あらすじ
男たちの財産を奪い、殺害した容疑で逮捕された梶井真奈子(カジマナ)。若くも美しくもない彼女がなぜ――。週刊誌記者の町田里佳は親友の伶子の助言をもとに梶井の面会を取り付ける。フェミニストとマーガリンを嫌悪する梶井は、里佳にあることを命じる。その日以来、欲望に忠実な梶井の言動に触れるたび、里佳の内面も外見も変貌し、伶子や恋人の誠らの運命をも変えてゆく。各紙誌絶賛の社会派長編。(解説・山本一力)
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複数の男から多額の金銭を受け取って殺害した疑惑で勾留されている「梶井真奈子」という女性と週刊誌の記者の攻防を描いた話。「木嶋佳苗」事件がモデルのフィクションで、ずっと読みたかった本。
美しくも若くもない太った女性がなぜ多くの男性を翻弄できたのかが注目された事件だったが、自分自身読めば読むほど梶井の魅力にずぶずぶハマっていくのがわかった。幼稚だが、食や性への強いこだわりが生命力そのもののようで惹きつけられる。すごく面白かった。
エシレバターのバターご飯、ジュエルロブションのフレンチ、銀座ウエストのクリスマスケーキは是非とも食べてみたい。
Posted by ブクログ
名作でした。日本は欧米に比べて容姿で人を差別する文化が強いと聞いたことがある。誠のように、「ふくよかな人=努力ができない人」と見て、その人の性格や生き方を決めつけてしまう風潮が日本にはたしかにある。そんな世の中で、梶井は自分が楽しく生きるやり方を見つけ出した。対して、里佳や伶子は世の中に少しずつ反抗しながらも、ルールの中にどうにか快適さを見つけようとする人たちだ。梶井の行ったことは倫理的にも法的にも悪ではあるが、里佳と一緒に梶井の心に迫れば迫るほど、共感できる部分が出てきた。日本がもっと個人主義ならばこの事件は起きなかったかもしれない。けど里佳のように集団の心地よさとその維持方法に気づけば、もっと生きやすくなるのかな。
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自分自身は結構見た目を気にしてて、鏡を見て太ってたりしたら結構気にしちゃうタイプです。この本を読んで同じように見た目を気にしてる人が多いのかなと思ったし、そう思う人は他人に対しても見た目に厳しくなってしまうのかなと思った。
昨今のアイドル界隈でガリガリが正義みたいな風潮を暗に批判してるような本にも思えた。
Posted by ブクログ
久しぶりに読んだ本。
想像以上にバターの話だった。
女性を取り巻く働く環境、ルッキズム、人間関係、いろんな要素がバターみたいに溶け合ってる
食べ物がとにかく美味しそう。カトルカール、何か他の本でも遠い昔に読んで、その時も食べてみたいと思った
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自分が幸せだと感じている家族との時間の中に、こんなにも作中の内容に心当たりがあるという事実を、投げつけられたのが冷たくて、答えを探すように読んじゃった
「いいんだよ、それで」が自分に対してできなくて心を病んだ身としてはぶっ壊れてからも立ち直れる女たちが嬉しかった
あたしも大丈夫だ
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海外でも評価されているとのことで
さすが、本当に面白かったです。もっと早く読めばよかった。
カジマナの狂気に触れたときは怖いと思いながらも、背景を追っていく内にルッキズムの社会の生きずらさや同性同士のコミュニケーションのむつかしさなど、人々の心の動きや葛藤がすごく緻密に繊細に描かれていて、いろんな考え方やコミュニケーションの取り方があるよねと考え方まで変えてくれました。
現代社会に生きる人は一回読んでおきたい一冊だなと思いました。
Posted by ブクログ
主人公が初めてバター醤油ご飯を食べたシーンも圧巻だったけれど、初めてケーキを焼いたシーンも異様に印象に残る。
(P197)あなたには壁がない。仕事もプライベートも、本音も社交も全部がまじりあってる。見ていると疲れる。
(P214)壁を築くとは、何も肩をいからせ、他者を拒絶することではない。(中略)甘く柔らかいお菓子だっていいのだ。
(P217)篠井さんに頼ることを一瞬でもためらっていたら、決して作れなかった。こんな風に、取捨選択の判断を今より研ぎ澄ませば、たとえば一日の終わりに趣味でカトルカールを焼くような時間を捻り出すことは可能なのではないだろうか。
Posted by ブクログ
展開が気になり、一気に読み進めてしまった。終わりに近づくにつれて終わってほしくないと思った本は久しぶりだった。
里佳がカジマナのペースに飲み込まれ自分の生活や体型が変化していく様子、玲子が横田の家で過ごす時間、里佳がカジマナの罠にかかり底に落ちていく様子どの場面を切り取っても、あまりに濃厚で胸焼けがする。
しかし恐怖で震えていたと思えば、里佳の周りに確かにある人との交流や温かさに心がじんわり溶けていく。里佳は梶井真奈子と出会わなければ、食べる喜びもカジマナにはいない友達の大切さにも気づけなかっただろう。カジマナと出会ったから、彼女を追い続けて考え続けたから最後に自らの居場所を作りみんなで七面鳥を囲めたのではないだろうか。
里佳は不格好な生き様でも明日も明後日も現状よりはマシな気がすると、そんな自分が図々しいと笑っていた。そこにはもう、自分を雑に扱う主人公はいなかった。自分を雑に扱えば、傷つく人がいることを知っているから。
この世の中は、女性の容姿に厳しい。
だけど、Butterはそんな容姿だけではない人との交流や相手を尊重する気持ち、自分の内面を見つめること、現状に満足出来なくても葛藤しながら、何とか折り合いをつけながら毎日をやりくりする人の営みが見てくれよりも大切で温かいものなのだと教えてくれた気がした。カジマナが出来なかった本当の自分と対峙することで見える景色があるのだと感じる。
Posted by ブクログ
今年一かな
素晴らしい作品や
まず、食への感性がぐんと上がる。読む人すべてをバターの虜にしてしまいそうな描写のうまさ。1人暮しをして、ご飯用意した経験があるからこそ、深く共感できる。自分のために料理をすること、それを味わっておいしく食べることって何事にも変え難い、素晴らしいこと。まさに、生きるための切実で尊い行為。
料理や掃除。女性が家事として担ってきた行為への考察。それらは、ロックであり、「実は、家事ほど、才能とエゴイズムとある種の狂気が必要な分野はない」。家事について、保守の男性は、弱弱しく何もできない女性のための仕事と捉えているかもしれない。しかし、その家事能力に潜むパワー、その行為の凌駕性を説いてくださっていて、これは新しい見え方だった。
別れている誠を呼びつけるシーンもよかった。生きるために、自分ができることは恥でもなんでも、かまわず振り切らなきゃ。というのもあるし、関係性の適温感がとても良...ってなった。
私がこの本の存在を知ったのは滞在先のイギリスでした。昨年のクリスマスの頃、突如店頭に山積みになり文字通りのベストセラーとなっていた光景をよく覚えています。以来ずっと気になっていました。読み始めて、最初に刺さったのがバター醤油ご飯の描写です。バターとご飯、それをこれほどまでに美味しく描いた本がかつてあったでしょうか。そこから続く、まさに垂涎ものの食べ物の数々。一方で、その後ろで肥えていく主人公里佳の、揺らぐ女性としての価値観。彼女がインタビューした受刑者梶井真奈子と関わる間に得たもの、失ったもの。混然と混じり合うこれらの中から里佳が最後にどう答えを出して、自らの人生の道を決めることにするのか、最後まで息を詰めて読み進めました。この本が海外で高く評価を得たこと、そこに普遍的な他者から向けられる視線や、生きづらさ、孤独、そういったものを見たように思います。女性だけでなく、男性もまた共感できることが多いのではないかと私は感じました。
被告人の生き様について
前半は「あぁバター美味しそう、、、」くらいの感想しか浮かんでこなかったが、読んでいくうちに女性の世の中での立ち位置、被告人梶井の胸の内、次々と明かされていく周囲の人との関係やその人たちの考え方見方など書き連ねられていて引き込まれた。被害者たちは梶井に直接手を下されたのか、急に構ってもらえなくなって自分でそうしたのか。女性だろうが男性だろうが自分の好きにし、好きなものを食べて思うように生きていけたらいいと思う。
すごい
相変わらず柚木さんの作品は読んでて、丁寧な描写のため安易に想像できる素晴らしい料理達!なんじゃこれめっちゃ美味しそう!と刺激された食欲が、人間らしいというか、あー、、、、って感じの女のドロドロした闇や裏切りを見せられて、ズーーーンと凹んでって、やっぱ元気なときにしよう、、、、っていう、、、なんとも言えない後味を残してくれます
自分がどっちかって言うと、リカ達のキラキラ系頑張る女子ではなく、カジマナのような外見なので、なるほど納得な部分多い
美味しいもの食べて、太って何が悪いって感じ
食べたいもの我慢して、痩せるのが本当にいいのか?
、、、って思っても、やっぱ骨の髄まで「痩せてるほうが美しい」となってる世間はとても怖い
いやー、、、大変面白かった!
Posted by ブクログ
読んでよかった
よかったけど、正直日本のルッキズムみたいな部分にしんどさを感じながら生きてきた当人からすると途中で辞めようかと思うくらいにはしんどかった(・・;)
梶井は自分の容姿に執着することなく、異性に尽くすことで満たされる、所謂自立した人間のように一瞬思われたけど、そうではなくて、そう生きることでしか尊厳を保てなかったんだろうね。
梶井が元々のサイコパスではなくて、世間が産んだ怪物と思える。
自分の足でキッチンに立たずに、幸せは望む物与えられる物だと信じ続けた被害者男性たちも虚しいですね、
Posted by ブクログ
個人的には大ヒット。先が気になり読む手が止まらず、何度もネタバレを見ようとしてしまいました。
ただ、扱う内容が社会問題に切り込むタイプだったりもするので、人は選ぶかもしれません。また、現実に殺人犯としてのモデルがいる関係かもしれませんが、「動機」とか「結局どうなったの?」のエピソードが弱く、スッキリしない部分もありました。
Posted by ブクログ
読んでたらバター食べたくなって自分も主人公町井みたいにカジイマナコに洗脳されていっている気分にされた。
カジイみたいな自分に新しい扉を開かせてくれるそんな人に出会ってみたいとも思わせられる本
Posted by ブクログ
基本は「羊たちの沈黙」の構成で進んでいくが、サスペンス的な面白さだけでなく本作が全体を通して主題としていることが溶けたバターのように心に纏わりついて、世界を見る面白さを一段階面白くさせてくれるような作品。どうしてこんなに小さな違和感を見逃さないんだろう。柚木麻子先生の凄いところは、その違和を解決したりきれいさっぱり解消することではなく、違和を含んだ世界のまま明るい変化をこちらに感じさせてくれるところだと思う。
あと、エシレのバターが無性に食べたくなる
Posted by ブクログ
バターを見ると本作が頭をよぎるくらい。私もカジマナに翻弄されてしまっているのかも!
いつもは時短で低カロリー薄味を意識して料理しているけど、たまにはゆっくり時間をかけて豪華な食材で美味しい料理を味わうのもいいかも。バターだけは絶対かかせないな。
最後の新居での七面鳥パーティーの様子が微笑ましかった。
事件とグルメの巧みな融合。
素晴らしかったです。
Posted by ブクログ
一人称と三人称が入り混じった文体なので、普段読むのとは異なるからか最初少し戸惑いましたがお話が面白いのでのめり込むように読み進めることができました。
カジマナによって、町田の価値観が作り変えられていく様や、それに気付き町田自身が変わっていく様、それによって周りも成長していく様が良かったです。
カジマナと町田に友情が生まれたらよかったなと思ったけれど拒絶したし求めなかったのはカジマナなので因果応報というか、仕方ないですね。
食べ物の描写もすごく多い本作なので、食欲はそそられました。
バターが食べたい。
Posted by ブクログ
犯罪小説のようでいて、人とのかかわりのあり方に向き合わせてくれた。絶対的な繋がりなんかなくて、必要と思ってもらえた時に力になれたらいいし、どんな関係の相手であれ自分がピンチの時に助けてと言える人がいるということがどれだけ幸せなことかと思う。周りにいてくれるみんなのことをこれからも私なりに大切に愛したい。
Posted by ブクログ
前半はずっしりとした描写になかなかページが進まなかったが、なんとか読み切った。妄想に囚われて、自分で自分を追い詰めないように気をつけよう。これからバターを使うたびに、この本のことを思い出しそうだ。最後の七面鳥は美味しそうだった。
Posted by ブクログ
他人の人生を咀嚼し、味わい、骨の髄までしゃぶり尽くす彼女と、適量を知らない私。
官能的でエグ味のある料理に、女の生き方が記されているようだった。シンプルでコクがあってカロリーが高いバターに準えた良作。
Posted by ブクログ
面白くて一気読み!
主人公の視点(というか思考?価値観?)がコロコロ変わるからそれに振り回されるのが楽しかった。
あとは何といってもレシピがどれも美味しそうで…夜に読んだらたまらない
センシティブな内容を扱うけれど、誰でも読みやすい形に仕上がってて後味も良いのが凄いと思う。
まーなんか深く考えさせられるというよりはエンタメとしての場面展開の鮮やかさが目立つ感じで、ドンピシャ好みではないけれど、でもでもとても楽しい読書体験だった!
Posted by ブクログ
スレンダーな体型が美しいとされているこの世の中で、梶井や里佳のように自信の欲に素直に美味しいものを食べて心身ともに健康にありたいとも思った。エシレバターやカルピスバターを買って真似して食べてみよう。
Posted by ブクログ
4.0
最初は推理ものかと思ったが、人間成長物語だった。
描写が細かくて、こんなに読者に頭で想像できる文章を書く作者は料理物向いてるなと思った。時々細すぎて想像出来すぎるがゆえ気持ち悪いと感じる文章も出てきたけど、主人公の忙しい日常が美飯によってゆっくり感じられたり安心して読めてよかった。
みんな何かを理由にして悲しい思い出にしたり、悲劇のヒロインになったりするけど、そのせいでとか人を理由にして結局自分のケア(豊かな食生活とか健康)を怠っているだけだという自分にも重ねた時その甘えを指摘されたような気がして、改めて考えようと思った。読んでいる間乳製品やバターがたべたくなって探して食べていた。セブンでバター醤油おにぎりが売っていたのも、思い出込で良い。
匿名
バター
一見、男性にだらしなく危ない感じかと思われたカジマナだかそんな彼女と話すたびに魅了され変わっていく里佳。カジマナの男女や食への考え方は変わっているというかどこか達観していてなんだかはっとさせれる。カロリーを気にして絶対できないけどバターを思い切り食べたくなる。
Posted by ブクログ
サラサラ読めますが長かったです。
文庫の裏面のざっくり解説で読みたくなったのですが、カジマナは本当に殺人者だったのか。よりも雑誌記者の里佳さんとその周りの人たちの私生活が、刻々と変化していく状況がうまく構成され面白かったです。
殺人疑いで東京拘置所にいるカジマナに何度も取材面会を続けていく里佳さん。
真実を明らかにするために話しを聞くのだが、ご飯の上にバターと醤油、バターのせラーメン、バターのたくさんの料理が美味しそうで、わたしも含めてカジマナワールドにハマり、お腹空きます。
しかし登場人物のあまりにも考えられない行動が過剰過ぎて、なかなかそんなキャラいないかなと、ちょっと非現実的にも感じます。
特に感動するようなところはないなと最後に差し掛かるあたりで、「私の七面鳥を食べにきてくださいね」のシーンで、油断して目頭熱くなりました。
数年前の首都圏連続不審死事件が元ネタらしいのですが、その事件のワイドショーの印象が強く、あの木嶋容疑者がカジマナの顔に見えてしまいます。
女性側からのアンチフェミニズムを主張するってあまりイメージなかったが、実は隠れアンチフェミニズムがいるのではないかと、決めつけは良くないなと勉強になりました。
Posted by ブクログ
人気作品という事で気になって手に取りました。
日本とイギリスでカバーのデザインが全然違います笑
個人的には読むのが難しかったかも...
カジマナの悪魔的な魅力に引き込まれる主人公の心が徐々に崩れていく描写が何かゾワっとさせる感覚があって面白かったです
Posted by ブクログ
自分はあまり周りの価値観や固定観念に縛られるタイプではないし、仲間といえる人がいるわけでもないからか、うまく消化できなかった。どちらのことも、そんな人たちが、いるのか、そうだよな、と思ってしまった。
Posted by ブクログ
インパクトのある表紙。
イギリスで日本人初の3冠達成、
全世界、累計100万部突破、
世界37ヵ国で翻訳決定!との帯が。
私が買った版は、限定リバーシブルカバーらしく、裏返すとイギリス版のカバーが。
現実の事件、その犯人をモデルにしているのは有名で、その犯人を追う女性記者の物語。
ルッキズムやフェミニズムに対する批判や、女性同士の恋にも近い友情、両親、特に父親との関係の暗さ、そしてタイトル通りバターと数々のレシピが現れる。
美味しそうと思いながらも、たまに食指気味にも。
結局はパッとしないルックスの犯人がなぜ、このような事件を起こしたのか、完全なノンフィクションではないので、そこを求めて読むとズレてしまう。
結局、犯人や記者たちを通して、現代社会の生きるレシピを求めすぎる人間の病理を浮き彫りにしていて、上手く纏めた印象。
モデルの犯人とされる、死刑囚のブログを読んでみたが、著者に無茶苦茶キレてるのが頭に残りました(笑)
どこまで本気かは置いておいて。
Posted by ブクログ
主人公の記者が、連続殺人犯とされている容姿の醜い女性の記事を書く為に面会を繰り返す。
その内にだんだんとその女性に翻弄されていく、記者はどうなるのか...みたいな内容?ですかね。
【良いところ】
食材や食事の表現が素晴らしいと思います。
口の中に味を感じれるような表現力。
全体を通して読みやすい文章。
【イマイチなところ】
前半の展開がほぼ動かない、長すぎる。
長い割に落ちがパッとしない
途中から食レポにうんざりしちゃう
Posted by ブクログ
読んでる途中からバターと美味しい物を食べたくなりました。自分が食べたい物を思う存分たべようと思えました!ストーリーもいろんな人の心情が入り混じり、事件と人との関わり、展開に夢中になりました。
タイトルの意味がわかり、バターを買いに行きたくなりました!
Posted by ブクログ
大好きだった恋人と別れた理由が、誠と里佳の別れ話とまるで同じだった。
ストイックで努力すれば何事も解決できると思っていて、太ることは自己管理ができていないからで、相手に対する愛情不足の現れだと言われた。
付き合った頃より太ったとしても、美味しいものを頬張って幸せそうにしている姿を愛おしいと思う私がおかしいのか?それを相手に求めるのは傲慢だろうか。
昔から男に体型を批評されてきた。痩せていたときはぽっちゃりした人が好き、太ったときは努力不足、もっと胸があった方がいい、ない方がいい。聞きたくもないのに心に残った細かい傷跡が消えない。
この本がベストセラーになることが世界中に仲間がいる証に思えてそれが嬉しい。