小説・文芸の高評価レビュー
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被差別部落出身の主人公が,自分の生まれを隠して教師として働いていく。しかし,ある事件をきっかけに「自分の出生」を明らかにする方へと選択していく。
明治のご一新後,新平民と称されて平等になったはずの被差別部落の人々は,差別の中で生きていたし,未だに,その差別は残っているのではないか。
Audibleで,再度,聞き直す。
本棚を見ると,岩波文庫の『破戒』が並んでいたので,おそらく学生時代に買って読んだものと思われる。丑松という名前もしっかり入っていたし。
ところで,「破戒」とは「破壊」ではない。念のため。
破戒…戒を破ること。受戒した者が戒法に違うこと。
本小説で破った「戒」は,「出自を -
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301P
「祇園精舎の鐘の声、諸行無常の響きあり。娑羅雙樹の花の色、盛者必衰の理をあらわす。おごれる人も久しからず、唯、春の夜の夢のごとし。猛きものもついにはほろびぬ、偏に風の前の塵に同じ。」
—『平家物語』作者不詳著
「聖徳太子の十七箇条の憲法に、「人間はみな心を持っている。人間の心は、ものごとにとらわれる性質がある。あちらが正しければ、こちらは誤っている、こちらが正しければ、あちらは誤っている、と、決めつけてしまうが、正しいか誤っているか、その判断の絶対基準は人間が定めることはできない。お互いに賢くもあれば、愚かでもある。賢と愚とは一つの環のようにつながっていて、両者が分かれる端とい -
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緑川ミキのキャラクターが良い!何を考えているか掴めない初登場から、節々に見える想いや熱いものを感じ取る。過去の情報が加わることで、より理解が深まっていき、虜にさせられている。刑事三ツ矢シリーズといい、著者の描く人物の言動に毎度深く共感させられて引き込まれる。
重苦しい展開ながらも、謎が謎すぎて、真相を知りたい一心でページを捲らされるストーリーだった。あるあるフレーズだが、「事実はひとつだが、真実は人それぞれ」を物語を通じて感じさせられる。皆が自分の物語を生きていて、その事実をどう捉えるか?どう見るか?はそれぞれ異なり、それぞれに感情移入していると、何が正解・不正解かの境界がわからなくなってく -
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理解してあげられるという傲慢さと理解なんてされるわけがないなんて考える諦観さの軋轢を書いたような作品。
自分でも自分のことを気持ち悪いと思う、望んでこんな形で生まれてきたわけではない。そんな登場人物たちの心情を読むごとに今ならこの人たちを理解してあげられると自分の中で傲慢さが増してくる、でも絶対に理解はできないのだろう。
ただ、どんな事情があれど、自分を理解してくれたり同じ境遇の人たちが近くにいてくれることで明日を生きる理由になっていく。
正解である唯一の拠り所が多数派であるということは本当に情けないが、そうだよな、、となった。
明日から何かできるわけでもないけど、そういう人達がいるということ -
Posted by ブクログ
私の人生に、必要な一冊でした。まだ20数年しか生きていないけれど、その後の未来の責任を取るのは自分であること、だからこそ明るく暖かい方向に自分を誘導する権利があること。「家族が、自分にとっての毒にもなり得る」この言葉を読んだ時、ハッとした。私がいつしかかけた家族への言葉、感情、そして私へ向けられたもの、そのどれもが、相手も自分も傷つけ心身へ蓄積していく毒になっていたのではないかと思った。解毒は簡単にはできないだろうと思うけれど、方法を模索して行動に移してみることはできるから、私は周りの人たちと自分の解毒をしていきたいと思う。
多くの人に読んで欲しい。私は、この本に少なからず救われました。
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