡み合う思惑や残虐な出来事がひとつひとつ濃かった。また、単体で起こったことではなく、全て繋がっていく感覚が後半に...続きを読むかけてあり、そのプロセスが面白かったです。様々なストーリーや変化の根底に蠢く何かを常に感じながら、それが徐々に強まっていく感覚、ふたりが抱える闇、憎悪、そして愛… 最後はあっけなかったけど、読み終えた後からじわじわ広がる怖さとストーリーの奥深さを感じる小説でした。
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