小説・文芸の高評価レビュー
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Posted by ブクログ
本作は読む人によっては抑揚というか盛り上がりを感じにくいかもしれないけれど、落ち着いた文章と雰囲気で、夢や理想に進んでいく様を丁寧に表現されていて凄くじんわりと沁みる良い物語だと感じました。
ある調律師との出会いをきっかけに、調律師を志した青年。
調律師にはなれたものの、ずっと音楽の世界にいたわけでもなく、調律の才能があったり、いきなり上手くいくわけではない。
そんな青年が先輩や顧客との出会いの中で悩みながら成長していく姿が繊細に綴られている。
先輩調律師との技術の差や目指すものや理想の音について葛藤を繰り返し、進んでいるのかどうかすら迷うような。
でもそれは、それこそが人生なんだと思う。 -
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成瀬シリーズ完結。
『成瀬は天下を取りにいく』から読んでいるが、成瀬の成長をとても感じる完結作でした。
坊主の時はこの子はどうなるんだろうと思いましたが、成瀬らしさそのままに、いい友達にも恵まれて、我が道を突っ走ってますね!
今回の完結が青春編であって、次は社会人編を書いて欲しいです。
成瀬がどんな仕事をするのか気になります。性格的にいろいろな困難が降りかかってきそうですが、成瀬なら大丈夫と信じられます。心強い仲間も多いですし。
ちなみに私の勝手な憶測ですが、政界進出とかが成瀬にはあってそう。
また、個性豊かな仲間達の短編なども絶対面白いと思います。
これだけのキャラをここで終わるのは勿体 -
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ネタバレ怖い。気味が悪い、、。特に「お勢登場」。肺病に苦しむ格太郎と不倫を繰り返す妻のお勢。格太郎はある日子どもとの無邪気な遊び、かくれんぼの最中にほんの出来心で長持に入ってしまう。運悪くロックがかかってしまい、閉じ込められる。ここからがもう、恐ろしくて恐ろしくて…。格太郎がもがき苦しむ場面は薄目で読んだ。空気の入る隙間がないため、酸素が薄くなり肺病の格太郎は弱っていく。遺体が発見されたあと、蓋の裏に残されたメッセージが見つかる。病人が見せる最期の生への執着ともがき。
想像したくないのに勝手に頭が映像で再生してしまう。グロテスクで痛々しい強烈なインパクト。江戸川乱歩の作品は読んだもの全て時間が経っても -
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前に一度読もうと手に取ったが置いてあった、ユリゴコロの不思議な雰囲気に惹かれて読み直すことにした。
佐和子は離婚してから8年、一人息子と二人暮らしだった。夫からは時々気にかけているような電話が来る。失効していた運転免許を取り直すために教習所に行ったが、そこでであった教官は、夫が電話で話していた、娘の冬子が付き合っているという犀田だった。
そのうち彼とラブホテルに行く仲になる。
息子の文彦は高校三年生で、近所の同級生のナズナと親しくしていた。ナズナの家は父親だけで、喫茶店を開いていた。文彦と二人で時間があると手伝ったりしていた。
寒い夜、文彦がごみを捨てに行ったままふっといなくなった。寒い夜 -
Posted by ブクログ
ネタバレホラー大賞、とても怖いと聞いて読んでみたら面白かった。 和歌山カレー事件の前に書かれたと聞いたが。そんな事もあった。
物語に生保のしくみがベースに有れば、何かしら恐ろしく面白い。
確かに生保というものは、リスクの上に成り立っている。
それは、命と引き換えに受け取るのもので、ということは見えない命と言う物に現実的な金銭を支払っている訳で。
これを受け取るということは、見えない物を見える物に変えていくということ(怖かったのでしつこい)
その過程を人為的に行えば犯罪なのだ。その方法が小説になる。
旨く構成されている。
夜でも平気歩いてくる友人がいる。怖い本が好きと言うが勧めない。一緒に心底怖がっ -
Posted by ブクログ
あまりに主人公が痛切で、読む時期を悩んで5年くらい積んでしまった作品。宮本輝との対談「人生の道しるべ」で触れられており、時が来たので読んだ。
幼い時期にアメリカで共同生活をし、お互いの母を自死で亡くしたまこちゃんと嵯峨。日本に戻り、母の記憶を辿りながら自分を開示できる大人や友人を見つけ、ようやくいまの自分と出会いなおす物語。
最初から明るいテイストではなく、死の匂いがぷんぷん。大学での妬み嫉みはあるし、運命共同体である嵯峨との関係が噂立てられたり、悪夢も見る。嵯峨と教授はそんなまこちゃんをよく理解していて、男の優しさを男の言語で伝えようとする。嵯峨は距離が近すぎるからかなかなか伝わらないけ
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