【感想・ネタバレ】BUTTER(新潮文庫)のレビュー

あらすじ

男たちの財産を奪い、殺害した容疑で逮捕された梶井真奈子(カジマナ)。若くも美しくもない彼女がなぜ――。週刊誌記者の町田里佳は親友の伶子の助言をもとに梶井の面会を取り付ける。フェミニストとマーガリンを嫌悪する梶井は、里佳にあることを命じる。その日以来、欲望に忠実な梶井の言動に触れるたび、里佳の内面も外見も変貌し、伶子や恋人の誠らの運命をも変えてゆく。各紙誌絶賛の社会派長編。(解説・山本一力)

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Posted by ブクログ

柚木麻子作品を読むのは4冊目!
「ランチのアッコちゃん」は合わなかったけど「嘆きの美女」は爆ハマりした。
そしてBUTTER!!!爆ハマりした!!!

女性の抱えてるタスクみたいなもの?世間から求められてるとされてるもの?なんか、そういう苦しさからの呪縛と解放というか……。
村田沙耶香の「世界99」もそうだったように感じたけど、女たちが「女」という枠組みから出ようとしてるな、という感じがする。人間になろうとしている。女たちは女たちの手で、いらないものははねのけ、欲しいものを掴もうとしているというか……。

そして同時に男性の生きづらさも描いているように思う。
「誰かに選ばれないと」「誰かに必要とされてないと」、そんな気持ちに苦しめられて、よりしんどくなってしまうのは男性なのだろうか……??
女たちはどうなのだろう。女たちは、選ばれることに、必要とされることに、もう、飽きてしまった……??

この小説を読みながら「食べる」についてすごくたくさん考えた。
食べる。食べたい。その時、一番食べたいものを、好きなだけ。

私にとっても梶井は非常に引力の強い女だった。
私はどこかで「我儘な人間に振り回されたい」という欲があり、自由に生きてるような人間に憧れを抱くところがある。だから梶井に惹かれてしまった。
梶井はつまらない女だ。食べることと男のことばかり考えていて、中身がない。自分の外側を教養で覆って、自分を守ることばっかりに頭が働いている。利他的なところがない。全部自分のため。つまらない女だ。でも、愛おしい女だ。

エンタメ小説としてもおもしろかった!
さらーーっとした文章で感情が薄い感じがするので目が滑ることはあったが、手のこもった料理がしんどくなるときがあるように、感情だらけの文章もしんどくなる。今の私にはこの文章が合っていた。

自分の食べたいものを自分で作るということは自己肯定感が上がる行動だ。
私はあまり料理が得意ではないが、それでもほぼ毎日自炊している。自分の食べたいものを食べたいから。温かいものを食べたいから。体にいいものを食べて自分を安心させたいから。

田舎に住んでるから近所に成城石井すらないので、読書中はスーパーに売ってる安いバターでバター醤油ご飯、じゃがバタ、あさりのバター醤油、ニンジンのバター焼きなどを作った。まだバター余ってる。
そのうち都会に行ってエシレのバターを買いたい。
バターの美味しさに打ちひしがれたい。

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2026年05月11日

Posted by ブクログ

気がついたら、たらこパスタにバターをたっぷりのせて食べていた。観察していたはずのかじまなに、取り込まれていた。

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2026年05月07日

Posted by ブクログ

ネタバレ

すごい作品です。世界的にヒットしたのも納得です。次の文が刺さりました。

 どんな境遇であれ、少しでも快適にしようとする女の知恵、自分好みに環境をカスタマイズできる女の逞しさを、保守的な男ほど疎んじるものだ。でも、それこそが彼らが女になによりも求める家事能力の核に他ならない。どうしてその矛盾に気づかないのだろう。家庭的な女でさえあれば、自分たちを凌駕するような能力を持たない、言いなりになりやすい、とどうして決め付けているのだろう。家事ほど、才能とエゴイズムとある種の狂気が必要な分野はないというのに。

 バターがすごく食べたくなりました。

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2026年05月07日

Posted by ブクログ

これほど現代の人間にまつわる欲を美しく、かつリアルに描いた物語はないだろう。前評判が高く期待度もあったがそれを超えてくる作品だった。

なんとなくだが欲というのは相互補完されている気がする。何か足りないものを満たすために必ずしも直結する欲を満たす必要があるとは限らない。(満たされていない愛情を食欲で満たすなど)

梶井もリカも怜子もみんな何かが満たされていない。それはほんとは食欲とか性欲を満たしたところで解消されるものではない。そんなことわかっていても、人は少しでも満たされるために美食にお金をかけ、セックスをする。

前半はとくに食欲の湧く描写が散りばめられており、読んでいるとお腹が空く。この作者は欲を肥大化させる描写が上手い。リカも最初は気づかなかった自分の欲を、梶井を通して肥大化させていく。

しかし空腹感はいきすぎると飢えにもなる。
最初はこんな自分が好きだと開き直ってみても、欲に忠実になれない周りを嘲ってみても、いつしか肥大化しきった欲が自分を振り回す。もちろん欲に振り回されることでリカがまた新たな自分を見つけられたことは確かだが。

この本のテーマは普遍的かつ現代的な人間関係とそれにまつわる悩みを描写していると思う。少し特異な描き方だからわかりにくいが、女囚と記者というおよそ自分とは遠い人物の話であっても自分に近い人間が描かれていると感じる。

リカにも怜子にも梶井にさえも私はなる可能性があったと思う。でもまだなってない。私はまだ欲に忠実になりきれてない。いつか自分の欲と向き合う時、その欲で悩んだ時、私はきっとこの本を読み返すだろう。

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2026年05月06日

Posted by ブクログ

読後の第一印象は、「とにかく濃い」。
面白いが、軽く読めるタイプの作品ではない。
確実にエネルギーを持っていかれる。
脂っこいご馳走を食べるようなイメージ。

特に印象的なのは、料理と食事の描写。
そこには執着や欲望、生き方が滲み出ている。


現代は、女性に求められるものがあまりにも多い。
容姿や体型はもちろん、仕事も、家事も、対人関係も。どれも高い水準が暗黙のうちに求められている。
男性にも同様のプレッシャーはある。
ただ、少なくとも「容姿」に関しては、女性の方がより厳しい視線にさらされている場面は多いのではないか。
私は男であるため、今の世の中は女性が生きやすい社会になってきていると単純に思っていた。
改めて女性目線の本作を読み、その息苦しさを強く突きつけられた。

読後、自分自身の価値観や無意識の偏見について、ふと立ち止まって考えさせられる一冊だった。

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2026年05月05日

Posted by ブクログ

主人公を追体験するように、カジマナという女に惹き込まれ、まるで恋をしているかのような、崇拝者になりかけていた。文章だけでそうさせる女。恐ろしい。

女は女神にならねばならない。男性を包み込むように、その余裕を生み出すためには自分自身にストレスや我慢があってはならない。だから好きな時に好きなだけ、求めるだけ食べる。相手に求められるように相手のためを思い体調までも配慮した料理を先回りして提供する。一理あるように思えるけど、
とても素敵な配慮できるまさに"女神"じゃーんって思ってしまいそうだが、それはエゴでもあり他人軸で生きている人である。自分が見たい世界の切り取り方をしてしまっていないか?気をつけたいね、、、

大切な人のために、時に強引に押し付けがましくも歩み寄りただそばにいるだけでもいい、何か必要なものを必要な量分け与える。各々、自分の世界で生きていきながらその活力を必要な時に適量に持ち寄れる関係性はとても大事だなあ。

私は自分が今食べたいものを食べに出かけ1人飲みをしたり、カフェでぼーっとしたり食べたいものを適当に作る雑な1人時間を過ごしてしまうのだが、それもある意味自分を可愛がる適量を知っているような気がする。たまに、刺激を求めまだ距離のある人と関わりに行ったり学生時代の友人と会ったり。コミュニケーションが上手い方とは思わないが、それなりなよき関係もある。女性同士の連帯と書くとめちゃくちゃフェミニズムに聞こえるかもしれないが、なんかそんな社会派ではなく、ただギャルとしてゆるく繋がり合う場が皆いま求めている繋がりなのかも

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2026年05月04日

Posted by ブクログ

某婚活殺人事件をモチーフに、こってり濃厚バターで仕上げた女性の生き様を描く、というお話(?)。

カジマナさんとの面会により心も身体も変化していく記者とその周りの人たち。食の描写が素晴らしく、文章だけで美味しさが伝わるようだった。

バター醤油ごはんが食べたくなりました。
あと、ハヤシライスを作ろうと思いました。

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2026年05月04日

購入済み

雑誌記者の里佳は、連続殺人の被疑者であるカジマナの独占取材権を得るべく、かぐや姫のような彼女からのオーダーに応えようと奔走します。里佳の親友である伶子もまた彼女の悪意に翻弄されます。
実際にある有名な事件をモチーフとしているように感じました。主題は社会から求められる正しさや、女性らしさや家庭観などに疑問を投げかけることと、様々な形の友情なのかと思いました。
生々しい料理の描写が特徴的で、作中に登場するたらこパスタをつい作ってしまいました。フランス映画のようだと感じる瞬間がありました。

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2025年12月28日

私がこの本の存在を知ったのは滞在先のイギリスでした。昨年のクリスマスの頃、突如店頭に山積みになり文字通りのベストセラーとなっていた光景をよく覚えています。以来ずっと気になっていました。読み始めて、最初に刺さったのがバター醤油ご飯の描写です。バターとご飯、それをこれほどまでに美味しく描いた本がかつてあったでしょうか。そこから続く、まさに垂涎ものの食べ物の数々。一方で、その後ろで肥えていく主人公里佳の、揺らぐ女性としての価値観。彼女がインタビューした受刑者梶井真奈子と関わる間に得たもの、失ったもの。混然と混じり合うこれらの中から里佳が最後にどう答えを出して、自らの人生の道を決めることにするのか、最後まで息を詰めて読み進めました。この本が海外で高く評価を得たこと、そこに普遍的な他者から向けられる視線や、生きづらさ、孤独、そういったものを見たように思います。女性だけでなく、男性もまた共感できることが多いのではないかと私は感じました。

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2025年08月05日

QM

購入済み

被告人の生き様について

前半は「あぁバター美味しそう、、、」くらいの感想しか浮かんでこなかったが、読んでいくうちに女性の世の中での立ち位置、被告人梶井の胸の内、次々と明かされていく周囲の人との関係やその人たちの考え方見方など書き連ねられていて引き込まれた。被害者たちは梶井に直接手を下されたのか、急に構ってもらえなくなって自分でそうしたのか。女性だろうが男性だろうが自分の好きにし、好きなものを食べて思うように生きていけたらいいと思う。

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2024年07月21日

購入済み

すごい

相変わらず柚木さんの作品は読んでて、丁寧な描写のため安易に想像できる素晴らしい料理達!なんじゃこれめっちゃ美味しそう!と刺激された食欲が、人間らしいというか、あー、、、、って感じの女のドロドロした闇や裏切りを見せられて、ズーーーンと凹んでって、やっぱ元気なときにしよう、、、、っていう、、、なんとも言えない後味を残してくれます

自分がどっちかって言うと、リカ達のキラキラ系頑張る女子ではなく、カジマナのような外見なので、なるほど納得な部分多い

美味しいもの食べて、太って何が悪いって感じ
食べたいもの我慢して、痩せるのが本当にいいのか?

、、、って思っても、やっぱ骨の髄まで「痩せてるほうが美しい」となってる世間はとても怖い

いやー、、、大変面白かった!

#切ない #深い #怖い

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2022年06月01日

Posted by ブクログ

まんまとしてやられました
私はこの本に出てくる試せるであろう料理は結構試しまして、バター醤油ご飯、バターラーメン(新宿の特定したバターのは期間限定みたいでもう無かった)、ベシャメルソースから作るグラタン、シンプルバターのせたホットケーキ!そして常備してあります。雪印のバターが今も冷蔵庫に!
そんでもってバターの食べ過ぎで体脂肪は30%を超えまして!この本にとても魅了されてました!

フレーズなんかメモしてるなぁと思って見返したらカトルカールの作り方でした
私がこの本に惹かれたポイントは確実に美味しそうな料理とそれを味わう主人公の様子です
結構細かく書いてあるので私がこの本を手に取るときはまたバターが食べたくなった時でしょう

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2026年05月10日

Posted by ブクログ

 普段ミステリーばかり読んでるから、こういう社会派な小説は最初少し構えていたけど、読み進めるうちに梶井の本質や、りかの気持ちがジワジワ入ってきて。自分はいつも小説に分かりやすい展開とかオチを求めがちだけど、読み終えたあとのこの満足感は、ミステリーの解決とはまた違う、久しぶりの感覚だった。
 無意識に縛られてたジェンダー観とか、女として、男としての見られ方とか、普段なんとなく感じてたモヤモヤを突きつけられた感じがある。女性なら誰しも思う社会への違和感や、対男性への複雑な思いがすごくリアルに表現されていて、これは男女関係なく読んで損はない一冊だと思う。
いや〜、本当におもしろかった。とりあえず、銀座ウエストのバターケーキが食べてみたい。

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2026年05月09日

Posted by ブクログ

はじめは、有名な事件を題材にした小説ということに興味を持って読み出した。
ところが読み進めるうちに、事件の真相とか背景とか以上に、主人公である記者とその周りの人の関係性とか、彼女の人生の再出発みたいなところに重きが置かれているのが、意外な展開だった。と同時に、そこが小説らしくていいなと思った。

の後半で出てくる、印象に残った主人公の言葉。

「私、結婚ってまだよくわからないけれど、浮気とか不倫っていう意味じゃなくて、逃げ場があった方が辛くならないように思うんですよね。行き詰まった夜に、ふらりと散歩して珈琲を一杯飲めるような場所。そこに、旦那さんがふっと迎えに来てくれたら、十分なんじゃないでしょうか。家族だからって、全部を共有しなきゃいけない必要はないのかもしれないし」

仕事に明け暮れ、プライベートなんて無いに等しかった彼女が、家族に思いを巡らすようになっている。容疑者との交流を通じて、少なからず、いい変化があったと思う。何事も、どう転ぶか、いいこと悪いことの判断は、その人次第で変わると思う。

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2026年05月08日

Posted by ブクログ

「そう、現代の日本女性が心の底から異性に愛されるには『死体になる』のがいいのかもしれない。そういう女を望む彼らだって、とっくに死んでいるようなものなんだもの。
死んでいるから、生命力を感じさせるものが、怖くて仕方がないの。

女性、友情、仕事、恋愛。
多様性と言いながら、圧倒的半数の意見が物差しになっている今年。自分の適量を増やしたり、時には増やしたりしながら生きていきたい。

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2026年05月08日

Posted by ブクログ

人によって刺さる箇所が違うだろうけど、誰が読んでも面白いだろうな。柚木麻子さん、Twitterアカウントお持ちの時にフォローしててファンだったけど、小説家として素晴らしい‼︎

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2026年05月06日

Posted by ブクログ

読み始めてすぐにゾクゾクした。拘置所へ面会に向かう辺り。得体の知れない相手との会話。バターを勧められる会話。まるでバターが全てを変えてくれるのではないか?という期待と魔法が混ざり合った、完璧で不思議な食材。ここの描写で私もスーパーでやや高めのバターを買った。溶けて食べてしまっても、血肉になったという事実は変わらない。彼女自身がまるでバターのような存在だったのだろうか。

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2026年05月06日

Posted by ブクログ

「別にどれか一つで満腹にならなくてもいいし、なにもかも人並みのレベルを目指さなくてもいいのにね。自分にとっての適量をそれぞれ楽しんで、人生トータルで満足できたら、それで十分なのにね。」
バターをふんだんに使うことって罪悪感はあると同時にすごく幸福度が高いと思う。デニッシュもフィナンシェもバターケーキも、これでもかというくらいバターを使う。それでも、食べたいものを自分の手で作って食べることは、自分を大事にしているということ。自分を大事にすることの大切さをこの本を読んで感じた。

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2026年05月06日

Posted by ブクログ

女性の考えはわからないことが多いが、人間の弱さのようなものが散りばめられている気がした。自分に素直になるのがいちばんの強さということか。梶井真奈子は幸せだったのか否か、考えてしまった。

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2026年05月06日

Posted by ブクログ

作品について何も知らないままただ海外で人気で日本でも徐々に人気になっている本ということで気になって読んでみた。

物語に何度も出てくるバターを始めたした食べ物の表現がとても鮮明で想像しやすく、表現方法がとても好きでした。
人間関係や感情の変化、社会情勢などいろんな物が混じっていて自分にも重なる部分もあってとても好きだった。
話の内容はすごく好きだし本自体はとても良いんだけどあれだけ分厚くて読むのに体力がいるような本なのに終わり方が達成感がなくえ?終わり?って感じだったからそこだけ残念だな。
最終的な対立とかもないし不完全燃焼感がある。

でもこの本のモチーフになった実際の事件を調べたりこの小説のいろんな人の感想をみたりしている自分が物語の中でカジマナに翻弄される里香のようになっているなと思ってしまい、終わり方が呆気ないのも読者をこの作品に引き込むためなのか?これも全て計算なのか?と思った。

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2026年05月05日

Posted by ブクログ

単純にバターを、高級なバターをたっぷり食べてみたくなる。

甘露な人目のよい生き方だけではなく、女性の、男の、人間のどろどろとした脂っこさはマシマシで描かれている。
よくも悪くも結構みんな自分勝手。でもそれもいいねってことなのか。

欲望のまま肥ることは簡単だけど、元に戻ることはパートナーがいて、子どもがいて、親家族もいたら本当に難しい。
それでもやっぱり美味しいバターを食べてみたいなと思う。

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2026年05月05日

Posted by ブクログ

文庫に掲載されている山本一力さんの解説で納得した人は多いんじゃないかなー?バターが溶けるには熱源が必要、そこから主人公の記者里佳の人間関係や再生を描いて凄く良かったです。
モデルとなった事件や加害者が居ますが、あくまで里佳が主人公であり梶井は供えものでしたね。

梶井が人を虜にするテクニックとは?

里佳は独占インタビューを受けるための取材過程とはいえ、途中心酔しかかってたのはストックホルム症候群ぽいなと思いました。 梶井自体は、主に高齢者か女性経験がない中年をターゲットにしていたが、完全に胃袋と丁寧な所作により魅了していた。梶井のルックス云々の描写もあったが、清潔感やその他価値観により変わるからね。 ブラジルでは胸部より臀部が大きい女性がモテるし、オセアニアの原住民を魅了するのはぽっちゃりした女性ですから。首長族という首の長さに美を見出す部族もいる。

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2026年05月05日

Posted by ブクログ

読み始めた時はどういう風に展開していくんだろうと思っていたけど、どんどん話にのめり込んでいった。
人間の嫌な部分もいい部分も感じられる作品だった。
食べ物の描写がとても美味しそうだったし、最後のシーンのようなパーティーをしたい。

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2026年05月05日

Posted by ブクログ

最初はミステリーと思って読み始めてた。カジマナは本当に殺害したのか、どんな人物なのか、その謎を追ってたはずなのに、気づけば彼女自身に惹き込まれてた。

特に印象的だったのは、彼女の「自分の体が好き」という感覚。見た目を気にせず、自分の食べたいもので
できてる体を肯定している姿は、他人の目線を意識してしまう現代だからこそ、どんどん惹かれていったのだと思う。

一方、中盤からは、自信満々でお姫様のように見えていた彼女が、実は人(特に女性)との関係をうまく築けず、孤独を抱えた人だったのではないかと思えてくる。その不器用さや寂しさが見えてからは、どこか哀れさも感じた。

また、この本を読んで、料理に対する考え方も少し変わった。これまで料理は「誰かのためにするもの」という感覚が強かったけど、「自分の体のために作る」という発想がすごく新鮮だった。エシレのバター醤油ご飯から食べてみたいと思ったくらい、料理の描写が丁寧で魅力的だった。見たこともない料理でも、「おいしそう」「食べてみたい」と自然に思わせる文章の力がすごい。

さらに、料理だけではなく、不妊治療や夫婦のすれ違い、仕事への向き合い方など、人生のさまざまなテーマが描かれていたのも印象深い。何事も頑張りすぎるのではなく、自分が壊れない程度の“適量”を見つけることが大切なのだと感じた。

ミステリーとしての面白さでなく、「どう生きたいか」「どう自分を愛したいか」を静かに問いかけてくる作品だったと思う。

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2026年05月04日

Posted by ブクログ

ギュンっと引き込まれるというよりも、徐々に引き込まれていく作品でした。

半分まで読み進めればあっという間に読み終わってしまった。

自分の生き方を見直す機会になった。
友人との旅の前に読めてよかったかもしれない。

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2026年05月05日

Posted by ブクログ

数年ぶりに再読。驚くほど内容を忘れていたけれど、おかげで初読のような鮮烈な衝撃を味わえた。

柚木先生は、強烈な他者を『鏡』にして、自分でも目を逸らしてきたドロドロした部分を直視させ、そこから変化していく女性を描く手腕が本当にピカイチ。読みながら自分の価値観もバターが溶けるように一緒に溶かされていくような感覚を味わう。
読後にバター醤油ご飯をかき込んだ。

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2026年05月01日

Posted by ブクログ

「イギリスで日本人初の三冠達成、37カ国語で翻訳、世界で100万部突破」につられて手に取った。

圧巻のミステリーで女の心を舞台にした「ロマンス詐欺」の物語だ。人間心理の不条理が身につまされ、不安なもやもやが読後も続く。

柚木麻子、恐るべし。
以前彼女のものをよく読んだが、この作品の筋立てと表現力はそれらをはるかに上回る。

美人でもない小肥りの中年女、毒婦が次々金持ち老人に取り入り、財産を奪い殺したとされる事件である。
週刊誌記者町田里佳が殺人容疑で勾留中の梶井真奈子(カジマナ)に面会し聞き取り調査をする。
追求する者される者、女同士の駆け引きが互いの心の襞を曝け出しぶつかり合う。梶井の生い立ちを遡り、男に承認されたくて歪んだ過去を暴く。
里佳は梶井に影響され、料理にのめり込み太る、そしてコントロールされる。
二人の関係は終章のどんでん返しで終わる。

梶井の男を籠絡する手段は「丹精込めた」料理でありバターを使ったレシピであった。全編を通すグルメ描写が食欲を唆り物語の背景をなす。
心とグルメの屈折した構成は表現の妙をえて世界の読者も惹きつける。

温もりに飢えて翻弄される男の末路も悲しい。

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2026年05月04日

Posted by ブクログ

・料理の描写が非常に丁寧に描かれている。お腹が空くし、実際にバター醤油ご飯は作って食べてしまった。
・周囲の目を誰よりも気にして、優位でありたいとする被告と、世間の持つ女性へのルッキズム。
・共感できる事ことは多く無いが、自己の感覚と世間とが抗っている人が一定数いるのだと学んだ。
・文量も多く、内容としても少し難しめの本だが、イギリスを中心に大ヒット。日本だけでなく、世界から見ても(世界の方がより)その風潮があることを学び、視野が広かったと思う。

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2026年05月07日

匿名

購入済み

すぐに読み返したくなる!

友情、恋愛、家族、たくさんの内容の濃いお話しでした。

#ドキドキハラハラ #タメになる

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2023年05月13日

匿名

購入済み

バター

一見、男性にだらしなく危ない感じかと思われたカジマナだかそんな彼女と話すたびに魅了され変わっていく里佳。カジマナの男女や食への考え方は変わっているというかどこか達観していてなんだかはっとさせれる。カロリーを気にして絶対できないけどバターを思い切り食べたくなる。

#深い

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2022年10月27日

Posted by ブクログ

物語としては面白かったものの、「結局、自分は何を感じ取ればよかったのか」が最後まで掴みきれない作品だった。

作中では、“女性はこうあるべき”という価値観や、愛・性・食といった強い圧力が繰り返し描かれる。しかし、その息苦しさに対して、明確な反論や救い、答えが与えられることはない。

梶井の言葉が真理だったのか、里佳がこの経験を通して何を選び、どう生きていくのか…その結論はすべて読者に委ねられているように感じた。

読み進める中で常に「何かおかしい」「でも言語化できない」という違和感が常に付きまとい、少し不気味で、すっきりしない感覚が残る。
けれど、その“答えを与えてくれなさ”こそが、この作品の怖さであり魅力でもあるのかもしれない。

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2026年05月07日

Posted by ブクログ

ネタバレ

ラスト70Pで地獄に突き落とされたので、
どう終わるんだろうと思ったが、
みんな前を向いて生きていく終わり方で良かったです。

ただ場転する時など説明が長く、
いまなんのシーンを呼んでるのかわからなくなることが多々ありました。


バター醤油ご飯いつかやってみたい。

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2026年05月07日

Posted by ブクログ

想像していた話と違った。
(勝手にミステリ系なのかと思ってたけど、これミステリではないですよね…?)
出てくる料理たちはとても美味しそうで、バター醤油ごはんを食べたくなる。
もちろん良いバターで。

カジマナの人を自分の手の上で転がす能力?はすごいと思った。
最終的に何を伝えたかったのかが、私の読解力の無さのせいなのかわからなかった……残念。
里佳がただただ絶望して終わるのではなく、再生に進んでいく終わりは良かったと思った。

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2026年05月07日

Posted by ブクログ

海外で大人気というのでどんなもんだろうと読んでみることにした。内容について私は事前情報なしに読み始めたのだが、題材となった連続殺人事件とその犯人については、もうかなり時間が経過しているにもかかわらず、あの事件だとすぐに思い出すことができた。
収監されている被告への取材中の言動に記者は翻弄され影響を受ける。さらにその事件と事件関係者の異様さを掘り進めるにつれ、記者の変容により記者の身の回りの人間にも影響が及び、人間関係も変化していく、という話だ。
読み終わってみると、登場人物が紡ぎ出す物語より、実際に起きた事件の異様さが目立つ。この物語を動かしていく原動力となっているのはその事件の異様さである。その事件の要素を外してみると、小説としては特段評価できるほどのものでもないかと。
改めてこの事件をWikipediaで読んでみた。私がこの作品を読み始めた時、ちょうどこの本の版権を新潮社から河出書房新社へ移動するというニュースが出てなんとタイムリーだと思ったものだが、それよりもWikipediaに載っている、(この事件の犯人は)2019年4月24日には、『週刊新潮』(新潮社)のデスクの男性と3度目の獄中結婚をしたと『週刊文春』が報じた、とあることの方が驚きましたね。この本の最初の発行はWikipediaによると2017年4月21日新潮社。事件に関する取材はこの結婚したデスクの男性?そしてこの著者柚木麻子さんはその内容に創作要素を織り込んで小説という形に落とし込み、新潮社から発売したということか?獄中結婚までするのにそのデスクの男性はこの小説と無関係ですとは言えないと思うのだが、本当のところは?この小説や版権移動より、そっちのほうが…。記者の友達が単独行動で体当たり取材をしてしまうのは、後付けのパーツみたいで中途半端だなと思ったし、酪農といえば北海道、だと思うのだがそれが新潟になっていたり、他にも所々ううん?と思うところはありましたが、もはやそれらはどうでもいいです。
話は面白かったのですが、この著者はやはり小説家というよりは脚本家だな。事実は小説より奇なり、といいますが、現実の出来事にこの小説は負けています。星は3つが限度。

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2026年05月08日

Posted by ブクログ

かの有名な連続不審死事件を題材とした、物語。面白かったが、作者は何を伝えたくてこの作品を書いたのか、分かるような分からないような…難しい作品。
沢山のバターを使った料理が出てきて、読んでいるうちに自分でも実際に作ってみたくなった。

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2026年05月04日

Posted by ブクログ

フランスのエシレバター…食べることが好きな自分にとっては興味津々の読書の入口でした。単なるグルメ小説ではなく、メニューや調理方法、その食材(乳牛も⁈)に至るまでヒトとの感情を織りなす文言は驚きもあり、ちょっと引いてしまう場面もありました。男女関係なく食を通しての生活、いや信念のような部分についても描かれていました。
バターをプラスした食事が増えそうです笑

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2026年05月04日

購入済み

面白かった

一気に読んでしまった。
とても面白かったけど、同時になんかすごく気持ち悪かった(笑)
このネトネトした感じを描けるのも技量なんだと思う。

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2022年07月25日

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