小説・文芸の高評価レビュー
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ネタバレ伊坂幸太郎は好きでよく読むけどこれは特に好きだった。
喋るカカシとかいうファンタジーな存在、変な島民たち、それらを変だと思いつつ順応していく主人公、すごく刺さった。現実には絶対にないのに、もしかしたらどこかにはこういう島があるのかも…と思わされた。
ちゃんとミステリーの部分もあって面白かったし、何よりキャラクターが良かった。
島に足りないものが何か、がわかったときの日比野の嬉しそうな様子で何故か泣いてしまった。日比野には幸せでいて欲しいと思った。
あと好きなのは、城山が島に着いて最初に民家を訪ねるシーン。それが桜の家だとわかった瞬間、こいつ踏むぞ、と思ったし、そのための花の種だったんだと気 -
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ネタバレ四宝堂第六弾。
懐かしい、BOXYのボールペン。
スーパーカー消しゴムを走らせるのに使っていましたよ。
まさか四宝堂に登場するとは思っていなかった。
それも、いよいよ結婚に向けて荷物を片付けるために、
硯の個人的コレクションであるスーパーカー消しゴムを売る話で登場するとは。
昔、義兄になるはずだった人が、
事故で自身の父親と弟を亡くし農業を継ぐために縁談を断り、
会うことがなくなり、
だが時を経て、その人が作った野菜に巡り合う話でもあり、良かった。
温泉街を中心に地域を元気づけるスタンプラリーを始める話は、
スタンプも素敵だし、「銀座の総務」さんも登場したし、
ほんのり恋愛もからんでいて微 -
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『2020年のロマンス詐欺』
『五年目の受験詐欺』
『あの人のサロン詐欺』
『詐欺』という言葉と辻村深月のジャンルの広さに身構えて読み始めました。
どれも読後は強張った肩の力が抜ける感覚を覚えている。
やはり人は1人では生きてはいけないと思わせてくれました。
解説の一穂ミチのいう『深月の一刺し』はよくわかる。
何気ない言葉が心に刺さって離さない。
お気に入りは『あの人のサロン詐欺』かな。
『五年目の受験詐欺』も思わぬ方向へいって楽しめた。
『2020年のロマンス詐欺』の
"だけど 、人は目的や理由がなくやりたいことがあってもいい。"
刺さりました。
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ネタバレ帯に挙げられた『N』は、全六章をどの順で読んでもよいというコンセプトだったが、6!=720通りのうち1通りしか読んでいない。本作『I』は、全二章をどの順で読むかによって結末が変わるという。読み方はたった2通りしかない。
本作は、二つの章が上下逆転して印刷されており、どちらの章も本のほぼ中央から読み始めることになる。そのため、巻頭に置かれた約束事を読んでおらず、読み終えた後に早とちりしてしまった。約束事に注意して、読み返してみると…。
二つの章は、それぞれ物語として完結しているし、どちらも重い。ネット上にネタバレを公開しないようにとのお願いが載っているが、自分が読んだのは多くの人が命を -
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Audible!!
湊さん、ついに闇が尽きたんかい!w
『告白』、『母性』に続く三作目の聴書です。
なのでエグい心理サスペンス的なノリを勝手に抱いていたんだけど、いい意味で裏切られた!
前半は『殺人犯の手記』メインで淡々と進んで、宗教、家族の問題、盗作等々で湊作品らしい重たい雰囲気。
後半は雰囲気がガラッと変わり、『作家のフィクション』が語られ始める。
手記とフィクションが重なったり、ずれたりしながら、徐々に収束していく構成が見事で、気付けばどんどん物語に吸い込まれていきました。
そして二つの物語には共通の想いが込められていて、、(T . T)
重たいテーマなのに、優しさと愛が後に -
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登場人物の表情や内側で思っている気持ちの描写がリアルで怖かったし鳥肌がたちました。
自分でも無意識のうちに、悪気なく相手が嫌な気持ちになることを言ってしまっている気がします。
後から発言を後悔することもあるけれど、たぶん何気なく言っていることの方が多いんだと思います。
そして自分も過去に言われたことの内容や嫌なことをされた人も行動も言語も今でもハッキリ覚えてます。
過去の失言は今からは変えることはできません。
この本を読んで人に対しての言葉遣いや自分の発言を
気をつけようと思いました。
この本怖いな感じたのは自分にも当てはまる部分があったからだと思います。読んでいて息がしにくかったです。